[注意というよりお願いです]
わたしにえちぃを期待しないでください。
全編満遍なく死ぬほど分かりにくいネタがテンコ盛りあります。
今回はお題のクリア数より
シロの調教・・・もとい話の内容に重点を置きました。
もうおムコに行けないわ(泣)。
以上。
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「俺は・・・まだ俺なのかな・・・」
ポツリと洩らした俺の手を、そっと何か温かいものが包み込んだ。小竜姫様の手だった。
「あ、起きてたんスか・・・それとも、俺が起こしちゃいました?」
小竜姫様は俺の問いには答えず、じっとこちらを覗き込む。その瞳には先程までの情事の艶は微塵も残っておらず、代わりに武神としての鋭く重い光が宿っていた。
「横島さんは永遠に横島さんです。これまでも・・・そしてこれからも。それゆえこの小竜姫、そんな変らない貴方に忠誠を誓い・・・お慕い申し上げているのです」
「これまでも? これからも? 俺が変らない?・・・・・・・・・・・・・・・・・・あの日、
・・・俺が、
・・・・・・・・・俺が・・・妙神山から小竜姫様を奪い去ったあの日もですか・・・・・・?」
小竜姫様は俺の背にその胸を寄りかからせると、静かにけれども力強く呟いた。
「もちろんです・・・あの日の貴方は一番貴方らしくて・・・そして・・・そして一番男らしかった・・・・・・」
寝息を立てていたタマモは、チラと片目を開けて横島と小竜姫の会話を窺っていたが、再びゆっくりと目蓋を下ろした。
今日は・・・今日といっても、もう日が昇るまでほんの僅かな時間しかないが、とりあえず小竜姫に譲ってやろう。
焦る必要は無いのだ。
自分達が横島の全てを必要としているように、横島もまた自分達の全てを必要としているのだから。
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「あら?・・・横島さん?」
妙神山。
その日、私小竜姫は朝食の後始末をした後、己自身の練武のため中庭に向かっていた。
その中庭に横島さんがいた。横島さんは私に気づくとにっこりと笑う。だが、それに対して私はぎこちない笑みしか返すことができなかった。
「あ、どーもお久しぶりっす。小竜姫様」
その笑みは初めて会ったときのものと少しも変らなかった。けれども、横島さんの纏っているものに私はなにか違和感を覚えた。
横島さんはいつもの格好、ジャケットにバンダナ姿だ。なぜか首には狐を巻き付けていた。そして左手に下げられた電気炊飯器。
狐が妖狐であることはすぐにわかった。しかし、纏っているものの原因はこの妖狐ではない。まさか炊飯器?
横島さんの纏っているもの・・・何か禍々しい、それでありながらひどく魅惑的なもの・・・わたしの奥で何かがズキンと疼いた。
「・・・お久しぶりです、横島さん・・・でもどうやってこの中に? 鬼門たちからは何の報告も・・・」
「ああ、あいつらなら気にしないでください。もうお役御免ですから」
「え・・・?」
横島さんの言ったことの意味が飲み込めなかった。
「そんなことより、今日は修行のお願いに来たんすよ」
「横島さん・・・貴方は、この妙神山修行場の最難関コースを究めました。もう貴方に御教えすることは・・・」
「あはは、修行するのは俺じゃないですよ・・・・・・・・・修行してもらうのはね、小竜姫様あなたですよ」
「・・・!」
私が神剣に手を置くより早く、横島さんの右手の平から光が生まれた。文珠!?
「実は俺、今度ある男と組んで世界を支配することになりましてね。小竜姫様には俺の右腕になってもらいたいんすよ・・・え? あ、わりぃわりぃタマモ。右腕はお前だったな。すいません小竜姫様、左腕でもいいっすか」
「そんな戯言にわたしが耳を貸すとでも思っているのですか。貴方は何者です・・・本物の横島さんをどうしました?」
実際は返答など聞く余裕は無かった。動けない。凄まじいほどの霊圧と悪寒、そして・・・・・・そしてそれらを遥かに上回る倒錯と魅惑がわたしを激しく揺さぶっていた。
相反する感覚は、後者が瞬く間にわたしを侵食していく。
・・・コノヒトニ、クップクシテハナラナイ・・・デモ・・・デモ・・・ワタシハ、コノヒトニツカエタイ・・・カラダモ、ココロモ、スベテヲコノヒトノタメニ・・・・・・
超加速、一撃で勝負をつけようというわたしの試みは、その倒錯と魅惑にあっさりと捻じ伏せられた。何か身体の中を熱いものが蠢く。呼吸が甘く乱れる。久しく忘れていた自分が『女』である感覚。こんなときにっ! 私は何を考えているの!?
「んー? 俺は正真正銘本物の横島忠雄っすよ。昨日までもだったし今日もそうです。もっとも明日も横島忠雄でいられる保障はありませんけどね・・・・・・」
横島さんの右手の光がおさまったとき、その掌の上にあるものを見て、わたしは息を呑んだ。
掌の上にある物は文珠ではなかった。いや、文珠であり、それはやはり文珠ではない。
球形のはずの文珠が半楕円球形となっていた。だが、それ以上に文珠と異なるのはその文字。
その物体の表面を黒い毛虫のような渦が蠢いていた。文字列の渦。本来なら一文字しか込められない文珠の上を無数の文字列が連なり走っている。
「まさか・・・まさか・・・宇宙の・・・タマゴ・・・」
わたしは、横島さんの言った『ある男』とは何者なのかようやく理解した。
文珠の無限ともいえる応用性と、宇宙のタマゴの膨大なエネルギーが一つとなったとき、どんな結果を生み出すのか?
