「っ…ろっく…ぉんッ…」
「んー?」
「な、に…やって…?」
「うん?何って触ってるだけだろ?」
「やっ…ちがぅ…」
「違わないだろ?こうやって…ほら、触ってる。」
「ぁんっ」
ちゅっと軽い音が鳴ると刹那の背筋がびくりと跳ね上がってしまう。それとともに唇から零れた甘い声に頬がかっと熱くなった。
先程ニールにどんな風に触ってもいいのか?と聞かれて『どんな風に』という内容が分かりかねたのだが、彼女が『触る』のならば嫌悪感はないので頷いてしまった。それが今の状況を作り出してしまった事は応答で理解する。けれど『この状況』は刹那の全く予想しなかったことであってかなりうろたえてしまっている。
「かぁわいい」
「ぅるっさぃ…!」
無意識に上がってしまった声に感想を付けられた事が分かると余計に顔が熱くなる。口を塞ぎたくても、ニールの長い腕に抱きこまれてしまっていて握り拳を作って反抗的な言葉を紡ぐしか出来なかった。そんな刹那を見上げていたニールは、にっと笑みを浮かべて再び顔を埋める。
抱きついてきた刹那の腕を外させて包むように抱き締めると、程なくして体の力が抜けて完全に預けてきた。そんな刹那を可愛いなぁ…と頬を弛ませながら頭を撫でてやり、座りなおすように少し持ち上げる。水の浮力も手伝ってすんなり浮いた体は真正面に向かい合って再び腰を落ち着けた。ニールの太ももを跨ぐように下ろされた刹那は何がしたいのか、意図を全く読めておらず首を傾げるだけだ。そんな彼女の表情を見上げてニールは人の悪い笑みを浮かべると、今のように口付けを落としたのだ。
「ふっ…んぅ…!」
刹那の首筋へ…鎖骨へ…そしてまた…胸の頂へ。
「んー?固くなってきたな?」
「んっ…ん…」
「右だけ色が濃くなったみたいだし…左もしてみようか?」
「やっ…あ!」
どうにか体を動かして避けようとしてみたが、しっかりと抱き込まれた状態では微動すらままならず、結局ニールの唇の餌食となった。柔らかな唇が啄ばむように胸の飾りを執拗に攻めてくる為、先程からじんじんと熱を持ったかのように痺れる。そしてニールが言う通り固くしこり、触れられるだけでびりびりと電流が走ったかのように背筋が震えるのだ。
「お…こっちも同じくらいになったかな?」
「もっ…やめ…」
「うん?イヤ?」
「いや…というか…」
「いうか?」
ようやく開放されて自然と上がってしまった息をどうにか落ち着かせようと肩で呼吸を繰り返した。なんとか言葉を紡いで止めるように頼んでみると質問で返されてしまう。どうにか顔を捉えるとこちらを見上げていた。
「なぁに?」
綺麗な笑顔に頬がますます熱くなりじわりと涙が滲み出してくる。背中に回された腕に引き寄せられて密着するように抱きこまれると宥めるように指先が頬を擽った。瞳に溜まった涙が零れ落ちる前に唇がそっと押し当てられる。
「言わなきゃ分からないぜ?」
「……………」
「刹那?」
「…はずかしぃ…」
始めはあまりに驚いて混乱した為、本気で離してほしいと懇願していたのだが…ただ抱き締めるだけになった今は体が甘く疼きもっとして欲しいと訴えている。けれどその事を告げるのは恥ずかしくて涙が溢れそうになった。
「恥ずかしいだけ?」
「………きもちいぃ…」
隠すはずだった本音をあっさり引き出されて気まずげに黙り込んでいると「いい子」と頬に口付けを落とされる。その口付けは頬だけに留まらず、目尻や額にも移り最後は唇に落ちてきた。柔らかな感触にうっとりとしていると僅かに開いた唇からそっと舌が差し込まれる。歯列をなぞり、上顎を擽られて思わずくぐもった声を漏らすと縮こまった舌に絡まってきた。
