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                  |  | ヒロシマのバルコニーで |  
                  | ジャン・アミラ著 |  
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                  | 〔初版〕 1985年 ガリマール社(パリ)
 叢書セリ・ノワール 2007番
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                  | Au Balcon d'Hiroshima / Jean Amila -Paris: Editions Gallimard.
 -(Série Noire; 2007). -1985.
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            | 1939年、スイスのチューリッヒで銀行強盗が発生。警官一人を含む3人が死亡した。犯人5人のうち2人を射殺、2人を逮捕。だが主犯格のダンピエールは金を持って高飛びした直後だった。39年春、男は東京に向かったようだった。 |  
            | 6年後の東京。仏大使館に呼び出された男。「ロジェ・ダンピエールか。名前に聞き覚えは?」。旧悪が露見したようだった。銀行強盗で得た資金を元手にパチンコ工場を経営、商売が軌道に乗ってきたところで空襲にあい、全ては灰になっていた。 |  
            | 家を焼かれたダンピーエルは他のフランス人被災者と合流する。軍人が交代で見張りに当たっていた。「フランス人だと証明できる書類は?」。どうやらスパイの容疑がかかっているようだった。脱出は簡単だったが・・・行く場所はなかった。 |  
            | 広島郊外の収容所に移送される。食糧不足で皆の気が荒立っている。「町まで下りて食料を探そうか」、「無理だろう」、ダンピエールを含む三人が収容所に戻ろうとしたとき空全体が真っ白に輝いた。8月6日。 |  
            | アミラ遺作。スイスから流れてきた犯罪者が広島原爆投下、終戦まで立ち会っていく物語。正直それほど良く書けた作品ではないのですが、ロマン・ノワール+反戦小説の発想が面白い形で結実しました。仏核実験再開を取り上げた『チュライ』I(パトリック・ペシュロ著、96年)では主人公にアミラの本名ジャン・メケールが使われていましたが、遺された何かが引き継がれていく実感がありますね。 |  
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