「妙神山管理神・小竜姫・・・参るっ! うやぁぁぁぁっっっっっっっっ!!!!!!」
わたしは声にならない絶叫とともに、神剣を突き出した。
無駄な努力と知りながら。
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ドンドンドンドンドンドン!!!
「せんせーっ! 朝でござるよっ! 起きるでござるよっ! 散歩の時間でござるよっ!」
「・・・・・・」
「横島さん、シロちゃんが呼んでますよ」
「ちょっとヨコシマ、あのバカ犬黙らせて」
「・・・・・・」
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッッッ!!!!!
凄まじい銃声の嵐とともに、アパートのドアが蜂の巣になった。木片が辺りを弾け飛び、ドアのフレームが立付けごと歪む。そして俺が布団からガバッ!と飛び起きるより早く・・・
「おりょ、この『からしにこふ』弾切れでござるか。さすればこっちの『ぐれねーどらんちゃー』で・・・」
「まてっ! シロっお前は起きてるぞっ・・・じゃなくてっ! 俺はお座りしてるぞっ・・・でもねぇーっ! とにかく待てーっ!!」
徹マン明け (ちなみに『マン』は麻雀の『マン』ではない) で寝起きだった俺は完全にテンぱっていた。
チュドーーーーーーーーンンンッッッッッッッッ!!!!!!!!
グレネードの直撃で壁もろとも吹っ飛ばされ、アテネで金メダルを取れそうなくらい美しい楕円を描きながら、アスファルトの路面に叩きつけられる俺。
「もぉ、やっと出てきてくれたでござるな、先生リーチでござる♪」
黒焦げのケシ炭となった俺の横顔を、シロがぺろぺろ舐め始めた。
シロの肩には『M203グレネードランチャー内蔵式AK74カラシニコフ自動小銃』・・・ロシア製自動小銃の最高傑作と米軍制式グレネード砲の合体火器という死ぬほど物騒な代物が吊られていた。
たとえ世界の支配者になろうとも俺の日常は変らない。
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俺が欠伸しながら歩く。一呼吸分置いて、シロが俺の後を付いて来る。シュンとうな垂れ、尻尾も垂れ下がっていた。
ここ最近は、ようやく爆走するシロに振り回されることも無くなった。俺のペースに合わせて一歩後ろを付いて来るようになったのはそのささやかな成果だ。
「確かに俺は言ったよ。今度起こすときにドアを霊波刀で連打したら張り倒すぞって。だからって美神さんの武器庫からんな物・・・」
「・・・・・・」
「今度やったらマジで安楽死させるぞ。ったく毎朝毎朝毎朝・・・・・・まだ五時過ぎだぜ・・・あ、おはよーございまーす。ご苦労様っす」
「・・・・・・」
「・・・ほら新聞配達の佐藤さんも、牛乳配達の山田さんも、説教強盗の妻木さんも、朝働く人はみんな顔見知りになっちまったぞ」
「・・・・・・」
「小竜姫様とタマモもひでーよな。俺が吹っ飛ばされてる隙に小鳩ちゃんちに超加速で逃げて・・・逃げるんなら俺もいっしょに・・・」
「・・・・・・」
「あの自動小銃、ちゃんと美神さんの武器庫に戻しとけよ。でも美神さんもどこで手に入れたんだよ。ランボーの愛銃って・・・」
「・・・・・・」
俺は軽く溜め息をつくと、シロの頭部をガシガシと乱暴に撫で回してやった。
「・・・・・・もう、怒ってねーよ。だから、んなしょげかえるな、お前らしくねーぞ」
「・・・!・・・・・・!! ・・・・・・・・・!!!!」
「よしよーし、それによくここまで言いつけ守ったな偉いぞシロ。よし、『放せ!』」
俺はしゃがみ込むとシロの顎に手をかける。俺が
猟犬調教用ダンベルの代わりに咥えさせていた
SM調教用口枷を取ってやると、シロはハッハッと唾液の糸を垂らすのも構わず、嬉しそうにじゃれ付いてくる。
「・・・しぇんせぃ・・・せっしゃ・・・がんばっ・・・ひゃでご・・・しゃるよ・・・」
長時間、口枷を咥え続けていたせいで、シロの顎はだいぶ疲れており呂律が回っていなかった。俺は右手に霊気を収束させると、そっとシロの頬に当ててヒーリングしてやる。ぽわっとした光と温度の中でシロが心地よさそうに目を細めこちらを見上げる。
目尻に微かに涙を浮かべ、息も絶え絶えに涎を走らせ、鼻先をヒクヒクさせながらも俺を見上げて褒め言葉を待つシロ。
「うんうん偉いぞシロ、しかし狼っつーだけあってやっぱ持久力はあるわな」
「・・・ふう・・・もう大丈夫でござる、ところで先生。何度言ったら覚えてくれるでござるか?」
う、あかん。そんな某サラ金CMのチワワのような目を・・・目を・・・。
「拙者は『狼』ではござらん。拙者は『犬』でござる。横島先生に飼われている『牝犬』でござるよ」
・・・
・・・・・・ブハッ(
鼻血
シロは、鼻を鳴らしながら俺のジーンズにしきりに頬を擦り付ける。千切れんばかりに尻尾を振りながら、今自分が幸福な状態にあることを盛んにアピールしていた。
俺はシロの顎にかけていた手をそのまま滑らせる。シロの首・・・華奢なその健康的な肌の上を、闘犬用スパイクの付いた凶悪な首輪が揺れている。その首輪以外にシロが身に纏っているものはなにひとつとして無かった。
そう、なにひとつとして。
シロは人間態でありながら四つん這いになり、文字通り、
『牝犬』になってここまで俺と散歩してきていた。
俺はロリコンじゃない。でも正直シロには出あったときからなぜか弱い。このアンビバレンツな感情を解消し、俺が健全な成年男子としての道を歩むために選ぶべき選択肢は一つしかなかった。
シロに対して、シロが現時点で保持しているロリコン以外のポイント度数を、俺の手で意図的に上げてやれば良い。
すなわち・・・・・・
『シロはろりぃな幼い女の子(違法)でなく、未発達な幼い雌の仔犬(合法)なんだ。だから俺がしっかり愛してやって、しっかり護ってやって、んでもってしっかり躾けてやらなければならない』
ふう、完璧な理論武装だろ? 仔犬を愛してる奴みてもロリコンとは言わないだろ?
