美神が開始の合図をすると、各々が自分の得意とする獲物(え?)を取り出した。
「さて横島クンは、制服とママ達と一緒に結界に入っててね?」
美神はそう言うと神界御用達の結界を張り、横島をそこに押し込め様とした。
だが!それなりに一般常識を持つ横島がこの惨劇(?)を黙って見ているだろうか!?
答えは否である!!
そこまで涙を流しながら固まっていた横島は再起動すると、
美神の肩に手を置いて話し出した。
「美神さん・・・」
そう言った横島は真剣な表情で美神を見つめる
「えっ!?よ、横島クン?
そんな、まだ私も心の準備が・・・」
今の美神が横島にこんな行動を取られて、平静でいられる訳が無い!
その証拠に美神は頬を軽く赤く染めて、目を瞑りながら少し顔を上向かせている。
「? どうしたんですか美神さん?・・・じゃなくて。
そんな危険な行為はやめましょう、よぉぉぉぉ!?」
美神にもっと穏便な行為でやって下さいと言おうとした横島は、
見てはいけない者達を見てしまった。
その者達は美神の後ろにおり美神からは見えないが、横島は恐怖で震えている。
「どうしたの横島クン?早く・・・」
「い、いや美神さん。う、後ろ後ろ!!」
「後ろがどうかしたの?・・・ヒッ!?」
横島に言われて美神が振り返るとそこには、美神ですら恐怖を覚える修羅がいた!それも九人も!!
「「「「「「「「
み~か~み~(さ~ん)(ど~の)!!!」」」」」」」」
「
れ~い~こ!!」
そう言った全員の髪が逆立っているが、美神は気力を絞って、
一人だけいる不可解な人物に食って掛かった。
「み、皆落ち着いて。ね?・・・って、何でエミまで怒ってるのよ!」
「ふん。何時までもこっちを向いてくれない男より、本当に優しい男を選ぶワケ!!」
エミがそう言うと、ピートがそれなりにショックを受けている。
どうやら、ピートも満更でも無かったようだ。
「くぅ~~~!分かったわ、参戦は認めるわよ!で・も!
横島クンは誰にも渡さないんだから!」
そう言う美神だが。・・・何かを忘れていないか美神よ?
「で、私達への弁解は無いんですか美神さん?」
壮絶な笑みを浮かべた小竜姫が、そう聞くと美神は乾いた笑い声を挙げるのだった。
「あ、あはははは・・・許して欲しいんだけど、ダメ?」
「「「「「「「「「許しません(さない)(さないでござる)(さないワケ)!!」」」」」」」」」
一人だけいい思いをした美神には、参加不可という罰が与えられる事となった。
「うぅ・・・横島クンの第二ボタン・・・」
今の美神にとっての最大の罰が与えられると、美神は床に膝を着いて項垂れた。
それを哀れに思った横島は、美神の頭を撫でながら耳元で
『今日の夜、晩酌に付き合いますから』と言った途端、美神は実に嬉しそうな笑顔を浮かべた。
・・・どこまでも、女性には甘い男である。
そのやり取りをグラス片手に見ていた西条は、ル~と涙を流しながら酒を煽っていた。
哀れなり西条・・・。
そんな西条に敬礼!!
さて、危険な方法での争奪は止めさせた横島は、どんな方法でやって貰うか考えて出した。
「(う~ん、どんなのがいいだろう?危険じゃなくて、皆が公平に争える事か。ん~。
・・・って、第二ボタンの必要ってあるのか?ボタンは前に五個、両袖で四個の計九個。
で、今残ってる人数が美神さんを抜かして八人・・・あれ?愛子は何処に行ったんだ?)」
愛子が争奪戦に参加していない事に気付いた横島は、辺りをキョロキョロと見回すと、
窓の所で彼女達のやり取りを見て、楽しそうに笑っているのに気付いた。
そんな愛子に横島は頭を掻きながら近づいていった。
「何してんだ、愛子?」
「あっ、横島君」
近づいてきていた横島に気付いていなかった愛子は少し驚きながらも、
横島に笑顔を返すと、話し出した。
「うん。何か楽しいな~と思って」
「楽しい?ん~、まぁ見てて飽きないわな」
そんな横島の言葉に愛子は首を振って否定した。
「ううん、そんな事じゃ無いわよ。私がこんな事言うのも変だけど、
一人の男性を巡って人間と妖怪どころか、神族や魔族が一ヶ所で争ってても笑ってるんだよ?
