ここは高速道路。
美神と横島が除霊のために現場に向かっていた。
「そういえば俺、今日の仕事内容聞いてないんッスけど・・・」
「ああー。あんた来てから説明しようと思ってたんだけど、シバいているうちに忘れてたわ」
「そんな大事な事忘れんでください!!」
「あんたがおキヌちゃんの部屋に忍びこむからでしょうが!!」
ベキ!!
美神の拳が横島の顔面にめり込む。
「痛い・・・ってハンドル放してまで殴らんでもいいでしょ!!危ないっスよ!!」
殴られたことよりハンドルのことを気にする横島。
めり込むほど強力な美神のパンチを痛いですむ横島はもはや人間でない。
「だ、大丈夫よ。事故ってもお金ばら撒きゃ何とかなるんだし・・・」
「金で解決する前に死んでしまうわーー!!」
「まあ、その話はいいとして・・・」
(よくないでしょ。)
「今日の以来は突然変異の妖怪退治よ」
「なんスか?突然変異の妖怪って?」
「読んで字のごとくよ。悪霊やら幽霊の影響を受けて、動物なんかがいきなり協力な妖怪に変化するの。」
「それを退治するんスか?」
「そ、妖怪退治もGSの仕事のうちだからね♪」
美神はそれで金儲けができるから嬉しそうだが、横島は少し疑問に思ったことがあった。
「でもそんな依頼、俺が美神さんとこに来て初めてッスよね?」
「そうね。突然変異なんて数えるぐらいしか発見されてないから・・。それに突然変異って影響を受けた動物の子孫がなるものだから発見が遅れるのよ。」
「へ?なんで子孫に?」
「知らないわよ。言ったでしょ、数えるぐらいしか発見されてないって・・解ってるのは影響を受けた動物の子孫が妖怪になるってだけなんだから・・・」
「まあ、この先、こんな依頼が増えると思うからそのうち解るでしょ。」
「え?なんで?」
「忘れたの?数ヶ月前に世界的霊傷が起こったでしょ。」
数ヶ月前の世界的霊傷事件。アシュタロスの事件だ。アシュタロスのコスモ・プロセッサを横島が壊したの同時に、蘇った悪霊、妖怪も消滅したが、そのわずかの間に残した傷跡は今もなお、世界各地で残っている。その一つがこの突然変異だ。
「・・・アシュタロスっスね・・」
「・・・そうよ・・あいつが残した傷跡がまだ残ってるの。あいつの尻拭いみたいでしゃくだけど、これもGSの仕事よ・・・・。」
美神がそう言うと2人とも黙ってしまった。
アシュタロスの残した傷跡の一つが、横島の心の傷。
世界とルシオラ。どちらかを取ることを迫られた横島が取ったのは世界で、失ったのはルシオラ。
横島とルシオラのおかげで世界は救われたが、横島自身に残ったものは、ルシオラを失った悲しみと、ルシオラは自分のせいで死んだという絶望だけだった。
横島はその時のことを思い出したのか黙り込んだ。
美神もそれを察してか黙り込んでしまった。
車内を思い空気が漂う。
美神は空気に耐え切れなくなったのか、話題を探す。
あった。
しかも、横島がきたら最初に聞こうと思ってたこと。
シバいているうちにすっかり忘れてたこと。
「そういえばさ〜あんた・・・」
「はい?」
「許嫁がいるんだって?♯」
ギク!!
「ナンデシッテルンデスカ?」
「シロがあんたのところの学校の学校新聞をピートから貰ってきてたのよ」
「あのくそ美形野郎〜〜!!余計な事を〜〜!!」
横島はピートを怨むが、今この場にいないピートには痛くも痒くもない。
(帰ったら半殺しだピート!!つーかなんで学校新聞に俺のことが載っとる!?)
「あんた私に今まで一言も許嫁がいるなんて言ってないでしょ♯」
「ミカミサン。ナンデオコッテルンデショウカ?(「丁稚のぶんざいで私に隠し事してんじゃないわよーー」だよな、やっぱり・・・)」
朝同様に、美神の周りにどす黒い炎。バックに美神に似ている魔族の女。
ただ朝と違うのは美神の顔が怒りで真っ赤なのから、嫉妬で真っ赤だ、というとこなんだが、鈍感な横島には解るわけもなく・・・
「べ、べつにあんたに許嫁がいることなんて私には関係ないのよ!・・・ただ、」
美神の拳に霊気がこめられる。
「ただ?」
「丁稚のぶんざいで私に隠し事してるのが気に食わないのよーーー!!」
「ぎゃーーー!!(やっぱりかーーー!!)」
ドコ!!
