注:オリジナルの設定などが含まれているので嫌いな方は気を
つけてください
「いや・・・・・方法なら・・・・・ある。」
一瞬、時が止まった。
が、自分のせいで横島たちが大変なことになっているのが堪えているのか、トリスがすぐさま動きだし、ネスティに詰め寄った。
「ネス!それ本当?!」
「・・・ああ。」
「本当なのよね?横島さんたちを元の世界に還してあげられるんだよね?!」
「・・・ああ、おそらくこの方法だったら・・・・・・・」
「よかった〜〜!横島さんたち、還してあげられるんだ!で、その方法って?」
「・・・それは・・・」
「・・・・・・・・・・ネス?」
はしゃいでいたトリスだったが、ネスティの様子がおかしいことに気づく。
ただ還る方法を告げるだけのはずなのに、ネスティの表情がさながら追い討ちをかけるようだったからだ。
そのネスティの表情を見て、喜んでいたタマモやシロも黙る。雰囲気に呑まれたのか、ハサハも緊張している。
・・・そして横島がネスティに問いかけた。
「・・・それで、その方法は?」
「・・・・・・・送還術を使うことだ。」
「・・送還術?」
横島たちは首を傾げるが、トリスは思い当たる事があったのか、ネスティに確かめる。
「あ、そっか。送還術なら・・・」
「・・ああ。送還術なら、おそらく横島君たちを還す事ができるだろうが・・・・」
「・・・でも、あの術ならあたしやネスでも使えるじゃない。何でそんな暗い顔してるの?」
「・・・たしかに、ロレイラルやシルターンへの送還術なら僕たちにも使える。けど横島君たちがいたのは名も無き世界の一つなんだぞ?数え切れないほど存在する名も無き世界の内の一つを探し出し、さらにそこに横島君たちを送り還すなんてことが、僕たちにできると思うか?」
「・・・あ・・」
「・・・・・結局、還る方法はあるんでござるか?」
「俺たちにもわかるように説明してくれ。」
ネスティの言葉を聞いて、トリスもどういう事かわかったのか暗くなるが、話についていけてない横島たちが質問をしてきた。
「・・・簡単に言うと君たちを還す方法はあるんだが、その方法が難しすぎて僕たちにはできないんだ。」
「・・・そんなに難しいのか?その方法は・・・?」
「・・ああ。蒼の派閥の総帥であるエクス様ぐらいの力があればできるだろうけど、僕たちにはとても・・・・」
「なら、そのエクスって人に頼むわけには行かないの?」
「エクス様はめったに姿を見せないし、それに一召喚師の願いを聞いていただけるほど暇な方じゃないんだ・・・」
「・・そのエクスという御仁と同じぐらいの力を持った人を探して頼めばいいのではござらんか?」
「・・・エクス様ほどの力を持った人なんて見た事がないし、仮に見つけれたとしても、王家の泉並みの魔力があるところじゃないと君たちを帰すことは無理だと思う。」
「・・・・・その王家の泉ってのは?」
「聖王家が所有するとてつもない魔力を秘めた泉のことだよ。もちろん僕たちは立ち入り禁止なんだけど、それぐらいの魔力を使わないと君たちを元の世界に戻すことはできないんだ。」
「・・・・そんな・・」
「・・・うっし、それぐらいなら何とかできるな。」
「「「「えっ!!」」」」
明らかに無理だ、と沈んでいる皆とは違い、横島があまりにも軽く出来ると言ったのでネスティたちは驚く。
「は、話を聞いていなかったのか?!」
「いや、ちゃんと聞いていたけど、その程度なら文珠で何とかなる。」
「「あ。」」
横島の説明を聞いてタマモとシロの顔に理解の色が浮かぶ。
が、逆にトリスたちは疑問を持つ。
「文珠って?」
「まあ俺の特殊能力ってところかな。ある程度ならほぼ万能に近いことが出来る。」
「そ、そんなすごい能力を持ってるの?!」
「ん、まぁね。」
「何はともあれ、これで還れるんでござるな、先生?」
「ああ、やらなきゃいけない事がいくつかあるけどな。」
「「よかった〜(でござる)」」