え? 後者でも動物愛護法に引っ掛る? ふ、甘いな。ちゃんと『愛』して、『護』ってるのさ。
俺の大切な仔犬(♀)のシロを、愛の『鞭』で、愛の『鎖』で、愛の『バ○ブ』で躾けてやったのさ。
横島、今すぐお前自身が保健所の檻に入れ。(怒
そんなわけで、俺はハートマン軍曹も真っ青の鬼のトップブリーダーと化した。全てはシロへの愛ゆえだ。俺だって辛かったんだ、信じてくれよ、ねぇあんた。
二人でM14ライフルを担いで大合唱しながらフルマラソンの毎日。
「逃げる奴ぁっ妖怪だー!! 逃げねー奴は訓練された妖怪だーっ!!」
シロは、訓練所
『犬の穴』で俺の与える全カリキュラムを修得した。服従・選別・警備・捜索・襲撃、8週間で卒業したとき、全ての科目でどこの品評会に出しても恥ずかしくない立派な牝犬となっていた。
横島、どうして便所で撃ち殺されなかった。(超怒
「・・・ゲフゲフン・・・でもま、怒っちゃいねーけど、『おイタ』をしたからには『お仕置き』が必要だな、なぁシロ?」
シロの尻尾がビクッと垂直に固まった。
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散歩コースの折り返し点には、街路樹に沿って小さな公園がある。
その公園の茂みの中、朝霧のひんやりとした空気を振り払わんばかりの熱気と嬌声が茂みを包み込んでいた。
「・・・あっあっっっ! よっ横島どのぉぉぉっっっ!! も、もうっ、わらわは、わらわはぁぁっっっっっ!!!」
「うぉ・・・イ、イってもいいっすよ、ヒミコ様・・・」
「いくぅっいくいくいくいくいくぅ・・・うぁぁひぃぃぃぁぁぁぁっっっっっっ!!!!!」
俺の膝の上で、それまで狂ったように一心不乱に腰を振っていたヒミコ様のアソコが、ククッと締まる。それと同時に俺を抱きしめていたヒミコ様の両手の爪がガリガリと俺の背中を走る。深い鈍い痛み。だが、その痛みさえもヒミコ様の絶頂に達した声を聞けるとなれば、むしろ心地よかった。
「・・・ぁはぁ・・・す・・・すまぬ・・・横島どの、また・・・おぬしより先に・・・」
「・・・ふぅ、いいっすよ・・・この御二方も、もうOKみたいですし・・・何度でもしてあげますから」
「本当か・・・またイかせてくれる・・・か・・・わらわを抉って・・・くれるのか・・・」
そう言うと、俺はさっきまで息も絶え絶えにぐったりとしていた二人、弁財天様と人狼族の守護女神様の方に目をやる。
少し息は乱れていたが、それでもまだ勢いを保っている俺の逸物は凛然と聳やかしていた。
二人はそれを見て艶めかしい呻きを漏らす。
「・・・な・・・横島よ。頼む、私にお前のその滾る剛棒を・・・」
「あれ〜、弁財天様。俺みたいなバカのセクハラが嫌いで学芸の神に戻って静かに暮らすんじゃなかったんすか?」
「今、私が知りたいのはっ・・・学びたいのはっ! お前のことだけなんだからね。他には何もいらないわっ!!」
『・・・ヨコシマ・・・呼び出し・・・て・・・おいて・・・殺生では・・・ないか・・・』
「うり〜、守護女神様。男は身勝手で汚らわしい役立たずのゴロツキじゃなかったんすか??」
『そのとおりだっ! ・・・だが・・・私は・・・私はそのゴロ・・・ツキが・・・ゴロツキが欲し・・・っくてっっ!!』
いやー、やっぱさすがに神様との4Pはきついわ。俺は三人の女神に身体を押し倒され、先を争って全身をしゃぶりつくす女神様たちを見ながら、ぼんやりとそんなことを思っていた。
と、
「・・・くーん」
「シロ、『お預け』」
「・・・くんくーん」
「シロぉ、『お預け』が『お仕置き』っつったろ」
「・・・・・・・・・・・・くーん」
『・・・ヨコシマ・・・もう・・・いでは・・・ないか・・・』
やはり、最初に情に揺り動かされたのは守護女神様だった。当然といえば当然だ。自分の血を引く者が目の前でこんなに悶えているのだ。シロに悟られぬように俺の耳を甘噛みしながら、そっとシロへの慈悲を囁いてきた。ヒミコ様も弁財天様も同じように俺に目配せする。
シロは俺の手によって茂みからもっとも離れた場所・・・公園の門柱に首輪の鎖を繋がれていた。
シロは、はるか公園の茂みで行われている俺たちの交わりを五感、いや六感の全てを使って感じているはずだった。今、俺の身体に侍っているのは太古神や天界神クラスの女神様たちばかりである。通常の人間でもその霊波動を受けたら、ほんの数秒で当てられてしまうだろう。ましてや、シロは超感覚を持つ人狼である。今頃どうなっているか。
これが、シロへの『お仕置き』だった。
「すいませんっす。御三方とも俺の気紛れに付き合わせてしまって」
「気にするな・・・横島どの。こんなことでもなければ、わらわ達もなかなか顔を合わせる機会がないでな」
「でも、次は一人ずつ召喚してよね。アベックはぶっ殺すけど、ハーレムはまた死ぬほどきっついのよ」
『・・・レムだから・・・きついのではない・・・ヨコシマだからきついのだ・・・さぁ、早く・・・あの娘の・・・ところに・・・』
すぅ・・・と俺の身体に纏わり付いていた三人が消えていく。彼女たちがこの場にいた証は、草が千切れ土に爪跡が残る乱れた地面と、俺の全身に飛び散った四者四様の様々な体液の雫だけだった。
自分でも微かに微笑んでいることがわかった。何度交わってもええねえちゃんたちや。体も、そしてそれ以上に心も。
俺は裸の上半身にジャケットだけ羽織ると、公園の入り口へと向かった。
門柱の所で、見覚えのあるシルエットがピクッと動いた。
「・・・先生ぃ・・・? ・・・先生っ先生先生先生先生ぃっ!! 横島先生ぃぃっっっ!! せんせっ! せんせっ!!ぜんぜぜぜぎぎぃぃぃぃっっっっっ!!!!! 」
今のシロの現状を表す言葉があるとしたら、『盛りのついた牝犬』・・・・・・それ以外に当てはまる言葉が無かった。
充血した眼で俺を凝視し、半開きの口からは荒い息とともに涎の糸がボタボタと斜めに飛び散る。
ジャラジャラジャ・・・ガシャンッ!!
