「ヨコシマ、霊力を上げて! このままだと私に吸収されてしまうわ!!」
肩パッドにいるヨコシマに向かい叫ぶルシオラ。
『悪い…。お前が復活できたと思って気緩めちまった・・・』
横島の意識は今にも失われかねない状況だ。
「畜生!こっちもこれ以上余裕がねぇ!!」
一同を代表するかのように額に汗を浮かばせながら雪之丞が叫ぶ。
元々万全でなかった霊力も限界に近づきつつあった。
「ダメ、ヨコシマ! あんな思い二度としたくない!!」
横島に呼びかけるも反応はだんだんと鈍くなっていく。
もうひとつのGS美神IF
〜ルシオラ復活 漢たちの友情〜
後編
『―――悪い・・・。もう意識が保てそうにない・・・』
「ふざけんな横島! 俺達との約束破る気か!!」
「そうだぞ横島クン! こんな結末を迎える為にボク達は手伝ったわけじゃない!!」
「くっ、力が!」
「後もう少しなんジャ! 力が、力が欲しい!」
「主よ! 哀れな子羊たちになにとぞ力を!!!」
横島、雪之丞達ももはや限界だった。
『ごめんルシオラ。ごめん皆―――。もうもちそうにない・・・。アリガトな。後は頼んだ』
限界を悟った横島は皆に感謝と謝罪の言葉を語る。
「まだだ。その言葉はまだ早え!」
「ドクターカオス! 何か手はないのですか!!」
「今考えておる!!」
雪之丞達は諦めそうになる自分に必死に対抗していったが、状況はますます悪くなる一方だった。
そして肩パッドの横島がだんだんと消えていく。
「畜生! 畜生! 畜生!」
もはやこれまでか、そう思われた。
その瞬間!
「ヨコシマ! 復活できたらどんなことでもしてあげるから頑張って!! あきらめないで!!」
あたりにルシオラの横島への声援が響き渡った。
どんなことでもしてあげるから
どんなことでもしてあげるから
どんなことでもしてあげるから
どんなことでもしてあげるから・・・
・
・
・
ルシオラの言葉が横島の頭脳を駆け巡る。
『うぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!』
ルシオラの言葉に何を考えたのか知らないが、肩の横島がいきなり鮮明になる。
そのままどんどんと横島の霊力は上がり、オーバーフローが起こりキャラクターが再度横島になる。
「これで足りなきゃ、さらに!!」
「煩悩全開―――ッ!!!」
その時ルシオラに自分自身を含めた横島の知人全員の裸のイメージが伝わってきた。
周りにいる雪之丞達はあまりのことに横島に霊力を送ることさえ忘れ、ただ見ているしかなかった。
「はっ! 今じゃ小僧!」
何だかな〜、な展開に我を忘れていたカオスが分離の合図を出す。
「了解!」
すると横島・ルシオラは輝くを強め、閃光に包まれた。
そしてその輝きが晴れるとそこには横島の胸元をつかみ前後にゆらしながら
「何なのよ、あの想像は! ヨコシマのえっち、スケベ、変態!!」
と問い詰めているルシオラと
「堪忍やッ! 仕方なかったんやっ!!」
と謝っているヨコシマがいた。
とりあえず痴話ゲンカが終わると、今度は男達が横島を取り囲んだ。
「アノ〜皆サンドウカシマシタカ(汗)?」
あまりのプレッシャのため思わず片言でしゃべる横島。
それに答えず
「フフフッ、今宵のジャスティスは血に餓えている」
と危ない笑い方をする西条。
同様な表情をしている雪之丞(完全魔装術に移行)、タイガー(獣人化)、ピート(牙がこれでもかと伸びている)。
あまりの怖さに助けを求め、唐巣をみると
「横島クン」
と小さい子がみたら確実にトラウマになる笑顔で話しかけてきた。
「ハイッ!!」
思わず直立不動になり答える。
「「「「覚悟は良いカイ?」」」」
「タッ助ケテッ!!!!!」
―――――――しばらくお待ちください(ペコリ)―――――――
数分後
顔には何か赤いものがついている為異様に怖いが、妙に晴れ晴れとした笑顔をした四人。
そして物言わぬただの物体になっている横島が転がっていた。
(ちなみにカオスはこれも想像の内だったのか、特に横島に対して行動はしなかった)。
横島が回復中、やっと冷静になってきたルシオラ&男達
彼らの心境は
「まったく心配かけさせて!」
である。
しかしまだ彼らの憤りは納まらない。
そんな彼らは未だ気絶中の横島をつれどこかへと移動した。
ようやく回復した横島は自分がいる場所がどこであるか分からなかった。
「ここはどこだ?」
「ああ、横島クンやっと起きたかね?」
好き好んで寝ていたわけじゃねえ!と叫ぼうとしたが未だ皆の視線が怖いので我慢した。
「でここはどこなんだ?」
「寿司屋だよ。もちろん回らないね」
西条の説明に横島は青くなる。
「アノ〜ソンナニモチアワセガナインデスケド」
「大丈夫だよ横島クン。特別に無利子で貸してあげるから」
「じゃあ横島が納得してくれたところで注文を・・・」
男達は情けって何? って位に注文をし食べ、やけになった横島も食べまくり結構な額となった。
しかし横島は楽しそうだった。
これがルシオラと一緒にいるための犠牲・代価としては安いものだった。
ただ西条に
「分割で頼む!」
と泣きついたが・・・。
もうひとつのGS美神IF
〜ルシオラ復活 漢たちの友情〜
後編ギャグバージョン終了
あとがき
途中までもシリアスな雰囲気はどこに行ったんだ?っていう感じの展開ですが、いかがだったでしょうか?
楽しんでもらえれば嬉しいです。