唐突だが龍族とドラゴン族は仲が悪い。
龍族がドラゴン族のことを「トカゲの羽根付き」と呼べばドラゴン族は龍族を「蛇の出来損ない」と呼ぶような子供じみたものから、幻想種の王である両方とも多くの幻想種を配下に持っている―というより、神などの超越者の下にいるもの以外は全員両種どちらかの勢力の中か一部は四大精霊王の下にいる―ために彼らの生活のための領地といった切実なものまで、争いの種が尽きたことはない。
だが、本来彼らは同じ種なのである。何故なら、彼らの違いは人間でいうと西洋人と東洋人の違いと全く同じものだからだ。
だから、そのことを知る龍族の王:磐上とドラゴン族の王:ユーマは、お互いの仲の悪さを知りながらもこういう関係を続けるのは良くないと考えたため、彼らの愛息子と愛娘を人間界に送り、人間の姿にさせて会談を行うことにしたのだ。
だが、その会談の席でちょっとした問題が起きてしまった。
龍の王子とドラゴンの姫がお互いに一目ぼれしてしまい恋に落ちたのだ。
それだけならよかったのだが、二人はお互いの王の仲の悪さを知っているので反対されると思い込んでしまい、駆け落ちしてしまって行方をくらましたのである――「探さないでください」と書き残して……
その過程そのものはとてもよくある話なのだが、彼らは1度結婚したら相手が死んでも違う相手を迎えたりすることができないと種の根源で決まっている龍・ドラゴン種の夫婦から多くて二頭しか生まれなく、それ以外にも死ぬ個体の“力”が強かったり戦いで死んだ場合はその場で新しい命が産まれるという増え方があるとはいえ、その種全体の数が十万年前から数百頭と変わらないという種族の大切な一頭ということに加えて、両種の王が、溺愛する唯一の子供ということが、事態を戦争直前というところまで持っていってしまった。
それまでは、彼らはお互いの力に対する警戒や戦闘した場合の周囲に対する被害の心配や彼らの強靭な理性からくる“世界を滅ぼすような全力で戦うときは相手が超越種のとき”という戒めによって、抑えてきたが
お互いの王が戦う気なのと彼らと戦えるだけの力を持った敵がいないため満たされない他の種族より強い戦闘本能から来る欲求のため、それぞれの勢力の様々な思惑を抱いた幻想種たちに召集をかけたのである。
そして、両種が本気でぶつかり合えば冗談抜きで星1つ滅びることを熟知するため何としても戦って欲しくない幻想種たちの穏健派の、それまで以上の文字通り必死の捜索により、両王が戦いを決意してから一年後王子と姫は見つかった――二歳の子供を腕に抱いているところを
王子と姫が見つかってこちらに戻ってくることを聞いた両王は喜んで一時期戦いを取り止めようとしたが、彼らにとって孫である少女の映像を見た次の瞬間
「「戦争だ!!」」
と叫んで、お互いに相手と十キロほど離れた平野に、集まっていた自らの一族と戦争にならなくてホッとしていた戦争反対派を含む幻想種たちを引き連れて睨み合ったのだ。
それを知った戦争反対派は、当たり前だが慌てた。「王は何をお考えになっているのか」と叫びながら……しかし、そうも言ってられないため直ちに手を打ち始めた。
まず、王子と姫に両王を止めてくれるように頼み、自分たちのせいでこのような状況になったことに心を痛める二人を説得に行かせた――むずがる少女を預かって……
だが、王子たちの首尾に注目していたのと史上最初の両種の混血というところからくる複雑な感情のため少女に構いもしなかったために、寂しくなった少女が誰も知らないままおそらく両親に会いに飛んでいって行方知れずというとんでもない事が起こってしまった。
それが起こると同時に王子と姫が両王に軟禁されたという報告が届いたため全員が蒼ざめて絶望したとき、ケルベロスの王がある提案をした。
「龍・ドラゴン種と同等の力を持ちながら、超越者の眷属でもなく、中立の立場にいて、幻想種の争いを仲介したことがあるものに仲介を頼もう」
その意見に全員が唸った、超越者の眷属になり縛られた奴隷のような生活がしたくないため、超越者と同等の力を持つ龍王とドラゴン王を崇めて様々な供物を贈ったり種族特有の特殊能力で手伝ったりすることで超越者が自分たちに対して干渉してきたときに守護してもらっていたり種族間の争いや一族内の争いを仲介してもらっているため、公に戦いを止めてくれと言えない自分たちにとって、その四つの資格を持った者が仲介してくれるというならこの上なくありがたいが
「果たしてそんな砂漠の一粒を探すような条件を満たすものがいるのか?」
エルフの長がそう言うとケルベロスの王は少し苦笑して
「人間にいます。あなたも良く知っている男で……」
