「♪ かいたい、かいたい、ひ−とやくかいたい−」
田んぼでカカシのバイトをしながら、人間界から持ち込んだMDウォ−クマンで
人間界の歌を聴いてるベルギムE・O。
しかし突然スイッチを切ってしまいこむ。
「さ−てそこのみなさ−ん、今ベルギムE・Oはマキシマムグッドな歌を聴いてた−いへん
機嫌がいいです。
ですからすぐおウチに帰ってくれればな−にもしません。
どうします?」
その言葉に答えるように、一斉に泥人形が地面から姿を表した。
その数、三百を軽く超えている。
「や−れやれ、このベルギムE・O、あま−く見られたモノですねぇ」
そしてここは魔界の王宮。
正面から侵攻してきた巨大な魔物相手に、パム−ン親衛騎団が挑んでいた。
正直粉砕されまくっているが、これをもって彼らが弱いと言うのはいささか刻だろう。
腕組みをしながらその光景を見ていたティオが傍らのメルザ秘書官に声を掛ける。
「メルザさん」
「はい陛下。既に彼を呼んであります」
「さすがね」ニヤリと笑ったその時、彼女らの前にまたひとつ、巨大な影が舞い降りる。
狂戦士と謳われたデモルトだ。
首と両手両足、尻尾に「−50」と書かれた鉄球が繋がっている。
「デモルト、アレを倒しなさい」
『何故俺がそんなことせねばならん』
ティオに口答えするデモルト。
「アレを倒し、この戦いが勝利に終わった暁には封印されたあなたの魔力、45%まで
開放する許可を出す会議を開く準備をする可能性も検討しているわ」
『その言葉に嘘偽りは無いな』
「無い!」
はっきりきっぱり言い切るティオ。
横ではメルザが
「陛下・・・実に玉虫色のお言葉。決して言質を取らせないという基本を守っておいで。
権力者らしくなられましたね」
などと涙ぐんでいる。
「デモルト!魔力開放55%許可!」
するとデモルトの全身にぶら下がっている鉄球に書かれた数字が−30から+55に変化する。
『うおおおおおお!力が漲るぜぇ!』
『そこに居るのは・・・デモ−テッドの子孫か』
『そういう貴様はナンだ』
『我が名はデモテロス。貴様は、我が弟の子孫。
デモラ一族でありながら破壊欲より権力欲が上回ったうつけよ』
『ならば、今ここでお前を破壊してやろう』
怪獣大決戦というかファイナルウォ−ズな激烈バトルが展開されている王宮の庭。
ちなみにシンペイは知人と「vsビオランテ」見に行って以降ゴ○ラは全く見ていない。
ティオは腕組みをしたまま険しい顔です。
「ガッシュ、パム−ン。気付いてる?」
「当然なのだ」
「かなり強い魔力が・・・ひとつ、ふたつ・・・みっつ。
既に王宮内部に存在しますね」
「さすが。ちっとばっかシャレにならない魔力だわ。
あなた達それぞれ一つ対処してきて」
「ではもうひとつは?」
「あたしが、出るわ」ザワザワ
(おお)(女王陛下が)(『静かなるティオ』が動くぞ)
周囲が一斉にどよめく。
「ウム」どこからともなく手槍を取り出すガッシュ。
「あら、ガッシュその槍どうしたの?」
「以前清麿の友人に貰ったのだ。
『タダノサラリ−マン』なタカ・・・タカなんとかイワオといっておった。
これはイワオ殿が手に入れたジャバなんとかの爪で作った槍だそうだ。
使いこなせば炎や風、術はおろか念動力すら切り裂くらしいのだ」
「眉唾モンよねぇ」
「さて、どれがあたしの相手なのかしら?」
目を閉じて精神を集中するティオ。
その耳に聞こえてきたのは
「きゃあ−覗きィ!」
「痴漢よぉ!」
「あたしの下着返せ!このスケベザル!」
ジャカッ
精神(というか表情)が殲滅戦モ−ドに切り替わる。
「ガッシュは・・・そうね・・・右のの相手をして」
うつむき、顔を見せないまま指示を出すティオ。
「パム−ンは奥のを。手前のは・・・殺すわ あたしが あのサルを 」
山のような泥人形の残骸に囲まれて、しかしベルギムはご機嫌でした。
「♪し−んこ−んか−んこ−んけっこ−ん リンッドバ−グのひこ−きが」
続きます
今回は短いなぁ。
ところで前回のデモイェンですが、能力にはモデルが居ます。
アメコミX−MENに出てくる「マルチプルマン」というミュ−タントで
腕力も耐久力も常人よりちみっと上で、耐えられる範囲の物理的ダメ−ジを受けたら二人に分かれる、という能力を持っています。
敵とタイマン、な状況で自分をポコポコと殴り、分身しまくってフクロにします。
しかし物理的ダメ−ジであっても耐えられなかったり許容範囲を超えたりしたら
死みます。そして全員が「自分はマルチプルマンの構成のひとつ」と自覚しているので戦闘後は合体。
どうも分かれているのがイヤなようで。