タオルを口元に持っているままのお陰か、目隠ししてしまっても刹那は脅えた素振りは一切見せない。自らの読みが間違えていない事に満足して、さらにうずうずと刺激された嗜虐心を満たしてしまおうとしている。自分にここまでSっ気があるとは思わなかった…と苦笑しながらニールは本能のままに動き始める。

「っ…」

膝まづいてむき出しの膝に口付けを落とすとぴくりと跳ねる体が可愛くて仕方ない。そっと手を伸ばしてふと止まると邪魔に感じる手袋を脱ぎ捨てて素手をくるりと小さく丸い膝に指を這わせ始めた。

「…ッロックお…」
「うん、手袋取っただけ…」
「…そ…か…」

不意に違う感触が襲ってきて不安になった刹那に宥めるような声音で告げれば、途端に安心したのか強張らせた肩から力が抜けたようだった。それに目を細めると屈んでいた体をぐっと伸ばす。両の手を太ももの上で滑らせて足を開かせるとその間に体を滑り込ませた。手を更に滑らせるとするりとスカートの中へと潜っていく。形を確かめるように撫で下ろせば太ももの裏に辿り着いた指がくすぐったいのか、身を捩った。
その反応に気をよくして腿を抱えながら裏筋を撫で上げればびくんっと背を反り返らせて、逃げるように足が浮き上がる。中途半端に浮いた足は不安定に揺れ、まださわさわと動く指から逃げようとぎゅうっと折り曲げてしまった。

「刹那…気持ちいい?」
「わ…かんな……でも…くすぐったい…」
「ん、ならいい。」

何がいいのか分からないが動きを再開してしまった指に聞く事が出来なくなった。両足とも台の上に上げて折り曲げたというのに指はまだ絡みついてきて、ふくらはぎと密着してしまった腿の裏筋を諦めて内腿辺りを彷徨っている。度々ぴくりと体を跳ねさせながら何とか逃げようとすると両足が横に大きく開いてしまう。当の刹那は指の感触から逃げるのに精一杯だが、今彼女の姿勢はあられもないM字開脚になってしまっていた。

「…んっ…ぅん…っく…」
「…可愛いなぁ…刹那は…」
「な…んっ」

自分の姿勢になんて気が回らないほど指に翻弄されてしまっている刹那を眼下に見てぺろりと舌なめずりする。今自分は酷く獰猛な表情になっていることを自覚しながらニールは、ぴんと指先まで伸びて立てられた太ももの内側へ口付けを落とした。

「ッぁん!」

ともすればタオルを押さえる手が緩み甘い声が毀れそうになるのを必死に耐える刹那は聞いたこともない自分の声に焦りながら半ば朦朧としていた。肺いっぱいに満たされるニールの香りと普段は外されない手袋ではなく彼女の直の指の感覚に狂いそうなほどの狂喜が渦巻いている。きっと今自分の顔は真っ赤で目元にも涙が浮いてるに違いない…それがネクタイとタオルで隠せるのに感謝しながら触れてくる滑らかな指先に酔い痴れていった。

「お…黒のボクサーパンツ…」
「?……ッ!!!???」

いつの間にかメイクアップスペースの上に寝かされてほわんとした心地に流されているとどこか落胆したような声が落とされる。その言葉にはたと我に返り、足元がやけにすかすかすることに気付いた。

「ッ!ッ!ッ!!」
「お前さん…女の子なんだからもっと可愛いの履けよ…」

すかすかする理由はなんてことはない、ばさり、とばかりに捲り上げられているらしいからだ。足をじたばたとして隠そうとしようにも間にニールが体を滑り込ませているので無駄に終わる。その上ため息混じりに言われた言葉に「うー!」と唸れば何故か伝わったらしい。

