お口の恋人
第十話 最終回ってのは唐突に / 君の名は
「あの禿親父ったら、同じ話ばかり長々として」
GS協会に各種書類申請の手続きをしに訪れていた美神令子。その理由は、横島忠夫を自分の助手として効率的に扱う為のものである。車両、火器の使用、特殊施設の使用権限の所持などを認めさせる為、時間と手数料と忍耐を惜しまず、事務手続きを延々と行っていたのだ。それを通すのに令子は2ヶ月も費やした。本当は例の無いほど早い方なのだが、それでも彼女には不満であった。
「ま、これで横島クンは正式なGS助手って事になったし。私も随分と楽になるわ〜」
これからは提出書類に堂々と横島の事を書けるし、弾丸等の諸経費で税金を軽減させる事も出来る。流石に横島の特殊能力は隠したままだが。色々な訓練を彼にさせてみたのだが、射撃や運転などの適応能力が恐ろしく高かった。後、試しに書類を書かせたりもしたのだが、それなりに形になったものを作った。まぁ、馬鹿正直過ぎる内容だったので没だったが。
「何年かしたらGS試験に出してみるのも良いかもね。でもアイツのやりたい事をやらせたいし、大学を出た後でも良いかな〜」
自分の助手として働いている以上、横島に楽をさせる気はない。出来る事をちゃんとやらせ、出来ない事を指導する。その上で、彼の進みたい進路を妨害する気はない。彼が自分の道を見出したらそれを受け入れるつもりだ。無論、伴に歩むつもりである。しかし今は自分の助手である。きっちりやって貰うのだ。ヤっても貰うが。いやん♪
「どっかの原作みたいに、無知な説明誘導役にさせる必要もないしね〜」
馬鹿なキャラを用意して、説明的な台詞を読者に聞かせる。毎回無知な役で読者への架橋になる重要な役所だが、二次創作には必要はないのだ。俗に言う『ガウリィ脳みそクラゲ化現象』を横島におこさせる訳にはいかない、と言う大人の事情だ。
「どうなるにせよ、今は出来る事を頑張らなくっちゃ」
既に夕闇に照らされだした街並を、令子の運転する車が駆けぬけて行った。
「五億? おキヌちゃん、そんな事しちゃってたの!!」
キヌが自分が指示した事以上の仕事をした事に驚いた。彼女がそれほどの技術を身に付けているなどと、令子は思ってもいなかったのだ。
「ええ。まぁ、今回はおキヌちゃんに責任がないとは思います。本人は俺の為に当たり前の事をしたつもりなんでしょう」
彼女に常識を教えなかった自分達に責任がある。横島はそれなりに責任を感じていた。この件でキヌを有害な霊と指定されたくないのだ。
「ま〜 やらせたのは私だし。で、どうするの? 銀行に返せって言われても、知らぬ存ぜぬで通す自信はあるけど」
妙なところで自信満々な令子につい苦笑してしまう。令子もキヌの事を責める気は無い。令子の口座に入金させた額より低く、横島に貢いでる辺りが彼女に気を利かせる感じがして苦笑してしまう。
「むしろ、今返した方が問題になりそうですよね」
「そうね。だったら貰っちゃいなさい。何時かそれが必要になるときが来るから、その時に使うのよ? ほら、ゴニョゴニョ式とか、モニョモニョ旅行とか」
令子にとって五億はそれほどの額ではなかった。しかし、横島にとってはそれは人生が変わるほどの金額なのである。そう、今現在、自分のあり方が変わってしまうくらいの。
「そうそう、横島クン。これ、アンタの免許ね。銃とか車とか使う時はこれをちゃんと持っておくのよ? 警察とかもこれを見せれば大丈夫だから。やっと仮免が終わったのよ」
