ナルニア・横島夫妻宅
あれから3時間が経過して、リビングはさながら“戦場の爪痕”と化していた。フローリングの床には手榴弾があけた穴。壁には互いに力をぶつけ合って戦った痕跡が、生々しく残されている。
そして、隣の寝室では・・・・
「んっ!!あはっ!!許してぇ・・・壊れちゃうよぉ!!」
「あかん!!この前修復したばっかりやろ!!」
「そ、そんなこといわれ・・・あひっ!!あう!!」
ベットの上では、百合子がアナルにバイブを挿入され、大樹に後ろから激しく攻められ“お仕置き”されていた。それから暫くして、“一仕事”終えた二人は毛布にくるまって紅茶を飲んでいた。もちろん、百合子の二穴にはバイブが深く挿入されたままだったが。
「落ち着いたか?」
「うん・・・考えたら、うちらが結婚したのもあんたが17歳のころやったもんな?」
「ああ・・俺もまともに年とってれば、50歳のおっさんやな。・・・・あれから、30年もたったんやな・・・」
「うん・・・・30年や・・・」
自分の胸に抱かれる妻を見つめる大樹の顔に、年輪を感じさせる皺や白髪はどこにも見あたらなかった。
ベットの傍らに飾られた、ポートレートの写真の中の二人の結婚式の写真と変わらぬ姿で、二人は日溜まりに暖められて眠った。
パンデモニウム
ここ、サッちゃんの勤務室にはたくさんの写真が飾られている。一枚一枚、丁寧に張り付けられた写真は少しも色あせていない。それらを眺めながら、そのころの思い出に浸っていたサッちゃんであったが、けたたましい音とともに中断されてしまった。音の主は、旧友たるブッちゃんである。
「なんや!!そうぞうしいで!!」
「あほ!!ビックニュースだぞ!!とんでもないぞ!!ハルマゲドンよりすげーぞ!!」
「何が?くだらんことやったらしょうちせえへんぞ!!」
「結婚するんだよ!!“ダークネス”の息子が!!横島忠夫が!!」
このとんでもないビックニュースに、サッちゃんは盛大にずっこけた。脱力したのではない。思いっきり嬉しかったからだ。
「ほんまか・・・ほんまに“ダークネス”の息子が結婚するんか?!」
「おお!!相手は、あのワルキューレだ!!親子そろって戦乙女を娶ったんだよ!!」
それから、パンデモニウムはてんやわんやの大騒ぎであった。その夜、最高権力者たちはあの頃の思いで話をしながら、朝まで飲み明かしたという。
勤務室の壁に貼られた、一番大きな写真。花嫁衣装に身を包んだ百合子を、大樹がお姫様だっこしている。その横には、サッちゃんら最高権力者が並んで垂れ幕を掲げていた。
『結婚おめでとう!!これからもお幸せに!!』
閉話休題・闇と真紅の物語 序章
続く・・・
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