それになにより、あの者は強い。だから勝ちたいのだ」
「ああ。勝つぞ、俺たちは!だから、行けガッシュ!」
再び飛び掛るガッシュ。ようやく立ち上がったダロスはふら付きながらもガッシュを殴る、ガッシュに殴られる。蹴る。蹴られる。そして
「いくぞ、ガアアアアアアッュ!『ザグルゼム』!」
「『ザグルゼム』」光球をひょいとかわしたダロスは呪文を唱える。
「『フレイド』」「ぐああああああ」
炎に包まれて弾かれるガッシュ。
「くそっザグルゼム、二発が限界か・・・もう一発は当てておきたかったが・・・」
緊張した面持ちで本を握りしめる清麿。それを見たダロスはひそかに、左掌に小さな火を生み出す。
するとその火は掌を駆け巡り、小さな火の五紡星を描く。
「いくぞ、ガッシュ!第四の術!」
その時ダロスは左掌を前へ突き出す。すると火の五紡星は一Mほど前の空間に浮かび上がり
ふわりふらりと揺れている。
少し砂を掬い上げ、五紡星へと放り投げた。
「『フラム・グランガ』」
すると、おお見よ!僅かばかりの砂は五紡星を通ると大きくなり、十本ばかりの「炎を纏った石の矢」へと化すではないか。
「バオウ・ザケル ぐあああああああああ!」
呪文が発動する前に、石の矢は清麿とガッシュに降り注ぐ。
「たしかにバオウ・ザケルガは強力だ。
ザグルゼムが二発当たっている今ならオレを倒せなくてもシャレなんねぇダメ−ジ与えられるだろうよ。
だがそれも、当たればの話だ。
お前等のやろうとしていることが分かっている以上、オレはそれを阻止する。
ぜってぇやらせねぇ。
それでもつかうのか?バオウを」
「他に、あんたに効く術はねぇ。ようやくやっと、ザグルゼムを二発当てられたんだ。
それが効いている間に必ずキメてやる!
いくぞ、第四の術!バオウ・ザケ
「『フラム・グランガ』」「ぐあああああああ」「うぬううううううう」
「清麿、一体何を考えてるんだ・・・」
「アポロさん」
「アイツが使っている術は、おそらく・だがあらかじめ五紡星を描いておき、さらに土を触媒とすることで
威力の強化、発動時間の短縮をしているんだろう。
言い換えれば(比較的)短い時間で強い威力を発揮できるよう練られた術だ。
バオウ・ザケルガは発動させられない。絶対に」
「でも、清麿君はバオウに固執している」
「あれしか通用しないからだろうな。しかし・・・」
「第四の術!バオウ・ザケ「『フラム・グランガ』」
「ならわたしは信じる。ああやって清麿君は勝つつもりなのだから、必ず清麿君は勝つ」
「ああ、そうだね。もう彼らを信じるしか出来ない。しかし・・・」
「何?」「いや、なんでもないよ」
その言葉とは裏腹に、何か違和感を感じていた。
「今度こそ!第四の術!バオウ・ザ「『フラム・グランガ』」
それがなんなのか、はっきりとはわからない。しかしその違和感を以前も、というか
この戦いで同じように感じたのだが・・・
「第四の術!バオウ・「『フラム・グランガ』」
ちょっち短いですがご容赦を。
今回はただ術を破り、清らを痛めつけただけ・・・に見えますか?
きっちりしっかり大逆転に向けての仕込みをしています。
ところで、殆どの方がさらっと流しているでしょうがダロスの術、七割位は本編で
魔物たちが使用した術を転用しています。