その言葉を聞き、その場にいたそれぞれの幻想種の代表である何人かは気付いた表情をし、エルフの長はその名を何処か懐かしくも怒りのこもった声で呼んだ。
「八神……和麻か」
その後、知らないものたちや風の精霊王と契約したということを危惧する者たちに、ケルベロスの王は、自分の一族が黒狼族と争いそうなとき見事に仲介してくれたことと、風の精霊王を含む精霊王達は他の超越者とは違い星の安定を司っているため、他とは違う上に八神和麻はどうやったかは知らないが精霊王と契約しても特別な義務を背負っていないため半独立した者だということを話し、和樹と会う前の和麻の容赦のなさを知る者たちには「弟子を取って穏やかになった」ことと、和麻の宿敵のアルマゲストを滅ぼした後だということを強調することで納得させた。
ちなみに、和麻が特別な義務を背負わずに力をただで取っていることについて、和麻を知る幻想種(だけではないが)たちは「八神が精霊王を騙した」ということで意見の一致を見ている。
そして、その後エルフの長が唸るなどの一面があったものの彼らはすぐに和麻に連絡をとることにし、天馬の長じきじきに迎えに行くという破格の待遇を取った。
―――――というのが、今回の事件に対する幻想種たちの大まかな見解なのである。
「先生、そろそろ幻想種たちの世界に着くようですよ」
という和樹の声に起こされ和麻は目を開けて周囲の寝る前までの虹色をしたトンネルとは違い、転移のため歪んでいるが山や川等の区別がつく風景を見ると、五人以上危なげなく寝むれそうな巨大な天馬の背中から自分の背を起こした。
「二,三時間って所か……ま、最近眠る暇もなかったこと考えれば上等だな」
「暇がないのは、先生のせいだと思い……ひ、ひひゃい、ひぇんひぇひゃひぇて」
「あのな、馬鹿弟子。暇がないのはあいつらがどこまでもストーカーみたいに追いかけてくるからだ。それが、何で俺のせいに――」
『いや、あそこまでしておきながら、ここでお別れなんて言ったお前が悪いとしか思えんぞ』
「そうですよ。先生、ベナウィさんたちが追いかけてくるのも仕方ないですよ」
「お前らな」
「『そんなにいやな(んですか)(のか)、組織を率いるっていうことが』」
「…………さてな」
そういうと和麻は最近よくしているように瞳を閉じて風を周囲に漂わせながら考え事をし始めた。「自分たちを部下にして欲しい」という百四十七人についての考え事を……
どうしてこんなことになったかというと、和麻とそれ以外の和樹と朧を含める者たちで“これから”についての考え方がアルマゲストを倒した後の祝宴の席で全く違うということがわかったからだ。
和麻以外の者たちは、自分たちが協会の捨て駒にされそうだった時、その場にいてその作戦に反対したがそれが受け入れられなかったので出て行った和麻に続いたおかげで命が助かった時から今まで、和麻の指示と準備によって負傷者こそ出たが死者はゼロという奇跡のようなことが続いていたことなどの和麻の能力と人格?に惚れ込み和麻に対して部下のような態度をとり続けた上に
アルマゲストに恨みを持つ者というだけで、全くの烏合の衆だった自分たちをそれぞれ得意とする部署(戦闘・情報・後方支援)に的確に振り分けただけではなく、使う装備を様々な手段を使って手に入れた上に地中海のとある孤島の一部を設備ごと買い取って戦車を含む最新兵器の使い方を元軍人の者たちから教わる訓練基地及び整備・休憩地にするなど、給料こそ払っていないがそれ以外は実質的に一つの組織として生まれ変わらせたのだ。
しかも給料についても、襲撃したアルマゲストから奪い取った金目のものを公平に分配するという方法で、払っているも当然だった。
それに加えて、協会や教会の者たちや様々な国や組織のものたちも「アーウィン・レスザールを殺したのは八神和麻」だが、アルマゲストを潰したのは「八神和麻とその一党」という認識でいるので、周囲はもはや和麻と彼らを切り離して考えてないのだ。
そのため、彼らからしてみればアルマゲストを倒した後は自分たちを率いてくれるに違いないと判断し(それ以外の判断はちょっと無理)、その準備に向けて余念がなかった。
その彼らに向かって、和麻は祝賀会が終わりそうなとき
「今日で同盟関係は終わりだ。じゃあな」
などと言ったのだから、彼らが追ってくるのも当たり前で、この件に関しては和樹と朧も完全に向うについた。
しかも彼らに「これからどうするつもりか?」と聞かれたとき“これから”に関して「欧米と仲直りして和樹と一緒に世界を悠々自適に適当にまわる」という前半はともかく後半は漠然とした上に何処かのご隠居のような考えしか抱いてなかったため和麻は追い詰められてしまった。……当たり前だと思うが
