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誰様? |
ジャン・アミラ著 |
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〔初版〕 1974年
ガリマール社(パリ)
叢書セリ・ノワール 1683番 |
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A qui ai-je l'honneur? / Jean Amila
-Paris: Editions Gallimard.
- Série Noire; 1683). -1974. |
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機械油の匂いが立ちこめていた。 |
パリ郊外の小さな中古車販売屋、小型車の前に足を止めた青年。「試し乗りしても良いですか?」、店員ジョルジュに頼んで車に乗りこんでいく。だが男は橋を越え、人気のない場所で急ブレーキをかける。「ジョルジュ、12年前に新聞で騒がれていたよね。殺人事件で」。声に脅迫の調子があった。 |
監獄仲間ドーブラクの隠した金を追って秘密組織が動き始めていた。ジョルジュは脅迫を振り切って脱出、中古車屋へと戻るが…ジョルジュが元犯罪者だったと知った義父と妻の反応は冷たかった。ジョルジュは荷物をカバンに詰めて家を出る。秘密組織の連中が中古屋を襲撃したのはその直後だった。 |
尋問を受けた義父マルセルは入院、妻イヴェットが誘拐される。事件を知った刑事ラントレィユは調査を始めようとするが上司から「手を出すな」の指示が入る。秘密組織は軍部関係者が関わっており、警察も手を出せない状態だった。ラントレィユは辞職の意向を伝え、ジョルジュと共にイヴェット奪還に乗り出していく。 |
原題(レジオンドヌール勲章を暗に指しています)を含めて軍部批判をこめた一作。首都の犯罪者模様と市井の生活を交差させ、そこに秘密組織の暗躍を並行して描こうとしていきます。結末にはベターエンドに終わるのですが「秘密組織」の記述が曖昧で説得力に欠け、物語も焦点がぼやけてしまった感じ。残念。 |
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