「『ガルウルク!』」
「ひょいっと」
ザバスの放った風の攻撃を、あっさりとサイドステップで避けるデモイェン。
「あらあら坊や、あんまり自然破壊しちゃダメよぉん。
山や木々は大切にしなきゃねぇ」
「黙れぇ!」
見ると、周囲は破壊の限りを尽くされている。
ひたすらにザバスが術を放ち、ただデモイェンが避ける、というのを繰り返しているのだろう。
「パ−トナ−が居ない今、使える術は半分以下なんですからねぇん。
消エネは大事よ、消エネは。
『ビライテア』」
掌から、いささか弱めの光線を放つ。
「黙れと言ったぁ!!食らえ『オル・ウィガル』」
マントで身を包み、黒い弾丸と化して敵に突進する技だ。
かつて、現在魔界の宰相となったガッシュと戦った際、ヤツの電撃をはじき返した自慢の術だ。
その程度の術など表面に焦げ目すらつかない。
「あらまぁ、ちょっと怖そうね」
またサイドステップでかわそうとするが、生憎この術は進路をコントロ−ル出来る。
「くたばりやがれぇ!」
黒い弾丸が腹部を貫く!その一撃は相手を真っ二つに引きちぎったのを確信していた。
「『ビライツ』」
「ほいっと」
目から放たれた光線が、ポケットから出した左の掌に受け止められ、消滅する。
「返すぜ、坊主」
左手を再びポケットへとしまい、今度は右掌をロブノスに向ける。
すると、右手から光線が放たれ、胸にまともに食らったロブノスは血を吐き転げていく。
「おいおい坊主、同じ事何度繰り返すんだ?
判ったろ?お前ぇさんの術はオレにゃ通じない。
諦めてくんな」
「われは・・・負けん!『ビラシルド』」
すると、デモロアの周囲に手鏡サイズの板が多数浮かび上がる。
「?」
「貴様はわれの光線を、必ず左掌で受け止めていた。
つまりそこ以外に当てればビライツも効くということだ!
『ビライツ!』」
新たに放たれた光線は、デモロアを直撃せず浮かぶ板に命中する。
すると板は光線を反射し、次々と反射を繰り返している。
「その板は多少ビライツを増幅するが、減衰率とさほど変わらん。
よって威力強化の力は無いが無限に均しい射程を持てるのさ。
『ビライツ』『ビライツ』『ビライツ』」
次々と放たれ、反射を繰り返す光線で作られた檻に封じられるデモロア。
「これでぇ」両手を上げ、広げるロブノス。
「終わりだ!!」その両手を前へ 相手に向かって突き出す!
すると周囲で檻を形作る光が一斉にデモロアに突き刺さった。
ピクリと大きく痙攣すると、うなだれるデモロア。
「ふう、やれやれ」汗を拭うノブノス。
「これで終わり「だと思うか。坊主」
突然、元気一杯立ち上がるデモロア。
「おりゃあ、別に左掌からしか吸収できないって言った覚えはねぇぜ」
短いですが、今回はこの辺で。
もう少し、デモラ軍による魔界蹂躙の描写を続けることになりそうです。
それにしてもティオ・・・人間側のヒロインは恵、魔物側のヒロインは君。
てっきりそうだと思っていたのだが・・・今週のサンデ−読んでお兄さん考え変わっちゃいそうだよ。