「っん…ふぅ…」
撫でられるように絡まり、外へと誘い出される動きに抵抗をせず導かれると口から差し出すような格好にさせられた。その舌に吸い付かれて甘噛みをされると躯がぴくりと意図せずに跳ねる。跳ね上がった躯を宥めるように回された手が背を撫でるのだが、それすらぞくぞくと震えてしまい自然と呼吸が荒くなった。
「っ…んんッ!?」
肌を滑る指先に躯を小さく震えさせているとニールの両手がぐっと桃尻を鷲掴んだ。驚いて両目を見開くと緩やかな弧を描く青緑の目が見える。揉み込むような動きを見せるニールの手に躯中の力が抜け落ちるような感覚に見舞われて困惑の瞳を向ければ、瞳がゆるりと細められた。
「ひぁあ!?」
「…あは…コレが刹那の花芽か。」
柔らかさを楽しむような指の動きが突然股の間へと滑り込んだと思うや否や、その指先に何かを弾かれて背が勝手に仰け反った。離れてしまった唇からは到底自分が出したとは思えない甘い嬌声が漏れ、思わずニールの首にしがみ付く。すると楽しそうな、それでいて艶めいた声が降り注いで離れたはずの指先が先程弾いた部分を撫で摩りにきた。
「…はっぅ…やぁん…」
「そんなに腰振っちゃって…気持ち良過ぎる?」
「ふっ…んんぅッ」
違うのだと声を出したくても唇から溢れるのは甘い嬌声ばかりで、せめてもの意思表示として首を振り額を肩に擦りつけた。ニールの言う通り刹那の腰は悪戯な指先から逃れようと振り払う動きをしている為、左右に揺らめいている。さらにどうにか躯をずらそうとしているらしく、前に逃げようにもニールの体が壁になっていて逃げられず…後ろに逃げようとしているのだが、刹那の足の間にある彼女の足がバスタブに引っ掛けられているせいで急な坂を作り出していた。それでも逃げようとするものだから坂に沿って腰が高く上がってしまっている。
「ぁ…ぁ…ッ…」
「な、刹那…」
「ぁ…ぅ…ん…?」
「…もっと…えっちな刹那が見たいな…」
朦朧とする意識の中、理性はまともに働かず…耳元に囁きかけられる甘い囁きにこくりと頷いてしまった。
タイルで滑らないように、滑ってもその衝撃を和らげるようにと用意されたマットが敷き詰められ、その上に刹那は寝かされた。寝かされたというか、躯中の力が上手く入らずにされるがままでもあるのだが…
そっと横たえられてマットの冷たさに眉をしかめるが、頬へ沿わされた温かな手にすぐ意識を攫われる。
「…ろっくぉ…」
「うん?」
甘えるような呼び声に、額へ張り付いた髪をかき上げてやるとちゅっと音を立ててキスを贈る。熱に潤んだ瞳がじっと見上げてきた。垣間見える不安げな色に微笑みかけて唇を重ねる。
「ん…んぅ…」
唇を舐めるとすぐに開かれ、おずおずと舌が伸びてくる。褒めるように撫でて吸い上げると一度離れて腕を伸ばした。その先にあるのはニールが気に入っているボディソープのボトルだ。
「ちょっと冷たいぞ?」
「ひぁう!」
鎖骨から胸の間を通ってヘソに至ると更に下りて摺り寄せられた太腿の間まで垂らす。こんなもんか、とキャップを閉じてふと刹那を見上げると違和感を見出した。
「…っ…っ…っ…!」
先程まで頬を桜色に染めうっとりとしていたのに、今はどうだろう?瞳を固く閉じて握り締めた拳が震えている。そんな様子に顔をしかめるとそっと顔を近づけた。僅かに開いた唇から荒々しい息遣いと歯がかちかちと鳴らす音が聞こえている。
−…まさか…トラウマの一環にこんなことも入ってるのか?
