新空間で1年。外の世界で半月がたった日。
ここは、光の部屋。
「お〜い、キーやんそろそろやないか?」
「そうですね。あの空間では1年たったハズですから」
神族と魔族の最高指導者がいる部屋。
1度、ジークが来た事のある部屋だ。
「で、どうすんねん?」
「まあ大丈夫でしょ・・・彼は・・・」
「せやな・・・自分の凄さわかってへん見たいやし・・・」
「でも問題は・・・」
「利用する奴が出てくるかもしれへんちゅうことやろ?」
「はい・・・」
「まあその辺はわいらが何とかするしかないな」
「まあ、彼には借りがありますし・・・それぐらいなら別にいいでしょ」
「せやな・・・」
場所は変わってここは学校の横島のクラス。
「ふ〜ん。たまに横島君とどっか行ってると思ったら・・そんなことしてたんだ〜」
「はい
///」
そこにアリスと愛子はいた。
愛子は学校の妖怪。夏休み中は誰もおらず愛子1人で寂しいだろうと、たまにアリスは遊びに来ていた。
「・・・最初は1人で行こうと思ったんです・・・。そしたら忠夫さんが「また何かが助け求めてんだろ?俺も行くよ」って・・・」
どうやら横島と初めて2人で助けを求める生き物を助けに行った時の話をしているらしい。
「それで2人で行ったのね?」
「はい・・・。私はその・・悪いからいいですよって言ったら・・「困ってる生き物がいるんだろ?ほっとけない」って」
「横島君らしいわね。困ってる生き物はほっとけないっか・・・」
横島は困ってる人をほっとけないのじゃなく、困ってる生き物をほっとけないのだ。
困ってる人を助けても、捨てられた子犬をほっとくような偽善者とはちがう。
「いいね・・・横島君って・・・」
「はい・・・」
その後、たわいも無いおしゃべりをして、アリスは帰った。
「いいな〜アリスちゃん・・・」
校門を出て行くアリスを教室から眺めてる愛子はそう呟いた。
1人帰路につくアリス。
「おい・・・そこの金髪の女」
後から声を掛けられた。
アリスが振り向くと、金髪のガラの悪そうな男が1人。
「私ですか?」
「横島の許嫁の水野 アリスだな?俺と一緒にきてもらおうか・・・」
「誰ですか貴方は?」
いきなり素性のわからない男について来いと言われて付いていくほど馬鹿じゃない。
アリスは男を警戒する。
「俺のことはどうでもいい・・。ただてめーは・・・」
男の霊力が上がるのがわかる。
「付いてきたらいいんだよ!!!」
いきなり男がアリスに襲い掛かる。
「く!?」
男はアリスの腹に一発入れて、気絶させるつもりだったが、アリスがバックステップでかわす。そして距離をとった。
「ケッ、アイツの許嫁だから普通の女じゃねえと思ってたが・・・」
「なんなんですか!!あなたは!?」
アリスの第六感が告げる。この人は危険だと・・。
「まあいいや・・・。殺さない程度に痛めつけてさらえば・・・その方が横島も・・・」
やばい!!自分では勝てない!!アリスはそう思った。
(逃げるしかないわ!!)
アリスは逃げようと後を向き走り出す!!が、
ドカーン!!
「きゃあ!!」
後から霊波砲が来て、アリスは倒れた。
「馬鹿が・・。逃げれると思ってんか?糞アマ!!」
路上に倒れるアリスに近づく男。そしてアリスの近くに立ち、アリスに向かって手のひらを向ける。
男は醜悪に満ちた笑顔で、
「・・もう連れてくのも面倒だ・・・死ね・・・」
男の手のひらに霊力が溜まる。霊波砲だ。
さっきアリスの背中に撃たれた霊波砲よりも威力は上だろう。
(忠夫さん・・・・)
アリスは殺されると思い目をつぶる。
思い浮かべるは横島の顔。アリスの目から涙が出た・・・。
「バンパイアキーーーーク!!」
「うが!?」
アリスが目をつぶっていてもその時は来ず、聞こえてきたのは、
「大丈夫ですか!?水野さん!?」
「・・・ピートさん!?」
ピートの声だった。
うざピー、いや、愛に生きるピート登場!!
