これから彼らは、この聖杯戦争を勝ち抜く事ができるのでしょうか?
ついでに、横島は元の世界に戻る事ができるのか?
それでは皆さんお待ちかねっ!
『GS横島 IN Fate第五話』レディGO!!(すんません、またパクリました。)
「・・・問おう、貴女が、私のマスターか」
「え、マス・・・ター・・・?」
突然の事で、何を言われたのかよくわからない。
わかる事は、彼女が外の男と同じ存在だという事だけ。
その姿、どこまでも美しく自分だけが時の流れから外された様に、この隙あらばすぐにあの男が襲ってくるであろうこの状況の中で。
ただ、目の前の少女の少女だけしか目に入らなかった。
「サーヴァント・セイバー、召還に従い参上した。マスター、指示を」
「・・・・・っ」
その、マスターという言葉とセイバーという響きを耳にした瞬間に、左手に痛みが走った。熱い焼きごてを押されたような、そんな痛み。
思わず左手の甲を押さえつけえる。
それが合図だったかのように、彼女は頷いた。
「・・・・・これより我が剣は貴女と共にあり、貴方の運命は私と共にある。・・・・・ここに、契約は完了した。」
「な、契約って、何の・・・・・!?」
彼女はその問いに答えず、顔を背けた。向いた先は外への扉。そこにはいまだ、槍を構えた男の姿がある。
シュバッ!
あっという間に彼女は土蔵の外へ飛び出した。
「!」
士郎は、急いで跡を追った。あんな小さな女の子が外の化け物みたいな男に勝てるわけが無い。だが・・・
「な・・・・!?」
それは、無用の心配。少女は、セイバーと名乗ったあの少女は間違いなく槍の男を圧倒していた。
士郎では視認する事さえ出来なかった男の槍は、さらに勢いを増して少女へと繰り出される。
それを、手にした’何か’で確実に弾き逸らし、間髪入れずに間合いへと踏み込む。
「チィ・・・・!」
憎々しげに舌打ちをこぼし、男は僅かに後退。狙われた脇腹を防ぐ形で槍を縦に構える。
「ぐっ……!」
一瞬、男の槍に光が灯る。
その光がなんなのか、男はおろか士郎にだって解った。
ソレは、視覚できるほどの魔力の猛り。
少女の一撃一撃に込められた、とんでもないほどの魔力。
あんなもの、防ぐだけでも相当な衝撃だろう。
少女の一撃が振るわれる度に、庭は閃光に包まれる。
だが、男が圧倒されている理由は、それだけではない。
「卑怯者め、自らの武器を隠すとは何事か……!」
男が、悪態をつくが、少女は答えずさらに手にした’何か’を打ち込む。
そう、少女の武器は見えない。その武器がどんな形なのか、どのぐらいの長さなのかが解らない。
間合いが解らない以上、迂闊には踏み込めない。
「チィッ!」
男は、よほど闘いづらいのか、先ほどまでの切れがない。
「なんじゃこりゃあっ!?」
変な叫びがあがった。横島が目を覚ましたのだ。
「兄貴っ!」
「おい・・・士郎、どうなってるんだ、これ?それに、アイツと闘ってるのは誰だ?」
「俺にもよく解らないけど・・・女の子の方はセイバーっていって・・・
俺達を助けてくれたんだ。」
「セイバー?アレから?俺達を?・・・スゴイな・・・・」
横島は少し驚いたが、もとの世界でパピリオ、や小竜姫などを見ていたために、ショックは少なかった。
「……小竜姫さま並か?」
「どうかしたのか、兄貴?」
「いや、ちょっと独り言。あ、止まった。」
二人が会話している間に、少女達はお互いの必殺の一撃を防ぎ大きく間合いを離して、何か話していた。
「・・・・どうしたランサー。止まっていては槍兵の名が泣こう。そちらが来ないのなら、私が行くが」
「・・・は、わざわざ死にに来るか。ソレはかまわんが、その前に一つだけ聴かせろ。貴様の宝具・・・・・それは剣か?」
「・・・・さあどうかな。戦斧かもしれぬし、槍剣かもしれぬ。いや、もしや弓という事もあるかも知れんぞ、ランサー?」
「く、ぬかせセイバー」
それが本当におかしかったのか、ランサーと呼ばれた男は槍を僅かに下げる。
「?」
「あれはまさか!」
少女は戸惑い、横島は戦慄した。
その構えは、夜の校庭で行われた戦いの最後を飾るはずだった一撃。
