お口の恋人
第二十二話 俺がお前でお前が俺で 新しいシャツに着替え〜
カツカツと足音をたて、線路の上を歩く少年。手に持ったオイルライターの明りを頼りに、暗闇の中を進む。
「だいたいこの辺だよな。はぁ、何やってんだよ俺」
ここは地下鉄の線路。終電が過ぎたとはいえ、危険である事には変わらない。何故、少年、横島忠夫がこのような場所を探索しているのか。実は、帰宅途中の電車の窓から、ここに立つ人影を見つけてしまったのだ。しかも美人。
「事件の匂いがするっつーのに、はぁ」
横島が何故、ここまで拘るのか、実は、目が合ったのだ。偶然彼は女性を見た。そして、その女性は横島の事を見ていた。目と目があったらミラクル。
「お、この辺か。やっぱり霊波の異常があるな」
横島の手に持ったライターの炎が綺麗な青色に変わった。ある伝説を模して作られた、霊波感知道具なのである。簡易型だが。だから、ここに施された呪が人払いである事までは気がつけない。
「壁に繋ぎ目ね。隠し通路か秘密のアジトか。ったく、すんませーん! MHKの集金に参りましたー!」
壁をゴンゴンと叩きながら、冗談で叫んでみた。
「ん? なんじゃ?」
不可思議な機械が並ぶ、コンクリうちっ放しの部屋。その部屋の片隅で、煎餅を食べながらテレビの娯楽番組を観ていた老人。
「MHKの集金・そう名乗っています・ドクター・カオス」
「くわ! 日本の集金業者はここまで来るんか! あ〜 マリア、我が家にはテレビは無いと言っておけ。それが最善の追い払い方じゃ」
「イエス・ドクター・カオス」
顔に深い皺を刻んだ老人、ドクターカオス。この部屋の主であろう、その人物は、不思議なアンテナが特徴的な無表情な女性に指示を出す。
「まったく、ここも限界かのう」
「ってな、こんなんで開くか! はぁ、どうすっかな。C4を使うのも問題だし。いや、むぅ」
仕方なく爆薬で吹き飛ばそうとか、横島は物騒な事を考えていた。威力を抑えて壁だけ破壊するくらいはできる。だが、壊れた壁を直す事は出来ない。電車関係の賠償請求は高額と聞き及んでいたので、躊躇してしまう。いや、正しいぞ。
「うちは・MHKを・観ていません・お引取りを」
「え?」
横島の悩みを無視し、秘密の扉は開かれた。扉を開けた女性、マリアと横島の目があう。マリアの瞳が小さい駆動音をたて、横島の姿を捉える。一方横島も、自分が探していた女性が目の前に現れた事に驚き、戸惑っていた。
「私は・M666/マリア・宜しく」
「あ、俺は横島忠夫ッス!よろしくマリアさん!」
「ノー・横島さん・マリアと・呼ぶ事を推奨・小汚い所・ですがどうぞ・お茶を入れます」
「あ、お邪魔します」
マリアのもてなしに素直に応じる。その無表情な顔に、多少の笑みが浮かんだような気がする。マリアの案内で部屋に入り、テーブルにつく。
「って、! なんじゃそやつは! マリア! なぜ集金人をうちにいれた!? って、違うんのですよ!? アレはテレビに見えるが実は冷蔵庫なんですよー!!」
「いや、集金人っての嘘だし。はぁ、孤独な老人の隠れ家ってやつか。現代社会の生んだ歪みってな。まぁ、元気出せや」
あたふたしながらテレビに布をかけて隠していたカオスに、横島は同情の眼を向ける。しかし、彼が集金人ではないと知ったカオスは、今度は彼がここにいる理由が気になった。
「人を時代の犠牲者のように言うな! ふふふふ! 私こそ! 世界にその名を轟かせた大天才! どく」
「横島さん・お茶が・入りました」
決めポーズ中のカオスを遮り、マリアがお盆にお茶を載せてやってきた。小皿に芋羊羹も添えてある。
「んが! ここで邪魔するか!? って! それはわしが楽しみにしていた羊羹ではないか! なぜ! どうしてじゃ!」
「うるさい・ドクター・カオス・さあ・どうぞ・横島さん」
「はぁ、頂きます。大丈夫か爺さん?」
真っ白になってホロホロ涙を流す老人の対処に困ったが、マリアの視線も気になったのでとりあえずお茶を啜った。
「お、茶柱が立ってら」
その際、湯飲みの中で茶柱が立に浮いている事に気がついた。
「駄目です・横島さん・人にそれを伝えたら・幸運は訪れない」
片言口調を多少饒舌にしながら、マリアは横島の行為を諭す。
「よく知ってるな。まぁ、今日はマリアに出会えたって幸運がもう来たしな。それだけで満足しとくよ」
「あ・あぁ・感謝します・横島さん」
小さな機動音を発しながら、マリアは横島の言葉に応える。しかし、恐ろしくきざな台詞である。また微妙なパワーアップしてると言われそうだ。(誰に?)