横島の言葉を聞いて安心したのか、床に座り込むタマモとシロ。
と、その時それまで黙って聞いていたハサハが、横島に寄りかかってきた。
「ん?どうしたんだ、ハサハ?・・・・眠いのか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・(コク)」
よっぽど眠いのか、頷くのさえ億劫そうなハサハ。
そんなハサハの様子を見て、外を見て時間を確かめようとしたトリスが驚く。
「もう夜になってるよ!?」
「そうか、話し込んでいて時間がわからなくなっていたのか。
・・・還るための詳しい方法を考えるとしても、今日はもう寝たほうがいいな。
・・・・横島君たちも、今日はここに泊まっていくといい。」
「勝手に泊めちゃっていいの?ネス。」
「一応、君が召喚したんだし仕方あるまい。
それにこれだけ遅いと任務を言い渡されるのは明日になるだろうからな、 横島君たちがいなくなっていたらラウル師範たちに何か言われるだろう。 横島君は僕の部屋で寝てくれ。」
「・・・・・・それじゃあ、お世話になるか。タマモたちはどーすんだ?」
「この部屋で寝てもらうしかあるまい。」
「じゃあ、狭いけどよろしくね。」
「わかったわ。」「よろしくお願いするでござる。」
そして還る方法がわかったからか、元気になっているシロとタマモ、それにもうほとんど眠りかけているハサハが、トリスの部屋に泊まることになった。
「それじゃあ、横島君。僕の部屋に行こうか?」
「ああ。さすがにここでは寝れんしな。」
「ネスティさんに迷惑かけるんじゃないわよ、横島。」
「そんぐらいわかっとるわ!・・・それじゃあまた明日な。」
「おやすみなさいでござる。」「おやすみ。」「おやすみなさい、横島さん。」「・・・おやすみ・・なさい・・・お兄ちゃん・・」
「ん、じゃあな。」
パタン・・・
「さてと、僕についてきてくれるかい?」
「わかった。」
ネスティに先導してもらい部屋に行く横島。少ししてネスティの部屋に着いた。
「ここが、僕の部屋だ。」
「お邪魔しま〜す・・・って、うお!すげぇ、本ばっかだ!!」
ネスティの部屋の中は、本で半分以上埋め尽くされていた。しかし、この量でもきちんと整理してあるあたりにこの部屋の住人の性格が出ている。
部屋の中を見回している横島を放って置いてネスティは床に毛布を敷いた。
「さてと、僕はここで寝るから横島君はベッドで寝てくれ。」
「いや、俺が下で寝るよ。」
「しかし・・・・」
「床のほうが慣れているし、いいって。それにベッドで寝たことはあんまり無いからさ。」
横島が言っているのは本当のことである。彼が住んでいたところはアパートで、横島にはベッドを買えるようなお金を持っていないのだ。
「そこまで言うなら僕がベッドで寝かせてもらうけど・・・」
「ああ、俺にそんなに気を使わなくっていいって。」
「・・・わかった。そろそろ明かりを消すが、いいかい、横島君?」
「いいぞ。」
ネスティはベッドの傍らに置いてあるランタンのようなものを消した。
とたんに辺りは暗くなり、窓からは星が見えるようになった。
「・・・・・・・・起きてるかい、横島君。」
「・・なにか?」
「少し質問したい事があるんだが・・・」
「何を・・・・?」
「・・・あのタマモやシロという少女は亜人だろう?何故一緒にいるんだい?」
「・・・・・この世界では亜人と人間は一緒に暮らしてないのか?」
「召喚でつれてこられた者は術者と一緒にいるが、はぐれなどは人間から遠ざかって暮らしている。・・・・・無理やり元の世界から別の場所につれてこられたんだから、当たり前なんだろうけど。」
「そっか・・・・・・・・・あいつらは、元の世界の職場で一緒に働いてるんだ。いい奴らだぞ。・・・・・・・まぁ、なんか今日はシロがいつもより騒がしかったし、何故かハサハに突っかかっていたけど。」
