ここは日本のどっかの山。
そこに横島はいた。
(あ、見えてきた・・・)
目の前に見えるは、門。
門には鬼の顔が付いていて横島が近づくと話しかけてきた。
「「久しぶりじゃの横島」」
「おお、小竜姫様いるか?」
今日は土曜日。
強くなると決心したわいいが、どうしたら強くなれるだろうと思った横島は妙神山に来ていた。
事務所は「なんで世の中が休みの日に私が働かなきゃいけないのよ?」との、美神の言葉でお休みだ。
「小竜姫様なら「誰か来てるちゅか?」」
鬼門が喋ってるのに門を開けたのはルシオラの妹、パピリオ。
横島を見るなり突っ込んでくる。
「お〜。久しぶりだなパピリ「ヨコシマーーーー!!」 へブシ!!」
挨拶する横島の胸に容赦なく、可愛らしく飛び込んでくる。
パピリオは魔族で、魔族にとっての容赦ない可愛らしいとびこみは、普通の人間にとっては某プロレスラーのスピアー(タックル)より強い。
「・・・パピリオ・・・ナイスタックル・・・じゃなくて、もう少し優しく飛び込んでくれんか?」
「な〜に横島なら平気でちゅよ!そんなことより早く入って遊ぶでちゅよ!!」
パピリオのタックルを食らって普通に立ち上がる横島。
アシュタロス戦のあと何度かパピリオに会いに来て、その度に今のようなタックルを食らってるため、もう慣れてるのだ。
「あのなパピリオ・・今日は遊びに来たんじゃないんだ・・」
「??じゃあ何しにきたでちゅか?」
「ん〜修行かな〜?」
「????」
とりあえず小竜姫のところへと行く2人。
そして門をくぐるとそこには、旅館のような修行場。
逆天号の攻撃を食らって崩壊したため、1から作り直したという。
新修行場を初めて見た横島の感想は、
(ヘンな国のお姫様やそら飛ぶ亀や剣を振り回す女の子がでてきそうだな)
だった。
パピリオに案内されて廊下を歩く横島。
この部屋でちゅよ と案内された部屋から聞こえてくる機会音。
横島が障子を開けるとそこには!?
『波動拳!!翔龍拳!!!真空・・・』
「フォ、フォ、フォ!!まだまだ甘いのう小竜姫!!」
『グググッ!!グオーーーー!!』
「ああ!!ずるいですよ今のは!?」
ゲームする猿と小竜姫。
その横で、
「ふ、小竜姫もまだまだのようだな・・・」
「ね、姉さんも負けたじゃないですか・・」
ワルキューレとジーク
その反対に
「小竜姫負けたから、次はワタシの番なのね〜」
と順番待ちしてるヒャクメ。
みんな横島の事に気付いてない。ゲームに熱中だ!!
「なあ、パピリオ・・・」
横島は隣にいたハズのパピリオに声を掛けるが、
「つぎ私がするでちゅ!!」
「あ、あ、あ、ずるいのね〜!!次はワタシの番なのね〜!!」
「順番を守らんかパピリオ!!ヒャクメのあとは私の番だ!!」
「いや姉さん・・・次は僕の・・・『ギロ!』・・なんでもないです・・」
いつの間にかパピリオも参加してる・・・。
(神と悪魔のゲーム対決なんて歴史上見たの俺だけやろな〜)
ある意味UFOより遭遇率低い・・・。
なんて考えてる横島であった。
「そういえばパピリオ?誰か来てたんじゃないんですか?」
「あ、忘れてまちた。ヨコシマが来てたでちゅ。」
(忘れんでくれ〜!!)