そのため、現在和麻は間違いなく彼らと連絡を取っている和樹と朧をつれた逃亡者となっている。彼らに何の説明もせずに……
そんな無責任男に和樹と朧が特に何も言わないのは、逃亡開始直後大藩王ウルグから譲られたハーレムに立ち寄ったとき、和麻の考えを和麻とウルグの話のときにウルグが切り出したおかげで聞くことができたからだ。
ウルグが和麻に「何故そうしない」と聞いたときの和麻の話(傍にいた朧には若者が祖父に対して助言を求めているように見えたし両者ともそう思っている)を簡単にまとめると
現状において組織を作った場合協会・教会はもとより欧米の政府や組織に目の仇にされている自分たちは潰される可能性が高く名乗り挙げるのは危険すぎる――が、同時に現在欧州という魔術師たちの総本山という場はアルマゲストとの争いで疲弊しているためその間隙を縫って新たなる組織を作ればすぐに巨大勢力になれる絶好の機会でもある。
さじ加減1つで天国か地獄か分かれる上に先の見通しが全くつかないため、今はアメリカとだけでも仲直りして、少しでも見通しがつくようにしたほうが良い。
さもなくば、百四十九名とほとんど独り者とはいえ、その家族を含めた三百四十二名全員皆殺しにされて存在した証拠となる戸籍や周囲の人間の記憶から消えるという、産まれてさえいないものとして扱われるだろう。
だから、二ヶ月ほどは周囲の状況を見ながら、できる限り相手との友好を結ぶようにしなければならない。その間自分たちは、組織の土台の準備をして簡単には踏み潰せないからと手出しできない周囲が判断するぐらいの経済的・政治的・武力的な力を持つべきだ。
が、問題はその間必要な彼らに対する給料も含む金を自分が負担して後から返してもらうようにするか、何人かに出資を呼びかける株式会社のような体制にするかだ。何故それが問題なのかというと、前者だと設立して間もない初期の間何よりも必要な強い独立性を得ることができるが、後者だとそれがなく最初から相手の顔色を伺うようになる。
それ以外にも和麻は誰にも語ってないが組織を作った場合必要な経済基盤・補給体制・対外交渉・拠点等についていくつもの考えをしていて、ようやく最近たとえ仲直りしても欧州には拠点を作らないという感じに少しずつまとまってきたのだ。
その和麻の話を聞いたウルグは和麻の考えを知らなくても推測ができたのでほほえましい気持を抱いた。和麻は、組織を率いることに迷って考えているものの一度として彼らの首領になることを拒絶したり嫌がったりしていないし、自分に対して話したのもあくまで聞いて欲しいからという理由であり、自分に援助してもらおうなどと欠片も思ってないからだ。
八神和麻という人間は様々な欠点を持つが、自分に対して曇りや歪みのない信頼や忠誠を向けている相手を踏みにじるほど人間として“終わって”ないのだ。
そのため、ウルグは和麻がまたも逃げた後追いついてきた者達に和麻の考えを聞かせると、納得した者達の一部を“和麻を追い詰めるために”追いかけさせ、残った者たちに組織を設立させるための個人的な様々な援助(「返さなくていい、老い先短い老人の道楽じゃ」)を行い、いつでも和麻が設立宣言をできるようにして、誰かの顔色を伺う必要のないようにしたのだ――和麻には一言も言わずに……
自分が蟻地獄に落ちた蟻同然ということを知らない(知っても乾いた笑みを浮かべるぐらいしかできないだろうが)和麻は、普段なら「報酬は出るのか?」位は言ったはずなのに何も言わずに「何をしてもらうのかは向うについてから話す。そこまで危険ではない」という正直な性格をした天馬の背に乗って数日ほど追跡から逃れて疲れきった精神を休めるためにここに来たのだ――天馬の長は和麻が報酬を口に出さなかったため「本当に温和になったんだ」と勘違いしているが……
その勘違いしている天馬の長が
「着いたぞ」
と乗客に声をかけると和麻は考え事を止めて一面の緑の大地と太陽がないのに明るい空を見て、自分たちが魔獣・聖獣・エルフやドワーフが住む世界であり五十を超える並行世界と異世界につながる“幻想の大地”に着いたことを確認すると、出発時に和樹に自分の産まれた世界にも繋がっているのかと聞かれ、和樹を手放したくない和麻としては迷ったが正直にそうだと答え、和樹が特に向うの世界に対しての思い入れがなさそうな(事実、このときはない)態度で頷いたのでホッとしたことを思い出し苦笑した。
天馬が着陸した場所には、待ち構えていた幻想種が大挙していたので、和麻が「御大層なお出迎え、どーも」と言い一同を苦笑させた。
そして、エルフの長とケルベロスの王が悪い意味と良い意味という違いがあるにしても、和麻と知り合いということで代表となって和麻に今回のことを話し始めた。