横島の話を聞いていたネスティだったが、シロの行動の理由がなんとなくわかるような気がして横島を諭す。
「・・・彼女がそんな行動をしたのは、しょうがないんじゃないか?」
「・・・・・?何でだ?」
「いきなり違う世界に来て不安になっているところに、自分の親しい人が取られそうになっては無理も無いと思うが?」
「取られるって・・・」
「彼女にはそう見えたかもしれない、ということだよ。」
「・・・・・・・なるほど・・・・・そうか・・」
(・・・そんなことにすら気づけず、あいつを邪険に扱うなんて
・・・・・何時までたっても成長できないのか、俺は・・・)
黙り込んだ横島の気持ちがわかっているのか、ネスティは黙っていたが、少ししてから真剣な声で横島に再度質問した。
「・・・・もう一つ聞きたかったんだが、いいか?」
「・・・・ああ。」
「・・・今日、君たちに状況を説明したとき、還る方法がないと言われても君だけが動揺していなかった。それどころか、少し安心してたようだった。・・・何故なんだ?」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
・・・沈黙が辺りを包む。
(迂闊に聞くべきじゃなかったかな・・)
ネスティが聞いてはいけないことだったと今更のように反省し、さっきの質問はなかったことにしてくれ、と謝ろうとした時、横島が口を開いた。
「・・・・還れなくてもよかったからだよ。」
「還れなくてもよかった?何故なんだ?」
「・・少し長くなるけど、いいか?」
「・・・・・ああ。」
「・・・昔、一年ぐらい前に俺たちのいた世界で、大きな戦いがあったんだ。そのとき、理由あって俺は敵にスパイとして潜りこんでいて、そこで敵に惚れた。
けど、そいつは創られた存在で、敵の親玉を倒して何とかしないと一年も生きられなかった。
だから、俺はそいつを助けるために親玉を倒すって約束したんだ。
・・・・・けど、ある戦いで俺は瀕死の重症を負った。そして俺を助けるためにそいつは・・・・・!!」
「・・・・・・」
「・・・・・・結局、敵の親玉は倒せたんだけど、俺はそいつを助けられなかった。
それから、それまで雇ってもらっていた事務所をいったんやめて、
また同じ事があったとき、今度こそ大切な人たちを守る事が出来る力や知識を得るために修行したよ。
・・・・・・けど、現実はそんなに甘くなかった。
世界中を旅して修行してるうちに、俺の特殊な能力―文珠―を狙う奴らが出てきたんだ。
そいつらは手段を選ばないような連中だった。
・・・・・好きな女を見殺しにした挙句、今度は俺のせいで大切な人たちが狙われる、そんなのは真っ平ごめんだ。それなら、俺が消えたほうがいい。
・・・・・・・俺は元の世界に還らないほうがいいんだよ。」
「・・・・・・・・・・・」
横島の話のあまりの重さにネスティは言葉を失っていた。
「・・・・・・・・・すまない。何も知らないのに好奇心で傷を広げるようなまねをして・・・・本当にすまない!!」
「・・・謝るなって。話すことを決めたのは俺なんだから。
それにネスティが何も知らないからこそ、聞いてもらいたかったのかもしれない。
・・・・・・・・人に聞いてもらわないと潰れそうになるなんて、何処まで弱いんだろうな、俺は・・・・・・・」
横島の明らかに自嘲しているとわかる呟きに、ネスティは何も言えなかった・・・
・・・・・・・・・・・・そうして夜が明けていく
言い訳
前回、後書きに書いたとおり試験中にもかかわらずこんな駄文を書いている、皆様に忘れられてそうなラグナです。
・・・・・試験については突っ込みを入れないでください、本気で泣きそうなので。
・・・・・・・・・・・・・・・試験なんて、試験なんてぇぇぇぇ!!(泣
見苦しい場面が続いておりますので、しばらくお待ちください
・・・ふう・・・ふう・・・こほん。失礼、錯乱してしまいました。
