反乱軍の襲撃を防いで一日が過ぎた・・・・
捕虜となったメルフェイスは次のリヴの呪縛まで時間があるとわかり
かなみを監視兼護衛として付けることで自宅謹慎となり
将軍達はもう一度集合することになったのだが・・・・
襲撃終了と同時に防御結界を張りなおし、強化を続け
疲労で倒れた魔法部隊の将軍であるアスカ
また、コルドバはリックと共に城壁の修復、兵の再配備を行っており
次の軍略のために会議室に集合したのは
バレス、ランス、ハウレーンのプロヴァンス一家
そして、政治が関連する場合に備えて呼ばれていたマリスだけであった
「まず・・・現状の再確認と行こう」
バレスがそう良いながら、リーザス近辺の地図を広げる
「まずウェスにドッチ率いる黒の軍が1500
サウスにペガサスが率いる貴族の私兵団2000
バランチにサカナク率いる黒の軍1000
イースにジブル率いる黒の軍連合1300
残りはオークスに集まっており、指揮官はエクス・・・
どの箇所を攻めるにしても、硬すぎるな・・・」
「えぇ・・・我が軍は兵力も、将の数も負けています
魔法兵を利用しようにも、アスカ将軍をリーザス城から離すわけにも
かといってアスカ将軍の参戦なしに率いるわけにもいけませんし・・」
バレスの言葉に、ハウレーンが返した
リーザス正規軍の現状はまさしく、ハウレーンの言うとおりであった
兵力が劣っているのなら将の力で・・・それすらも困難なのだ
指揮次第で大軍をも撃破できる魔法兵部隊の指揮官の不足が
現状では一番深刻だった・・・・
魔法兵部隊でもともと強力な指揮官だったのはアスカとメルフェイス
しかし、メルフェイスは捕虜にしたばかりであり、相手はエクスであるし
アスカにしても、防衛を考える上では前線に出すわけにはいかない
防衛でなら耐え続ける自信はあるが、長期戦は正規軍が不利になる
かといって短期決戦に持ち込むには、将と兵の数が少ない
降伏を誘い、敵軍の戦力をこちらに引き込むにしても・・・
相手に痛撃を与え、こちらの圧倒的勝利に持ち込まねば不可能だろう
普段、こういった窮地に陥った場合戦略を出すエクスは敵である
そのためか、防衛に専念するしか現状では不可能となった・・・
「せめて知略に長けた将軍がいればな・・・・」
ランスの言葉が、この場にいる全員の心情をあらわしていた
一応リーザスにも士官学校は存在している
しかも大陸全土からかき集めた者達の士官学校だ
その事で他の国から少々睨まれもしたが
他の国でも同じような士官学校を設置していたし
強制でつれてきている訳ではないので、その事で争いは起きなかった
もっとも、士官学校と言っても部隊指揮官用の学校であるため
全軍を指示する将軍レベルまでの教練はしない
あくまで一部隊の指揮官としての学校である
その中でも将軍に匹敵する逸材はいるかもしれないが・・・
それでも、エクスに匹敵する『智』の将軍などそう滅多にいないだろう
(彼女の卒業を無理言ってでも早めてもらえばよかったな・・・)
ランスの言葉に全員が沈黙してしまったと同時に
ランスはある女性を思い出していた、士官学校であった女性と・・・
(彼女の軍略があれば状況打破も容易いんだがな・・・・・
くそ、自信が付くまで士官を待つんじゃなくて
こっちで指揮を任せることでつけさせるべきだった・・・)
その女性のことを思い出したと共にランスは、かつての自分の決断を恨んでいた
「・・・徴兵はしないのですか?このような緊急時ですから
多少高額であったとしても出す用意はありますが・・・」
沈黙を破ったのは、マリスだった
マリスの案は確かに基本であろう、兵がなければ集めれば良い
兵が集まればもともと将の質では勝っているのだ