令子は胸元から車の免許証のようなカード入りケースを取りだし、横島に手渡した。その際に横島は何度も見慣れてモノとはいえ、ついその胸の谷間を覗き込んでしまう。無論、令子もわかってやっているのだが。
「へぇ、これがGS免許の助手版ですか。うっス、お手数かけます」
「別にたいした手間じゃなかったわよ。あとね、新しい横島クンの武器ね」
そういって手近に置かれたケースを漁り、そこから銃が入った箱とその弾丸を取り出した。危険とか超機密とか英語で書かれた物騒な代物だ。
「これSEBEC社が開発した最新鋭のハンドガンでね。排気反動を限界まで修正して、楽々にセミオート射撃が出来るんですって。弾丸は今までと同じ規格ね」
ニコニコと銃を渡す彼女のその姿は、まるで子供に玩具を与えている様に感じる。
「これって幾等くらいするもんなんですか?」
ずしっと手にかかる銃の重みを感じながら、笑顔の令子に尋ねてみた。
「どうだろ? これ試作品を無理言って提供させた物だし。あ、これの開発元に援助金出してるのよ。だから無理が通ったんだけどね。一応横島クンにはモニターを兼ねてもらう事になるけど…… いいかな?」
「それはかまわないッスけど、援助金ってどの位なんですか」
「このあいだ数億ほど出したばかりだけど。まぁ、優先して新型が提供されるし安い投資よ。この弾丸だって一箱一千万ちょいするのよ? 精霊石製ってそん位するし」
オカルトアイテム界は、GS世界の中でもかなりの魔窟である。高収入の職業、GS。彼等の扱う道具の相場は一般のそれとは比べようが無いほど高額なのだ。一般的な除霊具の霊符。コレがかなりの値段で、数百万から数億まで。それが霊符一枚の値段なのだからとんでもない。
「協会通すより自前で購入ルートを開拓させる方が、後々得をすることになるのよ。ま、コネが無いなら作っちゃえって、ちょっと強引な手段なんだけどね」
令子の身に付けているアクセサリーの精霊石も、一つ一億円以上の価値があると聞かされたことがある。つまり、自分の価値観とは違う世界の代物なのだ。
「そんな高いもん俺は使ってたんですか!! びっくらこいた!! そりゃ、あれだけの報酬を要求するわけだよ」
令子の除霊の報酬は安くても数千万単位である。たまに食事や温泉などのサービスがあればそれ以下でも引きうける場合もあるが。
「ん〜 あのね、別に私は経費の為に高依頼料を請求してるわけじゃないのよ?」
「じゃあ、なんなんすか?」
「これは私のプロ意識の問題になるんだけど、客は被害を何とかしたくてお金を出すじゃない? つまり、そのお金を払うだけの価値が除霊にあるわけよ。一億円お金を支払う人にはそれに一億円の価値が。ここまでは良い?」
「うっス」
誰しもが自分に見合うお金を出せる、出しているわけではない。しかし、そうやってお金を払う人間がいるのも事実。
「例えばその除霊で命が助かって、私に一億払う。つまりその人の命の価値は一億はあるって事ね、本人には。でさ、基本的に除霊って命懸けよね? ならさ、私の命って幾等なのよ? 他人の為に命をかけて戦う私の価値は」
何かを探るような眼差しで、横島の瞳を見つめる令子。
「そりゃ、命をお金に例えるのが間違ってませんか」
「そうね。でもね、この業界で自分の価値を客に知らしめるには、自分の価値を金額で示す必要もあるのよ。お金が欲しいわけじゃない。私の正当な価値を理解して欲しい。いや、その、お金が欲しくないのは嘘だけど」
「撤回するの早!!」
