椅子に座って外を見ながら呆けている横島は少し朴って置いて。
厨房での様子を見てみる事にしよう。

〜〜厨房内〜〜
さて、皆それぞれ料理を作っている様子・・・は無いのは何でだ？
全員が一ヶ所に集まって何かを相談してるぞ？
「だから・・・くれば、全員に・・・してくれるでしょ？」

「確かに・・・すれば、皆に・・・等ですけど」

「でも、それって・・・くないですか？」

「何を・・ってるワケ？それで私は・・・無いワケ」

「じゃあ、皆それでいいわね？」

コクコク

〜〜店内〜〜
厨房内の騒動を耳に入れながら窓の外を見ていた横島は、思いっきり冷や汗を流していた。
「・・・・・・いやに静かだな。皆で何をしてるんだ？・・変な物出てこないよな？」
それを見ていた男性陣と二組のカップルはと言うと。

〜〜カップルがいない人の場合〜〜
「西条さん、この勝負の行方はどう思います？」
ピートが、隣で未だに酒を飲んでいる西条に聞くと。（って、何時の間に復活したんだ？）
「うるさいよ、ピート君。少し黙ってろ。むしろ黙らすぞ？」
・・・西条はベロンベロンに酔っ払っていた。
「駄目ですね、これは。美神さんに振られるのもしょ『チャキッ！』・・・何でも無いです」
拳銃を突き付けてピートを黙らせた西条は、飲むのを再開した。

〜〜バカップル一組目の場合〜〜
「なあ、弓」
「何ですの、雪乃条？」
「いい加減、離れてくれないか？てか、離れろ。歩きにくい」
雪乃条は、何処かやつれた顔で弓にそう言うと。
「何ですって！？この私が一緒にいて上げてるって言うのに、『離れろ』ですって！？
そうですか、分かりました。雪乃条は、私とは遊びで付き合っていたんですね」
そう言った弓の表情は悲しみの表情を浮かべていた。
「バ、バカ！？誰もそんな事言ってねぇだろうが！一緒にいるのは俺も嬉しいが、
ここでまで腕を組む必要は無いだろう？・・・ちゃんと、傍にいてやるからよ」
「・・・わかりました/////」
そう言うと腕は放したが、今度は手を握るのだった。
これに関しては、雪乃条も何も言わなかった。

〜〜バカップル二組目の場合〜〜
「魔理しゃん、この料理も美味しいですノー」
「そうだねタイガー。おっ、これもうまいぞ？・・・なあ、タイガー？」
「何ですか、魔理しゃん？」
そう言って、魔理を見下ろすと食べ物をフォークに刺して突き出していた。
「・・・タイガー。あ〜ん/////」
「え！？ま、魔理しゃん・・・///////」
・・・・この甘々の二人は見なかった事にしよう。


さて、こんな三組の様子を見ている間に料理が出来たようだ。
彼女達の料理を見てみる事にしよう。

美神がお盆を一つだけ持って横島の席にやってくる。
「はい、横島クン。お待ちかねの料理よ？」
そう言って、横島の前に置いたお盆には九つの単品とご飯が乗っている。
「えと、これは美神さんの料理ですか？おキヌちゃん達の料理は？」
横島の問いに美神はまともに返さずに、「いいから、いいから。食べてみてよ」と言う。
それに横島は首を傾けながらも頷き食べ始めた。

一品目
油揚げとキャベツの和え物
油揚げの油が程よく抜かれていて食べやすく、かかっているポン酢も味をうまく引き立てている。

二品目
塩焼きの肉団子
簡単と言えば簡単だが、簡単だからこそ難しいというものがある。
肉団子の表面に少しだけ焦げ目がついているが、その部分が歯応えを軽く出している。
それに、塗してある塩も適量で塩辛くも無く、薄すぎない。

三品目
甘海老焼売（あまえびしゅうまい）
この短時間で蒸したとは思え無いほど熱々で、海老もプリプリとした食感が伝わってくる。
醤油をかけなくても、海老の甘さが口の中に広がる。

