[注意というよりお願いです]
今回は本当にえちぃ少なめです(ヤター)。
今回はついでに壊れも少なめです(ヤタッヤター!)。
お題なんとか6つクリア。
でもわけちゃった次回がコワいよぉ・・・いっそここで終わりに・・・(バキッ!!)。
以上。
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「少年よ、まず最初に言っておこう。私は・・・『チェリー』なのだよ」
バキャァァァァァッッッッッッッッ!!!!!!!!!!
その日、東京気象台はマグニチュード10.5の直下型地震を記録した。
その日、ランドサット探査衛星は日本列島が逆に反り返るのを観測した。
その日、月神族の人々は地球がビキビキッとひび割れるのを目撃した。
全現象の中心点は、アシュタロスの顎にめり込んだ横島渾身の右フックであり、全てのエネルギーは横島の魂の叫びから生じていた。
「危! 止! 禁!」
横島、お前は某山田編集長か。
「あっちの『あーみん』よりこっちの『アーみん』のほうがごっつぅヤバいやろがぁぁぁっっっっっ!!!」
本当にヤバいのはアシュタロスをアーみんと呼んじゃう君のセンスだ、関西人。
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「鬼塚邸かぁ。なにもかも全てがここから始まったんすよね、・・・すげー懐かしいすよ」
俺は感慨深げに溜め息を漏らすと、椅子に腰を落とす。ギチという椅子が軋む音とギシという床が軋む音の二重奏が、薄暗い広大な空間に響き渡った。燭台(しょくだい)の上に林立した蝋燭の炎が、ほの暗く灯っていたが、それがかえって室内の闇を一層際立たせていた。
「でも、改装するとしたらえらい手間かかるっすよ。家具だってまだ椅子と照明しかないんすから・・・おっと」
そこまで言ったとき、玄関のドアを何者かがノックして俺の言を遮った。俺はテーブルの上のベルを取る。
「おい鬼塚。 ・・・鬼塚はいるか」
「だぁーす! ぼけぇぶっ!?」
ぼこっ!!
鬼塚は初登場のときの10分の1の時間で俺の膝蹴りに沈んだ。まさか俺に美神さんよりも速く膝蹴りをできる日が来るとは思わなんだ・・・。
「・・・も、申し訳ありません、旦那様。とんだ粗相を・・・」
悪鬼の形相で壁から現れた鬼塚は、俺の一撃で我を取り戻したのか、次の瞬間にはいつものメイドのねーちゃんに戻っていた。いや、この屋敷にはラーメン屋の店員よりやっぱメイドだろ?
こいつを手懐けるのは簡単だった。「あの日記、全世界にネット配信すんぞ」の一発でコロリだ。
「いーから、とっとと行けや。例の荷物が届いたんだろ」
やがて戻ってきた鬼塚(冥土)は、棺ほどの長方形の木箱をもう一人のメイドとともに運んできた。俺の目の前に置かれた木箱。二人のメイドがバールで手際よく釘を引き抜き、蓋板を外すと一礼して下がる。
二人? そう二人だ。今日からは六道家お抱えのフミさんも、この屋敷で働く事になる。なぜならば・・・・・・。
「おはよう、冥子ちゃん」
木箱の中身は肩口の見えるシンプルなデザインのドレスを着た小柄な少女・六道冥子だった。
冥子ちゃんは可愛らしい欠伸をしてから、目をしょぼしょぼ擦る。そこでようやく俺の存在に気付いたようだ。木箱から体を起こし、きょとんと首を傾げる。そのあどけない容姿は、いつ見ても俺より年上とは信じられない。
「横島クン〜おはよう〜。 あれ〜? でもどうして横島クンがいるの〜? あれあれ〜? ここどこ〜フミさん〜フミさん〜」
「フミならばここに居ります、冥子お嬢様。・・・・・・横島様、こちらが奥様より預かりました書状にございます・・・御確かめを」
フミさんが恭しく俺に書状を差し出し、そして冥子ちゃんに向けてにっこりと微笑む。
「お喜びください、お嬢様。お嬢様の夢が叶ったのでございます。冥子お嬢様は本日から横島様のもの」