横島が防いだ。因果を逆転させる魔槍。
ゲイ・ボルク
刺し穿つ死棘の槍
「・・・ついでにもう一つ訊くがな。お互い所見だしよ、ここらで分けって気は無いか?」
「・・・・・・・」
「悪い話じゃないだろう?そら、あそこで惚けているお前のマスターは使い物にならんし、俺のマスターとて姿をさらせねえ大腑抜けと来た。ここはお互い、万全の状態になるまで勝負を持ち越した方が好ましいんだが・・・」
思っても見なかったランサーの発言に横島と士郎は・・・・
「「是非、お願いします!!」」
でかい声で答えるが、セイバーは
「・・・断る。貴方はここで倒れろ、ランサー」
なんつって思いっきり断った。
「あ、あほかぁ!?こちとら、なんにも解ってないのにいきなり殺し合いを始めやがって!少しは説明しろぉっ!」
激昂する横島
「・・・・ああ言っているが?」
「・・・答えは変わらない、それにアレは私のマスターではないからな。」
だが、セイバーにあっさり無視されてしまった。
「そうかよ。ったく、こっちはもともと様子見が目的だったんだぜ?サーヴァントがでたとあっちゃ長居する気は無かったんだが・・・・」
ランサーが姿勢を低くする。同時に巻き起こる冷気。
「宝具・・・・・!」
「やっぱりあれかよ!」
少女は剣らしきものを構え、目の前の敵を見据え、横島は再び戦慄した。
「・・・・じゃあな。その心臓、貰い受ける・・・・!」
そのまま、男は少女の目の前に跳び、槍を彼女の足元に繰り出す。
少女はそれを飛び越えてランサーを切り伏せようとし、横島は駆け出し、手に何かを発生させる。
ランサーはかまわず、ソレを発動させ・・・
「ゲイ・・・・」
「サイキック・ソーサー!!」
出来なかった。
どおおんっ!
「な!?」
「!?」
横島が放った、サイキック・ソーサーがランサーの体に命中し、吹き飛ばしたのだ。
当然、少女の一撃は外れることになる。
「何故邪魔をする!?」
横島に詰め寄るセイバー。
過程がどうあれ、彼女には横島がした事はランサーを助けようとしていたように見えたのだ。
「バカっ!あのままだったらやられていたのはお前のほうだぞ。」
「ランサーの一撃がいかに強大だとしても、当たらなければ意味は無い。」
「だからバカっていったんだ!あの槍はゲイ・ボルク。因果を逆転させてんだ!槍が心臓を貫いた事実を先に作ってあるから必ずあの槍はお前の心臓をぶち抜いてたぞ!」
「なっ!?」
セイバーは驚いた。何故、この男がそんな事を知っている。それが、セイバーには不思議だった。
「貴方が何故そんな事を知っている!」
「アレとやり合ったからに決まってるだろうが!」
「そんなバカな事があるか!!ただの人間が、それも魔術師ですら太刀打ちできないサーヴァントと戦うなど不可能だ!」
確かに、セイバーの言うとおり魔術師ですら太刀打ちできない神秘、どんな不意打ちをしたとしてもかなうはずも無い、ましてや横島に魔力は全く感じられない。そんな彼がどうやってサーヴァントと戦えるというのだろうか。
「いや、事実だぜ。」
振り向く二人、そこには衝撃から立ち直ったランサーがいた。
「その小僧、どういうわけか俺の能力を写し取ってな、その時にでも俺の頭の中を覗き込んだんだろう。」
「サーヴァントの能力を・・・!?」
「信じられないだろうが事実だ。・・・オマケに俺のゲイボルクすら防ぎやがった。」
ランサーは面白そうに言う。
「さて、どうする?俺としてはうちのマスターから帰って来いっていわれてるんだが」
「解った。ここで引いてくれランサー」
士郎が言った。
「マスター!?」
「やめろって、あいつはお前のマスターなんだろう?マスターの言う事は聞いとけ。」
「ぐっ!」
士郎の言葉に反対するセイバー、それを横島が押しとどめた。
「話が解るな、セイバーのマスター。さて、それじゃあ俺は行くぜ。」
そういってランサーは去っていった。
「ふう、あーこわかったぁ」
「俺も、今更ひざが震えてきた」
ランサー去った瞬間に士郎と横島はへたり込んだ。
「マスター、何故ランサーを逃がしたのですか?」
「え?」
「え?ではありません。倒せるときに倒さないなどというのは・・・・」