男が霊波砲を放つ瞬間、ピートが男にとび蹴りをかましたのだ。
男は蹴りの衝撃で数メートル先に飛ばされ倒れている。
背にアリスを向け、男を正面にして立つ。
「・・・・・・・・」
ピートは震えていた。ピートの目に映つったのは、男に傷つけられたアリスと、アリスの涙。
男は立ち上がりピートを睨む。
「け、不意打ちとはまた卑怯なまねすんじゃねーか、バンパイアさんよー」
「・・・・・・」
ピートは答えない。
「あん?てめーー答えろや?」
「・・・・・・」
ピートは答えない。男のセリフを無視するかのごとく・・・。
男はピートの態度に腹を立て、声を上げるか、
「すかしてんじゃ
ドゴン!! ぶは!?」
「だまれ・・・・貴様はもうしゃべらなくていい・・・」
喋ってる途中で殴られた。当然、霊力を込めた拳だ。
「て、てめーーー。
ドブ!!グハ!?」
またも喋ってる途中に、ピートの拳が男の腹にめり込む。
ピートは前かがみになり倒れそうになる男の髪をつかみ、無理やり立たせた。
「貴様・・・なぜ水野さんにあんな事をした?」
髪をつかみながら男に尋ねるピート。
男はピートの顔を見て、驚き恐怖する。目が紫色に染まっていたのだ。
ピートは本気で怒ってた。
「・・・・・・・」
男はピートに恐怖を感じながらも喋らない。
「答えろ・・・」
ドコ!!
「ぐは!!」
男の髪をつかむ手と反対の手で男の腹を殴る。
男が血を吐き、ピートの顔にかかる。
「答えろ・・・・」
「・・・・・・・・・・」
男は答えない。
ドコ!!
「ぶ、ぶは!!」
またも、男が血を吐くがピートは男の髪から手を離さない。
そんなピートを見てアリスがピートを止める。
「や、やめて!ピートさん!!それ以上やったら死んじゃうわ!!」
アリスはピートに近づき、男の髪を掴んでいる腕にしがみつく。
「水野さん・・・」
アリスの声にピートの目の色が元に戻る。
掴んでいる手も離され、男は倒れた。数発殴られただけだが、男はかなりの重症だ。
「わ、私はもう、大丈夫ですから・・・」
「わかりました・・・。水野さんがそう言うのなら・・・」
「ぐ・・・!!くそったれが!!」
いつの間にやら、男は立ち上がり腹を押えながらも、ピートから逃げていく。
「あ、待て貴様!!」
「だめ!!ピートさん!!」
ピートは追おうとするが、アリスがピートの腕を掴んだままだっため、アリスにそのまま止められる。
「し、しかし!?」
アリスは腕を放そうとしない。
「・・・・・・」
「・・・・・・わかりました(・・・あの男どっかで見た気が・・)」
ピートは追うのを観念する。
「助けてもらってありがとうございます。」
「いえ、いいんですよ。・・・それより病院に行きましょう」
アリスの言葉に照れながらも、アリスの事を心配し、病院へと誘うピート。
そんなピートを見てアリスは、
「ハイ。」
と、笑顔で答えた。
「ぐう!?はあ、はあ、はあ、」
アリスを襲った男は人目につかない路地にいた。
「くそ!!あのバンパイアめ・・!!」
男は誓う
「横島と雪之丞と一緒にアイツも殺してやる!!」
復讐を・・・。
病院。
とりあえずアリスは後遺症やら傷が残ったりはせず、念のための一日入院となった。
そしてここは、電話ボックスが置いてある場所。
「はい・・・相手は霊能者でした・・・はい、彼女は大丈夫です」
ピートが電話をしている。
「わかりました。あ、それと・・彼女の話によると横島さんが・・はい、そうです」
ピートはアリスからだいたいの話を聞いた。男が横島の名を言っていた事も・・・。
「わかりました・・・」
ガチャン
ピートは電話を終え、
「横島さん・・・」
と、呟いた。
またも場所は変わりここは、Gメンオフィス。
さっきのピートの電話の相手は西条だった。
「横島君絡みか・・・」
暴漢に襲われたのなら警察の仕事だが今回は霊能者に襲われたのだ。これはGメンの仕事だと思い西条に電話したピート。
西条は胸ポケットからタバコを取り出し、吸う。
「ふぅーーーー・・・」
あたりに煙の臭いがする。
(嫌な予感がするな・・・)
根拠はないが西条はそう思った。
彼の第6感がそう告げるのだ。
(横島君絡みで嫌な予感なんて御免なんだが・・・・)
西条と横島は美神絡みで仲が悪い。
「怨むよ・・・横島君・・・」
西条はそう呟きタバコを吸う・・・。
こちらは新空間。
噂の横島はというと・・・。
「はあ!!」
しゅううううううん!!
