お口の恋人
第二話 ミルクケーキ(煎餅みたいな堅いの)
「死ぬ……!! もう俺は、俺は!」
「ん? また休憩する?」
「結構ッス!!」
人骨温泉ホテルへと続く山道。除霊を依頼された美神令子とその助手、横島忠夫はその山道をテクテクと歩いていた。
「な、なんで車使わないンすか」
「だってこんな砂利道を通って愛車に傷がついたら嫌じゃない。そもそも駅まで新幹線使って来たんだし。まぁ、まさかホテルまでのバスが無いとは思わなかったけどさ」
新幹線を降り、電車を乗り継ぐ。そこからバスで数時間の場所に人骨温泉ホテルがある。しかし、幽霊が出るという騒動のせいでバスが運行数を減らしていたのだ。そこを令子が『せっかくだからハイキングも兼ねて歩いてきましょ』なんて言ったものだから。
「もうダメだー!! がく」
なんて事になりました。もう色々ヘロヘロです。
「もう仕方ないわね〜 ほら、ソコの木陰が良いわ♪」
霊力を体力に代える。実は横島はこれが出来なかった。そんな事したこと無いし、出来るとも思ってもいなかった。だからどれだけ霊力を令子の力で循環させても意味が無いのだ。実は横島は霊力を負傷の回復、再生に使う事が出来る。がそれでも疲労にそれを回す技術を持っていないのだった。
「またッスか〜 いや全然嫌じゃないんスよ? むしろ大歓迎ッス。でもほら、せめて宿についてからにしませんか」
「だ〜め。ちゃんと体力変換を出来るようにならないと、せっかくの素質が勿体無いでしょ。ね、だから頑張りましょ♪」
横島の能力は霊力付与と霊力共有。(無意識の再生もあったね) 上手くすれば霊力の無限連環永久機関にもなれるのだ。が、今だそれが出来る兆しは見えず、横島にとっては無駄に霊力を供給、共有の行為を令子と行っている事になっていた。
「んん〜♪ もぅいいわ! だから早くゥ」
横島にお尻を突き出すような状態で、木にしがみ付いている令子がねだる。その令子の秘部に横島が口をつけ、舌で熱く火照った陰部を愛撫する。令子曰く、霊的粘膜接触によるプラーナの共有行為だそうで。これが第一段階でして。
「あぁ、疲れてても元気な息子だのう。くっ、あったけー」
「ひゃうん! んん〜 い、いい〜♪」
ペニスを膣内に挿入させるのが第二段階。これが最も効率的な共有行為だそうでして。
「ちょっと! 声がでかいッスよ!」
「あ、んぐ! ん〜」
さすがに自分でも声が大きすぎたと思い、人差し指を噛んで声が出るのを抑える。しかし、横島の腰が打ちつけられる度に全身を襲う快感には抗えない。どうしても嬌声が口の隙間から漏れてしまう。押し殺した令子の声と肉と肉がぶつかる音。そして令子の内部を往復するときに出るジュブジュブといった液の音が誰もいない山道に響いていた。
「だめぇ! くる! きちゃぅ〜」
令子の膣内が痙攣し、快感の絶頂をむかえ、ソレに合わせて横島が射精を行う。ビクっビクッと体を震わせ、よだれでベトベトになった片手で横島の頭を押え、無理な体制で唇を塞ぐ。
『えっとその……来ました。ごめんなさい』
「え?」
舌を絡ませ音をたてながら唇を吸いあっていた令子と横島の真横。そこに何時から居たのか、神社の巫女のような衣装を纏った少女がふわふわと浮いていた。
『でも、その、う〜 やっぱごめんなさい〜』
顔を真っ赤に染め、あたふたしながら謝る少女。
「美神さん! 幽霊ッスよ! この娘、幽霊ですって! くぅ、しかも結構可愛いし! 死んでるのが残念だ」
「このドアホ! わかってるからちょっと離れなさい!」
先ほどまでキスをしていた距離、至近距離で他の女の顔を褒めるタワケの足を踏み付ける。
「痛ってー! そんな怒んなくても。第一離れたくても強く咥えこんで離さないのは美神さんじゃ、痛い! すんません! 抜かせてもらいます!」
横島の台詞でさらに令子の攻撃が勢いを増した。慌てて横島はまだ十分な硬さを維持しているペニスを引き抜いた。その動きすら令子に電撃が走るような快感を与えている。ペニスが引き抜かれた陰部から、どろっと愛液と精液が混ざった液がコポコポ音を立てて溢れ出てくる。