「ん?お前に関係ないって?いやぁ…そうかもしんないけどさぁ…あ、もしかしてブラもスポーツブラとか?」
「ッ!?」
「…図星か…」

びくっと肩を弾ませて大人しくなってしまった刹那にニールがもう一度大きなため息を吐き出した。くたりと力の入っていない刹那を横にして太ももからじわじわ攻め上がれば可愛い下着が覗くかと思えば男前にも程があるモノトーンのボクサーパンツに行き当たってしまう。期待していなかったと言えば嘘になるが、予想していなかったと聞かれてもNoだ。刹那なら在りうるなぁ…と言う考えが現実のものになってしまうとさすがに脱力を禁じえない。
それにしても…スポーツブラは死活問題だ、と刹那を見下ろしながらニールは頭を抱えてしまう。

「もうちゃんとしたブラ着けておかないと…ほら。」
「んぅッ!?」
「ブラウスの上からでも分かるぜ?このしこり。」
「んっ…んんッ」

薄いスポーツブラとブラウスを僅かに押し上げる小さなしこりに指を這わせれば思い描いたとおりにびくりと背を仰け反らせる。寝転んでいる状態では分かりにくいが、どうやら刹那の胸はそれなりに膨らんでいるようで、手の平に柔らかな感覚が当たっていた。押しつぶすようにくるくると指を回せば気持ち良いのか、無意識だろう、胸を押し付けてくる。素直な躯に理性が付いていけていないのかぷるぷると首を振って襲い来る波に耐えようと懸命な姿はなかなかにそそられる。

「んふッ…ぅん…」
「気持ち良い?」
「ぅ〜…ッん…」
「あー…ホント…可愛いよ、刹那…」

両手をその未発達な膨らみをやんわり持ち上げるように包み込み、体重をかけないよう覆いかぶさるとネクタイに覆われた瞼に口付けを押し当てる。そして理性の糸がぶち切れそうになっているのでそろそろ開放してやることにした。名残惜しげに米神へ口付けを落として押し倒した体を掬い上げてやる。

「はーい、お疲れさ〜ん。」
「う…ん…」

目隠ししていたネクタイを解いてやるとぽやんとした眼差しの瞳が現れた。これはちょっと悪戯が過ぎたかな?と苦笑を漏らしながら乱した制服を直してやる。それをぼんやり眺める刹那の頭を撫でて外した手袋を付け直した。

「そろそろ部屋に戻らないとな。」
「ん…りょうかいした…」

まだふわふわとした返事を返す刹那はじっとニールを見上げていた。さっきまでは顔を合わせるのが恥ずかしくて堪らなかったのに、今顔を見てしまうとどうして逃げていたのかと後悔に襲われてしまっている。柔らかそうなミルクティーブラウンの髪、白くて透き通りそうな肌、キラキラと煌く青碧の瞳はまるで宝石のようで…逃げていた分見逃してしまった事が残念でならない。目の前で膝をついて自分の青痣に処置を施している繊細な手も今自分しか見ていないのがなんだか贅沢に思えてきた。

「ほい、おしまい。」
「…ありがとう…」

シップを貼り付けて「ちょと大げさだけど…」と言って包帯を巻きつけるとあっという間に終わってしまう。救急箱を直しているのを見ていると部屋に戻らなくてはならないのが憂鬱に感じられた。手袋をつけているのに器用に動いてネクタイを締める首元を眺めて襟に光るクラウンを見つめながら、つい、とスカートの端っこを指で掴んでしまう。それに驚いたニールが目を大きく開いて刹那を振り返った。

「どうかしたか?」
「…さっき言ってた…ご褒美…一個…」
「うん、いいぞ。なにしてほしい?」

にっこりと笑って体を正面に向き直してくれたニールを上目遣いでみてきゅっとタオルを握り締める。

「……きの…の」
「うん?」
「…昨日の…してほしい…」
「………え?」

小さすぎて聞こえなかったので首を傾げるとそんな事を言ってきた。まじまじと顔を見れば視線はそっぽ向いているが頬は赤く染まったままだ。どうやら聞き間違えてはないらしい。

「昨日の…って…キス?」
「ん…口が…寂しい…」
「ッ!!!!!」

ぽつりと節目がちに呟くものだからニールの心臓はおかしな具合に高鳴り始めた。思わず荒い呼吸を吐き出してしまう口に手を当てて苦しいくらいに打ち鳴らす心臓をブラウスの上から押さえながら少しでも治まるようにと懸命に耐え忍ぶ。…が………

