互いにぬるぬると滑る躯を擦り合わせて体温を上昇させていく。刹那の躯中に湯を掛けたせいでどこもかしこも滑りやすく、抱きしめているもののするりと抜けていきそうだ。押し付けられる柔らかさに興奮し、敏感な実が擦れる逞しい胸に興奮し互いに吐き出す呼気も荒くなる中、ロックオンはするりと手を滑らせて突き出された丸い桃尻を撫で回す。
「ふぁ、んっ……！」
長い指を利用してぷるりとした手触りの尻を楽しみながら、谷間に潜む秘華へと指を忍ばせる。辿り着いた華は予想通り熱く、ゼリーのせいだけではないほどにぬかるんでいた。
「あっ……ふっ……」
「なぁ？……ココさ、すっごい濡れてるみたいだけど？」
「んっ……んんっ……」
「お湯のせい……にしてはぬるぬる過ぎると思うんだけどさ……」
「やぁっ……」
指に纏わりつく液体の感触に僅かな違いを見出し、口元を緩める。もちろん刹那に聞くまでもなく分かりきってはいるが、いやいやと首を振っているくせに、ゆらゆらと厭らしく揺れて手に押し付けてくる腰にわざと聞いてみたくなった。
すぐそばに寄せられる耳に口付けて息を吹き込むように囁きかける。
「ね？刹那……これは、なぁに？」
「やっ……やぁん……」
「嫌なの？触られるのが？」
「ち……ちが……」
常では聞けない甘ったるい声に頬が緩みっぱなしになる。片時も一緒にいたいと言った通りに刹那は寄り添わせた肌を離さないようにしがみついてくるし、首元に埋める顔もそこから動こうとしない。どんなに意地悪く躯を弄ってもそこから離れようとしなかった。
「違うの？じゃあ何がいや？」
「きぃちゃ……やぁ……」
「ココがこんなにぬるぬるしてるの……聞いちゃ駄目なの？」
「んっ……や、なのぉ……」
幼い子供に聞くようにいくつも優しく問いかける。普段の刹那ならば、睨むなり拗ねるように突き放すなりしてだんまりを決め込むだろうに、今の刹那は聞かれれば聞かれるだけ素直に答えてくれた。
「そっかぁ……じゃあ触らない方がいいか。」
「……え……？」
「だって触ってたらいろんな事言っちゃいそうだし？」
「や、やぁ……」
「んー？いや？」
「んっ……やだぁ……」
胸の実とは対照的に柔らかく熟れた秘華から手を遠ざけると、追うように腰が触れて桃尻が手のひらを叩く。駄々を捏ねる子供のように額をぐりぐりと押し付ける刹那の顎を捕らえて顔を合わせると、泣き出しそうなほどに潤んだ紅い瞳とぶつかった。
「触ってほしい？」
「んっ……ん……」
「さっきみたいにどうなってる、とか言っちゃうけど…いいの？」
「……ぁ……ぅ……」
「返事してくれなきゃ分からないだろ？」
にっこりと笑みを浮かべて優しく問いかける。そっと問いかけただけなのに、刹那の躯はふるりと小さく震えた。
この頃、確信しつつあるのだが……刹那は言葉攻めに滅法弱いらしい。羞恥を煽るような言葉はすべて悦楽に繋がっているようだ。その内触らなくても声だけでイってしまうかもしれない。
それはそれで美味しい光景だな、とほくそ笑んでいるとそろりと手を掴まれた。腕や肩を滑る水の塊に震えながら手を引き寄せて導いていく。指を絡めるように繋がれた手の甲に柔らかく熱の持った肌を押し当てられた。
「……さわって……いぃ……」
「ホントに？」
「んっ……」
確かめるように導かれた場所に甲を押し付けるとぴくっと肩を跳ねさせる。半凝固体の湯よりもぬるりと滑る感触に笑みが深まった。
「さっきよりもいっぱいぬるぬるになってるな？」
「んっ……ぅん……」
「気持ちいいの？」
「い……ぃ……」
触ってもらう為に掛けられる言葉に耐える事を決めたらしい。問いかけの口調に素直に答えてくれている。振動を与えるように細かく揺すれば背を仰け反らせて震えては、僅かに開く唇からため息のような嬌声を漏らした。
「ぁ……ろっく、ぉ……」
「うん？」
「も、っと……」
「もっと？」
「も、っとぉ……」
「もっと……どうしてほしい？」