それを聞いた和麻は
「つまり、本来家の中で片付けるべきことが、二人が高貴な身分だということと、様々な利権が絡み合って大事になっちまったってことか……よくある話だな」
ものすごく簡潔に今回の一件を纏め上げた。それを聞いた和樹が
「よくあるんですかこういう話?」
「ああ、例として出すなら第一次世界大戦なんてそうだ。あれなんぞ、何処かの王子が殺されたっていうそれだけならあの時代だったら、当事者同士で話し合って金とかで解決できるものだったんだ。でも、その時あそこらへんは王家の婚姻とか土地とか民族とか同盟とかでややこしかったのに加えて、植民地とか貿易摩擦とかのいろんな利権が絡まってたんだ。そのことを交渉で解決しようとしても全く進展がないことと長い不況でどいつもこいつも頭痛めてたから後先考えず、利権の解決と大量の物を消費するから一時的に景気が上がる戦争を始めたんだ……結果、大部分の人間の予想を遥かに超える四年以上続いた戦争で戦争当事国は疲弊しきって、利権とか不況どころか自分たちの国が潰れそうになっちまったんだ」
その自滅に近い話を聞いているうちに段々と蒼ざめていった幻想種達は、話し終わると同時に
「何としてもそれを止めたい。だから……」
と言ったので、和麻はもったいぶると破格の報酬と自分の指示に従うことを要求し彼らにそれを呑ませると
「少し、ここら辺見せてもらう。その間王に対して取り次いでおいてくれ」
と言い散歩を始め少し離れた場所でまたも考え事をし始めた。その態度に人間がなにを言うかと人間は自分たちを下から見上げてあがめるべきと考える者達に反発を持たれたが、それ以外の大部分の者達はすぐに王に対しての取次ぎを始めた。
しばらく経って気配を感じて目を開けた和麻の目に、和樹が手を後ろ手にして何処かそわそわしているのが映ったので、なんとなく何かを悟った。
「どうした、和樹。またなんか拾ってきたのか」
そう声をかけた瞬間和樹が身をびくりと震わせたので、また猫とか犬とかの小動物を拾ってきたと一瞬考えたが、この場所にいる動物みたいなものがそんな可愛らしいものではないという考えに至ったので
「……何拾ってきた」
少々ドスのきいた声を出すと、和樹はともかくその後ろの生物は怯えたらしく和樹の前面に回って首にかじりついた。
その金の瞳を持つ純銀の体をした体長三十センチほどの生物を見て、和麻は「ドラゴンの子供」と呟いたが、すぐにそれを打ち消した。その生物はドラゴンにしては尾が長すぎるし、翼の形も違うし少し小さい。それに顔の形も穏やかという感じでドラゴンのものとは違う。だが、龍とも全く違う。しかし、その生物には醜さとか歪さが全く感じられず、感嘆せざるを得ないほどの美があった。まるで龍とドラゴンの綺麗なところを合わせて産まれてきたように……
「って、おい、その子――」
そこまで考え和麻は先程聞いた―先程人間を蔑んでいた数頭は、厄介者だというように顔を歪めた―混血の少女だと言うことに気付き声を上げると、その子を抱きしめるようにした和樹が目を潤ませて
「先生、この子連れて行ってあげましょうよ」
「ちょっと待て。そいつ、問題の子だろ。連れて行けるわけ――」
「だって、この子誰にも構ってもらえないで放って置かれてたんですよ。まだ小さいのに」
そう言われると、必要とされない厄介者という似たような境遇を味わった和麻としても同情したくなるが
「んなこと言ってもな。その子の親とか――」
「だから、この子の親にお願いするんです。酷いですよ、こんな小さな子が何も食べずに泣き疲れて倒れていたなんて……だから、お願いします」
と言う和樹の言葉と同時にこちらに向けてくる混血の子の潤んだ瞳攻撃に
「話ししてみるだけだぞ……それまではお前が抱いてろ」
と言いながら懐から非常食のビスケットを取り出して和樹に手渡すと、歓声をあげた和樹に抱きつかれ同じく喜ぶ混血の子に首に抱きつかれたので、穏やかな表情で二人の頭を撫で始めた。
『本当にお前は、和樹には甘いな』
いつも和樹に対して年の離れた弟や年の近い息子に対するものと遜色ない態度を取る和麻に対して、笑いを含んだ朧の声が響くと言う穏やかな雰囲気のなか、混血の子(「なまえ、わからない」と言って泣きそうになった)にビスケットを食べさせながら、和麻はこれまでも和樹が拾ってきた猫とかにハーレムに置いたり飼い主を探したりして優しかったと言う朧と言い争いをし、和樹はそれをニコニコと笑って聞きながら混血の子を膝に抱いて、こぼさないようにしたりミルクをやったりして食事を手伝っていた。