「…ん。」
「〜〜〜ッ!!?」

なかなか動かないニールに焦れたのか、刹那がぎゅっと目を閉じて顔を上げた。『こういう事をする時は目を閉じる』と言ったニールの言葉通りに動いて、してくれるかどうか分からないがあとは待つだけだ。
そんな刹那に対してニールは今にも暴走してしまいそうな思考を何とか押し留めていた。正確に言えば鼻血が出そうになるのを耐えているのだが…すぅっと大きく深呼吸をして僅かに赤い頬に手を添える。それでもじっと待ち続ける刹那の顔見てごくりと嚥下するとそっと唇を重ね合わせた。

「…ぅん…」

下手すると語尾にハートマークなんかが付いてそうな声を漏らし、刹那は満たされていた。ふわりと唇が微かに触れる程度まで離されて、もっとと強請るように追いかければ角度を変えてもう一度重ねられる。再び降りてきた唇に自ら強く押し付けるように沿わせれば背中に腕が回って抱きしめられた。

「…ぁ…ふ…」
「…満足した?」
「……ん…」

柔らかく微笑みかけられるのにうっとりと頷けばもう一度口付けを施された。
たっぷり口付けを施されて満足すると「しばらくこのまま…」と言われて刹那は未だメイクアップスペースに座りニールの腕の中に納まっていた。先ほどまでの恥ずかしくて居た堪れないという感情もあるにはあるが、それよりも今は心地よい体温にうっとりとしてしまっている。それを知ってか知らずかニールの腕は未だに解かれずにいた。

「なぁ、刹那?」
「ん…なに?」

眠気に似た心地に包まれだした頃、ぽつりとニールが尋ねてきた。

「口が寂しい…って…どういうこと?」
「どうって…そのままの意味だが…」
「ん〜…そのまま…」

正直に言えば納得が出来ないのか曖昧な雰囲気のニールの声が聞こえる。それにどうにか正確に伝えなくてはとたどたどしくも言葉をつづっていった。

「昨日帰ってから…唇に何も当たってない感じに違和感が強くなってきて…指を当てても違うし…ずっとぐるぐるしてた。」
「…うん…」
「でも当てたら当てたで…昨日の帰りのことを思い出して恥ずかしくなって…」
「…で、思わず逃げてたわけね?」
「あぁ。けどやっと分かった。俺はキスが欲しくて…でも…素直に言うのが恥ずかしかった…」
「ん…そうか。」

ちゃんと説明出来ているのか不安であったが言い終わるとニールは了解した、とばかりに頷いて腕から開放してくれた。見上げると嬉しそうな顔をしているから言いたいことがきちんと伝わったことが分かる。頭を撫でられて頬にキスをされるとそっと手を繋がれて作業室へと帰っていった。


 * * * * *


「刹那?具合悪いの?」

昨日、ニールと作業室に帰ってきてからの刹那はいつもと変わりなく、おかしな行動を取る事もなくなっていた。なので特に突っ込んで聞くこともなく、少し調子がおかしかったのだろう、という事で三人は納得する。今日の朝もいつも通り、先に行かずディランディ姉妹と一緒に登校してクリス、フェルトと合流すると教室へ向かった。移動教室も体育の時間もいつもと変わりなく、お昼休憩へと突入する。天気もいいし、と中庭に出て緑の葉が生い茂り始めた桜の木の下でお弁当を広げるとティエリアとネーナも合流した。
「そろそろ衣替えだねぇ」…などと他愛もない会話をしていると刹那がぽやんとしたまま固まっているのに気が付いた。首を傾げつつフェルトが声をかけるとゆるり、と首を動かして視線を合わせてくる。

「…フェルト…」
「?どうかしたの?」
「…『キス』ってなに?」
「ぷふッ!」
「っげほ…」
「………」
「はい!?」
「……え?」

ぽつり、と零された質問にネーナが軽く吹き、ティエリアが飲んでいた紅茶でむせてしまい、那由多はきょとんとした表情で固まっている。クリスは思わず赤面してしまい、フェルトは僅かに目を見開いて首を更に傾げた。そんなまちまちな反応に答えをもらえないと判断したのか刹那はしゅんと首を項垂れてしまう。その刹那に慌てたようにクリスが肩をがっしと掴みにかかった。