美神の拳が再び横島の顔にめり込む。
「ひ、ひどい・・・・」
霊気がこもってた分威力もあったようで、
ガクッ
横島ノックダウン
「たく、・・人の気もしらないで・・・」
気は知らんかもしれんが、言動はばっちり読まれてる美神。
気絶した横島を乗せ、美神の車は現場へと向かう。
現場
「あれ?ここって確か・・・」
現場に着いた美神と横島。
現場は前に、ユニコーンを捕獲しようとして、横島が女装したところだ。
ちなみに横島は復活ずみ。美神は慣れてるのか気にしてない。
「前にユニコーンを捕まえようと来た事あるでしょ。忘れたの?」
「あ、あ〜俺が女装して・・・・う、ううう。」
その時のことを思い出したのか急に泣き出した横島。
「ど、どうしたの・・急に?」
引きが入りつつも、どうしたのかと聞く美神。
「どうしたの?じゃないでしょうがーーー!!あん時の催眠術が強力すぎて解けんで、エクトプラズムスーツだけ脱げて、オカマちゃん状態になったんスよ!!学校行っても気味悪がられるし、催眠術とけたあと、どんだけ白い目で見られたか・・・!!う、ううう。」
横島の説明に(そういえばそんな事、あったっけ)と苦笑いをする美神。
強力に暗示をかけたせいで、元に戻そうにも戻せず、そのままほっといたら次のバイトの時には元に戻ってたので美神も忘れてたのだ。
「で、でも次のバイトの時にはとけてたじゃない!男が細かいこと気にしちゃダメ♪」
美神の母、美神 美智恵と同じことを言う美神に横島は(蛙の子は蛙)という、ことわざを思い出した。
「気にするわーーー!!あん時魔鈴さんに会わなければ、もっとオカマ状態が長引くとこだったんすよ!?」
この馬鹿横島は、余計な事を言いすぎた。
「あん時の催眠術、魔鈴にといてもらったんかい!!」
美神の神通根が横島を襲う。
ドカ!(←棒状態)
「だーーー!!しかたなかったんやーー!!」
「だからって商売敵の、しかも魔鈴なんかに、といてもらわんでもいいでしょうがーーー!!」
ベシッ!!(←鞭状態)
「ぎゃーーー!!かんにんやーーー!!!しかたなかったんやーーーーー!!!!」
ドゴン!!(←最大威力)
横島、朝から3度目のノックダウン。
ちなみに催眠術を解いてもらったお礼になにかしようとして、魔鈴から「時々、お店の新メニューの味見に来てください」と言われ、その時から、度々魔鈴のところに行って、味見と言う名の食事わしている事は秘密だ。
「まったく!!」
5
騒ぎを聞きつけたのか依頼主の村人登場。
横島はゴミくずと化している。
「おお、来てくれただか!」
「またオラのキャベツ畑があらされたんだ」
「なのにGメンはほかの事件にではらってて人手が足りんけん無理だって」
「このまままじゃ村が潰れちまうだよ。はようなんとかしてくんろ!!」
4
「まーかせて!私はGメンなんかよりずーっと融通がきくから!今日中に始末してあげるわ!そのかわりお金のほうよろしくね♪」
3
「あんた、前も同じこと言ってなかったか?」
「う!?」
「しかも結局はGメンがユニコーンば捕獲したしな〜」
「げ!?」
「んだ、しかもそのユニコーンえらい女好きなのに、来てたこの姉ちゃんともう1人の娘には近寄りもせず、女装した男の方に近づいてたっぺな」
2
結構、物覚えのいい村人達。
いつもならキレる美神だが、前回の失敗があるせいか強く言えない。
1
「だ、大丈夫よ!今回は捕獲じゃなくて暴れてる妖怪を退治するのが目的だから。前みたいにせこい事しなくてすむから楽勝よ!!」
0
横島復活!!上の数字は復活のカウントダウンでした。
「いててて。美神さんもう少し手加減してくださいよ。」
「「「うお!?」」」
ただのゴミかと思っていた横島が急に動いたに対して村人たちは驚いた。
「さてと、横島クンが起きたところで妖怪の特徴を教えてほしんだけど・・・」
「あ、あ〜それが・・・」
「実は夜になって現れたからよく見てないんだべさ」
「「はあ?」」
村人A,Bのセリフにあきれる2人。