「うるさいわね! まぁ、アンタにだけ言うけど、私は私の出来る事をしたいのよ。そして私ってのを世間に勘違いさせたくない。私の命を下らないものにしたくない。ほら、現代に生きる限り、お金って綺麗でも汚くても評価の基準になるじゃない。私は好きな事をしたい。でも自分を低くは見させたくない。だから…… なに言ってんだろ。ゴメンね? おかしな事言っちゃって」
どうしても自分の言いたい事を上手く伝えられない。令子はそう思った。お金は自分の評価を表すステータス。本当にしたいのは自分の出来る事、やりたい事。
「美神さんのやりたい事ってなんすか? いや、その気になって」
「今やってる事よ。自分の力を思いっきり奮って頑張って、成功して失敗してそれを一緒にあじわう人がいて。結構今の自分って理想の状況なのよね〜 わかってるの? ―――――――――― アンタが居るからよ」
しかし、どうしても伝えておきたい事だけはちゃんと言えた。横島だけには本当の自分を知っておいて欲しい。だけど、彼が居るから今、自分は充実している。それだけ伝わればそれで十分だった。
「は〜 その、光栄ッス。俺も美神さんと一緒に居るのが楽しいです。つまり、GS業界の相場は命や土地、物件といったものを扱う以上、高価にならざるを得ない。そして相場以上の報酬を得るのは美神さんにそれだけの能力があるから。で」
「で?」
少し驚いた表情を見せる令子。彼女が聞きたいのはその次の台詞である。
「美神さんはかなりの甘えん坊かと。俺以外にそういう所見せないほうがいいッスよ?」
「死んどけ」
「銃で殴るか普通!! 本気で死ぬかと思ったぞ!!」
「悪かったわよ。で、そろそろ言いなさいよ。アンタなにを悩んでたの?」
つまりは横島が何かに深刻に悩んでいた。自分の事を晒しても、彼女はそれを聞きたかったのだ。
「別にもう、たいした事じゃないッス」
「隠すと死ぬわよ? 人にだけ恥ずかしい事言わせて」
ゆっくりと新型銃に特殊弾を装弾しながら、令子は警告する。
「アンタ本気だろ!! その、ほら、俺って生活費を稼ぐのが目的でバイト始めたんですよ。それが急に大金が手に入って」
令子の動きがピタっと止まった。
「それで?」
「はい。今回の金で自分の食費も出せるし、住む家もある程度ランクを上げられる。そんな状態で美神さんにこのまま世話になりっぱなし。それって問題なのかなーと。出来る事をしないで人に頼ったままでいるのはなんかアレで。つまり、バイトは手段であって、その目的がなくなったわけで」
「…………で? アンタはどうしたいの」
恐ろしい衝動が身体から噴出す気がする。それを懸命に押さえ、令子は話の続きを促す。
「正直、自分が何を出来るかはわかりません。けど、そうですね…… 自分が何をしたいかはかなりわかってきました。今美神さんと一緒に働くのに生き甲斐を感じてますし、体質の事もありますし、それに―――― その、アンタみたいな寂しがり屋をほっとける訳ないッスよ…… あれ? 俺って今かっちょいい?」
全身から力が抜ける。年下のガキの癖によくもまぁ、くさい台詞を吐く事。力が抜けすぎて目元が緩むのを止められない。しかし、ここで弱みを見せれば何を言われるかわからない。そう自分を鼓舞し、令子は無理に憎まれ口を吐いた。
「ばーか。アンタは私のような美女につりあう男になるって義務があんのよ。これからも努力すんのを忘れんな――――― でも、ありがとね」
どちらからともなく寄添い、互いの心音に耳をすます。互いが自分を必要とし、その関係がずっと続く事を願う。いままでも、これからも――――― ずっと。
『えーと、らぶらぶってる所を申し訳ないんですけど〜 今日は美神さんの食事当番の日ですよね〜 あぁん? ええ!! それ以上の雰囲気作ると祟りますよ♪』