冥子ちゃんは、俺とフミさんの顔を交互に見上げてから、ポワ〜と顔を赤らめ、いやんいやんと首を振る。
「え〜ええ〜えええ〜!? じゃあ〜じゃあ、冥子は〜横島クンのお嫁さんになるの〜横島クンのものになるの〜!?」
「んー違うな、冥子ちゃんは『俺のもの』じゃなくて『俺の物』になるんだ・・・あの二人みたいにね」
そう言って俺が指差した先には、たった今まで俺が体を預けていたもの・・・四つん這いの人間椅子・美神令子と、両手から肩、胸に至るまで蝋燭に埋め尽くされた人間燭台(しょくだい)・小笠原エミが、快楽に澱んだ瞳で俺と冥子ちゃんを見つめていた。
その瞳に映る期待と倒錯の影は主たる俺と、そして親友であり、同時にこれから自分たちと『同類』となる六道冥子をねっとりと包み込む。
俺が今まで腰掛けていた美神さんの尻は、昨日の折檻の鞭の痕がその白い肌を真っ赤に彩っていた。
無数の蝋燭を立てられたエミさんの背中は、やはり蕩けた蝋でその黒い肌が真っ赤に彩られていた。
そして二人ともそれぞれの用途、椅子と照明という目的のために各々の携帯に黒い拘束具によってその体を不自然に歪められていた。
それでも彼女たちの瞳は・・・・・・。
俺は自分でも口元が笑みに緩んでいるのが分かった。
「ようこそ『こちら側』へ・・・冥子ちゃん」
事態をまだ飲み込みきれない冥子ちゃんの目前に、俺は六道家からの書状の入っていた袋を差し出した。そこに書かれている文面はすなわち、
『六道冥子の身体及び精神の白紙委任状』
・・・パチン!
俺が指を鳴らした瞬間、美神さんとエミさんを歪めていた黒い拘束の全てがガラスのように砕け散った。
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「・・・ちゅ・・・ぅんん・・・うふふふ、冥子の胸・・・かわいい・・・マシュマロみたいに白くて・・・柔らかくて、それにすごーく甘いわよ?・・・ちゅぅんんっちゅ・・・」
冥子ちゃんの小ぶりな、けれども形良い乳房を、美神さんが愛しげにゆっくり揉みし抱く。
強すぎず弱すぎず、リズムをつけながらやがてちょんと乳首が勃起したところで、美神さんはクスリと微笑むと、そのまま乳首を唇に含む。丹念に先端から乳輪まで舌をちゅるちゅると滑らせて行く。
「ひゃぁんんっ〜!? 令子ちゃん〜? 令子ちゃんのお口が吸い付いてくるのぉ〜・・・それに・・・それにぃ令子ちゃんの手の平すごく熱い〜っ!!」
「令子が胸なら、あたしはこっちを貰うワケ・・・ふふ・・・冥子のアソコは綺麗ね・・・でも緊張してるのかしら? ちょっときついわね・・・ほぐしてあげるワケ・・・」
エミさんは、冥子ちゃんのお腹をやさしく撫でていたその手を、やがて下腹部まで這わすと秘裂にそっと潜り込ませる。
冥子ちゃんが軽くピクと震える。最初、微かにその肌と産毛を磨耗していたサラサラという音は、やがてくちゅくちゅという滑り気と熱を帯びてくる。エミさんは秘裂に埋めていた指先を宙に翳すとその先端には愛液がトロリと滴っていた。
「くっくひぃぃんっ〜っっ!? エミちゃん〜! そこおしっこの穴なの〜汚いよぉ・・・そんなところ弄っちゃ・・・いやいやいや〜っ!!」
半分涙目で顔を真っ赤にした冥子ちゃんが、いやいやと首を振る。羞恥のあまり両手で顔を覆おうとするが、俺はそれを許さず目で合図する。鬼塚とフミさん、二人のメイド達が冥子ちゃんの両手首をがっちりと押えつけた。
「あら、冥子の身体に汚いところなんて無いわよ。ねぇエミ? んくちゅ・・・んん・・・んふぅ・・・」
美神さんがエミさんの指先を握り締めると、その指先から滴る冥子ちゃんの愛液を丹念に舐めはじめる。
「当然なワケ、あっ、令子ずるいわよ。それあたしのぉ・・・ちゅ・・・んんちゅ・・・んぅ・・・じゅちゅっ・・・」
