三咲町という所に遠野家と言われた屋敷がある。
急ぎの用がない人はそこに行ってみるといい。
一風変わったメイドさんが出迎えてくれる。
カフェ-2
テテン、テテン
軽快な音をたてながら一台のスクーターが走る。
運転するのは、東京郊外に居を構えるカフェのマスター、マルチ。
見る限り、堂に入っており、スクーターに乗って長いであろうことを伺わせる。
今日は店に本日休業の札を掛け、習慣である外回りに向かう。
「あ、おはようございます」
道すがら、すれ違う妹分のメイドロボたちに挨拶をするが、
彼女達が挨拶を返そうとするころにはマルチは先の方へ行ってしまっていた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
テテン、テテン、テテテテン、キュッ
長くそこそこ急な坂の前にスクーターを止める。
「はぅ〜、帰りの燃料持つでしょうか」
長い道を来たものだから、燃料メーターは随分と深くお辞儀をしてしまっている。
「ん〜、きっと大丈夫です」
ガッツポーズ、最初で主人から習ったことの一つ。
成せば成る。
ちなみに主人の伴侶の『――ちゃんはやれば出来るよ』がオリジナルらしい。
閑話休題。
ともかく坂を登り、大きな入り口の前に出る。
そこにはいつも通り、無機質な質感のメイドが立っていた。
「こんにちはメカ翡翠さん、今日もお隣に失礼します」
メイドは僅かにも動かなかったが、
マルチは気にせず隣に立つと口を開いた。
え〜とですね、この前マリアさんとRさんが来たんです。
……
マリアさんは充電が終わってからお店の周りの掃除をしてくれたんです。
……
Rさんからは39個目のにこにこ勲章をもらいました〜。
……
それで夜にマリアさんはドクターカオスさんの所にお帰りなられて。
……
Rさんは今年こそ中部海峡を越えて西日本島のお米を探すそうです。
……
その後、Rさんは東に轟天号さんに乗っていかれました。
……
お米が見つかるといいですね〜
……
あ、それからですね……
…
……
………
…………
「それで今度、海鳴の月村さんの所に行くことになったんです。
時刻は何時の間にか夕暮れ、夕日が世界を赤く染める。
その中で今まで身じろぎしなかったメカ翡翠が、深くお辞儀する。
そして頭を上げると笑顔で言った。
「オカエリナサイマセ」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
入り口の奥、屋敷へと歩いていくメカ翡翠
「メカ翡翠さん、さようなら〜」
それを見たマルチは手を振り別れを告げ、坂をくだった。
テテン、テテン
軽快な音をたてながら夜道を一台のスクーターが走る。
(帰ったら明日の支度をして、茶々丸さんとエヴァさんのラジオを聞いて…
う〜ん、他にすることあったでしょうか〜)
今日もマルチは概ね平和。
テテン、テテン、プスン
「あ」
今回の作品の問題点……つっこみ要員がいないっ!
(BGMはおじいさんのセリオ)
>ATK51さん
>はじめまして。
はじめまして。
>どこか外れたアンドロイド勢ぞろい
アンドロイド好きにつきこんな荒業です
>この流れだと個人的には「ネギま」の茶々丸にもご登場願いたい所ですが…無茶でしょうか?
次回か次々回で取り上げる予定です。
>このまったりとした空間は大事にして欲しいです。
まったり空間が大好きなので多分これからもそんな感じで行きたいと思います。
>九尾さん
>Rってのが元ネタさっぱりですが
元ネタは究極超人あ〜るより、お米大好きアンドロイドです(なんてはしょった説明
>マリアやマルチは仲いいでしょうね〜。
ええ、かなり仲がよいです。
>菅根さん
>R28号の科白からするとかなりの未来の話みたいですね。
そうですね、割とかなり未来です。
>それと、さんごはRの終生のパートナーになったんですね(しみじみ)
このカップルすんごい好きなのでちょっびと片鱗を出してみました。
>桃さん
>うわぁぁ……。深く考えると、ものすごくダークな話かも。
HAHAHA,拙者にはなんのことやら(マテ
・・・そこらへんは、まぁ、あいまいにしてあります。
>……ところで、カオスのオッサンは?(汗)
きっちり生きてます。
どんな状態かは明記しませんが…(えー
>siriusさん
>Rって「究極超人あ〜る」のほうですよね?
そうです。
他にもRがあるのでしょうか。
ご存知でしたらご教授願えますでしょうか。
>右示さん
>むう、これって「ヨコハマ買出し紀行」?
はい、割と、というか、かなり影響受けてます。
アンドロイド物は好物の一つですがその中で最たるものといえます。
ちなみにポストガールにも影響受けてます(汗
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