「くぱぁ! わしのマリアに手を触れないで! たった一つわしだけの物じゃよー!! 髪の長さやー! 綺麗なド、ぐべぇ!!」
「うるさい・ドクター・カオス」
二人の雰囲気に暴走したカオスを、マリアが一撃で黙らせた。拳で。
「おいおい、老人にそれはないだろ」
「ごめんなさい・横島さん・しょぼん」
床に頭を埋めるカオスに、思わず同情してしまう。だが、それ以上に自分の台詞で落ち込んでしまったマリアの方が今は気になる。
「むがああああ!!! 死ねるかあああ!! いったいどうしたというのだ!? まさか故障したのかマリア!! むぅ、電子脳のチェックをしてみるか」
「おいおい、人間に故障とか言うなよ。ロボットじゃあるまいし」
頭から血をピューピュー出して絶叫するカオスに、退きながらも、横島は文句を言っておく。
「ロボ違う・ロボ違う・マリア・アンドロイドです・横島さん」
「アンドロイド!? うぞ! こんな可愛い子がロボットって言うのかよ」
頭のアンテナとか、手の刺青とか、何より首の金属部分とか。横島もソレッぽいとは思っていたのだ。だが、本人に言われるまでは悪いと思って言えなかったのだ。
「アンドロイドだと言っとるじゃろうが! ふははははは! 私こそこの究極のアンドロイド、マリアを開発した大天才! ヨーロピアンな魔王と呼ばれし錬金術師! ドクタ」
「横島さん・貴方が言うなら・ロボで良いです・ロボ」
「いや、その語尾は色々かぶるだろ? それにロボとかそんなん気にせんし」
「そうですか・少し・残念です・ロボ」
決めポーズのまま口をパクパクさせてるカオスを無視し、存在のあり方について語り合う横島とマリア。何故かは知らないが結構良い雰囲気だ。
「わしの歌を聞けー!! ボンバー!! れつぎょ! うぉんちゅしまへー! あーのねのねー!!」
「黙れ・ドクター・カオス」
「ふぃろそま!! がふ」
ついに興奮したカオスはマイク片手に歌いだした。が、容赦なきマリアのクリティカルブロウで床に血反吐を撒いて、その活動を終えた。
「つまり、この爺さんが世界的に有名な変態のドクターカオスと。で、マリアの創造主でもあるわけだな」
「イエス・不本意ですが・現実を・受け止めています」
一応生体反応を示すカオスを床に寝かせ、横島はマリアから話を聞いていた。
「厳しいな。でも組織に狙われるほどの天才か。苦労してんのな。マリアも大変だな」
「ノー・横島さん・慣れています・しかし・心遣いは・嬉しいです」
的確な動きで、机に『の』の字を書きながら、無表情にマリアは照れていた。さて、マリアの話によると、以前はとある企業の霊的火気の研究者として雇われていたそうだ。だが、カオスを付けねらう組織に所在が知られ、止む無く逃亡生活を始める事になったと。
「スポンサー付いて・ドクター・カオス・喜んでいました。でも・目立ちすぎました」
ある出資者の依頼を受け、小火器の霊具を研究、開発していたそうだ。その出資者が有名人だったらしく、そこからカオスが知られたそうだ。横島にはどこかで聞いたような話だ。
「敵ね。まぁ、そういう世界もあるんやな」
「天堂社・M+M機関・魂の揺り篭・それらに・ドクター・カオス・研究を狙われています」
カオスが狙われる最大の理由はマリアの創造にある。人にもっとも近く、人に有らざる存在。人の手ではありえる筈の無い魂の創造こそ、それを禁畏とする団体に狙われる原因となっているのだ。
「知らん名前ばっかやけど、えらい苦労しとんのな」
実際のところ、いまだにカオスをその理由で狙っているのは一部の古い組織、しかもその一部だけだ。現代、ものの考え方がかなり変わってきたのが理由である。しかし、マリアの創造はあまりに早すぎるものだった。
「慣れました・詳しく説明する・それは・恥かしい・でも・数百年・そうしてきました」
年齢を言うのが恥かしい。マリアの乙女回路は全開である。摩擦熱によって黒い『の』の字が刻まれまくったテーブルで、しんみりとお茶をしばく二人。