エミさんも負けずと自身の指先へと舌を伸ばす。指と指の狭間で美神さんとエミさんの舌が絡み合う。最初は指を這いツンツンと触れ合うだけだったもののが、やがては互いに互いの舌を絡ませ、ついには指の垣根を取り払い、互いの唇を重ね合わせ、冥子ちゃんの裸身の真上で濃密な獣のごときキスの応酬を始める。
「・・・んぢゅぢゅゅっ・・・んっんっ・・・くちゅじゅ・・・じゅゅゅ・・・あはぁ・・・エミの舌ぁ・・・熱くてぇ・・・逞しく蠢いてるぅ・・・ちゅんっんっ・・・じゅふぅ・・・素敵ぃ・・・」
「・・・ぺちゅぅっんんっ・・・ぢゅぅぢゅ・・・れ・・・いこぉ・・・令子の舌だって・・・しなやかでっ・・・激しくてぇ・・・うふぅ・・・ちゅばぅじじゅぅぅ・・・素敵なワケぇ・・・」
一心不乱に唇を貪り求め合う美神さんとエミさん。辺りはばからず艶やかで熱いむせばむような音を響かせる。
互いの唾液を咀嚼し、また流し返し、互いの舌を引っ張り合い、また押し付けあう。そして互いの惚けた視線を絡みつかせ、互いの昂ぶりを確かめ合い、悦びを分かち合う。
唾液が二人の唇から筋となって滴り落ちる。二人はもう口付けだけでは抑えきれないのか、互いの背中を掴んで抱きしめあいながら、その豊満な乳房を押し付けあう。
堅く尖りしこった乳首と乳首が互いの乳房の上を跳ね回る。二人の肌のコントラストと相まってそれは肉と肉の張付いた生けるオブジェのようだった。
二人の唇から滴る唾液はもはや、ポトポトというより、ジュブジュブという擬音が相応しいほどに激しく溢れ、飛び散り滴っていた。互いの密着した胸と胸の狭間から、それが次々と冥子ちゃんの胸からお腹に滴り落ちる。
「・・・あ・・・あああ・・・令子ちゃん・・・エミちゃん〜・・・あぁ・・・」
冥子ちゃんは半ば呆然、半ば朦朧としながら自分の真上で繰り広げられる二人の嬌態から目を離すことが出来ない。
そんな冥子ちゃんの耳元に俺はそっと囁いた。
「ねぇ、冥子ちゃん? 二人ともずいぶん素直になっただろ? ふふふ本当は似たもの同士のくせに・・・本当はお互いが大好きなくせに・・・意地っ張りだったちょっと前が嘘みたいだ。どうしてこんな風になっちゃったのか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・知りたいかい?」
ビクッと一瞬硬直する冥子ちゃん。俺の一呼吸置いた問いかけにしばらく俯いていたが、やがて恐る恐る頷く。
「二人とも、『本当』の姿に戻っても良いすっよ」
そう言うと、俺は手で宙に幾何学的図形を描く。それは魔方陣。俺の動きが止まるとともに室内が閃光に包まれる。
・・・シュル
閃光の中、あちらこちらで何かが蠢く。それは『闇』。
・・・シュル・・・シュ・・・バシュゥッッッ!!!!
鎌首を擡げた闇が矢のように一斉に空中を弾け跳ぶ。闇はやがて幾重もの高速の輪となり、絡み合ったままの美神さんとエミさんを包む渦となる。
闇の渦が爆ぜたとき、その場に蹲る二人のシルエットは、先刻までと似ても似つかぬものになっていた。
蠢いていた闇はまるで皮膚に密着するように二人にぴったりと纏わり着いている。ただしそれはあたかも漆黒のボンテージのように際どいぎりぎりの部分しか隠さず、あるいはサイケデリックに飾り立てて、むしろさらに肉体の艶かしさを強調していた。
だが、二人の姿で見るべきところはそこではない。
両耳の斜め上から生えた山羊のような幾何学曲線のツノ。
瞳の色は地獄の業火のごとき猛々しくも鋭いルビーのように真紅に染まる。
両手両足の爪は鋭くも美しい銀の硬質な鉤爪へと変態していく。
尾てい骨の少し上から、先端が尖った黒い尻尾がしなやかに伸びる。
だが、なによりも際立つのは背中から生える巨大な蝙蝠のような翼。
そこにいるのは、かつては世界最高のGSであった美神令子と小笠原エミ。
そう、かつてはだ・・・だが、今は・・・俺が指を鳴らせば・・・
・・・パチン!