手に押し付けるように腰を振る刹那に瞳を眇めながら、意地悪く焦らして聞いてみる。指を僅かに反らせて秘華に軽く埋めると途端に吸い付いてくるから、余程切羽詰まっている事が分かった。それでも、もっと乱れさせたいと疼く欲に従い、ナカに入れず軽く上下させて刹那を煽り続ける。
「教えて？刹那……どうされたい？」
空いているもう片方の手を桃尻から上り詰めてぷくりと膨れる胸の実まで移動させる。全体を揉み込む様に指を這わせて、手のひらでこりこりと固くなったままの実を捏ねまわせば鼻に掛かる甘い声をひっ切りなく奏でていた。紅く染まる唇の隙間から柔らかそうな舌がちろりと覗いては、誘い込む様に蠢いている。まるで何かを口に含みたいのか、大きく開いては咥える様に唇を動かす様は熱く滾り始めた楔に刺激を与えてきた。
「言ってごらん？どうしてほしい？」
「あ……んん……」
「この手に……どうされたいの？」
「はっ……ぅ……」
問いかけを重ねれば重ねるほど、思考が溶けていくのか熱い吐息とともに小さな喘ぎ声が混ざる。とろりと蕩けた瞳にロックオンの顔を映して刹那はゆるりと唇を開いた。
「……いじって……ほし……」
恥じらいに頬を紅く染めながら紡がれた言葉は確かに欲したものだったが、少々物足りない、と思った。それでもちゃんと言えた事に対する御褒美、と唇を重ね合わせると……ちゅ……と音を立ててすぐに離れてしまう。その口づけに不満げな表情を上げる刹那に笑みを浮かべて額を突き合わせた。
「もっと……えっちな言い方して？」
「……え……っち……？」
「そ。俺が我慢できないくらい厭らしい言い方して煽ってよ。」
ロックオンなりのちょっとしたオネダリだった。
素面の時とは違い思考能力が著しく低下させられた状態でなら、普段言ってくれそうにない言葉を言ってくれるのではないか、と下心が顔を出す。せっかくスメラギが酒を与えて呂律が回りにくいほど酔わせてくれたのだ。存分に楽しむのもいいだろう、と考え、ミッションを成功させた自分への御褒美とすることにした。
「……ぅ……ん〜……」
躯の状態から言ってさほど余裕など残っていないのに、刹那はまじめに考えだしたようだ。眉間に皺を寄せてじっと考え込んでいる。その雰囲気から少々助言を入れないと頭がをパンクさせてしまいそうだ、と苦笑を浮かべると距離の空いた躯を引き寄せて耳に唇を寄せた。
「俺の、何を使って、どこを、どういう風に弄られたいか言って？」
「……んぅ……」
「胸だったら……おっぱい……ココだったら……下のお口……ＯＫ？」
「んっ……ん……」
手を当てながら言葉を紡ぐ度にこくこくと頷く刹那の米神に口づけて、「いい子。」と囁くと、離れがたい柔肌から手を離した。くっついていて欲しかった手が離されて、少し悲しげな表情を見せる。その貌の変化にいっそ何も言わなくてもいいくらいに嬲り回してやりたいが、滅多とないこのチャンスを棒に振るつもりはなかった。優しい笑みを貼り付けて首を傾げる。無言の内に催促をしていると刹那が前のめりになって顔を近づけてきた。
「ろっくぉんの……ゆびで……」
「……うん……」
「……おれの……した、の……おくち……を……」
「どんな風になってるお口？」
「ん……と……とろとろの……おくち……」
「ん。とろとろのお口を？」
しどろもどろになりながらも懸命に言葉を紡ぐ刹那と唇が触れそうな位置を保ったまま、言葉を引き出していく。ほんのりと躯中を桜色に染めながら潤んだ瞳でしっかりと見つめる刹那は、実を言えば今すぐ押し倒して突き上げてもいい。正直そこまで雄の方も張り詰めている。けれどもう一息で『えっちな刹那の言葉』を聞けるのだからこの我慢も辛いだけのものではなかった。
「……ぐちゅぐちゅって……」
「うん……」
「え……と……ぉ……おかして……くださぃ……」