体に垂らしたソープの液が重力に従って流れていくのに、刹那は感じるというよりは怯えた雰囲気だった。何かあるとは予想していたが、それはよく聞く暴力による虐待ばかりだと思っていたが…どうやらこの予想は外れていたらしい。むしろ外れて欲しくなかったというのが本音かもしれない。
「刹那。」
過去の闇に囚われている刹那を呼び戻すべく名前を呼ぶ。暴力での虐待であるならばその身を大切に扱っていればその内薄れてくるものだろう。しかし性的なものであるならば時を待つばかりでは癒される時間は計り知れない。また、同じ行為を繰り返す確立は暴力よりも遥かに高い。日常のちょっとした触れ合いでも重なってしまうことも多いだろう。
しかし…ニールに引く気はなかった。
「刹那、目を開けろ。」
「ッ…」
「目を開けて俺を見るんだ。」
顔の横で握り締めた手を包み耳元で囁きかける。力強い声に引き寄せられるように瞳がゆっくりと開かれた。僅かに揺れる瞳に己の姿を映しこみ自分の存在に反応するのを待っている。
「…ろっくおん…」
「ん。」
焦点がぶれていてもキチンと映し出していることを確認してそっと頬を撫でる。すると強張った肩から力が抜けてほぅ…と小さなため息が吐き出された。イイコ…と小さく呟いて顔中に唇を落とし、縮こまった体に己の体を沿わせる。
「…ぁ…」
とくとくと早打ちをする心臓に自分の心臓を重ねるように胸を沿わせると、刹那の頬に赤みが戻ってきた。その変化に笑みを浮かべてゆるりと体を揺らす。すると互いの体の間に垂らされたボディソープがぬるりと滑り固くしこった胸の頂が擦れた。
「…んっ…ぅ…」
「…刹那…」
互いの実が擦れ合うように位置を調節すると刹那が肩をぴくりと跳ねさせて重ねた手を握り返してきた。ひくりと声もなく仰け反った喉に唇を押し当てて更に強く擦り付ける。
「…はぁ…ん…」
「あっ…んっんっ…」
温かく柔らかな体が己の躯の上でゆらゆらと揺れると、体温が移されたように芯がじわじわと熱を持つ。手をぎゅうっと握ると同じくらい握り返してくれるから胸の奥が疼いてしまった。蒸せるような呼吸を吐き出し視線を上げるとニールが微笑みかけている。
「気持ちいい?」
「…わか…んな…」
「そっか。」
ちゃんとした答えを返せていないのにニールはそれでいいと言う代わりに口付けを与えてくる。抵抗せずに甘受していると握り締めていた右手が解かれるので、追いかけようとしたが舌を強く吸い上げられて叶わなかった。じんと痺れる舌根にうっとりとしていると背筋をびりっと弱い電流のような衝撃が駆け上がる。
「ッあ!?」
「お、感度良好。」
「な、に…?」
足の指先にまでぴりぴりと細波のように衝撃が行き渡ると体の芯がむずむずと疼いて落ち着かなくなる。その変化に戸惑いニールを見上げると彼女は柔らかく微笑み掛けるだけだ。
「…刹那…」
「ひゃうっ!」
「…いい声…」
耳元で囁かれるニールの声が掠れていてなぜだかたまらなく恥ずかしくなる。きゅっと瞳を閉じてゆるゆると首を振って少しでも紛らわせようとしたが再び躯を走り抜ける感覚にびくりと背をそらせてしまう。
「ぁ…やっ…んんッ」
断続的に走り抜ける衝撃に翻弄されていると…くちゅ…と濡れた音が聞こえてきた。何が起きているのか、と閉じた瞳をそろりと開いてニールを見上げると、彼女はじっとこちらを見下ろしている。ずっと見られていたのか、と新たな羞恥に頬を熱くするとちゅっと口付けられた。
「もっと啼いて?」
「ッあん…ひぅっ…んんっ…」
とろりとした瞳で見上げてきた刹那に小さく喉を鳴らし、そっと滑り降りた先で…彼女の秘めやかな花弁は大量の蜜で潤っていた。そっと指を潜らせてみればびくりと躯を跳ねさせはしたものの、苦痛の表情も声も出さない。そんな刹那に安心して指に絡み付く、熱く柔らかな感触を楽しみはじめる。
「んっあ!…あぁ!」
柔らかな襞を撫でるだけで大げさなほどに体が跳ねあがる。途端に上がる声が耳を擽り心地よい響きを奏でた。
「…刹那の声…めっちゃくちゃ可愛い…」
「ぁっ…ゃ、やっ…」
躯を支配する快感に浮かされていたのだろう、無意識に上がる自分の声に気付けなかったようだ。頬を更に真っ赤に染め上げていやいやと首を振る。
「もっと聞かせて?」
「あっあぁんっ!」
