無限の魔人 第四話 〜心眼救出〜
彼は霊力を集中し始めた。
両手に・・・物質化するほどに・・・だが、周りの誰もが気づかない。
会場内に居る神魔族でさえも。
「よし、出来た。後は文珠で」
[偽][装]
物質化した霊力は四角い布の様だった。
それに文珠でバンダナのように色と模様をつけた。
「んー、完璧。さてそれじゃ・・・行こうか」
彼の目には強い光が、何かを決意した者だけが持つ剣呑な光だった。
[会場内]
「くらえええええええええ!」
(さらばだ横島!)
迫り来る霊波砲に横島の額から飛び込むバンダナ。
「し、心眼ーーーーー!!」
バンダナに霊波砲が触れた瞬間、眩いばかりの光が会場を埋め尽くした。
目が慣れてくるとそこには、灰になったバンダナがあった。
いや、それも徐々に消えて行った。
「うおおおおおおお!!」
[会場外]
「予定通り、誰にも悟られず救出!」
そこには片手にバンダナを彼が立っていた。
彼が行った救出作戦はこうだ。
1.心眼が横島から離れた直後、[転][移]の文珠を使う。
2.心眼の前に重なるように偽バンダナを出現させる。
3.偽バンダナと霊波砲でサイキック猫だましの効果を出す。
4.皆の目が眩んでいる間に結界内に彼が侵入。
5.[超][加][速]を発動し、心眼救出。
6.文珠で破れた結界を[修][復]。
7.文珠で外へ[転][移]
以上が恙無く行われ、見事に心眼を救出したのだ。
【な、何が起こったのだ、何故私がまだ「助けたからに決まってんだろ」
【む、横島・・・ではないな。お主何者だ】
「俺は界人(かいと)。限りなく愚者に近い賢者。勿論、自称だけどな」
【愚者、賢者? い、いや、それよりも試合はどうなったのだ!?」
その時
『勝者横島選手!!』
「「「うおおおおお!!」」」
沢山の人物の歓声が会場内より聞こえてきた。
「どうやら勝ったみたいだな。お前の行動も無駄じゃ無かったって訳だ」
【そうか、それはよかった・・・が、何故私を助けた。私はあの時に役目を終えたのだ、あそこで消えるべきだった】
「そんな事俺は知らないな。俺は助けたいから助けたんだ。お前の存在理由云々は関係ない」
【・・・・お主、周りから自己中と言われた事はないか】
「た、偶に有るかな」
頬を掻きながら苦笑する界人。
【ふふ、それでお主は私に何を求める】
「話が早くて助かる。俺と共に来い。ちなみに拒否権は無かったりする」
ニヤリと意地の悪そうな笑顔。
【良かろう、今更あやつの所に等戻れぬからな。元々消えるはずだった私だ、お主に付いて行こう】
「ああ、よろしく頼むぜ。相棒」
そう言いながら手元の心眼を優しい微笑みで覗き込む。
心眼は彼の顔から目が離せなかった。
彼は寂しかった。
帰ってきた世界は彼の時代ではなく、他の彼が居た。
帰りたかった・・・如何に長年生きようとも見知った仲間なのだ。
彼らの元に駆けつけたい感情は確かにあった。
だが、彼には出来なかった。
この時代に生きる人々は彼の存在を認めていないから。
心眼は皆の前から消えた。彼と同じように。
彼は仲間が欲しかった。
共に歩んでくれる者が。
そして、彼は孤独ではなくなった・・・・。
(それが例え、一時的なものだとしても・・・)
無限の魔人 第四話 〜心眼救出〜
end
あとがき
ふ・・・レスに対する返事を書いてる時にブラウザを閉じてしまいました。
また最初からかああああああああああああああああああ。
と自己嫌悪。関係なくてごめんなさい。
心眼救出させましたが、なんか真っ当な(?)手を使って助け出しちゃいました。
サイキック猫だましで会場の目を眩ませ、超加速でばびゅーんと助けて逃げる。
そんな簡単で良いんですかぁああ!?
それと話の進みがめっちゃ遅いです・・・ごめんなさい。
レス返し(私的には二度目・・・うぅぅぅ)
>匿名希望さん
平行世界ではやっぱり別人、知らない人でしょうね・・・でも「彼」ならきっと「それでもいいや」って考えるはずです!いや、そうに違いない!!!
>紅さん
>ああ、ゴッド博士の説ですね(注:実在)。
>並行時空における多層世界の構造説でしたっけ
そんな小難しい話は置いて置いてください。(ええ!?
私が「過去に戻るのも歴史通り」と考えたきっかけは、あの作品「ドラえもん」です。のびたの宿題をやる為に、ドラえもんが考えた案は何と!?
「未来から自分を引っ張って来て宿題をやらせる」でした。ドラえもんはタイムマシンに乗り込み、3時間後、5時間後、8時間後・・・・で計6人?の自分を未来から連れてきます。色々有って、何とか宿題を終わらせ「さぁ、眠ろう」と思った時に「過去の自分」がやってきて宿題を手伝えと言ってきます。それを何度も繰り返し、最後には逆切れ。知ってるかな?
>紫竜さん
8回って別に拘ってる訳でも無かったり・・・最初の考えでは彼の年は4万300歳とか、そんな「取りあえず年取って人生に生きた親父の雰囲気を持たせよう」なんて考えてだとか・・・・・・い、いや、なんでもないです。
>MAGIふぁさん
げ、文珠ですか!? いやいや、ご指摘ありがとうございます。これからの作品は全て「文珠」と表記します!
>どっちにしろ、途中途中をダイジェストで飛ばさないとつらそーだぞ。とゆー >か……辛くなるよ?(マジ)
ダイジェストの間隔が良くわからなくて困ってます。今までの書き方だと人の心情等がわかりやすい分、作品のキャラクターに感情移入できるかなー?なんて思ってやってましたが・・・・これからちょっと変えてみます。あくまでも作品の雰囲気を壊さないように注意しながらですが。
>九尾さん(レス神様)
>微妙にセリフとか変わってますね。確かに別世界と考えて差し支えなさそうです。
手元に原作無いので、違う世界ってセリフ違ってても良いし、楽だなー・・・なんて・・・・棚から牡丹餅とはこの事!?
横島が2人居るのはかなり自由ですよね。でも・・・逆に何をして良いのかが分からないと言う・・・あああ(笑
>横島が決める今後の方針とやらが楽しみです。
取りあえず決めたのは「心眼助けよう」って小さな方針だけでした。これから大きく向かっていく方向を決めたいと思います。
>シシンさん
>はて?一人目って誰だっけ?美神は一番横島君をほっといたし(原作でも、除霊中「気を付けて」位で何か教えてた覚えが無い。少なくとも私は。)、小竜姫様に修行付けて貰うのは、ワルキューレに戦力不足だって言われてからだし・・・。はて?
彼の中で一人目は小竜姫です。彼の霊的素質を見抜き、彼が成長するきっかけを与えてくれ、そして修行を本格的に付けてくれた初めての人です。
師匠というか、「認めてくれた人」でも良いかもしれませんね。
>トレロカモミロさん
>彼らしい『小賢しい』方法であることを期待していますw
ああ、小賢しく無くてごめんなさあああい。_| ̄|○