次の瞬間、闇が空間を切り裂き、そして再び繋げ直していた。冥子ちゃんの上にいた筈の二人は、何事も無かったかのように俺の傍らに侍っていた。
四つん這いで俺を切なそうに見上げる美神さん。俺がその顎を取り、喉を撫でてやると心地よさそうに吐息を漏らす。
俺の背中にその褐色の肢体を擦り付けるエミさん。俺がそっと耳元に息を噴くと、恍惚として背筋をゾクと震わせる。
「私たちは横島クンを道具のように虐げてきた・・・だから・・・ふふふ・・・今度は私たちが、横島クンにたーくさんイヂめられちゃうの」
美神さんが艶かしい吐息を漏らしながら、その尖った舌で血のように紅い唇をちろりと舐める。
「これは罰なワケ。横島を道具のように扱ってきた私たちが、今度は横島の道具・・・使い魔としてコキつかわれるワケよ」
エミさんがその銀色の爪で前髪を掻き分ける。仕草とともに噎せ返るような牝の香が漂ってくる。
俺は艶めかしくじゃれ付いてくる二人に苦笑混じりの溜息を漏らした。
「あー、二人ともちょっと? 冥子ちゃんが困ってるじゃないすか。 自己紹介が先でしょ? お楽しみはその後」
「あん・・・横島クンのいじわるぅ・・・でも、ふふ・・・冥子にも見てもらいたいのぉ・・・知ってもらいたいのぉ・・・そして・・・ふふ・・・こちら側に来てもらいたいのょぉ・・・うふふ・・・」
「私たちはもうゴーストスイーパーなんかじゃない・・・やーめちゃったぁぁぁの・・・ふふ・・・今の私たちは狩る側じゃない、そう・・・狩られる側・・・」
「だって横島がぁ・・・ぁうん・・・私たちを飼ってくれるってぇ・・・私たちを可愛がってくれるってぇぇ・・・約束してくれたからぁぁ・・・」
四つの爛爛とした焔・・・美神さんとエミさんの人外の紅い瞳が冥子ちゃんを射抜く。二つの妖しい軟体動物・・・愉悦に歪んだ紅い唇をチロチロと舐める人外の尖った舌が冥子ちゃんをからかう。
「私たちは淫魔・・・サキュバス」
「精を糧とし、闇を友とし、悦楽と放蕩により世を乱しし魔物・・・横島忠夫と盟を契りし者達」
「そう・・・私たちは横島クンの腕の中で生まれ変わった・・・もう私たちは横島クン無しでは・・・横島クンの精がなくては生きていけないのぉ・・・」
「横島に精を貰うためならどんなことでもしちゃうワケ・・・ふふ・・・そう例えば、妹のように大切な親友をめちゃくちゃに嬲り尽くすとかね・・・」
冥子ちゃんは、二匹のサキュバスのそのルビーのような真紅の瞳に射竦められ、石膏像のように硬直する。
「・・・う、嘘だよね〜?・・・令子・・・ちゃん〜エミちゃん・・・わたしたち・・・わたしたちゴーストスイーパー・・・なのよ〜?・・・駄目な・・・の・・・そんなの駄目なの〜」
俺には冥子ちゃんの怯えが手に取るようにわかった。二人のその人外の姿に怯えているのではない。二人の放つその邪気に怯えているのでもない。
冥子ちゃんが怯えているのは『艶』。
二人の放っている魂まで焼き溶かしてしまいそうな牝の艶に、冥子ちゃんは圧倒され怯えていた。自分の知らぬもの、そして踏み込んではならないもの。踏み込めばそこからは二度と戻れないもの。GSとしての天性の感覚が、危険だと告げていた。
だが同時に、それはどうしようもなく引かれるもの。冥子ちゃんは自分の全身を突き抜け揺さぶる、その艶の誘惑と警告に戸惑い、そしてそんな自分自身に怯えている。
「・・・駄目なの〜・・・横島クンも・・・どうしちゃっ・・・たの〜? 二人を苛め・・・たらいけないの〜・・・お願い・・・元に〜・・・元に戻してあげてよ〜。横島クンも・・・みんな〜・・・みんなヘンだよ〜・・・ヒッ・・・ク・・・ヒックヒク・・・ウェェェン・・・みんな〜みんな元に・・・ウェ・・・ヒック・・・ェェン・・・元のやさしい・・・冥子のお友達に戻ってよぉ〜・・・ゥウワァァン・・・ェン・・・」
最後には涙混じりになる冥子ちゃんの哀願。だが、それへの答えはクスクスクスという美神さんとエミさんの失笑だった。
