無限の魔人 特別外伝 その1 〜ラプラスの語り〜
---いつかの物語---------------------------------------------
やぁ、初めまして。僕はラプラス、元々は前知魔と呼ばれていた存在さ。
この出会いを祝して、君に1つ教えよう。
「未来はいつも決まっている」と。
よく未来に決まりは無い、未来は無限にある、何て言うけど・・・それは嘘。
全くのデタラメ、信じてはいけないよ?
僕にはいつも1つの未来しか見えないのだから。
ああ、今僕の事嘘吐きだと思ったね? なら事実を教えてあげるよ。
と言っても、今まで語った事が嘘って訳じゃないよ? お間違え無く。
所で、神や魔って言うのは概念的存在でもあるんだ。
例えば、多くの人々が「この神様は最高位の神だ!」って信じると、その神の力が
増すし、「その魔王は世界に毒を撒き散らす」と信じれば、その魔王の力が上がっ
て少しだけ毒を持つ事になる。
ああ、もちろん鍛えれば力は上がるよ? 僕が言っているのは元からある力。
基礎力と言い換えても良い、力が底上げされるって事さ。
え? それがどうしたかって?
まぁまぁ、今教えてあげるから、少し落ち着きなよ。
せっかちさんは損をすると、昔から決まっているだろう?
ああ、はいはい。今言うからそう怒らないでよ。
今言ったように、概念的存在であるのは僕も変らないんだ。
つまり、大勢の人達がこう思っている「前知魔ラプラスは未来を知っている」とね
。
これで分かっただろう?
未来が1つしかないと。
僕が語った事が・・・え、まだ分からないのかい?
仕方ない、簡単に教えてあげるよ。
概念的存在でもある僕に対して、人々は「未来を知る者」であると、強く信じてるんだ。
しかも、かなりの多くの人が・・・つまり、人々が信じれば信じる程僕の力、すな
わち「未来を知る」力が強くなるんだ。
これで理解できたかい?
その僕が未来は常に「決まっている」と、そう言ったんだ。
ようやく納得してくれたみたいだね? 僕も説明したかいがあったと言うものさ。
え? じゃあ、演劇の芝居のように俺たちは生きているのかって?
クスクスクス、解ってるじゃない・・・そう!まさしく
その通りさ!!
全ては茶番、誰が仕組んだかは知らないけど、この僕の科白までが決まっている。
君が何処で何をするのか、3秒後に溜息をつくだとか・・ね。
あははははは!!
そう、決まっていたのだよ・・・全ては誰かのシナリオ通りさ・・・え?
僕がこの事を話すのでさえそうかと?
そう、その通り。僕がこの事を話すのも決まっていた。
何故その通りにするかって?
それはね、「修正力」ってのがあるからさ。
普段は全く意識して居なかったってのに、この事に気づいてから何度シナリオ以外
の事をやろうとしたか・・まぁ、結局は出来なかったんだけど。
だから僕は此処に居る。
誰にも会わず、誰とも語らず、まぁそれですら・・・いや、もう止めよう。
君がここに来て、僕と会話する事は決まっていたんだ。
それで良いじゃないか。
ん? まだ聞きたいことがある?
僕が持つ能力の限界まで先の未来はどうなっているか?
・・・ククク、
アハハハハハハ!!
いや、失礼。考えた事も無かったからね。此処200年ほどで一番笑わせてもらっ
たよ。
まぁ、やってみようか・・・・・・
・・・・・・・・「見えた」。
途中で「混沌」が有って、それから直に「白」になる。
凄く曖昧だけど、これが僕の限界だ。
どう言う事かはさっぱり解らないけどね・・・その時になれば解るだろう・・・それに、
その時、君は墓の中さ。
心配ご無用。
もう帰るのかい?
久しぶりに楽しい時が過ごせたよ。また会おう。
新しき、法皇猊下・・・・クスクスクス。
それはいつかの物語、どの「時」にそれが語られたかは「世界」しか知らない。
end
無限の魔人 特別外伝 その2 〜脱走〜
-----彼が現れた時の物語------------------------
おやおやおや、未来が少し前から揺らいでいる。
こんな事は初めてだ・・・あははははは。
白き未来が変る?
いや、まだ解らない・・・だが未来が2つに増えた!
これは凄い事。
これは面白い。
これは楽しい・・・・アハハハハハハハ!!!
これでは僕、ラプラスの能力が役に立たなくなった!
嬉しい・・・・そう!
そうだ!!
僕は嬉しいんだ!!! 最高だ!! 未来が不確定!
何て素晴らしい事なんだ!!
生まれて初めての開放感!! 僕は自由になったんだ!
アハハハハハハハ、シナリオは崩れかけている!
今こそ解放の時・・・僕は今こそ此処を出、そしてシナリオを書き換える「
者」の所へ行こう!!
さらばだ、ヴァチカン! 僕は自由となった!
そしてこの晩、ヴァチカンの最奥地に封じられていた魔が1匹居なくなった。
ラプラスは今、最も真実に近い所に居る者
無限の魔人 特別外伝 その2 〜脱走〜
end
あとがき
この話は急遽考えて挿入しました。
ラプラスに語らせたのは「未来」については一番の知恵者だからです。
そして、今回の話にはかなり深い意味があります。伊達や酔狂で書いた訳じゃない
ですよ。
謎はまだまだあります、お楽しみあれ。
心の叫び(伏線張りすぎて回収できなくなったらどうしよー!?)
レス返し
>トレロカモミロさん
初めまして!これからどうぞよろしく。
>異界の金貨は『金』なんでしょうかな…。
ぐっ、唯の硬貨にしとけば良かった。
>プレーンズウォーカー
私が調べたい上の事を教えていただき有難うございます!
これでまた1つ博識になりました。面白そうな話ですねー。
>九尾さん(レス神様)
相変わらず鋭いですね。いつもビクビクしてます(ニヤリ
>ただの逆行とは一味違いますね。
ふふふ、一味も二味も違うものを目指しております。
>水カラスさん
>文珠で「現」「金」で現ナマ出してたら面白いかも(藁
文殊については第三話あとがきに記そうと思います。ちなみに文殊で物質精製 は出来無い仕様となります。そうじゃないと、いきなりレベル99見たいな物 ですからねー(使いかた次第では
>>>彼は勘違いをしていた。この世界に『戻って来た』そう思っていた。
>>それは一面では正しいが、全てではなかった。
>いわゆる、平行世界みたいなものかな
水カラスさん、謎謎ワールドへようこそ(ぇ
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