新空間内夜・・・
明日は修行最終日。
「明日はいつもよりキツイ修行するからのう・・・。早めに寝ることじゃ」
との老師のありがたーいお言葉を聞いて布団に入る2人。
「なあ横島・・・起きてるか?」
「ああ・・・・」
布団の中から雪之丞が声をかけてきた。
「なあ・・・なんで横島は強くなろうとしてんだ?・・・・」
「・・・・・・俺は・・・守りたいから・・・・」
守りたいと思った相手を守りたいから・・・敵がなんだろうと
「そうか・・・・」
「お前はどうなんだよ?やっぱりママのためか?」
「・・・・本当のこと言うとな・・・ママの事しらねえんだ・・・」
赤ん坊の時に死んじまったからな・・・顔もしらねえんだよ・・・
「そうか・・・じゃあ何でお前は・・・」
「わかんねよ・・・ただ強くなるってママに誓ったんだ・・・」
「・・・・・・・・」
「もう寝るか・・・明日はキツイらしいからな・・・」
「ああ。」
横島はこの夜、この空間に入って初めて文殊を使った。
文字は『幸』『夢』『母』『出』『会』
(うまくいくかはわかんねえけど・・・)
新空間内の夜は過ぎていく・・・・。
朝、
「サンキュー。横島・・・」
「ああ。」
お礼を言う雪之丞とそれに答える横島。
「ふん・・・中々いい状態じゃ2人とも・・・それじゃあ始めるぞい!!2人で魔物
1000体抜き・・始め!!!」
「「な、なにーーーーーーーー?!」」
今まで雪之丞がやってたのは100体抜き。
それでもやっとだったのに今度はその10倍。
いくら2人でって言っても、それでも1人500体の計算だ。
「いやーーーーー!!!」
叫ぶ横島
「うおおおおおおおおお!!」
気合を入れる雪之丞
がああああああああああ!!!
叫ぶ魔物
修行ラストスタート!!
「てい!!」
カチン!!
「なかなか上達しましたね・・・でも!!」
バン!!
「おわ!?」
「まだまだですね・・・」
そう言って小竜姫は、剣をシロの首に向ける。
「ううう・・・。また負けたでござるよ〜」
「筋はいいですから・・・焦らず修行する事ですね」
そういって剣をおさめ、倒れたシロに手を差し伸べる。
「わかったでござるよ」
その手を取り立ち上がるシロ。
「さて、今日はこれぐらいにしておきましょう・・今日は横島さんが帰ってくる日ですから」
「ハイでござる!!」
今日は8月31日。
横島が帰ってくる日だ。
(ほんと・・・嬉しそうですね・・・少し妬けるかも・・・)
嬉しそうにしているシロを見てそう思った小竜姫であった。
「これならどう!!」
「ダメなのね。バレバレなのね。」
ボワ〜ン
タマモの幻術がとける。
「・・・大体無理じゃないの!?あんたの目を誤魔化すなんて!?」
こちらはタマモ&ヒャクメ。
幻術でヒャクメを化かそうとするが・・・。
「そんなこと無いのね〜。現に何回か騙されたことあるのね」
胸張って言うヒャクメ。
「・・・・自分で言ってて悲しくならない?」
「うううう。それは言わない約束なのね〜」
あまり進展なし。
ピーーーーー!!
「ん〜いい感じじゃない?」
「そうですね」
こちらは美神&おキヌ
美神は初めて師匠らしいことをやった。
霊力のうまい使い方や、お札がどうのこうの、こんな敵にはこんな攻撃を、とまあ色々。
「あ、そうだ美神さん!!」
「どうしたの?」
「私、横島さんが唯一ふける曲ってのをマスターしたんですよ!」
「へえ〜アイツが吹ける曲ねえ〜」
おキヌが吹き始めたその曲は、
ちゃらら〜らら、ちゃららららら〜♪
チャルメラだった・・・・。
「どうでした!?」
横島と同じ曲を吹けた事が嬉しいらしいおキヌ。
嬉しそうな顔をするおキヌに美神は・・・、
「・・・上手だったわ・・とっても・・・うん(なにおキヌちゃんにヘンな曲教えてんのよ!!馬鹿横島!!)」
と言うしかなかったそうな・・・。
そして時間は過ぎ夕方。
ガバ!!
くんくんくん
くんくんくん
「「この匂いは・・・」」
シロ&タマモが同時に気付く。
「先生でござる!!」
「横島!!」
「出てきたの!?」
「横島さん!?」
2人のに反応するおキヌと美神。
どだどだどだ!!