「私たちは罪人」
「横島忠夫に慈悲と慈愛を請わねばならぬ罪人」
「この身体と魂の全てを捧げて未来永劫、贖罪し続けねばならない罪人」
美神さんとエミさんはクスクスと笑いながら、四つの腕を、二十の鉤爪を一斉に冥子ちゃんに伸ばす。
「さぁ冥子・・・こっちへいらっしゃい?」
「冥子、あなたも罪人・・・かつて横島忠夫を虐げしもの」
「その肉体を・・・その魂をもってして・・・私たちといっしょにその罪を償いましょう?」
蒼褪めた冥子ちゃんは後ずさりしようとして、その華奢な背中を二人のメイド達に抑えつけられる。ボロボロと涙をこぼしながら、それでも必死に抗う。
「・・・ふ・・・ふぇぇん・・・どぉして〜?・・・冥子・・・冥子、横島クンにひどい・・・ひどいことなんか〜したことない〜・・・」
美神さんとエミさんはキョトンと一瞬、顔を突き合せる。だが鏡映しのように全く同じ笑みを見せると、次の瞬間、それぞれの凶器へと変貌した片手で冥子ちゃんの乳房を握り潰さんばかりに掴んでいた。
「ひっぃっっぃっっっ〜!?」
「嘘つき・・・悪い子は心臓つかみ出しちゃうわよ?・・・横島クンを式神代わりに自分の影に監禁したのはどこのだぁーれかなぁ・・・くす・・・」
美神さんの鉤爪と化した五本の指がミリ・・・ミリと冥子ちゃんの乳房を握る握力を少しずつ強め、その柔らかい肌に鉤爪が食い込んでいく。
「・・・だっ・・てっ〜!・・・だって〜あのときは〜令子ちゃんと・・・エミちゃんが・・・式神を〜取り上げて〜・・・ひっ!? やっやめっ・・・ひぃぃっっ〜・・・」
「ふーん・・・言うに事欠いて私たちのせいにするワケ? ・・・この爪で喉から顎まで掻っ捌いて、その嘘つき舌を引き抜こうかしら・・・ふふ・・・」
エミさんは冥子ちゃんの乳房を千切れんばかりに押し上げると、そのまま鉤爪の先端を冥子ちゃんの喉下に突きつける。
冥子ちゃんはそこまでだった。
「ひっ〜!?・・・ひっひぃぃいっ!! ひ、ひ、ひひひひひひひひひひひひひひひぃぃぃぃぃぃぃぃっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!」
式神の暴走。
ケタ違いに凄まじい霊力の爆発と冥子ちゃんの絶叫が館を基礎ごとゆさぶり、そして叩きつけた。
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意識を失った冥子ちゃんには、俺たちの声は届いていなかった。
「ちょっとぉっ!? 美神さんっエミさんっ、やりすぎっすよ! 打ち合わせじゃちょっと脅かして式神を奪うだけだったでしょ!」
「うるさい、馬鹿丁稚っ! だいたいアンタが冥子にまでちょっかい出すのが悪いんでしょーが。あたしがあんたの使い魔になろうと、あんたは死ぬまであたしの丁稚なんだからねっ!」
「そーいうワケ。だいたいおタクが冥子にまでちょっかい出すのが悪いのよ。それとも何? 私たち二匹の奉仕だけじゃ足りないワケ? あんっ!? 御・主・人・様(怒)」
「しゃーなかったんやーっっ!! あんの六道のおばハンに嵌められたんですからーーーーっっっっっっっ!!!」
「「ハメられたの間違いでしょ」」
「はい・・・じゃなくってぇっっ!! あのおばハン、道歩いてる俺に猛獣用の麻酔弾撃ち込んで拉致して、そのまま六道家専用ジャンボで三日三晩、高度1万フィートに監禁しやがったぁぁぁっっっっ!!! 」
「で、座席いっぱい500人のメイド&六道のクソ婆・・・ぅん、おば様とやりまくったの?」
「だってだってぇぇっ、文珠で逃げようとしたら、『このジャンボ東京に落としちゃお〜』って脅迫されたんや〜っ!」
「しかしこの手紙すごいワケ・・・えーと、『メイド一人当たり、アソコ指一本入れたら500万、ネタ・・・』・・・タネの間違いじゃないの? 『・・・ネタを仕込んだら一回ごとに2000万。 三日間でしめて約5兆円、横島君この子達の責任とってね〜♪』・・・って防衛費と同じ額なワケ」