欲情した声を耳に吹きかけて指を小刻みに動かせば背を反り返して啼き声を奏で上げた。押しつけられる柔らかな躯に胸の高鳴りを覚える。もっと感じさせたい…と湧きあがる劣情のままに指を押し進めると一際高い声が上がった。
「ひっ…ぁあんッ」
「…せつな…」
指を一本だけより深く咥えさせた蜜壷は刹那の上がりきった呼気と連動するようにきゅきゅっと小刻みに締めつけてくる。押し出したいのか、更に奥へと誘いたいのか、蠢く蜜壷はより蜜をあふれ出し、口から零れてしまっていた。
「せつな…分かる?」
「ぁ…う…?」
「せつなの胎内に俺の指があるの…」
言葉の意味を理解しやすいようにと刹那の下腹部に手を重ねると、ぴくりと小さく跳ねて見せた。ナカに存在する指を強調するように小さく震わせてみると喉を反らせて啼き上げる。
「っあ…ぁ…!」
「ほら…きゅうって絡み付いて離してくれない…」
「やっ…ゃうっ…」
言葉を紡ぐたびに刹那の躯がぴくんっと跳ね上がる。蜜壷もうねる様に蠢き、無意識に立てられた膝が強請る様に摺り寄せられた。
「気持ちいい?せつな…」
「やッ…わかっ…んなぁっ…」
「じゃあ…こうやったら?」
「あっ!?ッあ、ぁぁんっ!!」
真っ直ぐにしたままの指で単調な抜き挿ししかしなかったが、締め付けてくる内壁を押し上げるように指を曲げて一掻きすると刹那の背が大きく撓る。ぎゅっと痛いほどに指を締めつけた一瞬の後にゆるりと綻ぶ蜜壷は一気に蜜の量を増やした。指を伝い流れる蜜を眼下に唇をぺろりと舐めて表情を伺う。すると熱に浮かされた瞳がぼんやりと見つめてきていた。
「どう?」
「あッや、やぁっ!」
優しく尋ねる声に反して指はなおも刹那を攻め立てる。頭の中が真っ白になるような衝撃が下腹部から脳を直撃して何も分からなくなっていった。どうにか逃れたいと思うのに、更なる攻めを期待する躯が従順に開いていく。首を打ち振るい、唇から零れる声も抑えられずに震え続けた。
「ろっく、おッ…ろっく、ぉんっ!」
「なぁに?」
内から湧き上がる熱に怖れ必死に呼び縋る刹那にニールは淡く笑みを浮かべた。刹那の絶頂が近づいている。頬を真っ赤に染め、情欲に潤んだ瞳で一生懸命に見上げてくる彼女は喰らい尽くしたいほどに愛らしい。
「やぁっやだっやだぁっ」
「どうして?いたい?」
「あんっちがっあぁっ!」
自分の興奮を誤魔化すように蜜壷へ差出した指の動きを大胆にしていく。ぐちゃぐちゃと淫らな音が鳴り響く中、混乱しているだろう刹那の泣きそうな声が響いた。
「んっぉか、しくぅっ…な、ぁあぁっ!」
「んー?おかしくなっちゃう?」
「んっぅんんっおか、ひくぅっ、なるぅっ!」
胎内を侵す指に舌先が痺れるような感覚に陥り呂律が危うくなっていった。不安に揺れる瞳が見上げてくるのに、微笑みを返して顔中に口付けを降らせる。落ち着くようにと優しく触れて宥めるが、躯中を犯す未知な発熱ぽろぽろと涙まで流れてきた。幼子をあやす様に抱き寄せて頬を伝う涙に舌を這わせる。
「だめっ、だめぇっ!」
頬をなぞり上げる舌先の動きですらぞくぞくとおかしな感覚を逆なでにした。内側から湧き上がる衝動に耐えられなくなってきたのか、開放を求める声に変わってくる。けれどニールには離してやるつもりなどさらさらない。
「大丈夫だから…そのまま委ねてごらん?」
「んっんんん〜…ッ!」
どうにか唇をかみ締めてやり過ごそうと躍起になりつつ、無意識の内に背中へ縋りついた刹那の指が未知の感覚に抗おうと爪を立てる。摺り寄せられる膝も強く押し付け始めると内腿が小刻みに震えてきた。
「やっやっやっ…」
「ん、いいよ。」
「ろっくぉんっろっくぉッ!」
蜜壷を掻き回す指の動きをもっと大胆にして、ぐずるような啼き声に強く抱き寄せる。ぎゅうぎゅうと狭まってきた蜜壷を振り払うように動きを大きくすれば刹那の腰が更に浮き上がり背中を引っかく爪の力も強くなってきた。それに伴い抱きつく躯の痙攣も感覚が狭くなってくる。
「イって…せつな…」
「あっあっやぁぁぁぁぁぁッ!」
そっと耳元で囁いて花芽の裏側を強く押し上げると刹那の足がピンと伸びて果ててしまった。背が限界まで仰け反って小さな音とともに液が噴き出す。
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