「しっかりして清麿君。もうあいつに負けてもいいから、お願いだから・・・」
などとラヴコメっぽいことやってる清麿君達は置いといて・・・
「ダロス・・・オレはおまえを倒す」「出来るのかい?」
「やるさ。おまえを倒し、あの落ちこぼれを叩きのめしてオレは王になる。『誇り高き王』に」
「さてさて、世の中には「誇り高き者」と「ただのいばりんぼ」の区別のつかない者は数多い。
黒い本のブラゴ君、キミはどちらかな」「確かめてみろ・・・この一撃で!『ギガノ・レイス』」
「『グランダム』!」
すばやく飛びのいて重力波をかわしたダロスは、大地の術を唱える。
唐突に跳ね上がる二人の両側の大地。
「ぐぅっ」「あぐっ」
地面に挟み込まれた二人は、思わず呻き声を挙げる。
「それにしても随分ゆっくりだったね。ガッシュ君達とわたしの戦いが終わるまでおねんねしてるかと思ったよ」
「普段からダメ−ジってモン受けなれてないんでな。正直堪えた」
「戦いはパワ−だけじゃ駄目だよ。愛と希望と理想と権力と財力と魔力と腕力、そして知恵と勇気さ」
「生憎魔力と腕力以外に縁がなくてな!『バベルガ・グラビトン』」
ドゲシッ シェリ−の足元に叩き付けられるブラゴ。
「大丈夫?」「煩い。この程度で・・・と言いたいがヤツは強い」
「強いわね」「はっきり言って俺より強い。一人ならとっくに倒されてたろうな」
「ならば・・・戦いなさいブラゴ!私と共にいる限りあなたは誰よりも強い!
相手が誰であろうと必ずあなたは勝つ!」
「ああ。だからこの戦いが終わったらその時は・・・」(え?ええええええ?ま、まさか・・・)
なにやら頬染めて良からぬ想像の翼をはためかせるシェリ−嬢。
「終わったらその時は・・・苺パフェ食わせろ」
どんがらがっしゃ−ん
戦闘中にもかかわらず豪快にすっ転ぶシェリ−。
「どうしたシェリ−」「ブ・・・ブラゴ・・・あなたパフェなんか食べるの?」
「まあな。チョコパフェもフル−ツパフェもいいが一番はプリン・アラ・モ−ドだな」
ずんどこどっしゃ−ん
「プ・・・プリン・・・あなたが・・・」思わずプリンに囲まれてご満悦のブラゴを想像しかけたが、しかめっ面以外のブラゴを思い付かなかった。
「わかったわよ。勝った暁にはプリンは勿論富士山パフェやエベレストパフェでも食べさせてあげるわよ」
「エベレスト・・・か」これまでの彼の人生において初・そして唯一の黒星をつけた相手を思い浮かべる。
負けはしたが戦いがいのあるヤツだった。
シェリ−のカ−ドとやらを持ち出してまで挑んだかいがあったというものだ。
「いくわよ、『ビドム・グラビレイ』」
発生した重力波に右手を突っ込み、『掴む』ブラゴ。
「ブ、ブラゴ?」「黙って見てろ。いくぞ!『おれの拳が怒りに燃える』」
「ブ、ブブブブブブブラゴ?」「『貴様を倒せと轟き唸る。食らえ!グラブナックレィ』!」
暢気な会話をしている間、律儀に待っていてくれたダロスは、その拳を腹部に受けて弾き飛ばされる。
「・・・何よそれ」
「フン、貴様がブッ倒れてヒマな時、あのじじいに『暇潰せるもんよこせ』といったら見せてくれた。少々ハマったぞ」
「ああああああああ」そのあまりのイメ−ジに頭抱えて悶絶するシェリ−。
その向こうに、ゆっくりと立ち上がるダロスが居た。
「やはりこの程度では効かんか」
続きます
ごめんなさい。
なぜか、ひたすら彼に合わないイメ−ジが怒涛のごとく押し寄せてきて、その中から「甘党」と「アニメ好き」を選んでしまいました。
しかし、この程度なら「意外な趣向」で済ませられるのではないかと ・・・ダメ?