「ちょーっ、ちょちょちょちょ…刹那?」
「…なに…」
「『なに』ではない。いきなり何を言い出す。」
「何って…普通に質問をしたかったんだが…」
「だから、その質問は何が聞きたいのかが分からないんだってば…」
「…なに…って…」

赤面と苦笑の混じる中刹那は困った表情を浮かべるばかりだ。質問の言葉が率直過ぎて意図がつかめないという事を正確に伝えればこくりと頷いてくれる。

「言葉の意味は分かる。けれど…それをする意味が分からない。」
「する意味かぁ…」
「…ていうか何でまたそんな質問が浮かんできちゃったの?」
「………ロックオンがよく…頬…とかにしてくるから…」
「あぁ、ね。」

もそもそと告げた言葉は半分本当で半分嘘だ。確かに頬とか米神、額に口付けることもあるが一番聞きたいのは唇同士を重ねるものだ。けれどなぜだか恥ずかしくて言えなくなった。
けれど納得してくれたらしく、宙を見上げて彼女を思い浮かべているらしい。

「ロックオンはフェミニストだから…」
「一歩間違えれば誑しだがな。」
「きっついな、ティエリア」
「間違いじゃないだろうけどねぇ?」
「あはは…でもキスかぁ…」
「する場所によって意味が変わってくるよねぇ…」
「変わるのか?」
「場所によって違うのか?」

意外だといわんばかりの声が二つに増えた。刹那だけかと思いきや那由多も興味があったらしい。寧ろ双子だから疑問も同じところになるのかもしれないと妙に納得してしまったりもした。同じように首を傾げているセイエイ姉妹にずいっと顔を近づけると吊られるように他の面々も近づいてくる。

「一概にそうだとは言えないんだけど…」
「?どうしてだ?」
「うん、人によって微妙に意味が違ってくるって事。」
「…難しいな…」
「心を表すからそうなっちゃうんだと思うよ」
「そうか…」
「で、一般論から引用すると…まずは頬だけど、これは親愛を現してるの。」
「親愛?」
「相手に好意や親しみを抱くことだ。」
「…なるほど…」
「次に、額へは挨拶、手の甲は尊敬を表してる。」
「…舞踏会なんかで挨拶にするやつか?」
「あぁ…まぁ、そんなとこじゃない?」
「で、瞼は憧憬、掌へはお願い。」
「お願い?」
「どうか私をこの手で救ってください、みたいな感じかな?」
「へぇ〜…」
「ま、これはあたしの解釈。次どうぞ。」
「うん、あとドラマとかでもあまり見たことないけど…手首へは欲望を表すんだって。」
「欲望??」
「そうなの?」
「ネットで調べただけだからよくは分からないけど。そうらしいよ。」
「手首ねぇ…」
「ところで…重要な位置忘れてない?」

新たな知識にほぉ〜と一同感心しているとにやりとしたネーナが切り出した。まるでそれを待ってるんですけど、といわんばかりの雰囲気に刹那はきょとりとしつつ、もしかして、と期待を膨らませてしまう。

「忘れてないもーん、メインディッシュだからもったいぶってるんだもーん。」
「まだあるのか?」
「最重要な位置が残っている。」
「キスって言ったら…やっぱり…」
「愛を伝える手段ですからね。」
「「愛?」」
「そ。敬愛とかとは別でね。こめかみとか目尻とか鼻先とかもかな。額にすることもあるけど。愛してやまない、ってのを現すのにあちこちキスしたりするんだよ。」
「愛情を込めた挨拶にこめかみへキスするってのはジュニアがよくしてるよね。」
「アニューさんにね。」
「でも一番大切なのは…」
「「…なのは?」」
「「唇でしょ。」」

互いにびしりと指差しあってクリスとネーナの声が綺麗に重なった。その光景にどうやら『それ』は世界共通であるようだ。ちらりと視線を投げた先でフェルトもティエリアも納得げに頷いてみせる。