人魂を何個も背負いながらキヌが黒い影をまとって現れた。会話に参加するタイミングを思いっきり外したらしい。
「あ、ゴメンねおキヌちゃん? そうね、パスタとかで良いかな忠夫クン」
「令子さんの料理ならなんでも良いッスよ」
どこかの新婚さんのような会話です。キヌはとても面白くありません。
『ぶー じゃ、美神さんが料理してる間、私と一緒に良い事してましょうね〜 アナタ』
「あ、おキヌちゃんも手伝ってくれると嬉しいな〜」
目に見える高濃度の霊気の衝突。常人が発狂するような中、横島は食事に期待しながらテレビのチャンネルを回していた。
「ごっそさんでした! 美味かったッス!」
「そう言ってもらえると嬉しいわ」
結構な量が盛られていた器を全て空にして、横島は食後の満足感に浸っていた。
「特にマカロニサラダが絶品でした」
「それ頑張ったのよ? 食べてもわからないようにイモリを混ぜるの苦労したんだから」
『旦那様は好き嫌いが激しいですからね〜』
「ぶふわああああ!!」
お口の恋人 おわり
「ここで終わるか! ま、一応、話的にここで止めても問題無いのよね」
『私と横島さんの単独えっちが一回だけ…… ひーん! くわ!』
「結局、ちゃんと続くんですけどね。次回はちょっとした閑話になります。その次が恐怖の海の物語編です。あ〜 腰が痛い」
今回エロを入れ忘れたので、ちゃんとここで入れとくです。
この作品の登場人物は何がなんでも成人しています( ゜∀゜)
「脈拍正常、呼吸の乱れ無し。脳波は睡眠状態を示している。完璧」
組上げれたミニ4駆や、少年雑誌が散乱している事から、この部屋が子供の部屋だと推測できる。そして、ベッドの上で静かに眠る少年がこの部屋の主である事も容易に判断できよう。
「体温も平常値、ただし下腹部は血液の集中により発熱」
ベッドの主の着ているパジャマを細い手が丁寧に脱がし、つけていた下着まで剥ぎ取る。手の持ち主は謎の影。着替えたばかりの清潔なブリーフの匂いをかぎ、恍惚の表情を浮べている。
「素晴らしい。脱ぎたての下着の誘惑に青い衝動が」
少年の部屋で異彩を放つ存在がいます。ブリーフを口元に当て、ハァハァしつつ、少年の股間をモギュモギュと弄っている、まさに変態。
「ん、くぅ」
寒さにプルっと少年が震えたのに気が付き、影の主は慌てて毛布を上からかぶせる。少年のだした可愛い声に、にへら〜と表情を崩すのも忘れない。
「毛布による防寒に成功。ふぅ、すいません」
薄い布地の黒装束を身に纏う小柄な人影。その瞳には、見る者を恐れさせるような黒い炎を燃やし、口元には興奮して涎が垂れてきている。
「改めて毛布内に潜入。目標高熱源体を肉眼で確認。自前生体マニュピレータによる接触に成功。迸る熱い血潮を感知。性欲を持余します」
少年の身体にかぶせた毛布に自分も潜り、裸にされたその下半身を手で弄る。とくに、先ほど弄ったので膨張気味の陰径を丁寧に撫でまわしす。しかも終いには頬擦りまでする。
「男子特有の匂いを感知。カウパー液の検出を確認。味見します」
少しだけ亀頭が出ている、まだ包茎状態の陰径。勃起して皮が張っているその部位を、謎の人は丁寧に舌を使って舐め、鈴口に溜まった透明の液を口に含んだ。そして、多少カリ部分に溜まった垢も舌で丹念に洗浄し、その過程で包皮を剥いて赤い亀頭を露出させた。
「えぇわ〜 こんなん舐めとったら辛抱余らんわ」
