さて。
彼を心から想う女性達の気持ちは理解して頂けたでしょうか?
しかし、彼女達の想い人はもうこの時代にはいないのです。
いえ、正確に言えばまだ同じ時代にはいます。
ですが、会いに行くどころか一目見ることすら出来ないのです。
彼が今いるのは、神界と魔界の両最高指導者が作り上げた仮想空間です。
何故、彼がそんな所にいるのか。
それは、横島・ピート・タイガーの高校卒業パーティーの時でした。
その出来事の数時間前から、見てみることにしましょう。
〜〜卒業式の帰り道〜〜
今横島・ピート・タイガー・愛子の四人は、『魔法料理魔鈴』に向かって歩みを進めながら、
横島が無事に卒業できた事を話していた。
「いや〜。それにしても、よく横島さんも僕達と一緒に卒業出来ましたよね?」
ピートが横島にそう話しかけると、横島は
「ん?まぁ〜な。一年前は美神さん達に世話になって、今年はお前等の世話になったからな。
ピートと愛子が俺の勉強を見てくれたお蔭だ。ありがとうな」
一年前。
それは、横島の運命を決定付ける出来事があった年。
世に言う『アシュタロスの乱』である。
彼はこの出来事で心に深い傷を負った。心が壊れかけるほどの・・・。
そんな彼を支えたのは、神族では小竜姫。魔族ではワルキューレとベスパ・パピリオ。
人間側では、美神親子・おキヌ・シロ・タマモ・魔鈴・雪乃丞・ピート・タイガー、
唐巣神父が彼を支え続けた。その甲斐もあり、横島の心が壊れる事は無かった。
ベスパとパピリオ以外の者達は、最初の頃は横島とルシオラの事は話す事は無かったが、
横島が涙を流しながら
「何で皆は、ルシオラがいなかったかの様に生活しているんだ!
皆が今生きていられるのは、ルシオラが犠牲になってくれたからだろ!
だから…頼むから……ルシオラをいなかった事にしないでくれ…」
と言うと、全員が今までの態度を謝り、それからは横島とルシオラの事や、
アシュタロスの乱であった事を話していった。
それも効果を表し、横島は嘘の笑顔ではなく心からの笑顔を取り戻した。
そして横島は美神に三年は勉学を優先したいと頼み、
美神はそれを、快く了承した。
そうなると、上がってくる問題は横島の持つ「学力」だった。
ギリギリで三年に上がった横島は、(某神族と某巨大組織が色々とやったらしいが)
愛子とピートに頼み勉強を見て貰っていた。
すると、横島はメキメキと実力をつけていくことになる。
横島は元々の出来は悪くないのだろう。
美神がGメンに一時期行っていた時も、黒字で事務所を経営していたのだから。
とまぁ、愛子とピートのお蔭で横島は無事に高校を卒業する事が出来たのである。
「困っている友達の手助けをする!青春よねぇ〜♪」
横島の言葉に最初に答えたのは、頭の上に机を持った愛子だった。
それに続いて答えたのはピートだった。
「僕達も、横島さんと一緒に卒業したかったですからね。
手伝うのは当然ですよ」
それと同時にタイガーも答えた。
「そうですジャー。無事に卒業出来たんジャから、ワシ等も手伝った甲斐があったと言うもんジャー!」
そう言ったタイガーの言葉に、横島と愛子の二人が同時に答えた。
「「いや、お前は何にもしてないだろ(でしょ)?」」
「うう・・・酷いノー。ワシだって、ワシだって・・・」
三人にそう言われたタイガーは、涙を流しながら項垂れた。
そんなタイガーの肩をピートがポンポンと叩いた。
「まあまあ。事実なんだから、しょうがないじゃないか」
・・・何気にピートの方が酷い言葉を吐いているのは、気のせいだろうか?
「ウオォォォォォォォン!皆酷いんジャー!」
タイガーが、叫びながら走り去ろうとしていると。
「と、まあ。冗談は置いといてだな?」
横島がそう言うと、タイガーが走る格好で止まり横島に振り返った。
「冗談、ですけん?」
「いや。半分冗談、半分本気だ!」
そう言う横島は右手を突き出し、親指を立てながら爽やかな笑顔を浮かべていた。
「やっぱり、本気が入ってるんジャー!」
「「「あっははははは!」」」
横島の言葉を聞いたタイガーは、ダーと涙を流している。
そんなタイガーを横島・ピート・愛子が笑っていると、何時の間にか着いていたのか、
魔鈴の店から美神が出てきて、横島達に声を掛けた。
「で、今日の主役のあんた達はいつ入ってくるのかしら?」
そう言った美神の言葉には前の様な棘々しさは無く、待ち遠しいと言った感じが出ている。
まあ、美神がそう想っているのは横島だけだが・・・。
「あ〜、すんません美神さん。今入りますんで」
「早くしてよね?あんた達を待ち草臥れちゃったわよ」
美神がそう言うと、横島・ピート・愛子の三人は店の中に入って行った。
タイガーはと言うと・・・。
「うう・・・どうせワシなんて、ワシなんて・・・・・・」
と泣いていた。
あとがき
え〜と、読者の皆さんにはこの場を持って謝らせて頂きます。
本当に申し訳ありませんでした。
私の身勝手な行為によって、二つのサイト間で問題が出てしまい、
両サイトの管理人様には、多大な迷惑を掛けてしまいました。
その問題も、あちらの作品を一時停止という形で解決いたしましたので、
この作品の続きを投稿して行こうと思います。
さて、知っている方はいらっしゃると思いますが、この作品は逆行&ハーレム作品ですw
二作目で逆行にチャレンジしますので、もしかしたら変な部分が出てくるかもしれませんが、
暖かい目で見守ってやってくださいw
ではでは〜、次の話でまたお会いしましょ〜
BACK<
>NEXT