私、こんな話聞いた事も本で読んだ事も無いもの」
そう言った愛子は本当に楽しそうに笑いながら横島に話している。
「・・・・・・」
愛子が浮かべた笑みに見惚れた横島は何も言えなくなってしまった。
そんな横島に気付かないまま、愛子話を続けた。
「と言っても、私も横島君が好きな内の一人なんだけどね?」
「うっ!(カァ~~)」
最近身近な人達に『好き』だと言われだした横島だが、
未だにそう言われると顔を真っ赤にして照れてしまう。
・・・何時まで経っても初心な横島だった。
愛子も告白したのが恥ずかしかったのか、真っ赤になってしまった。
真っ赤になった二人はお互い相手を見ていて、何気にいい雰囲気になっている。
なっているが・・・。他の女性達がそれを黙って見ている訳が無い!
「「よ~こ~し~ま~さ~ん!!ちょっとこっちに来ましょうか!?」」
何時の間にか背後に来ていた小竜姫とおキヌに、横島は首根っこを掴まれ無理矢理連れていかれた。
そんな横島はこう叫ぶしかなかった。
「俺が何したって言うんじゃ~~~~~!?」
あとがき
・・・・・・皆はっちゃけてるな~。令子なんて、性格変わりまくってるし。
てか、横島が羨ましいの~。(シミジミ)告白されても保留が可だなんてw
全員、耐えてるんですね(何を!?)
後、意見があったので聞きたいのですが、私のもう一つの作品の「彼等が進む道」を
あちらで削除されるのなら、他のサイトに投稿しませんか?と言う意見を頂きました。
もし、他にもそんな方がいらっしゃいましたら、言って下さい。
何人か言ってくれるのであれば、それも考えたいと思います。
それでは、レス返しです。
大神さん、いつもありがとうございます。
>苦労するのは横島なんで
その通りですw苦労してこその横島なんでw
マンクさん、ありがとうございます。
>お母様がいるのに冥子がいないのが
取り敢えずはいますよ?ただ、横島争奪戦に参加してないだけでw
と言うか、心がお子様なんで自分の気持ちに気付いて無いだけなんでけどねw
柳野雫さん、ありがとうございます。
>小竜姫様のペガサスに蹴られてしまえ!がウケました。
ありがとうございます!実は、結構悩んだんですよw
それぞれ違う言葉にしつつ、面白く書きたかったんでw
KEN健さん、ありがとうございます。
>某所のも、こちらのもとても面白いです。
ありがとうございます。そう言って頂けると、本当に嬉しいです。
九尾さん、ありがとうございます。
>逆行する時はみんな一緒に来るんだね!!離れ離れになってリセットされないんだね!!
一緒に・・・まぁ、確かに一緒に行くことは行くんですけどねぇ~。
色々と九尾さんの期待を裏切る(?)と思いますw
shinさんありがとうございます。
>霊能関係者全員出席してるみたいですけど小鳩ちゃんがいない?!
>彼女も大概横島君に惚れてる口なのでいないのはおかしいような…
実は、彼女はこの作品に出せないのです・・・。
出したいと思ったんですが、ちょっと色々と事情がありまして・・・。
本当に残念なんですけどね・・・。
R/Yさん、ありがとうございます。
>しかし、服より本人を狙えよ、と思いつつw
全くですねwでも、今後で出すんですが、実は何人かは既に横島に告白していたりw
で、まだ気持ちの整理がついていないから、待って欲しいと保留で止まってますw
D,さん、ありがとうございます。
>でも・・・・愛子は参戦しないのだろうか?
愛子は今回出ましたw決して忘れていた訳ではありませんw多分、きっと、恐らくw
次回、愛子も参戦してバトル(?)を繰り広げる予定ですw
名称詐称主義さん、ありがとうございます。
貴重なご意見ありがとうございます。
恐らくですが、向こうで無くなった場合では、二重投稿にはならないのではないでしょうか?
ちょっとわかりませんが、あとがきでも書いたように、読みたいという方がいれば、
何処かに出すと思います。もしそうなりましたら、二個を同時進行しようと思います。
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