「え!?横島さん?今どこにいるんですか?」
「さっきからそこにいまちゅよ?」
小竜姫が振り返ると縁側の廊下からこっちをシラーと眺めてる横島。
「「「な?横島(さん)(くん)!?いつの間に!?」」」
「さっきからおったわーーーーー!!」
(私は気付いてたのね〜)
「え〜コホン。で、横島さん。どうしたんですか急に?」
さっきとは別の部屋。相談に来たんすけど、なにやってんですか?と横島に言われ場所を変えた。
ここにいるのは、小竜姫、ヒャクメ、ワルキューレ、ジーク、パピリオ。
猿は1匹でゲーム中だ。
「いや〜相談つーか・・・修行つけてくれません?前回と同じやつを」
「はい?」
「いや、だから・・修行を・・って聞いてます?」
小竜姫は横島の言葉にあきれていた。そして驚いてもいた。
ここ妙神山は世界でもっともきつい修行場で、修行場通信でも「一番キツくて辛い修行場ランキング」を何百年も1位を取ってきた。
(ちなみに美人管理人ランキングは2位。もっとも修行場っぽくないランキングも1位)
そんな修行場でもっとも厳しいウルトラスペシャルデンジャラス&ハードコースを人間初体験&クリアしたというのに、もう一度したいと言うのだ。
2度したくないと言い出すのが普通なのだ。
「え?ええ〜聞いてますよ。」
「じゃあ修行を・・・」
「そのことなんですが横島さん・・なぜこれ以上強くなろうとするのですか?」
「え?」
「今現在の横島さんは美神さんの霊力より上です。多分横島さんより上の霊力者なんていないでしょう・・・。GSの仕事をするにしても十分の力を持ってると思いますが・・・」
小竜姫はもうこれ以上修行しなくてもいいんじゃないか?と言いたいのだ。
実際に横島は世界で唯一の文殊使いで、霊力も美神より上。天才の家系生まれの冥子よりも上なのだ。
だが横島は、
「それじゃダメなんスよ・・・」
「ダメ?」
「ええ〜。ダメなんっす・・。美神さんより霊力が上だろうと守りたい人を守れなかった・・・。そこら辺の悪霊を倒すのに十分でも、守る事はできなかったんスよ・・俺は・・」
「・・・・・」
「だから俺は強くなりたいんスよ・・。守りたいと思った相手を守れるぐらいに・・・敵がなんだろうと・・」
守れなかった・・。横島がルシオラのことを言ってるのは、ここにいる連中はすぐに分かった。
そして横島がいまだに守りきれなかったことを悔やんでることも・・・。
横島の目には2度と失いたくないという強い意志があった。
小竜姫はそんな横島を見て考え込み、
「・・・わかりました。ですが、前と同じ修行をするには老子の力が必要です。私ではあの空間を作るのは不可能ですから・・・」
「へ?小竜姫様の許可があればできるんじゃないんスか?」
「前回はそうですけど今回は前例がない2回目ですから・・老子に聞いてきますね?」
そう言うと小竜姫は立ち上がりさっきのゲーム部屋へ向かった。
「オイ横島。強くなりたいんだったらうちの軍にこんか?」
小竜姫がいなくなってすぐにさっきまで黙って横島の話を聞いていたワルキューレが自分の軍に誘う。
「魔界の軍隊ならすぐに強くなれるぞ?」
ワルキューレは前から横島に興味があった。
普通じゃありえない成長の速さ。
美神のシバキ&虐待に耐えるタフネス。
そして魔界、神界でも珍しい文殊使い。
なぜか物の怪に好かれる体質。
そして、
(横島をうちの軍に入れれば私の部下に!!上司の命令は絶対!!横島を好きなように・・・)
なんて考えてます。
(ね、姉さん・・・目がやばいですよ・・。獲物を狩る獣の目になってますよ)
ジーク引き気味。
「う〜んでもな〜魔界だろ?俺は人間だから無理じゃないのか?」
「大丈夫だろ?お前の中にはルシオラの魂が混じってるんだ。魔俗化するかもしれんが死ぬことは無いだろ・・多分」
「多分ってなんやー!!多分って!!」
「じゃあ・・・きっと?」
「言葉かえただけやないかーーー!!嫌やそんなデット・オア・ライブ!!魔界の軍には入らん!!」
「・・・チッ」
魔界軍入り 却下。
「じゃあ神族の軍隊なら大丈夫なのね〜」
(横島さんがいればうちの職場もにぎやかになるのね〜)
今度はヒャクメが誘う。が、
「そんなことしたらルシオラちゃんの魂がもたないでちゅよぺス」
とのパピリオの一言で却下。
その後も色々と話をして時間をつぶすが小竜姫が帰ってこない。
1時間以上経過しても戻ってこないから、みんなで様子を見に行くと、
『兄さん・・・』
「う〜ん。選択を間違ったか?」
『これは夢だ・・・』
「さっきのはかったるいを選ぶんですよ!!」
猿と小竜姫が恋愛ゲームしてた。
「「「「「なにやっとる(でちゅ)(ね〜)かーーーーー!!!」」」」」
「さて小僧。もう一度あの修行をしたいと言うとるらしいが・・・」
結局、猿はゲームしながら喋ってる。
(なめとんのかこの糞猿!!)
