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守護女 |
ジョルジュ=ジャン・アルノー著 |
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〔初版〕 2003年
エデン・プロダクション (パリ)
叢書エデン・フィクション
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Les Gardiennes / Georges-Jean Arnaud
-Paris: Eden Production.
-(Eden Fictions).
-60p. -11×19cm. - 2003. |
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さびれた住宅街に再開発の波が押し寄せ、クレールの家の正面にも数台のブルドーザーが集まっている。年明け、寒空に立ち上っていく機械の蒸気。 |
「どちらかというと平穏な」日々を送っていたクレールの人生がこのマンション工事を境に一変する。息子は新年に買ってくれた携帯電話あてに工事の進捗を何度も尋ねてくる。一角を離れていた昔の隣人がクロワッサンとアラビカ珈琲を持参でやってくる。 |
奥歯に物の挟まった言いよう、人々の思惑は皆同じ。23年前に失踪した少女エロディを思い出している。 |
女は自分の持ちこんだ珈琲、オレンジジュース、ワインを飲んでいく。その間も手元から一度も目を離そうとはしなかった。
「怖そうね。毒殺でもされそう?」、クレールの微笑。
「変な質問しないでよ」。
「そう?だって私はあなたが昔”人殺し”って責めた子供の母親ですもの。いい加減あなたが来るのに嫌気がさして」。
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最近SF方面での活動が目立っていたアルノー、久々のノワール短編です。物語の筋立ては大したものではありませんが、人間関係のささくれ、トゲトゲを巧みな小道具(ゴミ箱・携帯)使いで表現していきます。 |
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