和麻たちが散歩から戻り和樹の腕の中に安らかな表情をした混血の子が居ることを見た幻想種たちの反応は、控えめに言っても大混乱だったが、和麻がこの子は自分たちが預かっておくと言ったおかげで、ほとんどの者は助かったと胸を撫で下ろし、先程和麻が来て仲介をするということを伝えたときに向うから聞いてきたため教えてから激怒している龍王とドラゴン王にすぐに知らせた。
混血の子が見つかったことに両王とも大喜びで見付けてくれた者が、和麻の弟子ということに「あの和麻が弟子を取っていたのか」と驚いたがすぐに和樹も来てくれと言った。が、和樹が混血の子が眠っているため起こしたくないから動けないと言うことを伝えると不満気だが了解の返答をした。
それが終わると和麻がどちらから先に訪ねてくるのかと聞かれたので、返答に窮する上半身トラ、下半身サイという体をした魔獣の横で、両王がそんな些細な事にこだわらないことを1度会ったときに理解した和麻が横から「場所が近い龍王:磐上から訪ねるから、茶でも用意してくれ」と自分たちにとって神に等しい存在に対して行うべき態度とは考えられないものだったので、顔面蒼白になった魔獣だが、両王とも和麻に対して笑いながら久しぶりだの弟子を取ったのかと世間話を始めたので、魔獣は和麻に対して畏敬の念を抑えることが出来なかった。
両王に対してある程度受け答えをすると和麻は「人間体になって力を制限された龍王・ドラゴン王なら抑えられるか」と封印が得意な魔獣に聞き「この場にいるもの全員合わせて刻印や陣などの準備をすれば一時間ほどなら何とか縛れる」と聞くと「用意しといてくれ」と答え、すぐに龍王の所にいつも通り朧を自分の意識内にいれていつでも抜けるようにしたまま自力で空を飛んで向かった。
出掛けるときにケルベロスの王が和麻に対し「精霊王を騙したお前の話術だけが頼りだ」と悪気のない言葉を言って去ると、和麻が朧と和樹に
「どうして、どいつもこいつも俺が加害者で精霊王が被害者って考えてるんだ」
と不思議そうに聞くと、和樹は混血の子をあやしているのに夢中で聞こえないフリをして朧は無言を貫いて内心の「自業自得・日ごろの行い」という考えを一切出さなかった。
が、和麻が続けて
「品行方正に生きている俺が、どうしてそんな風に呼ばれなきゃならねーんだよ」
と言ったので、まだ幼い和樹が
「どうして、先生は時々品行方正な態度をとるんですか?」
「なんでって、そっちのほうが色々と便利だからだが」
「便利なんですか?」
「ああ、礼儀正しいとか善人とか場所が限られるが優等生とか呼ばれるようになれば、たとえ悪さしてそれがばれてもよほどの証拠がない限り相手の疑いが逸れたり、相手や周りが「まさかあいつが!?」とか思ったりするから誤魔化すだけの時間を稼ぐことも出来るんだ」
「へえ、いい事尽くめですね」
「さらに、周りから人畜無害とか穏和だとか呼ばれるようになれば、もう言うことはないな」
「ちょっかい出してくる相手が、こっちを侮ってくれるからですか?」
「その通りだ……まあ、俺は暴れすぎたから難しいな。知られてない異世界なら話は違うんだろうが」
「そうですね」
――このやり取りの六年後、ある学校で“人畜無害で穏和な優等生”と呼ばれている少年を侮ってちょっかいを出して、その裏にある狡猾で手段を選ばない本性に「騙された!」と泣き叫びながら痛い目に合わされる人間が続出したりするのは、どうでもいいことだ。
「たいしたもんだな」
飛んでいる途中四回ほど幻想種や龍に止められたが、四回目の時の龍に先導を頼んでから止められることなく巨大なテントのような建物が見え始めると同時に、見渡す限りの様々な幻想種たちを見て感嘆の声を出した――そこに居る全く異なる異世界のものも混じった数十万を超える幻想種たちはそれだけの価値があった……だが、同時に彼らのうち戦いたそうなものは一割以下だということも和麻はしっかりと見て取っていた。
先導の龍が着陸した場所に到着した和麻をドワーフが迎えた。ちなみにエルフはドラゴンの下についている、エルフ・ドワーフ両種族の仲が悪い理由の一つだ。
そして、龍王磐上とその息子と対面すると刹那の間も入れず王子が娘のことを聞いてきたので、元気にしてると答え相手を安心させてから、磐上とのあいさつを終えると会話を始めた。
「……とまあ、そんな事でこちらとしては止めて欲しいってことだ」
そう和麻が彼らの戦いを止めて欲しいという要求を話すと、磐上は和麻を品定めするような目で見てきた。
通常、大人の龍の体長は約七メートル・ドラゴンは約六メートルであり、王である磐上とユーマでも約十一メートル・九メートル半である。伝説に言われるような“山のような巨躯”というような大きさではない。とはいえ人間の和麻からしてみたら巨大としかいえない大きさだし、彼らの真価は大きさにあるわけではない。