多少の差など容易く返すと、マリスは予想できていたのだ・・・
「いや・・・今徴兵したとしても、いきなり実戦には使えんでしょう
防衛にまわすにしても足を引っ張る可能性もある・・・
残った兵の質が高いのが現状では災いとなっているのです」
マリスの言葉に、バレスが軍人の意見を返した
確かに、兵は集まるだろう、リア王女の人気はかなりのものなのだから
しかし、いくら量があっても訓練もまともにしてなければ盾にしかならない
残った兵の多くが突破力を誇る者達である上に
守りにしても、青の軍の精鋭達が丸々残っているのだ
普段ならば新兵を入れ、訓練し、前線に出していくが・・・・
狙いが短期決戦である以上、迂闊な徴兵はできなくなってしまったのだ
「なら・・・冒険者ギルドから何人か回してもらいましょうか?」
マリスは、ならば質の補強をと考え、よしみのあるギルドから
実戦に耐えうる実力を持った冒険者を回してもらおうとしたが・・・
「果たして軍相手に来てくれる者がいるでしょうか・・・・」
ハウレーンの言葉が、現実を物語っていた
いくら強い冒険者でも、好き好んで軍規模の敵と闘いたがるはずがない
マリスとてそれはわかっていた、マリスにも僅かだが戦略を見る目はある
しかし、そうでもしなければ、現状打破は難しいのだ・・・
現状を打破しうる策は・・将、もしくは兵の補強しかないのだから
再び会議室が沈黙に覆われたとき・・・・
「どうやら、戦況は予想以上に悪いようですね」
そういいながら、リックが会議室に入ってきた
「うむ・・・今の我が軍には決定打がかけておるからのう・・・・」
バレスはリックの方を向きそう言った
バレスの言葉は正確には異なっていた
正規軍に決定打になりうる火力は十二分にあるだろう
リック率いる赤の軍、ランスとバレスの率いる黒の軍
さらにリック、ランスの二人の個人の突破力
しかし、その火力を持ったとしても、エクス相手に万全とは言えないのだ
敗走が許されない兵力差があるからこそ、バレスは慎重になっているのだ
もし、これが多少の敗走が許される状況であったなら
バレスはランスをサウス、リックをウェスに派遣し
自らはイース方面の牽制、並びに攻略を実行していただろう
貴族の私兵団の参戦と言う事実が、戦況を悪化させていたのだ
「・・・そうですね・・・ですが、現状打破の戦力が来ましたよ
二人とも、入ってきてください」
「リック、それはどういう・・・・・」
ずっと地図を見たまま、頭をあげなかったランスがリックの言葉に反応し
リックの後ろにいる、二人の女性を見て言葉をとめた
リックの後ろにいた女性二人は、ランスにとって忘れられない戦友だった
一人は、緑色の髪で、青いとんがり帽子と黄色いマフラーを着ており
もう一人はピンク色の髪で、白を基調とした服を着ている
「・・・・志津香・・・シィル・・・どうしてここに・・・?」
驚愕の表情を貼り付けたまま、ランスが二人に問いかける
「偶々こっちの方に用があった時に反乱の噂を聞いてね
様子見に来たらリックに呼ばれたのよ」
「私は志津香さんの付き添いをしてたんです」
志津香と呼ばれた緑色の髪の女性がそれに返し
シィルと呼ばれたピンク色の髪の女性がそれに続いた
ここで二人に付いて説明しよう
シィル、本名シィル・プライン
アイスの街の冒険者ギルドに所属しており、魔法使いである
カスタムの街沈下事件において、最初は単身事件に挑んでいたが
勅命により単身カスタムに来たランスと出会い、共に事件を解決する
事件解決の際に、砕けたランスの鎧(黒の軍将軍用の)の代わりに
緑色の鎧を買い、防御魔法を付加しランスに渡したりしている
リーザス城奪還作戦においては、ランスと常にコンビを組んでいた