「愛を伝える為の究極の場所だよねぇ」
「…究極…なのか?」
「あったり前でしょう!?いい?刹那、唇っていったら…」
「ぅむ…」

ずいっとにじり寄ったネーナにびっくりして顎を引くと、ぷに、と人差し指を唇に押し当てられる。ぱちぱちと瞬きを繰り返してじっと見上げると更に顔を近づけられた。

「相手の呼吸も熱も感じられる場所なの。そこに互いの唇を当てるってことは二人で熱や呼吸すら分かち合いたいってわけ。」
「…ん…」
「それくらい愛してるんだっていうのを伝えるんだけど…」
「…あぁ…」
「刹那の唇ちょっとかさ付いてるわね…」
「?…そうか?」
「舐めてあげよっか?」
「ッ!?」

ぺろりと舌を出して迫られ思わず仰け反ってしまったところを逃がすまい、と両頬を包まれてそれ以上距離を開けるに叶わなかった。どうしよう、とだらだらと冷や汗を流し始めると、コン、と硬い音がして刹那の膝の上に桃色の小さなスティックが落ちてきた。

「いったいなぁ〜。何すんのよ、ティエリア。」
「公共の場でそういった行為は控えろと言っている。」
「ぶ〜…あれ?グロス入りじゃないの?」

ぷっと頬を膨らませたままではあるが顔を離してくれたことにほっと胸を撫で下ろしていると、スティックを拾い上げたネーナが不思議そうな声を上げた。そういえば弁当箱があったはずなのに…ときょろりと首を動かすと、危険を察した那由多が避難させてくれていたようで彼女の膝の上に同じ弁当箱が二つのっていた。

「刹那も那由多もグロスを使うより淡く色付いた物の方がいい。」
「ん〜…それもそうかも。はーい、じゃ、塗ってあげるから動かないでね?」
「あ…あぁ…」
「那由多。これは君の分だ。」
「…ありがとう…」

きゅっと回したスティックから出てきたのは甘酸っぱい香りを漂わせる珊瑚色のリップスティックだった。那由多が渡されたものも同じらしく、ネーナがすることに倣ってスティックを回している。丁寧に塗り終わると掌にぽんと手渡されてまじまじと見てみると金色の箔押しで蔦のような線がハートの模様を描き小さく『kiss』と書いていた。

「相変わらず…ティエリアって準備いいよね…」
「この前唇がひび割れているのを見たからな。昨日薬局で気に入ったものが見つかったから買ってきただけだ。」
「…探し回ったの?」
「た・ま・た・ま・見つけただけだ。」
「「「へぇ〜」」」
「…なんだ?」
「「「別に〜?」」」
「…ふん…」
「ティエリア…これの代金…」
「いらない。」
「しかし…」
「今日の放課後に指定した衣装を着て写真を撮らせてくれればそれでいい。」
「…そんな事でいいのか?」
「充分だ。」
「…分かった。」

ぷいとそっぽ向いたままのティエリアに礼を告げると刹那と那由多は擽ったそうに笑い合った。ふと気付くとネーナがきらきらと輝いた表情で食い入るように見つめて気いるのに気付いた。

「?ネーナ?」
「〜ッ可愛い!!!」
「うわぁ!?」

どーんと勢い良く飛び込んできたネーナに後ろへひっくり返りそうになったのを両手でなんとか耐え切って彼女の熱い抱擁の餌食になった。ちらりと横へ視線を走らせれば僅かに距離を開けて2人分の弁当箱を持ち上げている那由多が見える。

「…っ逃げたな…那由多」
「俺はもう1回受けたんだ。刹那もちゃんと洗礼の抱擁をしてもらえばいい。」
「なッ!」
「安心しろ。弁当は死守してやる。」
「那・由・多〜ッ」

しれっと言い放つ那由多に刹那は両腕を震えさせながらぷるぷると支え続けるのだった。


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ガールズトークは書いてるととても楽しいのだと知りました。
書いてたリップは実在するものだったりします。

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