「あのさ、その前に・・・・おまえ、何者だ」
戦闘の緊張が解けたところにセイバーが話しかけてきた。
戦闘していた時の混乱で忘れていたが冷静になると、この少女も今の槍の男と同じ存在だという事に今更気づいた。
「?何者も何も、セイバーのサーヴァントです。・・・貴方が私を呼び出したのですから、確認をするまでも無いでしょう」
「セイバーのサーヴァント?」
「はい、ですから私の事はセイバーと」
「・・・そうか、俺は士郎。衛宮士郎っていって、この家の人間だ」
なんだか間抜けな自己紹介をする。まだ混乱しているようだ。
「えと、それで訊きたいのはそういうことでなくて」
「解っています。貴方は正規のマスターでは無いのですね。ですが契約を交わした以上、貴方は私のマスターです。」
「じゃあ、とりあえずマスターてのはやめてくれないか?」
「わかりました。それではシロウと。ええ、私としては、この発音の方が好ましい」
「話、終わったか?」
それまで蚊帳の外だった横島が口を開く。
「兄貴っ!・・・ごめん、忘れてた。」
「忘れんなよ!だいたい、セイバーが出てくるまで闘ってたのは俺だぞ!」
「え?あ、そういえばそうだった。て、熱っ!」
いきなり、士郎が左の手の甲を抑えた。
「どうした!?・・・・何だこれ?」
左手をこちらに向けさせるとその左手には入れ墨のような、奇妙な文様が刻まれていた。
「な・・・・」
「それは令呪と呼ばれるものですシロウ。私たちサーヴァントを律する三つの命令権であり、マスターとしての命でもある。無闇な使用は避けるように」
「お、おまえ・・・」
と今度こそ問い詰めようとした矢先、彼女の雰囲気一変した。
「シロウ、おしゃべりはここまでです。敵がきます。この程度の重圧なら、数秒で倒しうる相手です」
言って、セイバーは軽やかに跳躍した。
「・・・外に、敵?」
「て言って出て行ったということは・・・・」
「「まだ闘う気かよっ!!」」
二人して絶叫した。
ぜっきょうしつつも二人は外に飛び出し、閂をかけるのを士郎に任せて横島はセイバーを探す。
見覚えのある赤い男とセイバーが対峙している。
セイバーは躊躇うことなく赤い男へと突進し、一撃で相手の態勢を崩して、今まさにとどめの一撃を振り下ろそうとしていた。
その奥にいるのは、見知ったクラスメート。
ぶっちゃけ男のほうはどうでもいいがアイツだけは駄目だ。
「畜生っ!」
その思った瞬間に、横島は文珠を発動させる。
’縛’
間一髪、赤い男はセイバーに切り伏せられたがそこで、セイバーは止まった。
「く、令呪!?正気ですかしろ・・・」
そこで彼女の言葉は止まる。
自分を止めた相手が士郎ではなく彼が兄と呼んだ少年。
「バカな・・・・?魔術師でもないのに私を止めただとっ!?」
驚愕に顔を歪めるセイバー。
「ふう、間に合ったぁ」
心底、疲れた顔をする横島。そこに士郎が遅れてやってきた。
「セイバー、やめ・・・てあれ?」
士郎が着いたときには、すべて終わっていた。
「え、兄貴が止めたのか?」
「おう、なんとか間に合った。あ、セイバーその文珠、もうすぐ切れるから」
あっけらかんとして言う横島。
セイバーと士郎、そしてセイバーに殺されかけた、もう一人の少女は驚いた顔で横島を見ていた。
無理も無い、どう見たって横島は魔術師ではないし、10年間一緒に暮らしたきた士郎だって横島がこんなに強いとは思わなかった。
「んで、そろそろ説明してほしいんだけどさ、凛も」
殺されかけた少女、遠坂凛とセイバーはそれでやっと我に返った。
「・・・そうね、私もいろいろと聞きたいこともあるし、行きましょう衛宮君、横島君。」
「同感です。あなたの能力、ハッキリ言って異常だ、説明を求めたい。」
そういって、二人は横島と士郎を誘っていった。
第六話に続く
あとがき
長くなってしまった・・・・・学校の課題やバイトにより三日ぶりの更新となりましたブルガです。うう、これでオリジナルのほうへ入れるといいなあ、なんか原作手直ししているみたいで、TYPE−MOONの方々に申し分けない。この場を借りて、ごめんなさい。
BACK<