志津香、本名 魔想志津香
カスタム沈下事件の犯人であり、被害者でもある女性
魔法使いであり、その才能はかなりのものである
その証拠として、白色破壊光線を得意技とし、必殺技ともしている
現在でもまだその腕を磨き続けており、魔力は少しずつ伸びており
リーザスにおける最高の魔術師と言っても良いほどである
リーザス城奪還作戦では対へルマン軍の指揮官として闘い
リーザス城内部より城門を開いたゴールデンハニー作戦の功労者でもある
「つい先ほど、私はこの二人と話、協力を取り付けました
この二人程の実力があれば、一兵としての戦力だけでなく
アスカ将軍がいなくても魔法兵部隊を運用することも可能でしょうからね
まぁ・・・独断行動になってしまいましたがね・・・・」
リックは、最後の言葉を自嘲気味に漏らした
「いや、今回の行動はむしろ賞賛すべきもの、気にするでない」
バレスは、リックにそう良いながらシィルと志津香に着席を促した
ランスはいまだに混乱していたが、軍人として割り切ることにした
ハウレーンも同じく混乱していたが、バレスの言葉と共に正気に戻るも
僅かに、そう、僅かに怒っているような感じもあった
その後、僅かに混乱しているランスを放って、戦略が決まっていった
最終的に戦略はバレスの当初の計画を活かした物になった
サウスに、ランス率いる黒の軍1200と志津香率いる魔法兵50
ウェスにリックとメナド率いる赤の軍1300とシィル率いる治癒魔法隊20
城の守りを僅かに200の兵とアスカ率いる魔法兵30を残し
バレス、コルドバ、ハウレーンが率いる黒・白・青の連合軍が
イース方面の牽制のために出陣した
寡兵でありながらも将の資質高く、二人の将を新たに迎えた正規軍
将の数こそ少なくとも、智将が全軍を指揮し、大軍を擁する反乱軍
リーザス国の命運を賭けた戦いが、今始まろうとしていた・・・・・
後書き
本当はもっと色々書きたかったけど長くなりすぎるからカット(ぇ
メルフェイスさんは攻城戦前日にリヴの呪縛の延期行動を行ってます(爆
取り合えずメインを張る二人+ある女性軍師出陣フラグON〜(ぉぃ
では連続レス返ししすぎて返せなかったレス返し〜(核爆
IZEAさん
ちょっと言いかた悪かったですね〜
軍師さんはアールコートさんに任せる予定で
某帝国の軍師さんはまだまだ馬鹿貴族の副官です(ォィ
天才病院は・・・反乱平定後にマリスとバレス達の会話で建設開始予定でしたww
お手つき女性数ですか?お手つきが4(カスタム魔女達指輪の関係上)
お手つき寸前が3(義理の姉、聖職者、某副将)
マリスさんは(まだ)ヤッテはいませんね〜(ぇ
匿名希望さん
原作、というかよくあるランスSSなどの化け物状態よりは弱いかと(ぇ
原作だと修行サボってLv下げまくってますからね〜彼はww
Lvでいうと40〜50の間を常にキープ状態ですね(ぉぃ
つまり、単身洞窟篭りを延々とした状態に比べると
Lv的にかなり差が広げられると言うわけです(マテ
日光と相性も良いでしょうが・・・・
あくまで日光は守護の刀と言う認識がありますからね〜
攻めの気質のランスにはカオスの方が実際は愛称が良いんでしょう(ぇ
薔薇色どころか固有結界薔薇空間並みの不幸かも(ぇ
神威さん
ランスがまじめなのはバレスさんの影響だったり(ぇ
馬鹿剣の影響受けている最中・・・・・
ランス、実は一番生気に満ち溢れています(ォィ
ランスの本質は獰猛なる獣のようなもの(設定上)ですからね〜
破壊の力を存分に振るえるカオスの影響を受けると最強に(ぉぃ
漫才・・・ボケカオス、突っ込みランス、とどめセルになるかな?(ぇ
BACK<
>NEXT