なぜならば、龍種にしろドラゴン種にしろ、対面する両種以外の相手が余程強靭な精神力をしているか精神に対する守りを固めなければ、睨んだだけで、本能からの恐怖によってたやすく心を折られ両種の言葉に逆らえられないようになるか廃人と化してしまう“威圧感”を生まれつき持っている―このことが、両種を幻想種の王としている一因でもある、何せ一睨みされただけで逆らえなくなるのだから―ので、例え睨まれた相手が両種より遥かに巨大でも睨まれた相手はその威圧感から来る圧力によって、両種が自分より大きく見えてしまうのである。
だから、伝えられている龍やドラゴンの大きさが場所によって違うのだ。
そして、その圧力の凄まじさは和麻でも王を相手にしては仙法によって精神を強化しなければ立っていられなくなるほどのものだから、ほとんどの者は平伏してしまう。
だから、人の身で両種の王に睨まれてもへらへら笑って立っていられるということが、両種の王が和麻を気に入っている理由の一つなのである。
「和麻、汝は信頼できる者だと思っている。私の胸のうちを聞いてくれるか」
そういわれた時和麻は待ちわびていた一言がきて正直ホッとした。
「ああ、最初からそのつもりだ。まさかあんたらが、混血が穢れたものだとかいう馬鹿なことを言うはずないしな」
一部の幻想種の者たちが「龍種の血をドラゴンが穢した!」だの「ドラゴンの尊き血を龍が踏みにじった!」といっていることを思い出し苦々しげに言う和麻に、磐上は大きく同意の意を込めて頷き、馬鹿が言う当事者の王子は怒りの唸りを吐き出した。
「救いは、龍種とドラゴン種にはそういうことを言うものがいないことですが……」
怒りの唸りと共に吐き出した王子の言葉は、これまで両種が直接争うことのなかった最大の理由である「お互いに相手を尊敬しあう好敵手のような関係」という、相手の悪口も冗談で済む以上は言わないし、今回のような場合適当にルールを決めた八百長ありの格闘技の試合の一つか二つで終わるというのが暗黙の了解となっているような、幻想種の大半のものが理解していない“大人の関係”を示していた。そのため、
そのことを両種以外で理解する数少ない1人である(先程の第一次世界大戦云々というのは軽い脅しで、後になってそのことを糾弾されても「弟子に歴史談義した」と語ることでいい逃れるものだ)和麻は
「じゃあ、何で戦争なんて言葉を言ったんだ?あれじゃ火に油注いでるだけだぞ」
そう言って、軟禁されていると幻想種たちは考えていたが実際は、ここを龍の姿で出なければ何も言われないのでやろうと思えばドラゴンの姫にも会うことが出来る自由の身同然の王子に向かって問いかけると
「……それは……」
目を逸らして、うめく様に言ったまま頭を抱え込むようにして黙り込んだ王子に対して、和麻が何か言おうとすると
「和麻、あの娘は私にとって初孫なのだ」
と、感極まったような声が聞こえたため体ごとそっちに向き直った。
「それで?」
なんとなくこれから起こることを想像して一歩身を引いて帰りたいなと考えながらも、自分が尋ねなければならないことを悟りアウシュビッツで自分用の穴を掘っている心境になったが、訊いて欲しそうな磐上に対して訊くと
「あの……銀の美しい肌に金の瞳をした我が初孫!―中略―あの娘の愛らしい声でおじいちゃんと呼ばれる最初に一人には……誰がなるべきだと思う!?和麻!!!」
予想が的中したことに泣きたくなったが、和麻は模範解答と心の中で三回ほど唱えると
「それは、家庭の問題だから。部外者が言うべきことではないと思うが――」
そこまで言って、磐上の表情が「逆鱗に触れたときの龍の顔」というたとえに使えるものだということを横目で確認すると、結界の用意を幻想種に頼んだことも正しかったと確認し模範解答を罵りながら
「俺個人としては、一時間後に今回俺たちが着いた場所で感動の対面の用意が出来るということを伝えようと思う」
そういうと磐上は表情を崩れさせ
「そうか……信じていたぞ!和麻!お前は――」
と歓喜の叫びをあげ天井に向けて至福の表情で自分に対する賛美と磐上の初孫に対する絶賛を聞き流しながら、王子とアイコンタクト(それ以外は神に等しい力を持つ磐上にばれる)で結界のことを伝え、相手が頷くのを確認すると
「俺は、もう行くが……二つ訊いておきたいんだが」
タップダンスを踊っていた磐上はその声に動きを止めると
「何だ、何でもいってくれ!我が親愛なる友よ!」
「……あんたが、息子をここに閉じ込めたのは……」
激烈な疲れを覚えながらもいった言葉に間髪をいれない返事が返った。
「無論、二年も私に孫と合わせなかったからだが」
「……あっそ。それと、もしかしてその姿で来る気か?」