「結論から言うとダメじゃ」
「な、なんで!?」
そう言うと、猿、いや、斉天大聖は真面目な顔をし、ゲームを置いて横島のほうを向いた。
「まあ、聞け小僧。おぬしの体には魔族因子が混じっておろう?その状態であの空間に入ったら魔族因子まで加速してどうなるかワシにもわからんのじゃよ」
そういうと斉天大聖はキセルを取り出しふかしはじめた。
この言葉に横島はショックをうけた。あの空間なら時間をかけずに修行ができる。
修行に時間をかけすぎて守るべき相手が死んでしまってたら本末転倒だ。
横島はなるべく時間をかけたくなかった。
「そこでだ。おぬしのために新しい空間を作ってやる。」
「「「「「え?」」」」」
これには小竜姫達(パピリオを除く)も驚いた。
武神である斉天大聖がわざわざ1人の人間のために空間を新しく作るのだ。(小竜姫ですら作ってもらった事がない)
「じゃがわしとて新しい空間を作るとなると、ちと時間がかかるでな。それまである程度自分で鍛えとけ。方法なら小竜姫にきけばよかろう」
「・・・わかりました。で、時間ってどれくらいかかるんスか?」
「そうじゃの〜。まあ夏までには作っとくわい。それならおぬしも夏休みで学校も大丈夫じゃろう。」
妙神山から全然でてこない斉天大聖だが、ゲームをとおして下界の学校の夏休みのことは知っている。
「わかりました・・・。夏休みになったらまたきます」
そう言って横島は頭を下げ、部屋を出る。
後をおう小竜姫達。斉天大聖はまたゲームをし始める。
「ふむ・・・面白くなってきたわい」
その後、横島は小竜姫に日常生活でも空いた時間にできるメニューを貰い、パピリオの相手をして、一泊して次の日の昼の2時ごろ。
門のところで横島が下山するのを見送りにきた面々と横島。
「それじゃまた、夏になったらきますね。」
「ぶ〜まだ遊びたいでちゅよ〜」
「それじゃあまた、夏にきてくださいね?」
「またな小僧」
「また夏になのね〜」
上から横島、パピリオ、小竜姫、猿斉天大聖、ヒャクメ。
「またな」
「それじゃあ横島君、また夏に・・」
ワルキューレとジーク。
「ってちょっと待て?ジークはわかるとしてもワルキューレはいつまでいるんだ?」
「・・・・なんだ?私がいたら迷惑なのか?」
「いや、そういう訳じゃないんだけど・・・軍の仕事は?」
「ああ〜。今、軍は暇なのだ。」
「なんで?」
アシュタロス戦のあと、のこったアシュタロス派の連中は、神族、魔族の両陣営に潰され壊滅。
アシュタロスが死んだためにバランスが歪んで、その隙に魔族を倒そうとする神族の反デタンド派がいたが、キーやんが、
「そんな事したらバランス取るために消えてもらいますよ?」
とのこと。
てな理由で軍の大半はとっても暇。
ぺスパはアシュタロス派以外の反デタンド派の相手を買ってでたため、(といってもぺスパから見たら雑魚なので心配はないだろうとのこと)めったに妙神山には来ない。
「ふ〜ん。それでぺスパがいないのか・・・」
少し残念なようなそうじゃないような・・・横島の心はこんな感じだ。
ぺスパとはアレいらい会ってない。
別に怨んでたりするわけじゃないのだが会う機会がないのと会ってもなにを話ていいのかわからないのだ。
「じゃあ、ぺスパがきたらヨロシク言っといてくれ」
「わかった。」
そう言って横島は「じゃあまた夏に・・」と言って山を降りた。
「老子?」
「なんじゃ小竜姫?」
「なぜ横島さんに新しい空間を?」
疑問。
そりゃそうだろう。武神で伝説の斉天大聖が、たった1人の人間のために新しい空間を作るのだ。
疑問にもなるだろう。ワルキューレ達も驚いたのだ。
「・・・ふむ。小僧には借りがあるからのう。これぐらいしても返しきれんワイ。」
借り。
神族、魔族、共に横島には大きな借りがある。
それを少しでも返すためだ。と言って斉天大聖は戻っていった。
そしてワルキューレ達も戻っていくが、小竜姫は横島が下山するほうを見る。
もう横島は見えないのだが、
(老子は借りを返そうとしている・・・私は・・横島さんになにができるの?)
「横島さん・・・また夏に・・・・」
(また面白くなりそうなのね〜)
そうつぶやいた。
(次の夏にはきっと・・・。あなたのために・・・)
{あとがき&いいわけ}
義王です。
前回、(気遣い人がいない)とのコメントを貰ったことにたいしてのいいわけ。
いちお気を遣ってます。遣ってないのは2人だけ。シロ&美神です。
横島の生活はこの2人がいなければ疲れることないですし・・・。(つーかうらやましい)
美神は「なんで私が丁稚に気を遣わなきゃいけないのよ!!」で、シロは猪突猛進ですから・・・。
・・・てか女と接点のない俺が女性の気遣いなんてわかるかい!!誰か教えてーーー!!
あかん・・・泣きたくなってきた・・・。
横島鈍感説について
横島は鈍感か?てなコメントを貰ったわけですが、たしかに鈍感すぎますね。
まあ原作では少し鈍感ですけどここまでじゃないっス。
まあ、ルシオラとの事で、余計に鈍くなったと勝手に解釈してます。
次は夏の修行までの間と夏の修行です。
おまけ
小竜姫達がやっていたゲームはなんでしょう?
わかった方はぜひレスを・・!!