首輪のスパイクが食い込むのも構わず、シロは俺に飛び掛ろうとする。が、神鉄で作られた鎖は無情にも俺とシロをほんの拳一つの隙間で引き離していた。
目の前に位置する俺の下半身から、シロはたった今まで放たれていた精を嗅ぎ取り、人外の情事の残り香に当てられて完全に我を失っていた。
先ほどまでシロがお座りしていた場所はぐしゃぐしゃに濡れていた。発情期の雌犬によく見られるように、多量の粗相・・・つまり小便があたり一面に撒き散らされ水溜りを作っていた。
その水溜りに所々、赤黒いものが混じっている。鮮血だ。門柱の凸部から血痕が幾筋も流れ落ちていた。
悶え苦しむあまり、シロがアソコを擦りつけたのだろう。だが、俺は心配していなかった。
血は色の赤黒い新鮮なものだった。これはアソコが傷ついたのではなく陰部が肥大化したことによる出血であり、『牡』を受け入れるために交尾しやすいよう膣壁が整ったということを意味する。
言い換えればシロの身体は、俺を受け入れるための準備をすっかり整えていたということだ。
「よーし、よく我慢したなシロ」
俺が指先をパチンと弾くと神鉄の鎖は粉々に砕け散る。間髪いれずにシロが俺のジーンズにいきなり顔を埋める。
「くだされっくだされぇぇぇっっっっっっ!! 先生のこれ、これ欲しい欲し欲しっ欲しぃぃっっっっ!!!」
押し倒さんばかりに俺の下半身に食いついてくるシロ。ジーンズの分厚い生地すら咬み裂いてしまいそうだ。
俺はすぅ・・・と一呼吸すると、シロの目の前でいきなり両手を叩いた。
「サイキック猫騙しっ!」
「キャインッ!?」
バシンッ!と霊波と閃光がシロの顔を叩く。
「いやこの場合、犬騙しか・・・ほらシロ、正気に戻ったか?」
「・・・・・・うぁ・・・あ? よ・・・横島先生・・・拙者修行が足りぬ、不覚でござる・・・また我を失い・・・・」
「いーや、よく耐えたよ。正直、俺も大変だったぜ。あの三人の女神様たちをイかせまくっておきながら、自分が一発もイかないってのはな」
パッとシロが顔を上げる。「一発もイっていない」という俺の言葉を聞いて、驚愕と期待がすぐにその頬を染め上げていく。
「シロ、『お仕置き』の次は『ご褒美』だ。今日は『牝』として可愛がってやろうか、それとも『女』として・・・」
俺の台詞をシロの唇が遮った。プリンのように柔らかで潤いのある唇。そしてそれとは反対に全身から立ち込める獣の情欲の熱。
シロは立ち上がると俺の首に両腕を絡め、背伸びをしながら俺の唇を貪り始める。俺はくちゃくちゃとシロの唇に絡めていた舌を離すと、そのままシロの鼻先をつつき、続いて順に両の頬を舐めてやる。普段シロが俺を舐め回すかのように。
「・・・立ち上がったってことは『女』かな?」
俺の舌に舐られながら、シロはこくんと無言で頷いた。俺の舌がシロの額から耳朶にいたるまでたっぷりと嬲り終わったとき、首輪がはずれ地面に落ちた。
やっぱ俺はロリコン確定かよ・・・。ま、こいつのためならそれも悪くない。
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俺たちは再び茂みの中に戻ってきていた。
「『牝』じゃなくて『女』じゃなかったのかよ・・・」
俺は、目の前で四つん這いになり、ジーンズのジッパーを噛んで引き降ろすシロを立ったまま見おろす。
「あん・・・先生・・・やっぱり御主人様への御奉仕は、この姿勢でなければ雰囲気出ないでござるよ・・・」
正論だ。俺に奉仕しようと懸命に努力するシロを見おろしていると、俺も昂ぶりを抑えきれない。
「それに・・・ほらぁ、先生の『子種』が、ここに・・・こんなにもう・・・拙者鎖に繋がれてからずっと・・・この匂いを・・・ふふふ・・・あんぅんむ・・・じゅじゅゅちゅっ・・・」
さすがに女神様たちとの4Pで、イかずの三十発はちと目標が高すぎたか。先端からピュルと情けなくブリーフの中に洩れる白濁を、シロはブリーフごと咥えると一気に吸い込む。
「お・・・し、シロ・・・ぅおおっ」
最初はビュルリとこぼれ出た雫は、シロのその幼姿からは想像できないほど強力なバキュームで、俺の腰が引けるほど一気にどくどくと吐き出させた。
あかん、やっちまった。
「先生のぱんつ・・・汚れちゃったでござるなぁ・・・ふふでも心配いらんでござるよ・・・不肖この犬塚シロが・・・綺麗にきれーいにするでござるから」
シロはブリーフの端を噛むと、そのまま一気に下げる。まだ猛りが納まりきってない白濁まみれの俺の逸物がブリーフから勢いよく飛び出し、ぺしとシロの顔を叩く。
「あはぁ!・・・これでござるっ・・・先生の熱いの・・・熱くて逞しい・・・これぇ・・・横島先生のお肉ぅ・・・お肉の棒・・・だぁい好物でござるぅ・・・」