好奇心からの答えには想像通りの答えが返ったが、磐上を人間体にしなければ封印も出来ないのでこの質問は必然だった。
「まずいのか?」
「ああ、まずいね。考えても見ろよ。あの娘は人間の世界で生きてきたんだ知識とかでは自分が龍とドラゴンの子供だと知っていてもな……そんな時、あんたみたいな威圧感の塊がおじいちゃんと呼んでくれと呼ばれたら引くぞ」
「何ィ!!!」
「だから、人間体で――」
「無論だ。では行こうか」
話の途中で四十代後半の東洋人の男性に変わった磐上を
「さっきも言っただろ……一時間後だ――」
和麻と王子の二人係でなだめることに成功したので、和麻はこれからドラゴンの王のところに行くということを追求される前にとっとと退散した。
そして、その道すがら朧を飛ばして、傍受されないように相手と精神波による会話(おでことおでこをくっつけるやつ)を相手の幻想種に朧を額にくっ付けさせて結界の準備をさせた。こんな回りくどい手段をとったのは――孫に会うことしか頭にない磐上はともかくユーマがいるからだ……
(……余計な心配だったな)
目前でいかに自分が初孫からおじいちゃんと呼ばれることに意義があるかをエキサイトして叫ぶ“温厚な紳士”と呼ばれているドラゴンの王を見て、和麻はそう思うと同時に両王が自分に対してここまで熱く語る理由が
(聞いてくれる相手いないんだろうな〜)
周囲が部下とかばっかりだから対等に話ができる相手に不足している相手から視線をはずし、こちらを拝むように見ながらすまなそうな表情をしている姫を見て、またもアイコンタクトでこちらの意思を伝えると、ここには精神を休めるため休暇に来たはずなのにぜんぜん休めないことに理不尽なものを感じながら
「……つまり、どうしたいんだ?」
半眼になっていうとユーマは「失礼した」といい姿勢を整えると――全く落ち着いてない声で
「君に呆れられるのも無理はない……だが、私は必死なんだ!」
「ほほう」
「君にわかりやすく私の思いを伝えたいので一つ例を言わせてくれ……和麻!もし君の弟子が、君以外の人間をおにいちゃんと呼んだときのことを想像してくれ!しかもその時君に対してはおにいちゃんと呼ばないのだ!!」
それを想像した時和麻が浮かべた笑顔は、和樹が見たら速やかに逃げ出したくなるものだった。
――その後、ユーマには「三十分後に感動の対面の舞台の準備が出来るから来てくれ」と伝えて感涙にむせび泣く磐上と同じ質問に同じ事を答えた“紳士”の傍を離れて戻った。
三十分後、タキシードを着込んだ西洋の男と豪奢な中華服を着た男が、ある場所で顔を見合わせることで何かに気が付いたとき彼らの子供に蹴り飛ばされて結界に押し込まれてしまった。そして、その直後幻想種たちと和麻たちが現れたときその場の雰囲気は真二つに分かれた。
つまり――
「へーえ、この子エリスって言うんですかいい名前ですね」
という声が代表するように一人の少年が竜バージョンのエリスを抱きしめて、何度も礼を言う美男美女の若夫婦と和やかに話すという。見ているだけで穏やかで優しい気持ちになれるものと
「騙したな和麻!」「この外道!無力な老人の楽しみを奪いおって!」「貴様には情というものがないのか!」「この詐欺師・エセ聖人!」
という二人の男が結界の中から結界の外の集団から一歩前にいる少年に血涙を流しながら罵詈雑言を叫ぶと
「何言ってんだ、俺が何時騙したんだよ……約束通りどこぞの意地悪爺に別れさせられた可哀想な親子の“感動の再会”を見せているだろう」
マフィアのボスでさえ浮かべるのに苦労しそうな悪人の笑みを浮かべながら磐上とユーマの「貴様最初から!」等の叫びを聞き流す和麻を見て、周囲の幻想種たちは「和麻は精霊王を契約時に騙して特別な責務を負わないようにした」という疑いを確信まで持っていってたりする。と、いうような神に等しい存在をを人がからかうといった悪夢のような光景の二つに。
しばらく経つと王子と姫がそれぞれの父に、自分たちが企んだことだから和麻や幻想種達を責めないで欲しいというと、王は自分たちが「孫に最初におじいちゃんと呼ばれる」ために戦争しようとしていたことを和麻が誰にも言わなかったことと
「おじいちゃんたち、なかわるいの」
和麻と和樹によって連れられたエリスが涙目になって自分たちにそう言ったので、なんだかんだ言って自分たちを最初におじいちゃんと呼ばせるように和麻が仕向けてくれた(実際は行き当たりばったりなのだが)と考えた。というより初孫の愛らしさにマイナスの感情等綺麗さっぱり吹き飛んで、もはやそんな事どうでもいいという考えに至ったというべきかもしれない。
さらに和麻が幻想種たちに
「色々と話しこむことあるから、あの小屋使わせてもらうぞ」