あっという間に新空間に続く扉に集まる。
そこには・・・
「おい・・・しっかりしろよ横島・・・」
横島に肩をかすボロボロの雪之丞と
「ふん・・・ラストに限界以上の力を出したんじゃ・・無理も無かろうて・・」
傷一つない猿と
「・・・・・・・・・た・・・立てねえ・・・」
雪之丞に肩を借りて立つのがやっとの横島。
「せ・・先生・・・」
「横島・・・」
「横島さん・・・・」
「横島クン・・・」
「無事だったか横島・・・」
「横島君・・雪之丞君・・・」
「横島サン・・・」
「横島さん・・」
「ヨコシマ・・・」
上からシロ、タマモ、おキヌ、美神、ワルキューレ、ジーク、ヒャクメ、小竜姫、パピリオ。
それぞれが横島の名を呼ぶ。(雪之丞も老師もいます・・いちを)
「お?・・・・みんな・・
ただいま」
みんなに気付いた横島が顔だけあげて、
例のスマイルでただいまを言う。
それに対し、ジークを除く女性陣は、
ドキッ!!としたが、
「「「「「「「「「おかえり(でござる)(なのね)(なさい)横島(先生)(クン)(さん)」」」」」」」」」
負けじと最高の笑顔でお帰りを言った・・・。
「俺もいるんだがな・・・」
「わしもおるぞ・・・」
「お帰りなさい雪之丞君・・老師」
「いいやつだなジーク」
「うむ。こんど一緒に酒でもどうだ?」
「あ・いいですね♪」
「俺もいくぞ!!」
「わかっとるわい・・」
妙な友情ができた3人の男(一匹猿)がいた。
小竜姫にヒーリングをうけ何とか歩けるようになった横島。
とりあえず居間へ移動するが、
「ちょっと待って・・・」
移動中に美神が止めた。
「どうしたんすか美神さん?」
「なんか・・・臭くない?」
「?ガスの元栓は締めましたけど?」
美神のセリフに小竜姫が言うが、
「いやそうじゃなくて・・・(て、ガスとおってんのココ?)横島クン達がよ」
そのセリフを聞いて、「「あ!?」」と声を出す横島と雪之丞、
「そういえば・・・俺達・・・」
「修行の間(つまり2年間)・・・」
「「風呂入ってないなあ〜」」
ピシ!!
その瞬間、空気が凍りついた。
美神達も女性なワケで・・・。
軍人のワルキューレと「これも先生の匂いでござるよ♪」なんて言ってるシロは気にしてないが、
「毎日、風呂に入るほど余裕無かったもんな〜」
「修行終わって飯食ってすぐ寝てたし・・・」
「さっさと風呂いってこんかーーーーーーーい!!」
ドゲシ!!
「「は、はいーーーーー!!」」
横島、雪之丞とともに風呂場へダッシュ!!
「横島さん・・・不潔です」
「拙者も一緒に!!」
「なら私も・・・・」
「パピリオも!!」
「なら私も・・・・」←注意・ワルキューレ
「姉さん・・・なに言ってるんですか?」
「私も入るのね〜♪」
「ちょ、ちょっとヒャクメ!?」
急に騒がしくなる連中。
「な!?あんた達なにいってるの!?」
「私も横島さんと入りたいかな〜なんて・・」
「おキヌちゃんまで!?」
そんな連中を遠巻きに見守る、
「モテモテやのう小僧は・・・」
猿一匹。
ちなみに横島は・・・
「ふい〜〜。いい湯っだな〜アハハン♪」
「ああ〜気持ちいぜ〜」
外の騒動いざ知らず、ゆっくり温泉につかりいい気分♪
「ああ〜これで女がおればな〜〜」
「・・・・・・」
外での騒動知らずに気楽に言う横島だった・・・。
「まあ、色々聞きたいけど・・・」
もう夜の9時過ぎ。
明日からおキヌと横島は学校だ。
「また今度ということで・・・」
帰ることにした事務所メンバー。
門前。
「またきてくださいね」
「また修行しにくるでござるよ!!」
小竜姫とシロ
「こんどこそ化かしてみせるわ!!」
「いつでも来いなのね〜」
タマモとヒャクメ
「またな横島」
「じゃあ、また今度・・・」
「今度はこっちから行くでちゅよ!!」
ワルキューレ、ジーク、パピリオ。
「こんど勝負しようぜ横島!!」
雪之丞・・・え?
「・・・お前は帰らんのか雪之丞?」
「いや帰りたいんだが・・・」
「???」
「あ、そうだ雪之丞さん・・・弓さんから手紙預かってました」
ゴソゴソ
「はい。」
雪之丞は手紙を読んだ。
「・・・・・・じゃあな横島!!」
「帰れないんだな・・・」
「それじゃあ帰るわ・・・横島君、文殊だして・・」
「いえ、出さなくても大丈夫っスよ・・・みんな俺に捕まって」
シロとタマモはすぐに横島の腕にしがみつく。
「ほら・・美神さんとおキヌちゃんも・・・」
「あ、はい・・
///」
おキヌは照れながらも横島の後に、
「なにするきよ?」
美神は怪しがって捕まらないが、
「修行の成果っスよ
(うおーーー!!後からおキヌちゃんの胸の感触が!!!!)」
ゆるみそうな顔を必死に誤魔化す横島。
「ふーーん。・・・ヘンな事したら許さないからね?」
そう言って美神は前に、
「よ、横島サン・・霊力が上がってきてるのね。」
「さ、さすが横島だぜ・・」
「さっきまでフラフラだったのにすごいでちゅね。」
霊力満タン!!さすが煩悩の化身!!