自分の顔を俺の逸物がぬるんと滑り、精液が粘っこく張り付くのを、シロは甘い嬌声を上げて受け入れる。
「・・・ちゅるじゅ・・・ちゅ・・・ぅうんんっぅんっ・・・えへへ・・・お肉の棒に先生の御汁が・・・かかったこれぇ・・・シロの大好物・・・」
シロは俺のドロドロになった逸物の全て、先端からサオ、陰嚢まで丁寧に精液を舐め取っていく。ブリーフの中や陰嚢の毛の一本一本にいたるまで舌を伸ばし、自分の顔に付いた雫を嬉しそうに指でこそぎ取る。
シロが全てを吸い終わる頃には俺の逸物はすっかり元の勢いを取り戻していた。
「シロ、俺はもう準備いいぞ・・・お前はどうだ」
「先生イヂワルでござるぅ・・・横島先生の前では拙者は・・・いつも・・・いつでも発情期だと知っているくせに・・・」
シロは、幾つもの筋が走って硬質となった俺の逸物に、頬を摺り寄せながら少し拗ねてみせた。
「ほいほい・・・約束どおり今日は『女』だ」
言うが早いか、俺はシロの尻尾を掴みあげると、尻を突き出させる。
「キャンッ!? いっ、痛ぁっ・・・先生ぃっ?!・・・獣の格好で・・・するのはイヤと言・・・」
「・・・獣が二本足でヤるかよ」
俺はそのままシロの両足首を掴み上げる。シロはそれまでの四つん這いの格好から、俺に両脚を掴まれたことにより、腕だけで這いつくばったまま俺にバックで尻を押し付けている態勢になった。
この姿勢だとシロの密着したその尻から、様々なものが伝わってくる。ねっちりと熱を持ち汗ばんだ小振りな尻。俺への恋愛感・・・俺への忠誠心・・・俺への畏怖感・・・そして、これから俺が行うことへの期待感。
シロのアソコとアナルの間、蟻の戸渡りに亀頭の先端をぐりぐりと押し付けてやる。すでに限界まで快感に研ぎ澄まされたシロの肢体は、それだけでビクンッと軽く絶頂に達しかけた。
「ひっ!・・・うぅあぅぁぁぁんっ・・・あぅぅ・・・せ、先生ぃっ・・・」
シロもまた密着した俺の逸物から様々なものを感じ取っているのが分かる。轟々しくも内部に熱く滾った白濁を秘めた逸物。シロへの情愛・・・シロへの欲望・・・シロへの逡巡・・・そして、止め処も無く溢れるシロの蜜壺への期待。
これ以上待つ必要も無かったし、待つこともできなかった。
「シロ、お前のために取っといた『子種』だ。女神様たちも味わえなかったこいつを・・・腹ん中に全部ぶちまけてやるからなぁぁっっっ!!」
俺の雄叫びと同時に、剛棒がシロの尻を割かんばかりに一気に秘部へと突き刺さった。尻肉の丘が、俺を中央に受け入れたことによって、くくっと押し広がる。
シロは一瞬、引き攣りながら酸素を求めて口をパクパクさせたが、そのまま大きく息を吸い込むと、絶叫とともに息を吐き出した。
「きゃひぃぃぃんっっ!! ぶ、ぶちまけてくだされぇっ! 拙者ぁっ!拙者のお腹に全部ぅぅぅ、うぅっ!・・・ひっひっぁぁあっあっっっ!!!」
俺は逸物をシロのアソコにぎちぎちと締め付けられながら、出し入れを繰り返す。そのたびにシロの秘肉がめくれ、泡まじりとなった愛液がブシュシュッと飛び散り、潤滑油代わりになる。
タマモのアソコが軟体動物だとしたら、シロのアソコはさしずめ形状記憶合金とでもいうべきだろう。
幼さからかそれとも人狼という種の性質なのか、シロのアソコは恐ろしく狭いうえに秘肉もよく引き締まっている・・・いや硬いとすら言えた。はじめて行為に及んだときはカチカチに閉じきっていて、愛撫でシロの緊張と秘肉を解すのに苦労させられたものだ。
だが、一度モノを受け入れるとシロのアソコは次々と変化を繰り返す。まるでシリンダー鍵のように俺の先端からカリ、根元はもちろん筋にいたるまで、オートメティクに秘肉がぴったりと張り付き、がっしりと離さない。
雄犬と雌犬が交尾するとき、雄犬のアレは雌犬の膣内で勃起すると亀頭球という部分が膨張する。逆に雌犬はその亀頭球の刺激に反応して膣を収束させる。こうなると交尾している二匹を引き離すことはできない。無理に引き離せば雄と雌のどちらも性器が傷つくことになってしまう。
俺とシロの性交も同じだった。シロのアソコは一度、俺を咥え込むと後は、俺が一滴残らず吐き出すか、それともシロが完全にイってしまうかのどちらかにならないと結合が解けることはない。
「きゃんっきゃんっぅぅっっ!! せ、先生がっくぅあぁぁ!!先・・・生の肉が硬いのがぁうぁぁっ!・・・拙者を拙者を刺してぇぇぇ・・・気持いぃぃぶっ刺してぇっ! もっと刺してシロをぉぉぉっ! 串刺しにしてぇくだされっぇぇぇっっっ!!!」
すげぇ締め付けだ。愛液が滑りを与えるとはいえ、膣のなかを滑る感覚は他の女と違ってヌルヌルというよりむしろゴリゴリと言ったほうが相応しかった。