「もっと集中せい小僧!!」
「はあはあはあ・・」
「オラオラオラオラオラ・・・・!!」
グオーーーーーーン!!
「そっちの小僧はもっと考えんか!!」
雪之丞とともに修行の第2段階へと進んでいた。
それは朝。
横島と雪之丞が起きると、
「おい雪之丞?」
「どうした?」
「リングがねーぞ?」
「あん?あ、俺のもねえ・・・」
老師から貰ったリングが消えていたのだ。
あのリングは、一度腕にはめると外れなくなり、2人ともずーと付けっぱなしだったのだが・・
「ほう、もうそんな時期かのう」
「老師?」
「時期って?」
不思議がる2人に老師が説明する。
「あのリングはのう。1年たったら外れるようになっとったんじゃ」
「へえ〜」
「もう1年たったのか」
この1年間で2人はかなり鍛え上げられていた。
重力も大分重くなっており、霊力濃度も薄くなっている。
そんな中で伝説の武神、斉天大聖老師の修行をした2人。
勝てる人間はいない・・・多分。
「そこでじゃ、きょうから修行内容を変えるぞ」
老師が説明をする。
「これまで2人には同じ修行をさせてきたが、これからは能力にあった別々の修行をしてもらう」
「「ウッス!!」」
「そこでだ。雪之丞は、魔装術を使いさらに強い敵と毎日100体抜きをしてもらう」
「わかったぜ!!」
バトルジャンキーの雪之丞にはこれ以上あった修行はないだろう。雪之丞は嬉しそうだ。
「で、小僧。おぬしには自分の能力を100パーセント使えるようになってもらう。」
「・・・はい!?」
横島は老師の言葉の意味がわからなかった。
「小僧・・。自分の持ってる能力を言ってみい」
「え〜と、サイキック・ソーサーと栄光の手に文殊っスけど?」
「ふむ。じゃあおぬしは、文殊を何で作っておる?」
「???自分の霊力っスけど?」
(いまさらなに言ってんだこの猿?ボケたか?)
横島はかなり失礼なことを思っている。
「じゃあおぬし、自分の霊力で作った文殊でどんなことができる?」
「なるほどな・・・」
雪之丞は気付いたらしい・・。
「え〜と色々っス・・・ヒーリングしたり、炎を出したり、雨降らしたり・・・」
「文殊がおぬしの霊力でそれらのことが出来るなら、おぬしも出来るはずじゃ」
「・・・え?そんなこと出来るんスか!?」
「ふむ。文殊とは霊力を凝縮した物。力の方向を完全にコントロールできる代物。それはおぬしの霊力で出来とる。わざわざ凝縮せんでも今のおぬしなら出来るじゃろうて」
昔の横島なら何日も霊力を溜める必要があったが今の横島なら出来るだろう。というのが老師の考えだ。
「それじゃあ修行をはじめるぞい!!」
「「はい!!」」
「っとその前に朝飯じゃ」
ダアーーー!!
てな事が朝にあったのだ。
雪之丞は魔装術を纏い100体抜き。
横島はとりあえず手のひらから炎を出そうと手に霊気を溜め、炎のイメージをする。
修行の第2段階は始まった!!
{あとがき}
義王です。
ドンドンドン!!パフパフ!!
祝ピート活躍!!
なんとピートが活躍しました!!まあ壊れっぱなしじゃあ可哀想かなと思いまして・・・。あとロン毛Gメン西条登場!!まあ出しとかないかんかな〜なんて思いまして・・・。
横島新能力について
そのまんまです。霊力が上がればいちいち文殊にせんでも出来るだろうと思いまして・・・。元々は横島の霊力ですし・・・。
次回は妙神山に亜麻色の髪の夜叉が向かいます!!
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