四品目
バーデンジャンブラニ
イスラム料理の一つ。新鮮なナスなどを油で揚げ、スパイシーなトマトソースでやわらかく煮込み、
ニンニクとお塩の入ったヨーグルトで仕上げる。疲れも取れ、夜が元気になれる。

五品目
ホウレン草の白和え
新鮮なホウレン草を味わいまろやかに仕上げた白和え。
かくし味としての練りゴマが白和えの風味をより一層ひき立てている。
ホウレン草と混ぜてある豆腐もきちんと味が染み込んでいて、食べやすい。

六品目
生姜の蜂蜜漬けとパン
半透明になるまで漬けられた生姜とバターをトーストに乗せ、今まで生姜を漬けていた事によって、
生姜の風味がついた蜂蜜をトーストに垂らし一緒に食べる。

七品目
ファキー
レンズ豆とトマトのスープ
トマトのスープは口に残る事が多いが、これは程よい口当たりで豆もよく煮込んであり軟らかい。
他の種類の豆も使用可能だが、今回はレンズ豆を使用。

八品目
いわしの香草焼き
半分にしたいわしを塩・コショウしてくるくると巻き、薄くオリーブ油をしいた耐熱皿に
ブロッコリーと一緒に並べ、もう一度軽く塩・コショウし、
パセリと粗みじんに切ったトマトを全体にかける。上からオリーブ油をたっぷりとかけ、
180度のオーブンで10〜12分焼くと完成。

九品目
ティラミス
コーヒーをよく染み込ませたスポンジの上にチーズクリームを乗せ、
冷やして固まらせた上にココアを振りかけて完成。
ココアの甘みとコーヒーの程よい苦味がうまく絡み合い、何とも言えない甘さを出している。



横島は一口食べると黙り、黙々と他の料理に手を伸ばしていく。
そして全ての料理が食べ終わり箸を置いても暫くの間黙っていた。
どれ位経っただろうか？数分かもしれないし、数秒だったかもしれない。
それくらいの時間が経った時、横島は徐に口を開いた。
「ご馳走様でした。本当に美味しかったっス。腹が膨れた事も確かですけど、
何より胸の辺りと言うんですかね、その辺りがポカポカと暖かくなりました。
それに皆の気持ちをきちんと受け止める事が出来ました。・・・まぁ、エミさんは驚きましたけど」
横島がそう言うと、エミはフンッと顔を横に向けるが頬が少し赤くなっていた。
「一品目はタマモだろ？二品目はシロ。三品目は小竜姫様。四品目はエミさん。
五品目はおキヌちゃん。六品目はベスパ。七品目はワルキューレ。八品目は魔鈴さん。
それで、九品目のデザートは美神さん、で合ってますか？」
横島が作ったと思われる人の名前を言うと、全員が驚いていた。
まさか言い当てられるとは思っていなかったからである。
最初は驚いたが好きな人に自分が作った物を言い当てられて嬉しくないはずも無く、
女性達は満面の笑みを浮かべた。
だが、横島が次に言った言葉でその表情は１８０度変わる事になる。
「皆の手料理を食べれたから、もう思い残す事は無いっス。
今まで言う事が出来なかったけど、俺は今日で皆とサヨナラしないといけません」
そう言った横島の目からは、止め処無く涙が流れていた。

〜〜某所〜〜
【かぁ〜〜！！ヨコッち、もう少し言い方を考えろや！】
【本当ですね。まあ、あの術の事は言ってないんで仕方ないと言えば仕方ないんですけどね】
【それでも、何の為に一年前に言ったと思ってるんや！？】
【まあまあ、もう少ししたら私達が言って説明すればいいじゃないですか】
【それもそうやな。・・・にしても、ヨコッちはほんまに女心がわかってないんやな】
【・・・彼女の事がありますからね。仕方ないですよ】
【そうやな。・・・さて、そろそろ行こうか？】
【はい】




あとがき
今回はギャグは無しです！今回は微シリアスと微ほのぼの？でした。
横島に一年前に何があったのか。そして、彼女の事とは！？
次回、一年前の出来事がついに明らかに！？


恐らく、夜中に更新しますｗ

※申し訳ありません。
今回はレス返しは無しという事で・・・うぅ、俺の馬鹿TT

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