「ぎゃわわー!!あの人は今!? わしはここですか? いや! まさに今、ここに光臨す! 小僧! わしのマリアを口説きたいならわしの屍を超えていけ! この対泥棒鳶釘バットの力を魅せてくれやるぜ?」
「了解・ドクター・カオス・後数回・ぶっ殺します」
「家庭内暴力!! 妻が居ないのがこのような事態を引き起こすとは!! わしの何が不満なの!?」
「存在?・いえ・可哀想なので・お口にチャック」
「そんな機能は付けてねー!!! ちゅぶり!!」
「魅了? そんな馬鹿な! マリアのメタソウルに介入するほどの力があるというのか」
「いや、多分だけど。マリアがこうなったのって俺に会ってからだろ? だからそうじゃないかなって」
流石に3度目の死亡確認をするのは気がとがめ、横島はカオスがマリアにジャンククラッシュされるのを止めた。素晴らしい残虐性だったと、後に語る。
「わしは何ともないがの。霊能力者に限定の魅了か。マリア、そこの棚の参列目のファイルを取ってくれ」
「イエス・ドクター・カオス……………… プリーズ・は?」
「お、お願いする」
マリアの変化に怯えつつも、その原因を調べようとカオスはそれなりに必死であった。指示されたファイルをカオスに渡し、マリアは言葉を待つ。
「ありがとな、マリア」
「いえ・かまいません・ドクター・カオス」
「さて、グラムサイトというものがある。『月の視力』を意味し、アルプから授けられる。それは見えないものが見えるようになるというのが一般的じゃな」
資料を見ながら、カオスは言葉を続けた。
「さてさて、この見えないものとはなんじゃろう。妖精や精霊、幽霊などといったものの波動。それを視覚として捕らえる能力がグラムサイト。魅了眼ともいうな、グラムとはグラマーの語源じゃ。グラマーな美女とか言うじゃろ?」
「俺の目がそれだっていうのか?」
自分の目元をおさえながら、横島は驚愕する。
「いや、そう急くな。つまり、この世には普通の人間には見えないものがあるということじゃ。グラムサイトでもいないとな。じゃが、今の世はかなり違ってきておる。GSという連中は近年、爆発的に増加しておる。オカルトが世界に認知されたのが原因じゃな」
「そうなのか? いや、そうだな」
日本でGSという職業が認知されだしたのはバブル期に重なる。それまで、特殊な団体や強力な個人にコネを求めるしかなかった除霊。それが近代になって世の中に職業として認知され、怪しげな人間だった祓い屋が、平和を守るGSとなったのだ。
「霊力の発現はやはり霊力に誘発される。今まで隠されていたその力が、一般的に世に知れ渡る。そうなる事によって、それまで普通の人間だったものの潜在霊力が爆発的に顕在していったのじゃ」
「へ〜 で? それが俺とどう繋がるんだ?」
「ふむ、ちと話がそれたの。小僧、お主は女を品定めするとき、どこを最初に見る? ぐぱ!」
カオスの言葉に反応し、マリアが鉄塊を頭に落とした。
「胸と……顔と、尻と太ももと、そんな感じだな。って! 生きてるか?」
真剣に考えていたらしく、カオスが潰れている事に気が付いていなかった。
「むぅ、なんとか。そうだな、最初に目がいくのは容姿じゃ。女の容姿がどれだけ自分好みか判断する。その判断結果で、女性にたいし、自分の行動を決める」
横島とカオスの言葉を聞いて、マリアは自分の胸を見る。そして触ってみる。硬い。お尻にも触れる。やはり硬い。
「形は・良い・しかし・しかし・しょぼーん」
「さて、普通は自分が見える部分で相手を判断する。視覚を使ってな。ここにだ、今までに無かった見えるものが現れたのじゃ。存在は昔からしておった。だが、見る事の出来なかったもの」
「霊気? いや、霊波か!」
「その通り。お主、見た目よりも賢いのじゃな。結論から言うと、おぬしの霊波は女性にって恐ろしく魅力的なのじゃろう。それを知覚できるものには堪らんわい。はぁ、マリアのアイボールセンサに霊視能力があるばかりに、こんな坊主に一目惚れしたわけか」
一人、結論にたどり着いたとカオスは、グッタリと椅子の背に体重を預けた。先程、買い物から帰ってきたマリアの様子は少しおかしかった。今思えば、それは初めて恋に落ちた女性のものだったのだろう。