必至に精神制御に努めていたが、つい興奮して地が出てしまう。毛布の中の謎の人は、大切な宝物を見る瞳で少年の股間を見つめ、切なそうに溜息をついた。いそいそと一度毛布から頭を出し、着ている黒装束を脱ぎだす。外を通った車のライトに照らし出されたその姿は、決意の眼差しを少年に向ける美少女のそれであった。
「今夜は止める気はありませんよ、兄上」
少女がそれを目撃した時、正直その場で死のうかと思った。
「うぐ! やぁぁ、まだ馴れてないんやから、もっとゆっくり、ひう!」
「んな事言われたって、自然にズブズブ入っていきおるし。ベッドまでびしょ濡れやで」
「あ〜 どないしよう? 勝手に使って汚したのバレたら、ひぐ! きゅ、急に動くな〜 ひゃぃぃ!」
放課後の保健室。最近付き合いの悪い兄を探して学校を見て回っていた。誰も居ないはずの保健室に人の気配を感じ、彼女はつい好奇心で得意の潜入術でそこに忍びこんだ。
「ん、バレへんて。明日になったら乾いてとるわ。でも、気になるなら止めとくか?」
「ここまでヤってそれ言うか! もぅ、ほらよこっち、大丈夫だからもっと動いてええよ。って、あぅ! はげし過ぎ! ひん!」
下半身裸の少年と少女が、抱き合ってその陰部を結合させている。少女の隠れている場所にまで、行為特有の匂いが伝わってくる。汗と、愛液と、精液と。それぞれの混ざった匂いが。
「!!!!!」
ヨコッチと呼ばれた少年。間違い無く彼は自分が愛して止まない大切な男だ。相手の女はたまに男と一緒に居るのを目撃した事がある女だった。くそ、あの時抹殺しておけば良かった。少女は奥歯が砕ける位強く噛み締める。
「ええよ! もっと! もっと強くぅぅ!!」
何が強くじゃ。強く貴様の首を絞めたろか? 少女の心に殺意の波動が練り上げられる。この場に愛する少年がいなければ、今すぐ小麦粉を使った連鎖爆発術を行うのに。
「ぐ、辛抱できん! 射精するけどいいか!?」
「うん!! 射精して!! ウチの中にはよう!! うああ!! うぅ、はああああ!!」
なんと言うことだ。少女の手から血が滴る。強く握り締めすぎ、爪が皮膚を破ったのだ。唇からも同じように血が流れる。そして、瞳からも血の涙が。なんという事だ。愛する男が悪女に篭絡されてしまった。
「なんどヤってもこの感覚が一番ええわ……」
女が自分が常習犯である事実を自供した。少女の涙がとまらない。何故自分はもっと積極的にいかなかったのか。何故、もっと大胆に行動しなかったのか。自分は少年の唇の柔らかさも肌の暖かさも、そして喉を通る彼の精液の熱さも知っている。しかし、挿入の快感も膣内射精の興奮も味わった事は無かったのだ。悔しい。
「っち!」
音も無く少女は保健室から姿を消す。まるで影を渡る様に。すぐさま自宅に戻り、傷ついた手の治療を自ら施しながら、愛する少年、誰よりも大切な兄をどう取り戻すか少女は考えていた。が、どうしても答えは1つしか浮ばない。
「今夜、ヤッちゃいます! 兄上、もうためらいません。毎夜の口淫でも萎えぬその身体、最後の手段をとらせてもらいます」
そしてその日の夜に話は戻る。
「思い出すだけで怒りがこみ上げる。んく! 兄上の貞操を守れなかった あぅ、不甲斐なき妹をどうかお叱りください。ぃぃい! いぎぃぃ」
少女はそのアナルの奥深くまで少年の陰径を飲みこむ。既に十八手までこなす腸壁で、ソレを強く包みながら腰を激しく動かし、少女は自らのお尻をペチペチと叩いた。
「私の悪い子め! くぅぅ、わ、悪い子めぇぇぇ♪」
ドクドク流れる熱い精液の熱に、ひくひくと身体を痙攣させる。問題は次だ。お尻から少年の陰径を抜く。コポコポと少女のお尻から音をたてて精液が流れ出てくる。その事は気にせず、少女は自ら陰唇を指でひっぱり広げ、勃起したそこにゆっくりと、照準を合わせた。幾等でも溢れてくる愛液が、少年の亀頭の先っぽにポツンと垂れ落ちる。ポイントはここだ。
