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汚れた太陽 |
ルイ=ステファン・ユリス著 |
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〔初版〕 1996年
フロラン・マソ社(パリ)
叢書ポケット・リヴォルヴァー 5番 |
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Soleil Sale / Louis-Stéphane Ulysse
-Paris: Editions Florent Massot.
-(Poche Revolver 5).
-167p. -18 × 11cm. -1996. |
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列車に座った青年アルト。砂丘と海の見える実家を離れ、映画スターを目指しての上京だった。 |
俳優養成所に入学、挫折は早かった。才能の無さを思い知らされる。生活費を稼がなくてはならなかった…知人に誘われてチャット専門サイトの管理を任される。SMや獣姦の話はご法度、薬物の話題が出たら接続を切断する。 |
ある日ハンドルネーム「汚れた太陽」からSOSのメッセージが一つ。内容は支離滅裂だったが危機感、切迫感は伝わってきた。事故に遭った少女?薬中青年?無責任な噂が流れ始めていた。アルトにとって、「汚れた太陽」は唯一の理解者だった。「アルト-戯れ-金-汚れた-若く-裸…」。アルトは予言者の姿を求めていく… |
仏国内でミニテルが主流だった時代、インターネット以前の設定です。それでも内容は古びていません。「汚れた太陽」の正体が暴かれる第5部は相当のインパクトで、発想の秀逸さに驚かされた覚えがあります。ヴァーチャ・コミュニケーションを扱ったノワール作品としては90年代でも三本指に入るかと。 |
ユリスはこの叢書に3作残してから純文学畑に移っていき、メディア-アイデンティティ-暴力、現代の三種の神器の模索を続けていきます。 |
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