「こんな坊主?・潰しますか?・ドクター・カオス」
「いや!! 褒めとるんじゃよ! な? な!?」
横島の放つ霊波。それこそが、女性霊能力者を惹きつけて放さない力の正体である。カオスはそう結論付けたのだ。そうだとすると、令子との出会いを境に自分のモテ力が増幅したのが理解できる。
「って事はさ、俺が女の胸や尻に惹かれるように、女の方も俺の霊波に惹かれてたって事か。そっか……
「ドクター・カオス・横島さん・いじめた?・ドリルで抉るぞ・ワレ!?」
シリアス顔で何かを考える横島。そんな彼の仕草にメタソウルをキュンキュン鳴らすマリア。とりあえず、理解できない感情をもてあましたのでカオスを抉っておいた。
「しまいにゃ死ぬぞわし!! 聞け小僧。お前は乳と顔さえ良ければその女に惚れるのか?」
「え? あ、いや、割りとそうかも」
「違うと言っとけ。まったく、何でわしが……ぐ」
カオスにとって、横島は大事な娘をさらう敵なのだが、その娘の眼光には逆らえない。
「胸、尻、その他性的に魅力的な部分。それに一番大切な性格と相性。そこに霊波という要素が一個増えたに過ぎんよ。つまりじゃ、今お主が思っている女が、お主の霊波だけに惚れてるとは限るまい」
「ぬあ! そ、そうか。そっか、そっか……」
「その通りです・横島さん・マリア・横島さん・全て好き」
「それだけはなんねー!! なして!? どうして!?」
マリアの予想通りのカミングアウト。しかし、カオスには十分ショッキングであったようだ。
「私の胸・横島さんに・共鳴する・ドクター・カオス・頼みがあります」
「なんじゃ? 金以外なら何でもきくぞ!!」
「柔らかい・擬体・締りの良い・膣・張りのある・臀部・改造を・希望します」
「むがー!! 目的がはっきりしてる改造プランがきおったー!! 己小僧!! マリアの身体が目的だったか!! 貴様のチンを切り裂いてくれるわ!!」
何処からともなく巨大なはさみを取り出し、カオスはイヒヒと笑いながら横島に迫った。
「スキャンデータ・参照しますと・ドクター・カオスの・3倍優れてます・租チンは・てめえだ・ぷぷ」
「ぎゃわわー!!! はぅ! ぽっくり」
ドクターカオス。死亡確認
エロスが無い? はい、忘れとりました。
話は少し前に戻る。
「あの、あなたはGSの横島さんではないですか」
「はい?」
ある日、街を買い物をしに歩いていた横島忠夫。そんな彼を見つけ、小走りで駆け寄ってきたのが二人の再会である。
「あ〜 あの時はどうも。あれからおかしな事とか無かったっスか?」
「ええ。アヤもあれからは何事も無く元気ですわ」
モガちゃん人形が意思を持ち、反乱を起こそうとした事件。騒動の原因は見神令子の霊力、解決に至ったのはアヤちゃんとある人形の力。当然、令子はアヤの母、祥香に除霊料金を請求できず、無料奉仕となったのだった。
「それは何よりッス。俺に声をかけたくらいだから、何かあったかと心配したっスよ」
「あ、ごめんなさい。そうよね、そう考えるのが普通よね」
そういう事もあり、令子たちは除霊後にそのまま帰っていった。アヤの部屋に出来た異界の門は閉じたし、もう危険も無いとの判断の上での行動である。しかし、祥香としては困った事がある。彼女たちの素性がわからないのだ。
「いえ、謝られるような事じゃないッスよ。でも俺の事を覚えてくれてるなんて感激ッス」
まぁ、少し考えれば、アヤにきけばわかるというものだ。そのことに気がつき、祥香は美神除霊事務所へ向かっていたのだ。その途中、彼女がどうしても会いたかった人物、横島に偶然出会う事が出来たのだった。
「私の方こそそう言ってもらえて嬉しいわ。ね、あのときの事を覚えてます?」
「えっと、どの事っスか?」
と、言うわけで、祥香に誘われるがまま、彼女の自宅でお茶を飲んでいるのである。
「若い貴方が私を、その、満足させてくれるって…… ね?」
「う! 覚えてるッス。その、マジ?」
この男、原作どおりにアヤママを口説いているのである。しかも、恐ろしい事にナンパを成功させたのだ。