だが、俺にもこいつの飼い主としての面目がある。先に達する訳にはいかない。
俺は片方の手をシロの肩に伸ばすと、シロの身体が快感に仰け反った瞬間、一気に海老ぞりにさせる。
そして俺はシロの細い首に手をかけた。
「あぁぁうんぁっ!? ひっ!・・・せ、先生、何を!?」
シロの顔が、本能的な恐怖に歪む。
「シロ・・・『ここ』を絞めたら、『あそこ』の締まりもすごくいいって・・・本当か・・・試してみようか?」
「じょ・・・じょ冗談で・・・ござろう?・・・やっやめややめやめやめやめやめっ! いゃあー!! やめてくだされえぇっっ!!」
半狂乱でのた打ち回るシロ。だが、悲しいかな俺とシロの結合部はシロの尻肉を食い込んだまま離さない。
そして・・・
「ククク・・・フフフ・・・プハッ! 駄目だおかしくてぇっ・・・あははは、本気にする奴がいるかよ。首絞めフ○ックなんて阿部定かっつーの」
「ひ・・・ひひひっひどいでござるぅっ! だ、騙したのでござるか?」
「ああ悪ぃ悪ぃ、うっそぴょーん。だって俺の本当の目的は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これなんだからなぁっっ!!!」
シロが安心感からどっと脱力し油断したその瞬間、俺は中指と人差し指を立てると一気に膣口と剛棒の隙間にねじ込んだ。
「っっっ!? 先せぃぃぃそれはなりまっせぬぅぇぇっ!? ひぐぁぁあっ!? ・・・ああぁっ! うあっ! があっぃ・・・うあぁぁぁぁっっっっっ!!!」
裂けるのではないかと思えるほど、限界まで俺の逸物に押し広げられていたシロの秘口。俺は指を引き千切られそうなその感覚に抗い、指を鍵爪の形に折り曲げる。
俺の指は膣の上部、クリトリスを先端に膣前庭までの三角形地帯を剛棒の上を走る。クリトリスと膣前庭の三点を結ぶ三角はシロの最も敏感に感じるところだ。
「しぇっせんしぇぎぃぃっっっ!! だめっだめめっっひぎぃいっっっ!! そっそこはぁぁぁがががっっっっ!!!」
俺は再び逸物の挿入を再開させる。先程よりもはるかに激しく、テクニックやタイミングなど無視してシロの腰にありったけの滾りを叩きつける。
同時に逸物のピストンとは正反対の方向に鍵爪状の指をグラインドさせる。指先でクリトリスを摘み込み、同時に膣前庭の肉壁を折り曲げた指の硬い踝でこそぎまくる。
「う、うおおおぉぉぅっっ! シっシロぉぉっっっ、イけよぉぉっっっ!! 俺もぉ俺もイっイイっイくぞっ!!!」
「イっイくでござるぅぅぁぁあっ!? 先っ生とぉぉ、一緒にぃイイイイくぅぅっっ! 一緒にイけるでごしゃるしゃあぁぁぁ!?」
膣壁で最も敏感な部分である膣前庭と、完全に勃起状態のクリトリスとを同時に責められ、シロはヨガリ狂いながら一気に登りつめた。
「きぃきゃゃんっっ!! イぐぅっ! イくでござるぅううぅおああぁああがぁぁっっっっっっ!!!!!!!」
シロの上半身がビクビクと仰け反り捻じれ、絶頂の歓喜に跳ねた。
びゅぶっ! びゅぶるぶびゅるびゅるびゅるびゅる!! びゅびゅびゅっ・・・どくどくぴゅ・・・・・・・・・
俺の逸物が躍動を繰り返し、あらん限りの精をシロの中に注ぎ込む。流れの動きひとつひとつにシロがピクピクと痙攣する。
やがて、全てを吐き出すと同時にシロの秘肉がズルズルという音とともに俺の逸物から抜き出でる。
快感の中で悶絶し、白目をむいたままの恍惚の表情でシロは気絶していた。尻だけを高く突き上げたまま頭と両手足を地面に下ろすシロ。
その突き上げられ俺に向けられていた二つの丸い肉の隙間から、俺が注ぎ込んだ精液がドロリと太股を流れ落ちた。
シロの尻尾は立ったままだった。まるで俺に自分のアソコとそこから流れ落ちる液体を見せ付けるように。
気絶してもなお俺への忠誠心を示し続けるシロに、俺はこいつの飼い主として言いようも無い満足感と愛おしさを覚えた。
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妙神山
俺のはるか後ろをタマモが鼻唄を歌いながらスキップする。指先から流れるように迸る狐火は妙神山の建物を、塀を、庭を、片っ端から焼き尽くしていく。すでに妙神山修行場の八割方は焼き尽くされていた。
目の前には小竜姫様が横たわっていた。側に折れた神剣が転がり、全身血塗れ泥塗れだが息はしている。
「小僧・・・魔に魅入られたか。難儀じゃのう」
老師はそう呟き終わると、口から血反吐とともに折れた歯を吐き捨てる。へぇ、この爺さん入れ歯じゃなかったのかよ。
「んー・・・わかんねぇな。今思えば俺の方が魔を呼んだのかもしれねぇ。『あの日』からずっと思ってたからな・・・『あいつ』を・・・」
