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マンションの爆発事故で7人が死亡。被害者の一人スターン夫人の葬式が執り行われていた。奇妙なことに夫が姿を見せなかった。 |
「旦那は俳優だそうで。役作りで閉じこもることも多いそうです。奥さんが亡くなったことを知らないのかも」。エドゥアール刑事は確認のため、映画撮影が行われてるアルシスに向かった。 |
本物かと見まがうナポレオンが脇を通り過ぎていった。 |
バルザックの小説『暗黒事件』を映画化している最中だった。事件当夜、夫のシャルルが撮影現場から離れなかったことは確認できた。だが映画関係者から「昔一緒に仕事をしたシャルルとは別人と思う」の証言があった。 |
影武者?11年前の事件が蘇ってくる。「爆弾魔として知られたテロリスト、アンリがシャルルになりすましているのでは」、古い記録を手がかりに調査を進めていく。11年前に男を告発した女性ルガレクに頼んで本物かどうかを確認してもらう。翌日、ルガレクが交通事故で亡くなったという連絡が入った・・・ |
前半150ページは『反抗刑事』に近い綺麗目のミステリーになっているのですが、後半イエナの戦いの撮影場面で虚構と現実が奇妙な形で混ざっていきます。偽のナポレオンが何人も登場、そのうちの一人がCIAだったりもします。幻想小説風でやや癖のある三部作最終章。 |
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