「本気にして良いんですよね? アヤが生まれてから、主人とはずっとしていなくて。私だってまだ25よ!! 火照るし疼くし大変なんだから! あ…… ね?」
「あ、お若いッスね。早めの出産だったのか」
アヤは20のときの娘という事ですね。
「そうなの! ね? そろそろ、良いかな」
横島の返事も聞かず、祥香は衣服を脱ぎだす。まずストッキングを脱ぎ、生足をさらけ出す。
「くぅ、ここまできて断れるか!! てい!」
「きゃん♪」
空中で服を脱ぎ捨て、トランクス一丁で祥香に飛び掛った。
「お! 奥さん、着痩せするタイプだったんスね?」
ブラウスの上から祥香の胸を揉み、その大きさを確かめる。その意外な手ごたえに、横島は感動しながらもその手を服の中に伸ばした。
「あん♪ あ、待って、服が伸びちゃう! ね、脱がせて」
祥香の。着ているブラウス。そのボタンを横島はちゃちゃっと外し、それ脱がした。
「奥さん、綺麗な胸してますね。うん、柔らかくて最高ジャー!!」
「きゃうぅ! あ、そうかな? その、ありがと…… はぁぁ」
彼女の勝負下着であるベージュのブラを外し、ポロリとこぼれでたオッパイに吸い付く。子を一人育てたそれは、今は横島のために吸われている。
「うぅぅ…… ねぇ、私変じゃない? 私が変だからあの人は抱いてくれないのかなぁ?」
「何処も変じゃないッスよ!」
お世辞ではなく、横島は彼女の身体が良いものと思っていた。スカートを脱がし、気合の入ったショーツも脱がす。多少陰毛は濃い目だが、彼女が気にするようなおかしな部分は見当たらない。
「あぅぅ! あのね、亭主以外で初めてなの。でね、あんまり気持ちよくは無いかもしれないけど」
そういって、祥香はトランクスの上から横島のペニスを咥えた。カプカプと先端を甘噛みし、両手でムニムニと全体を揉む。
「くぅ! 良いッスよ奥さん!」
「んむ、んむ、かぷ〜 にゅむ、ぷは! 本当? じゃあ、もっと頑張るわね」
トランクスを脱がし、今度は直接ペニスを舐める。
「くぅ♪ 若い男の子の匂いって凄いのねぇ。それにこんなに元気…… あむ。んむ、ん!ん! ん!」
横島のペニスを間近で観察し、その迫力に恍惚となる。気がついたら無意識にそれを咥え、舌を絡ませていた。
「奥さん、お尻をこっちに向けて」
「ひゃぶ? あ! はい♪」
横島が何をするか察した祥香は、陰部が彼の顔に重なるように、上下逆の形で上に乗っかった。そして、自分の眼前にあるペニスを、改めて思いっきり飲み込んだ。
「じゅぶぅ! じゅぶぶ! んんぐ! んんん〜!! んぶ♪」
彼女が想像し、望んだとおりに、横島は祥香の陰部を舌と指で愛撫しだした。トロトロと流れる愛液を啜り、舌をねじ込んで陰裂を割る。陰唇を指でつまみ、
「ぶはぁ! いやぁ…… そんなに広げないでぇぇ、ひゃひぃ!」
膣内が覗けるほど、陰部を開かれた祥香。そこに横島は指を三本も入れて膣内をかき回した。
「いぅ!? ぐぅ、ひゃぁああ!! ぐぅぅ、あああああ!!!」
ペニスを咥えるのも忘れ、祥香は大きく声をあげ、激しく悶えた。足に無意識に力が入り、横島の頭を強く挟んでしまう。が、その事は気にせず、陰核に吸い付きながら、リズミカルに彼は指を動かした。
「………………」
こちらを覗く視線に気が付かずに。
【後編に続く】
また人妻? 欲求不満ですか?(挨拶)
違うもん! 多分。どもども、アマドです。次回も本編にはエロが入りそうにありません。と、いうわけでオマケが前後編に分かれますた。元は一本の外伝だったものッス。
カオスの説明、それが全てではありません。が、まぁ、ギャグにシリアスを求めすぎてもそれは無粋というものッス。霊気、霊波に魅了される。現実にはありえない事ですので、上手く説明できなかったかもしれません。まぁ、乳がでかい、顔が綺麗といったものに、霊波がステキ! って程度の認識でも大丈夫ですので安心。 ではでは
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