と言って、自分たち家族(両方とも相手の王を含んでない)と和麻と和樹という遠慮しなくていいメンバーにしてくれたので、感謝するようになった。
――和麻が「エリスを和樹に預けないか」とお茶を出しながら言うまでは……
当然のごとく大反対する孫馬鹿二人に和麻は、エリスがここにいた場合様々な陰口を叩かれる可能性が大きい、というよりまずそうなるだろう。もし、その時権力で押さえつける等過保護にしたらエリスの人格面の成長にも悪い。第一、今大混乱に陥って様々な対立が表面化しかけているここの二大勢力の龍とドラゴンの混血の子を置いておくのはまずい。だから、和樹に預けたほうがいい。
それに、その場合「コントラクター(の弟子)に預けて修行に出させた」という御大層だが効果抜群の理由を付けることが出来るから「エリスを捨てた」とかいう非難を避けることが出来るし、何よりも時々ここに戻って両親やお前らに会っても馬鹿に何も言われなくて済む。その後周りをどうするかはお前らで何とかしてくれ。と言い王子と姫の大賛成を得た。
彼らにしてみれば、両王の初孫という高貴な身分の者だから周囲に気を使って、公には日陰者にして自分たちから離さなければならずあまり会えなくなる可能性が非常に高い自分たちの娘が、時々とはいえ自分たちと一緒に堂々と歩くことが出来るというこちらから言い出さなかったのが不思議なほどの夢のような話である。
しかも、和麻がこういう約束を守る人間だということを彼らは知っているし、娘を預かる和樹という少年も充分以上に信用における相手だし、人見知りするエリスもとても懐いている。ここで頷かないほうが変だ。
子供と孫が大賛成して、年に何回ぐらい、どのくらいの間帰してくれるのかというような細かい話に移っているのを見たのと和麻の話しが的を得ていることを理解した、両王はある提案をしてきた。
「エリスを預けるのだから、ある程度の力がなくては話にならん!我が一族の者と一対一で戦ってその力を示せ!」
そうすることによって、今回の騒動のガス抜きの効果を得ることができると主張する両王の視線が二歳という実年齢と同じくらいの人間体になったエリスに抱きつかれている和樹に向いているのを見て、王子と姫は父親の嫉妬にため息をつき、和麻は「確かに必要だな」と王の嫉妬よりも周囲に力を見せることでエリスを預かるということを納得させるという一段高い視点から賛成した。
そして、和樹に「やるか?」と聞き和樹が「やります」と変な力みの入っていない表情で頷いたのを見て満足そうに笑った。
それを見た、両王は準備をすることをそれぞれ拠点にいた者たちに命じた。
――戦いが始まる。
今回外伝を前後に分けるという馬鹿げたことをしてしまいました。
そのためエリスと和樹との出会いと和樹の契約の話なのですが、前話は和麻が中心の話になりました。
ではレスを
>紫苑様
ちょっかいを出す以前に和樹と会おうとも考えないでしょう。
おっしゃる通り、エリスの構成の七割はレンを参考にしました。
今回は、まだそういう朧が腐女子になるような可愛さが残っています。
>・・・様
申し訳ありませんでした。今回一応その点に留意したつもりなのですが、足りないでしょうか?
>D,様
豚は臭い上に重いですから、地獄以外の何者でもなかったでしょう。
ちなみのその時の怪我は、和樹が医者から見れば方法不明の方法で治しました。
>IZEA様
ハンニバルの豚は、そういう用途で飼育されているものらしいので、今回和樹が使った食用の豚とは、あごの強さや歯の強度も違うようです。
>柳野雫様
録画したものは、龍の王とドラゴンの王のところにも送ったので、見た両王が大変なことになったりしました。
>氷狼様
ご指摘ありがとうございます。これからは出来る限りそれがないようにしたいです。
麻衣香は、後になって出てくる予定です。
>アポストロフィーエス様
麻衣香さんが、復帰したのは本人の力と周囲の愛情からくる感動的なドラマがあったからです――和樹に完膚なきまでにつぶされたので今回はそう簡単に復帰できませんけど・・・・・・
>雷樹様
世界を操るほどの力はありませんけど、風牙衆を何とかする力は持っています。
師弟対決は、ある意味いつも起こっています。
>カッァー様
誠に申し訳ありませんでした。これから心がけます。
和麻にしろ和樹にしろ、戦闘の前の戦略段階で“勝つ”ので、戦闘が起きなかったりします。
>・・・・・・・・・?様
レスありがとうございます。
>T城様
夕菜も最初のほうは、純粋+嫉妬の目立つ可愛い女の子だったんですけど、段々違う方向に向かってしまいましたね。
和樹が災難に会うのは、もはや“宿命・運命”のレベルにあると個人的に思っています。