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〔反抗刑事ジェロニモ三部作 その1〕
痴れ者の船 |
ジャン・アミラ著 |
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〔初版〕1972年
ガリマール社(パリ)
叢書セリ・ノワール 1468番 |
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La Nef des dingues / Jean Amila
-Paris: Editions Gallimard.
-(Série Noire; 1468). -1972. |
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パリ郊外、通りで男女が口論していた。
「50年遅れでカンデンスキーを描いていても一文にもならない。絵はもう止める」
「止めてどうするの?」
駆け出しの画家ドルフの不機嫌をブリジットがなだめていた。 |
半月前にドルフの個展が始まっていた。絵は売れなかったが初日の特別招待日にやってきた客たちの連絡先は聞いておいた。ブリジットはソランジュに連絡を入れる。旦那のノノが不動産屋を経営、船も持っている富裕な男だった。 |
「絵が売れたので新しいマンションでも買おうかな、と」。嘘をついて商談を持ちかける。自慢のヨット「アルマゲドン号」を見せてもらうことになった。当初の計画では一週間ほど試乗させてもらい、南仏でバカンスと洒落こむつもりだった。だがヨットには先客が乗っていた。地元の子供たちが勝手に乗りこんで好き放題していた。 |
ブリジットの報告でノノが駆けつける。「他人の船に勝手に乗りこむのが悪いことだと知らないのか」、銃を手に子供たちを脅していく。リーダー格の一人がおかしな動きをした。ノノの手元で拳銃が火を放つ… |
登場する人物がどれも自己中で吐き気のするような会話、対立が続いていきます。ブリジットの知人として「反抗刑事ジェロニモ」ことエドゥアールが初登場した作品なのですがまだ脇役でほとんど活躍せず。この時点では連作にするつもりはなかったのではないかな、の印象があります。 |
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