『うわぁ、うわぁ……まーべらすです!』
その様子を目をギンギンに輝かせながら幽霊の少女が凝視していた。一番気になっているのがぬらっと光る太くてイカすブツ。ソレにどんどん吸寄せられるように彼女は近づき、今にも頬擦りせんといった状態だ。しかしそれを令子が許すはずも無く、スカートを捲り上げお尻を出したままの状態でも慌てて彼女の視界を遮った。
「なに人のモンじろじろ見てんのよ!」
「いや、俺のッス」
『え〜 減る物じゃないんですし少しくらい分けてくれても良いじゃないですか』
「ダメ! うー がるる」
子を守る親。縄張りを守る野良猫。おやつを奪う兄弟を牽制する年下の子。まぁ、とにかくそんな感じで令子は横島を守っていた。
「ところで君誰? 美神さん、まさかこの娘が今回のターゲットじゃ?」
ひとりなんかノリに遅れた横島が珍しく建設的かつ、まともな意見を述べた。チンコ丸出しだが(しかも元気いっぱい)
「あ!」
確かにその可能性はあると言う事に令子は思い至った。しかしそうだとしたら彼女の計画が失敗すると意味する事になる。何故ならば、今回の依頼を出来るだけ引き伸ばし、学生の横島を長期拘束、じゃなかった長期休養も兼ねて温泉でゆっくりぬっぽりしっぽりしよう計画はまだ始まってすらいないからだ。
『あの〜 たーげっとってなんの事ですか?』
「なんて事なの!」
いつもと違うシチュエーションで彼のハートを狙い撃ち! 学生のころからの愛読書『どきどきらぶげっちゅ 唐土外典』のお泊まり編もしっかり読んで予習はバッチリだったのだ。ちゃんと家族風呂の予約もしてある。混浴も良いが自分の裸を他の男に見せたくないし〜 温泉卓球でオッパイポロリで彼の心臓バックバク計画だってたててあるのだ。
「ね、君なんてーの?」
『私キヌっていいます! 友達には〜 結構尽すタイプって言われてるかな? お料理とか得意です! その、貴方のお名前は』
「俺は横島忠夫。17歳の高校2年! 若さとヤル気が売りッス!」
『その、私初めてその、えっちな行為を拝見させてもらったんですけど…… 良いですねー!! なんかとっても凄いですね!! その』
なんか計画が上手くいき、えへへでいやんいやんであっへーな事になるという妄想に悶える令子を放っておき、横島はキヌと名乗る幽霊から情報を聞き出そうとしていた。少しでも令子の役に立ちたいという現れか、巫女さん少女という新鮮な女体にたいする興味か?
「拝見ってアンタ……」
『なんか体がムズムズするような気配に誘われまして。そしたら横島さんとそこの人を見かけた次第で。そしてちょっと思うところがあり様子を見てたらほら、急に木陰でもーの凄い接吻を始めるんですもの! ビックリしちゃったな〜ってなものでして。なんかその後も休憩の度に蕩けるような接吻を繰り返したり、かと思ったら赤子のようにその人の乳房を頬張ったりってあらあら』
「幽霊もそういうの興味あるんだ」
『恥ずかしい話ですけど私って未通女のまま幽霊なったんですよ。だからそういうのって興味心身な乙女、もうすぐ…… 確か華の300歳です。それでですね、なんかあんまりにもその人が気持ちよさそうに喜んでますし、そっか陰処を舐められるのって気持ちいいんだ〜 とか感心したり、うっそー! 口に咥えるの!! しかも子種を飲んじゃうの!! うわぁ、なんか凄い〜 とか、そんな大きいの入っちゃうの!? うにゃ〜 そんなに動いて平気なの〜 とかとか!!』
「初めてAV観た女学生かアンタ」
つまりは事あるごとに覗いていた。と、キヌは言っているのだ。その手の性癖がまだない横島にはかなり辛い。ってか今現在もキヌの視線は勃起した自分のチンコから離れないのも結構クルものがある。
『えーぶいっていうのが何かは知りませんが男の人の裸を見るのは初めてです。なんかすごいムラムラした気持ちになるものなんですねぇ、えへへ♪ おっと転んでしまいました』
さり気ない仕草でキヌは横島に向かって倒れこんだ。結果、キヌは横島を押し倒し、そのまま血走った目つきで彼のペニスを睨み付ける。獲物を狙う鷹の目だ!
