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殺人超特急 |
アラン・ワグヌール著 |
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〔初版〕 1999年
フラマリオン社 (パリ)
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Macchabées express / Alain Wagneur
-Paris: Librairie Ernest Flammarion.
-225p. -24 × 16cm. -1999. |
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1978年、二人で「鉄鋼業の王」誘拐事件を片付けたことがある。ジャックとダニエル。2人ともかつてパリ11区を担当していた警官だった。 |
現在はお互い退職、ジャックは非常勤講師、ダニエルは私立探偵として生計を立てている。ある日ダニエルからの連絡が一本。特急で南仏アヴェロン県に向かった女性小説家が失踪。列車から転落の可能性があった。2人は小説家の消息を追っていく。2万5千分の1の地図を手に路線脇を歩き始めた。 |
寝袋で夜を過ごし、昔話で時間を潰しながら。捜索は続いていく。ダニエルからアルジェリア戦争の話を聞くのは初めてだった。雨の中、増水した小川にライトを向ける。足に黒い塊がぶつかった。ティッシュで鼻を塞ぐ。女の死体だった。 |
転落死。調査はこれで完了。依頼主も満足気な様子。謝礼の1万フランを受け取りにダニエル宅に向かった。椅子に腰掛けた男。足元にジョニー・ウォーカーの瓶。指先からはベレッタが垂れ落ちている。自殺だった。いや、違う。自殺ではなかった。ジャックは調査を開始。小説家の死も偽装だった。アルジェリア戦争の古傷が疼き続けていた… |
古い友情が疼きながらゆっくりと物語を動かしていきます。線路沿いを歩いていく風景はいつでも不思議な魅力を帯びていますが(『スタンド・バイ・ミー』)、筆者もその点は心得ているようで「地平線の先へ消えていく線路」を歩いてる二人組を楽しそうに描いています。 |
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