ようやっとの思いで紡いだ言葉にロックオンの笑みが深くなる。最初にしては及第点。まずまずと言ったところだ。まずは御褒美に口づけて舌を絡め取る。軽く吸い上げて歯を立てると、鼻に掛かる吐息が漏れた。焦らすようにゆっくりと解放して二つの舌の間に繋がる銀糸が細くひいてぷつりと切れる。その光景を見てから刹那の腰に手を回した。
「おいで。」
「ん……ぅ……」
引き寄せた躯を膝の上で横抱きにするような体勢にさせると、刹那自ら上体を倒してきた。立てた足に背を凭れる様にしてロックオンの手の行き先をじっと見つめている。
揃えて立てられた膝をくるりと撫でてゆるゆると下って行った。その先にあるのは太股に隠された花園だ。みっちりと寄せられた内腿に指を差し入れて割り開くように下りていく。その様子をじっと見ている刹那の呼気が徐々に荒くなる様を感じ取りながら進めていった指は目的地に辿り着いた。
「っは……ふ……」
「このお口を……ぐちゅぐちゅにしてほしいんだな？」
「……っん……」
つ……と滑らせた指先は２種類の温かな泥濘を撫でて柔らかな恥丘を撫でていく。ぴたりと閉じられた恥丘の隙間に指を沿わせると、刹那の足が徐々に開かれていった。
「……ぁ……ぁ……」
ほんの指先が華に埋もれる頃には足が綺麗なＭ字を描いている。桃尻の下に敷かれた太股に両手の爪が立てられた。僅かに戦慄くその手は襲い来るであろう衝撃に期待をしているようだ。なかなか進まない指に焦れて蠢いている。
「んんッ！……ッあ……！」
一度低く喉を鳴らすと突きたてた中指を第２関節まで潜り込ませた。途端に背を仰け反らせて啼く刹那の艶めいた貌に舌舐めずりをする。
「ははっ……きっつきつじゃん、刹那？」
「あ……あ……ぅ……」
「まだ途中までだし……１本しか入ってないぜ？」
「んんぅ……」
眉を顰めて身悶える刹那にどれほど高ぶっていたかが見て取れる。きゅっきゅっと締まる蜜口も、まるでしゃぶりついているかのように蠢いては絞め上げてきた。もしここに己の雄を突きたてたら、と想像するだけで背筋がぞくりと震える。
ちらりと視線を移動させてみれば、指を受け入れた躯は緊張と弛緩を繰り返し、緩やかに開かれていた足は淫乱さを思わせるまでに大きく開かれていた。
「あ〜ぁ……こんなに開いて……」
「ぁ……う……ぅ……」
「刹那って……すっげぇ淫乱な躯してたんだな？」
「……ゃあぅ……」
「お、絞まった。」
「はっ……ぁ……」
「淫乱って言われるの好き？」
「んんんっ……」
ふるふるっと首を振りはするが、躯はまったく反対の反応を見せている。悦びを表すようにぱくぱくと開閉さえしてみせ、ナカから新たな蜜を溢れさせたらしい。透明な湯に薄っすらと白い蜜が滲みだした。
「……うそつき……」
「ふっ……ぁんっ！」
ぎゅっと瞳を閉じて身悶える刹那の耳元に唇を寄せるとそっと囁きかける。止めた指を更に奥まで飲み込ませるとぶるりと躯を震わせて背を仰け反らせた。
「……ひぁ……んっ……！」
「指一本でこんなにヨがっちゃって……」
「ゃうっ……んっ……んっふぅ……！」
「蜜もたっぷり溢れてきてるし……」
「っあ……はぅっ……んっ……！」
「……淫乱以外の何でもねぇぜ？」
「ひぁうっ！」
ぬぷぬぷと短調な抜き刺ししかしていないというのに、刹那の紅い唇からは絶え間なく甘ったるい声が零れ落ちる。仰け反る背に立てた膝は閉じられることはなく、ちろちろと蠢く舌が快感に酔い痴れていると教えてくれた。
「……えっちな刹那……」
「ッ〜〜〜！！！」
喉を鳴らしてそっともう一言囁くと、刹那の躯はびくっと跳ねて痙攣を起こしてしまう。もしや、と思うまでもなく、蜜壷に埋めたままの指がきゅうきゅうと締め付けられ大きく開いた足が腕を挟みこむようにぎゅっと閉じられた。しばらくそのままでいたら、ふっと躯から力が抜け落ちたように弛緩していく。けれどまだ余韻が残るのか、時折ひくりと躯が震えていた。
「……イっちゃったの？刹那……」
「……ぁ……ぅ……」
「まだまだこれからだってのに……」
「ひやぁんッ！」