「じゃあ、誰が当然変異の妖怪なんて言ったのよ?」
誰もよく見ていない。それだけなら普通の動物の仕業だと考えるのが普通だろう。しかし美神達は、「当然変異の妖怪が出たから退治してくれ」と言われてきたのだ。
「い、いや化け物ってのはたしかなんよ。暗くてよく見えんかったけどあれはどう見ても動物じゃなかったしな〜」
「んだ。それであんたらの前に他のGSを雇ったんだよ」
「そしたらそのGSが荒らされた畑を見て、これは突然変異の妖怪の仕業。自分には手におえない。なんて言うもんだから・・・」
「この私に依頼してきたってわけね・・・」
「んだ。」
納得。みたいな顔をする2人。
手におえないから他のGSにまかす。プライドがあるGSには耐えられないだろうが、死んだら意味が無い。それにプライドに任せて突っ込んで殺られたら、次にくるGSになんの情報も与えられず文字通り無駄死にだ。美神達の前に呼ばれたGSの判断力は優秀だと言える。現に美神達は今回の相手が突然変異と聞いている。聞いてる聞いてないじゃ大きな違いだ。
「・・・まあ、いいわ。私はギャラさえもらえれば。で、その妖怪はどこよ?」
「それが家の畑ばさんざん荒らしたあと山ん中に入ってたとよ」
「つまり自分で山の中を探せってこと?」
横島はいやーな感じがしはじめた。
「横島クン♪」
「まさか俺1人で行けっていうんじゃ・・・」
「あら、分かってるじゃない♪じゃあお願いね♪」
「チョッ、ちょっと待ったーー!!今日の依頼は危険だから俺と美神さんとで来たんでしょ!!なんで俺1人なんすか!!!」
突然変異は強さが一定してない。なんの動物が突然変異したかで強さが大幅に違うのだ。
それに突然変異のしかたも違う。
いつぞやのねずみみたいにネクロマンサーの力を持つかもしれないし、単純に巨大化するだけかもしれない。ほかにも色々あるがそれはまた今度。
「だ、大丈夫よ!・・・たぶん」
「たぶんってなんすか!たぶんって!!」
「だ、大丈夫だか?この2人?」
「さ、さあ〜」
言い争う2人にものすごい不安な村人達であった。
おまけ
「今日は横島クンと水野さんが休みなのよね。プリントを誰か家まで持っててくれないかしら・・・」
帰りのホームルームのなか、担任の鬼塚 あずさのこのセリフが引き金となった。
「「「「「「「「「「「俺(僕)が行きます!!」」」」」」」」」」」
ここに水野アリスのプリント争奪戦がはじまった。
参加者は
男子A〜Iとメガネとピート。
なお、この争奪戦によりピート派だった女子の大半が横島派になった。
「あれ、タイガー君は参加しないの?」
「ワッシには、魔理さんがいますケン」
争奪戦の内容は平和的にじゃんけん。
たかがじゃんけん。されどじゃんけん。
参加者の顔は真剣で、目はやば目。
トーナメント形式でおこなわれ、敗者は例外なく大量の涙を流していた。
そしてラストはピートVSメガネ
最初はグー!!じゃんけん!!
ポン!!!
ピート パー
メガネ グー
勝者ピートーー!!
「やったーーー!!主よ。感謝します」
「ちくしょーーーーー!!!」
勝ち名乗りを上げて神に祈りだすピート。
ラストに負けた悔しさか、血の涙を流すメガネ。
そしてここに、アリスのプリントと、アリスの住所をゲットしたバンパイアハーフの姿があった。
「これも青春よね〜たぶん」
今日も、平和な横島の学校。
{あとがき}
今思ったけど、一話一話の話がえらく短いな〜なんて感じてる義王です。
突然変異について補足。
本当にある病気の中で親には出ず、子供に出てくる病気があると知ったのが1つ。
魂と肉体には、密接な関係があると原作に出てたのが1つ。
これらがあって、考えたんですが原作であったダンプに変身したイノシシやネクロマンサーねずみとは別です。
文について
はずかしながら、漢字苦手です。国語辞典と漢字字典が必勝アイテムです。
間違ってても優しい目で見てください。そして優しく注意してください。
次は初バトル!!書けっかな〜
次もがんばります。