俺は軽く髪の毛を掻き毟る。だが、俺の前髪は皮膚の肉片もろともズルリと落ちた。バンダナから溢れ出た血が俺の顔を染め上げる。
俺と老師の闘いはもう一時間以上続いていた。
想像を絶する霊力を手にした俺と、想像を絶する修行を積んできた老師。互いに取り得る方法は文字通りの総力戦であり、そして消耗戦だった。
俺は老師の左肩を肉骨もろとも叩き潰したが、その代償に肋骨を半分以上叩き折られていた。口から血が止まらないところを見ると何本かは肺に突き刺さっていやがるか。
「・・・なぁ、爺さん。考え直す気はねぇか? 俺はさぁ、小竜姫様と同じくらいあんたのこと好きだぜ。俺といっしょについて来てくれ」
「小僧・・・真に覇道を極めたければ、まずはその人間としての考え方・・・『情』と『業』を混同することをやめい。・・・本当に人間という奴は始末に負えんわ。一言二言交わした隣の者のために己を犠牲にするかと思えば、その隣の隣の者が一度も言を交わしてない者ならば顔色一つ変えずに殺める・・・ま、そこが面白いところじゃがな」
すでにレンズの砕け散ったメガネを押し上げると、老師はにやと笑った。笑った端の口から粘った血が落ちる。
「お前さんが、小竜姫やワシを僕としたいのも同じ理由じゃろ? お前さんの中のアシュタロス・・・いや、お前さんの横のアシュタロスが大方、命令してるんじゃろ。『自分に逆らう全ての神魔族の消去』とかのう・・・」
「そこまで、判っててもついて来てくれねぇのか・・・あんた達を殺したくねぇんだ・・・頼む・・・頼むから・・・」
「別に天界への義理立てとかはないがの・・・実を言うとお前さんと一度、本気でやりおうてみたかったのよ・・・・・・どちらかが死ぬまでな」
そう言うと、老師は牙鳴りとともに右手を突き出し構えを取る。
「死ぬ前にお前さんのもうひとつの考え、当てて見せようかの? 真っ先にここを襲撃したのは、ひょっとしたら小竜姫やワシならおぬしのことを、その胎の中のアシュタロスもろとも葬り去ってくれるのではないかと思ったんじゃろ?・・・・・・期待に沿うてやろうぞ」
一瞬、老師の右手が光に包まれたかと思うと、その右掌に急速に霊気が収束していく。
なんだよこの霊波動は!? 今までこんなの見たことねぇぞ!? 今までの爺さんの霊波とは根本的に何かが違う!?
「反則技はおぬしや美神の嬢ちゃんの専売特許ではないぞ・・・小僧よ?」
老師の掌の中で収束した霊気を見て、俺は息を止めた。球状になったそれは俺の最も馴染みのあるもの・・・そして俺にしか作り出せないもの・・・文珠!?
「ワシが正道を究めたのは齢重ねた頃からよ。それまではおぬしと同じように邪道を進んどってな・・・ずいぶん悪さもしたもんじゃ」
考えてみれば俺が文珠を手にしたのもここだった。ならば老師が文珠使いでも何の不思議も無い。老師の掌の中で光の玉が次々と増殖していく。一個一個が俺の文珠とはケタ違いの霊力、宇宙のタマゴに迫らんばかりの霊圧が空間そのものを歪ませる。
「そのときよ、こいつのことを知ったのはな。苦労したぞこいつを手にするまではな」
混乱する思考の中で、そこには冷静な俺がいた。ここで老師が俺を殺してくれるなら、アシュタロスの野望も潰える。・・・誰も・・・誰も踏みにじらずに済むのだ。
ルシオラ・・・すまん、お前の親父になるのは無理みたいだ・・・でも、来世では必ず一緒に・・・
老師の掌に収まりきらなくなった玉が地に落ちる。ひとっ・・・ふたっ・・・次々と溢れ、六つ目が落ちようとしたとき・・・
「・・・この七つのドラゴンボールが集まったとき、神龍が現れてどんな願い事でもひとつだけ叶えてくれるという・・・」
「掲載誌が違うんじゃボケェェェェッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
恐怖と死への期待に抵抗することができなくなっていた横島を、
分家(集A社)に負けるわけにはいかない本家(S学館)の意地が蘇らせた。
「ビッグバンアタッークッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!! 」
どこから出したかハリセンでサルもとい老師をパチコーンとすっ飛ばす横島。その髪の毛は思いっきり
バーニングに逆立っていたりする。
「わしだって主人公やりたかった〜!」と捨て台詞を残しながら、青空の彼方にとばされるサル。
「あっちでは脇役でも、こっちでは俺が主役じゃぁぁぁっっっっっ!!! あっちでは超サイヤ人で悟空を越えようとも脇役は脇役なんじゃぁぁっっっ!!! こっちでは時給255円で冷酷守銭奴鬼婆の奴隷でも主役っ主役っ主役っ! 俺が主役なんじゃあぁぁぁっっっっっ!!!!!」
横島いったい誰に向かって、そして何のことを叫んでいる?