荒く呼吸を繰り返す刹那の額に口付けて蜜壷に咥えさせたままの指を曲げると大げさなほどに躯が跳ねた。ちゅ……ちゅ……と顔中に口付けを降らせてナカをぐりぐりと掻き回せばか細く震える声とともに躯がぴくぴくと跳ねる。
「っぃやぁん！」
ひくひくと蠢く蜜口に指をもう１本刺しいれれば細い腕が抱きついて来た。ぎゅっとしがみ付いて指から逃れるように腰を引いていこうとする。
「やっ……ゃらっ……んんっ……」
「？刹那？」
蜜口は増えた指を美味しそうに咥えてきゅうきゅうと絡み付いてくるのに、摺り寄せられた顔はゆるゆると首を振って嫌がっているように見える。そのちぐはぐな動作に首を傾げると背に腕を回して抱き込んだ。
「んっ……やぅっ……っぅ……」
「刹那？……嫌なのか？」
「……ぅぅ……」
問いかけに対して、首を横に振るような、縦に頷くような曖昧な動作が返ってくる。どちらにも受け取れるその反応にロックオンは首を傾げた。すると、背に回された指がきゅっと爪を立て、動かしていないにも関わらず躯を震えさせている。
「……らめ……なのぉ……」
「イったばっかだから？」
「んっ……」
「いっぱい入れて動かした方がもっと気持ちいいだろ？」
「でもっ……だめぇ……」
「ダメ？ぐちゅぐちゅしてほしいって言っただろ？」
「やぁぁっ！」
いやいやと首を振る刹那を無視して指をナカへと押し込めばびくびくっと躯を震わせる。いつもと違うその反応に僅かに首を傾げながら慎重に指を回せば躯をぎゅっと丸めようとした。蜜口もキツク絞まり、指が持って行かれそうなほどだ。胸元に縋りついた刹那の貌を見下ろすと、きゅっと寄せられた眉と震える唇が何かを気にして快感に身を任せきれないでいるように見える。
「やっ……やらっ……はぃ、ってぇ……」
「んー？指ならいつも美味しそうに咥えてるだろ？」
「ちっ……ちが……」
「何が違う？」
やたらと頑なに拒む上と下の口に優しく問いかけると背に立てられた指先がきゅっと爪を立ててくる。恥ずかしがっているのだろう、反抗的な子猫のような行動に笑みが漏れた。
「……ゆび……じゃなく、て……」
「なくて？」
「……お……ゅ……」
「………あぁ……」
恥ずかしい事を言わせるなと怒りたいのか、額をぐりぐりと押し付ける刹那の言葉にようやく合点がいった。いつものベッドの上とは違って、桶とはいえど、水中なのだ。普段はぴたりと閉じられた花弁を指で暴いているのだから隙間が出来てそこからお湯が入り込むのは当然だろう。ナカに入り込む温い感触がたまらなく気持ち悪いのかもしれない。
「ナカにお湯入っちゃうのが嫌……か……」
「んっ……んっ……」
こくこくと頷く刹那に苦笑を漏らしながらロックオンはふと考える。
「でもさ……刹那。」
「……ん……ぅ……」
「ナカに入った方がぐちゅぐちゅになるぜ？」
「あっ！？はぁんっ！！」
にやりと笑って指を更に増やすと倒れるのではないかと思うほどに仰け反ってしまった。上げられる甘い啼き声に艶めいた貌が晒され、ぎりっと背を引っ掻く指先すら心地よい。いつもならもう少しじわじわと追い上げていくのだが、身悶える姿にその余裕すら持てないでいる。今にもぶち込みたい衝動をぎりぎりで押さえ込み、侵入してくる液体に抗う蜜口と躯を指で口説き落としていた。
「躯に害はないからたっぷり呑みこんでも大丈夫だぞ？」
「やっ……あっ……あふっ……！」
「そんなに嫌がるもんじゃねぇだろうに……ナカは気持ちいいってうねってるぜ？」
「やっ……ろっくぉっじゃ、な、いぃっ……」
背に回っていた手でなんとか引き離そうとする刹那の愛らしい抵抗を見つめながら、揶揄していると、零れ出てきた言葉にきょとりとしてしまう。思わず止めてしまった指の動きで刹那がくたりと凭れかかってきた。その貌を凝視しながら先ほどの言葉を反芻してじわじわと湧きあがる歓喜の心に、どこかで糸の切れる音を聞いた。
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