「兄上、いきます!!」
狙いを定め、腰を下ろそうとしたその時、少女に強烈な殺気が浴びせられた。
「ぬ!!」
すぐさま、達人のそれの動きでその場を離れ、殺気の主から少年を庇う位置で少女は身構えた。
「そこまで。それ以上はな、ちゃんと同意の上でやらんと、絶対後悔するで?」
「わしが後悔するかボケ!! 折角の所で邪魔しやがってこのババー!! まさか春香が破られるとはな」
何時の間にか開いていた部屋のドア。そこに立っていたのは少年少女の実の母親であった。
「アンタはええよ? でも忠夫はどうや。変なところ真面目で融通の利かん子やし、オマエを追いつめたって思うにきまっとるわ。まぁ、話せばわかる子でもあるし、な? ちゃんと合意の上でおし」
「それが出来れば!! こんな事…… せえへんモン」
ヤるなとは言わないこの母親。ただし、寝こみを襲うのは止めろ、そう言っているのだ。
「明日にでもちゃんと話をし。先っちょくらいは許してくれるかもな」
「先っちょってな。はぁ、気分萎えたわ。兄貴はワシのモンじゃ!! でも、兄貴を傷つけるのは好かん。今は引いたるわ」
「風呂沸しといたから入り。そんなベトベトで寝られんやろ」
「全部見とったんかい。敵わんわ〜 行くわ――― ん、おやすみなさいませ兄上」
一度大きく深呼吸をし、高ぶった感情を押さえこみ、静かな表情に戻って、少女はよく澄んだ声で兄に挨拶をした。
「私には?」
「兄上に手を出さないでくださいよ? お母様」
妙に悟ったような視線を母親に向け、少女は風呂場へと去って行った。残された少年とその母親。
「了解はしなかったわよ? 私」
愛液と精液の匂いが混ざった室内。それにまみれた身体を彼女は丹念に――――
「よく考えれば、後数日で引越しをするんですし。あの女の事は直ぐにカタがつくんです」
頭から冷水のシャワーを浴びながら、少女は状況を自分なりにまとめていた。
「まさか東京まで追って来るほどの関係でもないでしょう。まぁ、その時はその時ですが。一時とはいえ、女の身体を覚えた兄上が、それを失って寂しい思いをするのは道理。そこに活路があると見た!!」
手のひらの傷に冷水がしみる。しかし、この痛みを戒めに、自分はもう負ける訳にはいかないと、少女は新たな決意を胸に秘めたのだった。
またやったよ。反省(挨拶)
ども、今日も暢気に薬漬け、アマドです。当初このお話を書いていた際、とりあえずここで終わっても良いかなぁ〜 と思って書いた話でした。でも結局続きを書いたんですよ。自サイト掲載も投稿もしないでなにやってたんですかね私。まぁ、結果こうやってここに投稿させてもらってます。
GS資格が国家資格で、彼等の使う霊具、霊符の相場がとんでもないのはそれを容認されているわけで。GSがとてもボロい商売と設定されている世界で国がそれを見逃すはずもないし、もしかしなくてもGS協会ってそうとうあくどい組織なのではとか思ってみたり。GS試験の人死にも容認する組織だしなぁ。
あ、ここで書くのもなんですが、令子が横島にたいして「伴」を使うのは仕様です。作中では共の上位、伴侶を意味してます。何時も誤字報告してくださってサンクス。今回は注意書きの記入もれの訂正と一緒に更正しました。レイトニングサン様、ありがとうございます。 いじょ
ポンコツな私に優しい言葉をかけてくださる皆様、その行為でかなり励まされています。本当にありがとう御座います。