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  ≪本編からの抜粋≫


「やめろっ! ……触るな、化け物……うぐ──!」
 声を出した瞬間、アズサの口内に触手が捩じ込まれる。
「うぶっ……んぐ、んぅ……んっ、んんんぅ、んー、んーっ!」
 太ましい肉棒触手が舌に乗せられた。直後に先端部がピンポン玉ぐらいにまで膨らんで、口蓋を擦りながらさらに奥まで侵入していく。
(や、やめろっ……ボクの口の中に……入ってくるなあぁ……)
 心で激しく拒んでも、手の動きを封じられたままでは、引き抜くことさえできなかった。
 なんら邪魔されることもないのを良いことに、陰茎そっくりに亀頭状の先端部を膨らませた触手が口の中を探索する。
 喉奥まで進んだかと思うと、ふいに引き戻されてきた穂先が、口腔をまさぐり出した。歯ブラシのように歯の裏側を擦ったあと、今度は頬裏のやわい粘膜になすりつけられる。その間にも、茎肌の表面から分泌された粘液が喉の奥に流し込まれていく。
 息苦しさに空気を求めて、酸素を吸う瞬間。
 まともな生物なら避けようのない無防備な一瞬を狙って、触手が引かれる。すると、頬をすぼませながら愛らしい唇を肉管にすりつけさせるしかなく、アズサがみずからの意思で亀頭に吸いついているかのような卑猥すぎる表情になっていた。
「ふびゅ、んぢゅ……ん、んーっ! んむぅ、んっく、ん……う、んんぅ……」
 人間には再現できない淫獣ならではの巧みなイラマチオ。邪悪な技巧で自尊心を傷つけ、生娘の口を思うままに犯していく。
 今では反撃のために噛みつくことさえ不可能だ。亀頭に歯を立てようとしても、顎に力が入らない。おそらく、それも淫獣の体液に含まれる効果なのだろう。その結果、牡の穂先を甘噛みして悦ばせようとするかのように、愛撫めいた口唇奉仕を繰り出してしまう。
 舐めしゃぶられてますますいきり勃つかのごとく、触手が太ましい肉筋を盛り上がらせた。
(こんなの……こんなこと……ボクがしたくてやってるわけじゃないのに……)
 あたりには見ている者さえいないのに、アズサは心の中で自己弁護をするほど平常心を失っている。


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