文珠’模’の力により謎の男(バレバレ)の能力をコピーした横島。
時間稼ぎにしかならないことを知りつつも彼はランサーに挑んでいく(あ、いっちゃった。)
流動の第四話。発動っ!承認っ!(すいませんパクリました。)
カインッ! キィンッ!
横島が男の能力をコピーしてから何合目かの槍を打ち払う。
「はっ!ははは!おもしれえ、面白すぎるぜ、お前・・・・」
「そ、そりゃどーも」
何合目かの打ち合いを終えて、離れて仕切りなおす二人
「まさか俺の能力をこう迄忠実に再現できるとはな・・・」
男は余裕そうな顔をみせていたが、心中ではかなり焦っていた。
ただの猿真似かと思いきや、俺の動きそのものじゃねぇか・・・
本当に何者だ?こいつ。
こんなことができるのは魔術師ぐらいだが、こいつには魔力を感じない。
つまり、さっきの妙な技も含めて魔術ですらない!なんてでたらめだ!
「へへへ、これ以上やってもキリが無さそうだぜ。いい加減ここいらで手打ちにしないか?」
時間稼ぎをメインにして闘っていた横島だが、そろそろ文珠の時間切れが近づいてきたため、もうあまり余裕が無かった。
しかも、士郎は土蔵の前でうずくまっていて、まだたどり着いていないのだ。
「・・・・・そうだな、遊びは終わりだ。」
横島の問いに構えを直す。
だが、その構えは先ほどまでとは違う。男の眼もさらに鋭くなった。
「次で必ず殺す。」
その瞬間に、空気が変わった。
「!?これは・・・」
横島もその異常さに気づく。男の持っている槍に力が流れている。それも、多分、士郎や自分以上の力が。
やばい。これはマジでやばい。どうにかしないと死ぬ。
そのとき、横島の頭にその武器がどういうものであるのかという情報が流れ込んできた。
’刺し穿つ死棘の槍’
因果を逆転させ、既に心臓に命中している、という事実が作られる。
!?冗談じゃない!こんな反則ありかよっ!下手すりゃ魔族よりも性質が悪いじゃないか!
どうする?文珠の能力ももう限界だし、残りもあと僅か。
「くうっ!!」
「喜べ!人間相手にコレを使わせたのはお前が始めてだ!」
あと少しでアレが発動される。何か方法は!?
「因果を逆転させるなんてありかよっ!」
そこでふと気づく。
「!待てよ・・・因果を逆転・・・因果を逆転・・・逆転・・・・そうか!」
そこで文珠の時間も切れる。
ボフッ!
「時間切れか!だが、もう関係ねえ!」
必殺の一撃が放たれる!
’ゲイ・ボルク’
’刺し穿つ死棘の槍’
「間に合え!!文珠!」
二つの文珠を手に取り発動させる。
’逆’ ’転’
ドグワアアアアアアアンンッッ!!!!!
その瞬間、すさまじい衝撃が巻き起こった。
「うわあっ!」
「ええっ!?」
「なにっ!?」
衝撃が起きた瞬間横島は遥か後ろ、士郎を巻き込んで土蔵の中まで飛ばされる。
見ると、男も吹き飛ばされていた。
「・・・・いてて、何とか成功か?」
「な、何がおきたんだよ、兄貴・・・・?」
「いやな、あの武器が因果を逆転させる武器ならこっちも逆転させてやれと思ったんだが・・・」
「?よくわからないな・・・」
「まあ、おれにもよくわからないから、気にすんな。」
「いや、気にしてもらおうか」
「え?」
同じように吹き飛ばされた男がすぐそばにいた。
「本当にお前は何者だ?魔術師でもないのに魔術みたいな奇妙な技を使い・・おまけにゲイ・ボルクの因果の逆転と同等の力まで発生させやがる。さっきの衝撃は、互いが互いを打ち消そうとしたために魔力が暴走したって訳だ・・・でたらめすぎるにもほどがあるぜ。」
「俺にしたらてめえらのほうがよっぽどでたらめじゃあっ!!」
再び文珠を使おうと準備するがその前に
「おらっ!」
「ぐふぉあっ!」
思いっきり蹴り飛ばされた。
「兄貴っ!」
「こうしちまえばもうあの妙な技は使えないだろう。安心しな、楽しませてくれた例だ、一撃で仕留めてやるよ!」
二人に向かって走る銀光。横島と士郎に向かって伸びる穂先。
体に埋まる鉄の感触も。
喉にせり上がってくる血の味も。
世界が消えていくあの感覚も。
つい先ほど味わった。
それをもう一度?しかも、今度は兄貴も一緒に?
ふざけるな!俺はまだ死ねない。こんなところで意味なく死ぬなんて絶対に認められない。助けてもらったのだ。
兄貴に、俺の命を救ってくれた人に。
助けてもらったのなら生きなきゃいけない。
頭に来た。
一日に二度も殺されるなんて、兄貴も一緒に殺されるなんて。
そんな馬鹿げた話があるもんか。
「ふざけるな、俺は・・・・俺たちは・・・」
こんなところで意味もなく、お前みたいなやつに、殺されてやるものかっ!!!
キイィンッ!
「え・・・・?」
それは本当に、
「何っ・・・・!?」
魔法のように、現れた。
目映い光の中、それは、俺たちの背後から現れた。
思考が停止している。現れたそれが、少女の姿をしている事しか判らない。
それは現れるなり、俺たちを貫こうとした槍を、手にした’何か’で打ち弾き、躊躇う事無く男へ踏み込んだ。
「七人目のサーヴァントだとっ!?」
二度火花が散った。
現れた少女の一撃を受けて、たたらをふむ槍の男。
「くっ・・・・!」
不利と悟ったのか男はすばやく土蔵の外へ飛び出し、退避する男を体で威嚇しながら、それは静かに、こちらへ振り返った。
風の強い日だ。雲が流れ、わずかな時間だけ月が出ていた。
土蔵に射し込む月光は騎士の姿をした少女を照らている。
目の前の少女の姿があまりにも綺麗すぎて、言葉を失った。
少女は宝石のような瞳で、何の感情もなく俺を見据えた後。
「・・・問おう。貴方が、私のマスターか」
凛とした声でそう言った。
第五話へ続く
あとがき
みなさん、大変お待たせいたしました。遂に、遂にセイバーの登場です。ここまで来るのに五話もかかってしまいました。(ううっ終わりが見えない。)この先は全ルートを網羅しつつ新たな展開を魅せるように(誤字にあらず)頑張っていきたいと思います。
また、前回でも断りましたが、この先、この作品の続編投稿は不規則なものになると思われます。しかし、やり始めたのだから最後まで書き続けるつもりでおりますので、ご安心下さい。