▽レス始▼レス末
「天より来たる魔4 (GS)」花火 (2004.10.22 01:11)
天より来たる魔4 〜侵食〜





・・


・・・


この夢を見るのは何度目だろう?


同じ夢だと思っても真紅に染まるところで何度も叫んで起きてしまう。


ただ・・・今回は少し違った。


真紅に染まる少し前に小さな子が出てきた。


暗くて顔はわからなかったが、とても懐かしい気がした。


そして、いつも通り叫びながら覚醒した。


そこは見慣れた風景・・・つまりいつも怪我をした時に入院する病院であった。


最早俺はこの病院の常連で、先生から看護士の人までお互いに知っている仲だ。


だが、最近は俺の検診の時に男の看護士が来るようになった。


これではスキンシップ(セクハラ)ができんではないか!


まあ、病院内をうろついた時にするんだけどな。


・・・話が反れたので戻そう。


どうやら除霊中に気絶したのをシロが担いで運んできてくれたらしい。


ベットで寝ている俺の周りを囲んでいるのは美神さん・おキヌちゃん・シロ・タマモそして美神さんの母親(ややこしいので隊長ということにする。)である。


隊長の腕の中で泣き声が聞こえる。俺が数えていなかったのがわかったのだろうか、ひのめちゃんがぐずりだした。


「それにしても流石ですね、美神さん。あんな悪魔倒しちゃうんだから。」


俺がそう言うと皆が奇妙な顔でこちらを見る。


「あんた・・・何も覚えてないの?」


「は?」


美神さんの言った言葉が理解できなかった。おキヌちゃんが危なかったところから意識がなかったのだからそこまでしか覚えていなかった。


おキヌちゃんが興奮したように身振り手振りで俺に教えてくれた。


しかし、空中に字を書く能力など俺には無い。おキヌちゃんの見間違いではないかと問えば、美神さんとタマモも見たと言い出した。


それに体の痣のことだ。今、自分の体を見てみるがそのようなアトらしきものは見当たらない。


俺が倒れた後、痣は消えてしまったらしい。


「もしかしたら、あんたの新しい能力なのかもしれないわね。ちょっとやってみなさいよ。」


美神さんの言葉にしたがってやろうとしてみるが、うまく霊力が練れない。


「おそらく、限界に近い霊力を使ったからその反動で練れないのよ。しばらく安静にすれば大丈夫だと思うわ。」


隊長の言葉でしばらくの俺の休業が決まった。どうやら霊力が練れなくなるケースはよくあるらしい。


普通の人に戻ってしまったのかと心配だったので安心した。






・・


・・・


さて、突然の休みによって羽を伸ばしたかったところなのだが、一つ問題があった。


それは学校である。


本当ならば行きたくはないのだが、このまま休んで「留年」のレッテルを貼られるのは嫌だ。


しぶしぶ制服に着替えて登校する。


最近すっかり寒くなった。もう冬なのかと実感してしまう。


コートなど俺には無縁の物なので、少しでも温かい学校へと歩を早めることにした。


「おはよう、横島君。」


後ろを振り返ると、あの転校生「月野 沙夜」がいた。


この子と一緒にいると何故か自分のいつもの行動ができない。


「おはよう、学校には慣れた?」


「うん、皆が親切にしてくれるから。それに私適応力はあるの。」


このように一般の学生と同じような会話になってしまう。いや、なっても別にかまわんのだが・・・。


それに俺は一般学生のつもりだったのだが・・・・・・・・・・。


まあ、それはいいとして、彼女と一緒に歩いていると他の生徒がこちらを見てくる。


今思えば彼女は美人なのである。こうして二人並んで歩けば恋人同士にも見れなくもない。


ひがんでいる男どもの前を通りすぎるのは気持ちが良い。少し優越感に浸ってしまう。


しかし、学校に着くと「横島対策委員会」なるものに拉致られ、シバかれた・・・。俺が何したんや!


放課後


何故もう放課後になってしまったかというと


昼休み以外は爆睡していたからである。そして、昼休みもピートに送られてくる弁当達をかっぱらい、タイガーと一緒に完食しただけであった。


「途中まで一緒に帰らない?」


月野 沙夜がそんな事を言ってきた。今回はバイトもなく、断る理由も無かったので一緒に帰ることにした。


その際に回りの生徒から彼女を止めるための発言が漏れた。


その言葉の中には「狼」や「食べられる」等の単語が含まれていた。・・・失礼な奴等だ。皆、俺をそういう風に見ていたのか。(ほぼ正解)


結局、彼女の家に近い者が一緒に帰ることに決定した。(それまで俺の意見は無視)





・・


・・・


月野 沙夜と一緒に帰っている間に警戒心は無くなっていった。


彼女と話をしていると自然に笑いが出てくる。


そして


何よりも


彼女、月野 沙夜の笑顔を見て








とても微笑ましく思っている自分がいた。


続く


後書き(謝罪+返信+予告)

 どうもお久しぶりです。この度は投稿が遅くなったことを深くお詫びいたします。別にサボっていた訳ではなく、忙しくて書く暇がなかったのです。そしてこれから1ヶ月、更に忙しくなります。できるだけ時間があれば書いていくつもりですが、続きが遅くなってしまうのでご了承下さい。
 続いて返信なのですが、すばらしい指摘ありがとうございます。確かに読みにくいですね。今回は行間を短くしたのですが、自分ではよくわからないのでまたご指摘頂けるとうれしいです。
 最後に予告なのですが、次回は神続・魔族、つまりあの方々をだす予定なのでご期待下さい。(女性神と女性魔族です)ではでは!

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△記事頭
  1. 横島についての謎の変化を調べに来るんでしょうね。その「あの方々」は。でなければ神魔はすでに何か把握してるかのどっちかかと。
    未だに謎がさっぱり解けませんもんね〜。かといって特に何か黒幕のようなものが迫っている、という感じでもありませんし。横島自身には山ほど予兆がおきながらじれったいくらい何もおきない。なんかかえって不自然で不気味ですよね。ホラーな空気です。夜じゃなくて翌朝読めばよかった〜(泣)。
    ひとつ安心だったのは、月野沙夜は笑顔で、それが微笑ましいものだったってことです。人を安心させる笑顔を浮かべるやつに悪いもんなんかありません。厄介ごとを招くのだとしても、それで拒むのは絶対間違ってる。
    九尾(2004.10.22 02:03)】
  2. うーん、横島の月野沙夜に対する態度は本当に特別ですね〜。自分でも自覚できない領域で彼女になにかを感じていると言うか、彼女に特別な何かがあるのか、予兆は色々あるにしてもとりあえず今の所は横島にとって悪い事では無いですね。
    まあ、次回彼女達が出てきて、どの程度の事が明らかになるのか楽しみにしてます。
    レイトニングサン(2004.10.22 02:55/2004.10.22 02:56)】

▲記事頭


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