まあ、試験の結果なんて放っておいて今回の話の言い訳をしたいと思います。
今回は試験後だからか、少し暗くなってしまいました。
その上、駄文に磨きがかかっています(ヲイ
本当ならトリスや、シロの出番がもう少しあったはずなんですが、
あまりにも長くなりすぎるので、ネスティと語りあわせてみました。
なんか横島が目立ってばっかだなぁ、気をつけないと・・・
それと、なんかネスティが西条っぽく見えるのは、気のせいです。ええ、気のせいですとも。
しかも横島が結局どういう方法で強くなったか詳しくわからずじまいです。
・・・・・はい、今度からちゃんと気をつけます。ですから、石は投げないで〜(泣
それと設定(送還術についての)については一番上の注意書きで書いたとおり、私が考えたものになっています。ですのでゲームとの矛盾点についてはご容赦願います。
さて、アンケートの結果を纏めてみたいと思います。
こんなくだらぬ質問に多くの答えを返してもらって感謝しています。
というか、24人もの方に私の駄文としか言いようの無いものを読んで頂いているとわかって驚きです(本気で)
それで結果のほうですが、大体の方が、何人か外しておくべし、という意見のようなので
この意見に沿って書いていきたいと思います。
外すのはカイナ、ミモザ、ケルマってところでしょうか。
ケイナとトリスは保留にしておきます。多分ケイナも外れると思うけど・・・
一目惚れなどは私も嫌いなのでほぼ確実にしません。
でわ、レス返しをさせていただきます。
>砂糖さん
何とか風邪も回復しました。
おかげでテストも・・・・・・・・・駄目でした。多分体調にかかわらず(泣
>ポンジュースさん
横島が努力したのはルシオラのためというよりも自己満足に近いです。
いつかシロタマあたりにそのことを突っ込ませてみようと思っています。
突っ込み役は本当にケイナになる予定です(笑
単位はいいんですけど、クリスマスとイブに補習と追試が・・・・・
>匿名希望さん
傾国の美女モードのタマモは出してみようかなと思ってます。
まだ、考え中ですが・・・
>どこどこどんさん
1のキャラは入れれるかどうかわかりません。っていうかそんなに長くこれ、続けられるかなぁ(泣
>法師陰陽師さん
GSキャラはまたアンケートでも取って、要望の多かったキャラを出してみようかと思います。
フォルテと横島なら漢として友になれそうです(笑
で、ケイナとタマモにお仕置きされるときに何故かネスティも巻き込まれると。
・・・・いいですねぇ。
リンカーと限定せずに強大な力の持ち主だったら良しとしました。
まぁ、オリジナル設定が混じってますが。
>Tさん
ギャグもやってみようかと思ってますので、カラウスには犠牲になってもらうつもりです(笑
『普通の』ってか、設定自体勝手に作ってしまいました。
文珠をキーアイテムってのは思いつきませんでした(汗
っていうかケイナの声って美神と同じだったんですね、知らなかった・・・
テストは・・・・・・もう・・・・・・・
>SKさん
すいません、ご忠告いただいた次の話で、横島が目立ちすぎてます。
なんか、大人数の会話を書くのが苦手みたいです。
横島の独壇場にならないように気をつけますので、見捨てずに読んでくださるとうれしいです。
>のさん
聖王国の王女を出す場合、結構早く出てきそうです。
ファナンとかに移ったら出しにくいので、近いうちにフラグを立てておくべきか・・・
現実世界のキャラが横島たちの世界と
自分たちの世界とのギャップに気づいたときが見ものです(笑
超加速とかは必殺技?見たいな感じで使うと思われます。
シロは原作よりかは成長させてみようかな〜と思っています。
>shinさん
まあ、それなりに知識は持ってますが、世界が違うので無駄になりそうです。
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