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UTU |
カリル・フェレ著 |
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〔初版〕 2004年
ガリマール社(パリ)
叢書セリ・ノワール 2715番
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UTU / Caryl Ferey
- Paris: Editions Gallimard.
-(Série Noire; 2715).
- 19 × 14cm. -2004. |
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ニュージー北島で奇妙な事件が続いていた。 |
マオリ族関連コレクションの持ち主として有名な富豪メルローズ宅から古い「斧」が盗まれる。そして浜辺に打ち上げられた死体。下半身を鮫に食いちぎられた跡があった・・・被害者はメルローズ財団の下請会社で会計をつとめていた女だった。 |
事件の調査にオズボーンが呼び出される。マオリ語を学び始めたのは隣に住んでいた少女ハナがきっかけだった。古い思い出が蘇ってくる。パソコンから、資料からハナの居場所を探していく。 |
初恋の女がマオリの原理主義グループに参加、盗みだした斧で侵略者白人の首を撥ね、復讐の儀式UTUを甦らせようとしているとは予想もしていなかった… |
名作『HAKA』の続編が6年ぶりに発表されました。前作の主人公フィッツジェラルドは出てきませんが(死んでしまっているので)、後輩のオズボーンが登場。反抗的でニューヒッピー風警官の設定で前作より空気が若くなっています。 |
ニュージーランドをめぐる社会、歴史への視点が深まっていて、マオリ語の知識も初披露。結末部がテロリスムに共感、親近感を覚えていると読まれかねない危険さですが、それを差し引いても(それを含めて)この削ぎ落とされたスリラーの説得力に変わりはないと思います。04年発表作で紛れもなく最良の一作。 |
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