天より来たる魔1 〜日常〜
「うわあああーーーーーーーーーーー!」
体を全力で起こし飛び上がる。
辺りには黒板と机と生徒と先生。そして、
・
・・
・・・
弾丸のように額に向けて迫ってくるチョーク。
「静かにせんか横島ーーっ!」
とある映画のように避けられたら格好良いのであろうが、そんなことができるはずもなく額に命中する。
部屋の中の生徒の顔は驚きから笑いに変わっていた。
あまりの恐怖で頭が混乱していたが次第に理解できてきた。そうだ、ここは教室だ。
「全く、授業中に何を叫んでいるんだ。そんなことばかりだと進級できんぞ!」
教師が何か喋っているようだが、今はさっきの事が夢で良かったことに安堵し、思わず声に出してしまった。
「あー、夢で良かった。」
そこまで言ってしまってから教師の顔に気付く。今にも爆発しそうだ。
「授業中に居眠りしていた上に教師を無視するとは・・・。タイガー!生活指導室に連行しろ!」
「ううう・・・友達なのにスマンですノー!」
教師の命令を忠実に実行している大柄の男、タイガーはそう俺に伝えた。GS試験前と同じような光景である。
タイガーに連れて行かれている最中にこう呟く・・・。
「やっぱりおまえなんか友達ちゃうわい。」
・
・・
・・・
生活指導室でこってり絞られた俺は時間を気にしながら下校する。
今日はバイトの日なのだ。
もし時間に遅れたりでもしたらあの守銭奴、もとい上司が黙ってはいないだろう。
出血するまで殴られるのならばまだ良いが、時給を下げられたらたまらない。
給料を逆算してわかったのだが、何故か時給が600円になっていたのだ。
安いと思われるかもしれないが、以前の2倍以上である。
先ほども言ったように、俺の上司は(異常なまでの)守銭奴でなので理由も無く時給が上がること自体おかしかった。
以前、半分吸血鬼から聞いたのだが、イタリア系マフィアは殺す相手には敵意を隠し、贈り物をするそうだ。
それを聞いてから給料日には帰り道に細心の注意を払うことにしている。
などど考えているうちにバイト先の事務所に到着した。
この時間ならば半殺しの刑ですむだろう。
そしてその後の心配の言葉やあきれられた言葉、散歩をせがむ言葉を聞いた後に除霊現場に向かう。
これが今の俺の日常だ。
別にマゾではないがこの生活には満足している。
ここは居心地が良い。仕事はきついけどやりがいがある。セクハラやナンパをすれば鉄拳制裁が待っている。いつもと変わらぬ日常。
こんな時がいつまでも続けば良いと思う。
ただ・・・不安に思うことは・・・・・・・・・
アノ奇妙ナ夢ダ・・・
続く
後書き(謝罪文+説明)
説明文になり、キャラが全然出ない・話が進まないなどのことを深くお詫びします。でも必要と思ったんですよ。(一応理由)
プロローグでレスをくださった方々に返信です。一応、原作になるべく忠実にするつもりです。(それぞれの人の恋愛感情も)ただし、主人公の性格が変わっ・・・。そして「夢」に関してなのですが、これはお答えすることができません。できることなら続きを期待しながら読んでください。
後、説明するのを忘れていたのですがこの話は一応原作終了後です。
最後に後書きまで読んでくださってありがとうございました。ではでは。
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