煩悩の神と言ってもいいぐらいだ。
「よっしゃあ!!それじゃあ行きますよ!!
(うおおおおおーーー!!四方から乳の感触が!?)」
転移をイメージして、
「じゃあ、また!!」
消えた。
「はあ〜。横島サン・・文殊無しでも転移できるようになったのね〜」
シュン!!
「きゃあ!?」
さっきまで妙神山にいたと思ったら今は事務所の中。
「オーナー!?皆さん!?いつの間に!?」
急に現れたメンバーに驚く人口幽霊。
「お?わりー、驚かせたか?人口幽霊一号?」
「横島さん!?・・・お帰りなさいませ(横島さんなら不思議じゃないですね)」
「おう!!ただいま」
天井に向けて挨拶する横島。
他のメンバーは、
「え!?ここ事務所!?」
「え?え?え?」
「「????」」
きゅうな出来事で混乱中。
「あの〜美神さ
「あんたなにやったの!!??」ひい!?・・すんませーん!?」
いち早く復活し急に叫ぶ美神に、ビビる横島。
「なにやってんのよ?それより説明してくれんでしょうね!?(そんなに怖いか私が!?)」
別に怒ってるワケじゃない美神は横島の態度が気に食わない。
「はい!!え〜と修行してですねえ・・文殊無しでも文殊と同じことが出来るようになりました!!」
なぜか敬礼して説明する横島。
「な!? あんたそんな事出来るようになったの!?」
文殊は何でもありの反則技だ。地面を柔らかくしたり雨降らしたりと霊力と関係ない域まで達している。
それを横島は文殊無しで文殊と同じことが出来るという。
つまり・・・横島が何でもあり・・・なのだ。
「まあ、元々は俺の霊力ですし・・・」
「ま、まあ確かにそうだけど・・・」
「はあ〜。すごいですね横島さん・・」
「すごいでござる先生!!」
「・・・あんたわかってるの?」
「うっ!?で、でも先生が強くなったのはわかるでござるよ!!」
「そう?あんまし霊力変わってないような気がするけど?」
「ああ〜それはこれのせいだ・・」
タマモの言葉に横島は自分の指を見せた。
そこには赤、青、銅、銀、金の指輪がはめられていた。
美神は横島の指輪を見て、
「・・・なにこれ?普通の指輪じゃないみたいだけど?」
と言った。
「これは5つはめるとあの空間と同じ状態になるんすよ。老師が言うには「外の世界に出るとすぐに体がなまってしまう」って」
宇宙飛行士が地球に戻ってきた際、運動してなかったら立てないぐらいに筋力が衰えてしまう。
それと同じだ。
「これ、親指から外していくんすけど、外す度に元の力が出るんっっス。」
雪之丞も同じのをしている。つまり雪之丞とペアだ。
「へえ〜じゃあ横島はこれを外せば強くなるんだ・・・」
指輪に興味をもつ年頃なのか、タマモが横島の指から一個はずした。
「あ、タマモ!?」
ブワ!!
「な!?」
「横島さん!?」
「先生!!」
「え!?」
外したせいで横島から霊気がもれる。
もれた霊気に驚く美神達。
「たっく・・・」
横島がタマモから指輪をとり自分に付けると元に戻る。
「勝手にとんなよ・・・」
「わ、わかったわよ」
「・・・ねえ横島クン?」
「はい?なんスか美神さん?」
美神は聞かずにいられなかった・・・
「それ全部外したら・・・どれくらい強いの?」
自分より強いのは明らかだ。
美神の質問に横島は、
「う〜〜〜〜ん。・・・・・・・わかんないっス」
と、答えた。
で、その後横島は帰る事になり、
「お疲れさまっス!!」
と、いつものバイト終了と同じ感覚で事務所をさった。
ザアーーーーー!!
ここは事務所の風呂。
美神はシャワーを浴びながら考えていた。
(横島クン・・・・)
横島は美神より強くなった。
女にもモテるようになった。
(いつか・・・離れちゃうのかな・・・・)
師匠より強くなったなら師匠から旅立つ。
それが当たり前のこと。
だがその事を考えると・・・・・。
美神はシャワーの勢いを強くした。
ザザアーーーーーーー!!
シャワーは流れる・・。
ガタ!?
ガラ!!
「堪忍やーーー!!2年間女気なしやったんやーーーーー!!」
ズガン!!
「ぎゃああああああああああああ!!!」
(当分は大丈夫そうね・・・・・)
{あとがき}
つ・・・疲れた・・・義王です。
ユッキーについて
原作じゃあ、赤ん坊の時死んだって言ってましたから・・・。よくそれでマザコンになったな・・・
次回、アリスが狙われたことを知る横島。
そして狙われた弓!!怒れる雪之丞!!です。
おまけ
nackyさんへ
べつに買わなくても白い粉を入手する方法はありますよ・・・by義王
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