贈り物3
放課後、受付所に向かう途中で暗部に取り囲まれ、火影邸に連行された中忍は真っ青になりながら、おそるおそる里長に問うた。
「なにか大きな任務がらみだったのですか…?」
(てっきり人違い→即解決!だと思ってたよ…。)
相談しただけで、うっかり解決したような気になっていたイルカは顔色をなくして俯いた。 普段血色の良いイルカが真っ青になっているのを哀れみをこめた目で見つめ、厳めしい声で里長は言った。
「良く聴けイルカおぬしは悪魔に目をつけられておる。」
里長の言葉に、イルカは取り乱した。
(あくまって悪魔???いやーそんなもんいるのか?イルカがいるかって駄洒落か!俺もおっさんになったなあ…って違う違う! …三代目がおっしゃるなら…いるのか?ひょっとして尾獣の仲間とか…?それとも悪魔ってなんかの比喩なのか?でも本気っぽいよな…。 まさか三代目はぼけられたのでは…。近所のお婆ちゃんも最近キはじめて、白いふさふさしたものが飛び回ってるって騒いでるもんなあ。 お迎えじゃーって凄い顔してたっけ。…三代目もお年なのに激務だから…。若いくの一がいると凄い速さでチェックしてるし、 ニヤニヤしながら様にエロ本読んで、エビス先生に見つかりそうになると俺じゃ見えないくらい凄い勢いで隠したりしてるから まだまだイケると思っていたのに…。)
見当違いに哀れみの視線をむけるイルカをよそに、里長は激をとばす。
「良いか!彼奴がイルカに指一本触れられぬよう、全力で行くのじゃ!!!先程は仕留め損なったが、奴はまた必ず来る! 火影直轄部隊の意地を見せてみよ!」
(何が何だかわからないが、部屋一杯の暗部が仕留め損なうなんてどう考えても異常だ。悪魔ってホントにいたのか。 もしかして…俺の人生ここまでか?こんなことなら、今日の昼飯一楽にしとけばよかった。朝結局時間なくなって弁当作れなかったし、 金がないから食堂で一番安いA定(ハムかつ)だったんだよなぁ…。最後に食ったのがハムかつ!せめてB定にしておけば…。)
ショック?のあまりぐるぐると悩んでいるイルカを安心させようと、里長は凄みのある笑みを浮かべた。
「安心せいイルカ。必ずわしがあやつを退けてみせる。なに暗部の1小隊や2小隊の犠牲。物の数ではないわ!いざとなれば里におる上忍 全員呼びよせてでも守ってやるゆえ。あのような輩にくれてやるためにここまで育てたわけではない!」
(暗部の1小隊や2小隊の犠牲って大事だろ!まさか、三代目がこんなに取り乱すなんて…?!っていうかさっき暗部の人が包帯だらけだったのって その悪魔のせいなのか?!俺やっぱり今日死ぬんだ…。ナルトも卒業したし、彼女もいないし、死にたくない…。今週一楽いってないし。)
さっさと走馬灯を見始め、遠い目をしているあきらめの早いイルカに、里長は唾を飛ばしながら、力強く宣言した。
「今から結界を作る。おぬしは悪魔を退けるまで決して外へ出てはならん…。」
その時、緊迫した空気を読むことなく、のんきな声が響いた。
「あーイルカ先生見っけvvv」
悪魔登場。里長と暗部たちは騒然となる。しかし事態を飲み込めないイルカ(中忍)は(あれはカカシ先生!写輪眼のカカシが必要だなんて、 悪魔ってやっぱり相当に強いんだ…。)と違うところで驚愕していた。(でもカカシ先生がきてくれたんなら安全だな!)とイルカは ほっとしていた。
なにしろ手のかかる生徒を引き受けてもらってからずっと憧れており、階級を嵩に着ない気さくな里一番の腕利き上忍(イルカ評価)が 「ナルトのことでお話が…」などと爽やかに誘ってくるのである。
どれほど爽やかに誘われても、イルカは緊張するあまり「もっもっもうしわけありません!」ととっさに断ってしまい、 その日は一日中凹んでしまったほどだ。
その後もやさしい上忍は気さくに声を掛けてくれたのだが、 誘われるたびに勇気が出せず、いつもいつも(今度こそ!)と思うものの一度も誘いに乗ることができなかったのだ。
(今まで全然カカシ先生と話せなかったけど、こんなチャンスがあるなんて!恐ろしいけど悪魔に感謝だな!それにカカシ先生はすっげぇ 強いんだったばよ!ってナルトも言ってたし、きっと悪魔も一ひねりだな!カカシ先生には面倒かけちまって申し訳ないけど、里の業師の 腕前が目の前で見られるって俺ツイてるなあ!)とかえって喜んでいた。
…そのため、里長の怒号に激しく驚く羽目になった。
「かかれ!」
号令によりいっせいに襲い掛かる暗部たちを軽くあしらいながら、男は面倒くさそうに言った。
「なぁに。まだ懲りてないの?今日は大事な日なんだから…じゃまするな!」
焼け焦げたり水浸しになったりと荒れ果てた室内に、暗部の体が積まれていく。目を見果て驚く中忍。
(なんだ???えっと悪魔を倒すんじゃなかったのか??なんで暗部とカカシ先生が戦ってるんだ?? それとも悪魔って変化できるのか???え?でもこのチャクラってカカシ先生のだよな?????)
混乱する中忍をよそに、暗部たちは次々に倒されていき、もはやたっているのは里長一人となっていた。
「っく!押さえきれんか…。やむをえんわしが…!」
里長が上着を脱ぎ去り、いざ闘わんとしたそのとき、呆然としていたイルカの背後に、うれしそうなチャクラ全開の上忍が降り立った。
「イールカせんせーい!かーえりーましょっvアカデミーに誘いに行ったら後輩のお遊びに巻き込まれちゃって、遅くなっちゃったvゴメンネv せっかく今日は大事な日なのにねぇ」
「ひぃっ!」
「ホントはゆっくり手でもつないで帰ろうかと思ってたけど、なんだか今日はお邪魔虫がウザイから、サッサと一緒に帰りましょうねーvvv」 後ろから抱きしめられたイルカは悲鳴を上げるが、それを無視して上忍はご機嫌なチャクラ全快でまくし立てるとイルカの身体を撫で回した。
「貴様!」
里長が振り返り、すばやくクナイを放ったが、すでにイルカを抱えた男は消えていた。


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ぐだぐだです。
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