『その〜 実は私、すっごく成仏したいんです! でも何故かそれが出来なくて! いろな理由でこの山に自縛してるんですけど代わりになる人がいれば何とかなるかなとか思ってました! でもソレは過去の私。今は貴方様に慈悲を頂きたい一人の乙女! さぁ、契りをかわしましょう?』
「させるかあああああ!!」
『ひゃああん!?』
巫女装束をいそいそと脱ぎだしたキヌを、我に帰った令子が霊気チョップで攻撃した。
「人の男になにすんのよ! くぅ、計画が無ければ地獄の業火を召喚してやるのに」
「そんなん出来るんスか。ってか、やっぱ俺って美神さんの男だったんスね! うすうす勘付いてはいたんですがどうも自身が無くって。そっか〜 そっか〜」
「アホー! アンタなんかしばらく丁稚のままだ!」
自分でもなにを言ってるかわかっていない令子が横島にも霊気チョップを加える。なんかカエルが潰れたような声を出して倒れたが、モノの数秒ですぐに復帰した。
「痛いなー もう滅茶苦茶ッスよ」
「うっさい、うっさいーい!! こっちは変な所で邪魔されて不愉快なのよ! しかもちょっと隙を見せたら幽霊なんかに誘惑されてるし! しかもビンビンにしてるし! ぬがー! むきー!!」
「これは美神さんの中から出たときからそのまんまですって! その、俺もまだ物足りないかな〜 とか、その」
「え? えっと、もぅ、しょうがないわね。でもそろそろホテルに向かわないと日が暮れそうだし。そうね……三回だけよ?」
クルクルと目を回しているキヌを無視してあはん、うふんと上になったり下になったり。そんなこんなで令子と横島は改めて人骨温泉ホテルを目指した。キヌは放置。これにはちゃんと理由がある。今ここで除霊したら温泉に滞在する理由が無くなっちゃうから。
「なんか極悪なような」
「いいのいいの。それにまだ依頼主に会ってもいないのに除霊を済ませたら、色々面倒事がありそうだし。ほら、報酬をケチったりとか。勿論、あの娘が無関係な霊の可能性もあるけどね」
ホテルがやっと見えた頃にはすっかり日が落ちてしまっていた。
「ウチに出るのはムサッ苦しい男の霊です。そんな女の霊なら客寄せになったんでしょうなー」
ホテルのオーナーに快く出迎えられた令子と横島。迎えの車が行ったのだがすれ違いになったとか、なんども道を往復したが見つけられなかったとかオーナーに説明された。ま、車が通ったとき、令子たちは少し離れた木陰でいちゃついてたんだが。
「あ、そうなの」
で、言い訳に悪霊に出くわして山に入っていたと説明。仮にあの少女が無関係としても少し脅せば彼女の分の除霊料もせしめる事ができるかな? とかいう計算ですばい。が、このオーナーの様子じゃソレも無理っぽい。余計な事しないでよかったか?
「そういやあのキヌって娘、300年くらい山に自縛してるって言ってたっけ」
「そういう事は早く言いなさい! って事は彼女はあの山の主って事も考えられるわね」
もてなしで出された食事に舌鼓を打ちながら、横島は先ほどの少女から聞かされた事を話した。令子も一緒に居たはずだが…… まぁ、忘れてあげよう。よだれ垂らしながら妄想に耽っていた事なんて。
「さぁ、お腹も膨れた事だしその幽霊の出る露天風呂に行ってみましょう」
「え? もう行くんスか?」
カニの足を咥えながら横島が驚く。令子の事だから除霊は散々遊んだ後に行うと思っていたのだ。
「当然でしょ。被害が出てからじゃ遅いのよ」
しかし令子は一流のGSである。やる事はきちっとやる。ヤル事もきちっとヤルが。で、ちゃんと仕事を終わらせてからスッキリした気持ちでホテルに居座るつもりなのである。ヤクザかよ。
感染こわ〜い! 予言はどうしても元ネタが頭に過ぎって(挨拶)
雨の中映画観て来ました。いや、通院のついでですけど。久しぶりに映画館で映画観て気分転換になりました。さて、この人骨編はあと2話続きます。一気に投稿するべきか小出しにするべきか。とりあえず人骨編だけでも投稿しておくかな?
九龍妖魔學園紀の合計プレイ時間が150時間を突破。やっとアロマのクリスマスイベント見れた! うふふ…… がく
BACK<
>NEXT