ではここで解説の堀Kわ 亮さんを呼んでみましょう。○川さん、堀○さーんっ・・・えーとですね・・・回線の状態が悪いようです。ではひとまず現場に中継返しまーす。
現場・妙神山 (笑
サルもとい老師は、世界でいっとーイカしたドラマを求めて星となった。
「あっちであんクソ女が、俺の嫁はんになろーと脇役は死ぬまで脇役じゃああっっっ!!! いーかサルっっっ!!! 俺がこっちで好き好んでヨゴれやっとると思っとんのかーっっっっ!!! 全ては主役のためぇぇっっっ!!!!」
両手をぶんぶん振り回し叫ぶ横島。
「ヨコシマ・・・あんたアニメに出れただけマシよ。アタシなんか・・・ふふ・・・ふふふ・・・ふふふふふふふふ・・・殺生石の馬鹿・・・」
体育すわりでブツブツと呟くタマモ。
そこには全く別な意味で血の涙を流している横島とタマモがいた。
朝日が昇る。
闇を焦がし続けた焔は身を潜め、狂劇の幕の下りし舞台に残りしは三人の男女。
原型を留めないまでに焼け落ちた妙神山修行場の中に横島が立っていた。
両腕の中にボロボロの小竜姫をしかと抱きしめて。
横島の背中にはタマモが傾れかかる。その手の中で物足りなさそうに狐火を弄んでいた。
横島はそんな背中のナインテールの小悪魔に・・・次いで、腕の中の紅髪の美しき竜神へと愛しげな眼差しを送る。
だが、その瞳が天を見上げたとき、そこには先ほどまであった愛しさや柔らかさ、温かさといった感情は微塵も残っていなかった。
そこにあるは鉄のごとき決意と氷のごとき冷徹さのみ。
俺は微動だもせず天を睨み、叫ぶ。
「よぉ・・・雲の上の偉い人たちよ。見てたか・・・? まだ始まったばかりだぜ。あんたたちが俺を終わらせるか、それとも俺があんたたちを終わらせるまでこのゲームは続くんだ・・・・・・ま、とりあえず前口上だけやらせてもらうわ・・・・・・遠からん者は音に聞け! 我が名は横島忠雄! 近からん者は目にも見よ! 我はアシュタロスの意志を継ぎし者横島忠雄なり!!」
その日、妙神山を焼き尽くした焔は、全世界へ向けての俺の宣戦布告の狼煙となった。
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バシャッ! ・・・ジャブジャブジャブ・・・
「シロ・・・頼むから早く済ませろよ」
「くーん・・・そんなこと言わずに先生もいっしょに入るでござるよ♪」
「お前は場末のソープ嬢か・・・」
シロが気持よさそうに泳ぐ。・・・公園の噴水で。
俺は噴水の縁に腰を下ろして辺りを落ち着き無く見回す。噴水で飼い犬を泳がしているのがバレたら大目玉だ。
シロが髪の毛に付いた水滴をプルプルと飛ばすとゆっくり俺の元まで泳いでくる。そしてそのまま俺の股間に顔を埋めた。
「ん〜♪ 先生の匂いと先生の温かさでいっぱいでござるよ。・・・えへへ」
散歩で行為に及んだ後はシロはいつも噴水に入りたがる。冷たいカルキ臭の水で自分を包むと俺の身体の温もりと匂いがいっそう深く感じ取れるかららしい。
「もう今日は本当に『お預け』だ。そろそろ帰らないと俺、本当に学校遅刻しちまうわ」
立ち上がろうとした俺の膝をシロの腕が掴んだ。俺はあやうくバランスを崩しかける。
「うわっちっ!? こらっ何しやがるっ!! このバカい・・・ぬ・・・?」
「横島先生・・・」
俺は怒鳴るのを、そして立ち上がるのをやめる。シロがじっと俺を見上げていた。
「先生には『女』が沢山いるでござる。されど覚えていてくだされ・・・先生の『犬』は『牝犬』は、この犬塚シロただ一匹」
その真剣な瞳の中には俺が限界まで映りこんでいた。俺以外の存在が入り込む余地は無かった。
「何人たりともこの幸せを、横島先生とのこの二人っきりの時間を、この二人っきりの関係を渡さぬでござる」
俺はシロの濡れた頭をそっと撫でた。
「・・・ば〜か、こんなに朝早くからキャンキャン喚いて俺を引き摺り回す奴なんて世界中探してもお前しかいねぇよ」
俺は自分の顔が微かに紅潮していることに気づいた。完全に紅潮してシロに気づかれる前にそのまま上半身をゆっくり後ろに倒した。
噴水で頭と顔を冷やすために。
(続く)
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[後書きもどき]
後書きというより悪足掻きといった方がふさわしいんじゃねーの?と、突っ込み入りそうでごめんなさい。
まずは、シロのえちぃしーんがあまりにぬるすぎてつまらなかったことと執筆が遅れたことのお詫びと釈明を。
本当はシロのえちぃしーんは量にしてこの三倍、質にしてこの二倍ありました(量はともかく質を自分でゆーか、おい)。
ですが、書き終えてからあまりに内容がやばい事に気づき、このままではとても公共の場に載せられない(イヤ、今でもギリギリだけど)と判断し、急遽全面描き直しおよび削除いたしました。とりあえずこのやばいえちぃシーンは自分の心の宝箱にしまっておきますね♪(宝かよっ!
そういうわけで結局書き直しの方に時間を取られてしまいました。
本当は文字通り、『シロの精霊石が解けて交尾〜』なシーンとか、女神様たちにシロ混じって『くんずほぐれつ5P〜』とか、シロ半コワれで『どっっ・・・どちらでもぉっ・・・前の穴でも後の穴でもいいでござるからぁぁっ!! 口でもぉおっ鼻の穴でも耳の穴でもぉっっ!! 拙者の穴というっ穴は全て・・・先生のっ! 横島先生のためにあるでござるぅぅっっっ!!!』という台詞とかあったんですけど、ここまで行ったらもはや『エロ』でなく『グロ』ですので、今回のシロのえちぃに関してはこのレベルのほんわかぽわぽわへたれぬるぃえちぃシーンで勘弁してください。
で、次回は再びお題の消化にピッチかけようかと思っています(あくまで予定よ?)。
最後になりましたが、前回は沢山のレスありがとうございました。レス返しは前回の一番最後にしてあります。
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