「えーと・・・なになに・・・『私(夫人)の分はサービスサービス〜♪』 あんのババァっ・・・っぐ、おば様・・・『5兆円払えなきゃ肩代りしてあげてもいいけど〜、代りに冥子をよろしくお願いします〜♪』 って・・・いつかタマとったるあのド腐れババァがぁぁっっ!!」
「俺の命を狙うため、女装してメイドに潜り込んでいた鬼道と西条が乱入しなきゃマジ死んでたって!」
「・・・・・・それで、冥子に横島クン諦めさせるために、この館と私たち・・・横島クンに囲われている私たち淫魔を選んだの?」
そう言った美神さんの横顔は、かつてのトップGS、俺の上司として幾多の死線を潜り抜けたあの凛凛しいものを漂わせていた。
「最も信頼している親友にここまでされたら・・・もう二度と俺とは・・・横島忠夫とは関わりたくないと冥子ちゃんも思ったんすけど・・・」
「だとしたらとんだ間違いなワケ・・・ほんっとにあたし達の御主人様はニブチンなんだから・・・」
美神さんと同じくエミさんも、かつての知性と理性の光で切れそうな視線を俺に向ける。
「・・・・・・へ?」
美神さんとエミさんは先ほどと同じく、顔を見合わせるとクスクスとやはり笑い、そのまま俺にしな垂れ掛り、二人の力で俺をゆっくりと押し倒した。
「まぁ、いいわ。答えは冥子が目覚めたら出るでしょ・・・だから、ねぇ・・・横島クゥン・・・それまで・・・しよ?」
「最近、『あっち』にばかり行ってズルいワケ。私たちは横島の精が無ければ本当に生きていけなくなっちゃったのに・・・このア・ク・マ」
「『こっち』のほうも責任とって横島クン・・・ねぇぇ、今日こそ一滴残らず搾り取ってあげるんだからぁ・・・クス・・・」
「冥子が目を覚ますまで寝かさないワケ・・・メイド500人相手できたんだから平気よね・・・うふふ・・・」
俺は、二匹の淫魔の熱く蕩けた視線を溜息混じりに受け止め、ゆっくり目を閉じて肉体を委ねた。
・・・パチン!
俺の指の合図とともに、二匹が俺を一斉に貪り始める。自分達の存在価値、淫魔。
横島忠夫の所有物に相応しきものであることを懸命に証明しようと。
(続く)
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[後書きもどき]
ふぅ、お題6つクリア。クリアしたお題は
『『あの』マフィアのドンが化けた冥土も入って乱交ね』、
『メイドさんが登場するシチュがそう多くないからなあ』、
『メイドは冥子ちゃんとこから引っ張ってくれば』、
『指一本で500万だ、ネタなら2000万』、
『ハーレム(オール一人抜き)で注釈全部(十八禁)ついて、メイドと乱交。 テーマは饅頭、しかもエロくて、指が一本500万円(もう何が名にやら』、
『六道夫人withメイドさんの乱交シーンに引っ張り込まれてお饅頭のような夫人のそこに指一本入れるにつき500万もらえてメイドの中には女装した鬼道と西条が混入』
です。『饅頭』については第1話でクリアしたということで勘弁しつくさぁい(ぺこり
今回は長すぎたので、話を分けました。次回、冥子ちゃんの運命やいかに? 二匹の悪魔の毒牙にかかってしまうのか!? それは作者自身知らない(マテヤコラ
これ書いている時点で前回第2話のレス返しまだしてません。前回レスしてくださった皆様、大変申し訳ありません(激汗
必ずやレス返しいたしますので平に御容赦を(土下座
上の件も含め三週間というあまりにも非常識な間隔を開けてしまい申し訳ありません。実は2話目を書いた辺りでギックリ腰くらってしばらく再起不能に追い込まれていました・・・(泣)。お医者さんに「PCの前に座ること禁止」令を出され、仕事以外はベッド横にPC据え付けてほそぼそとキーボード叩いておりました。なんとか本格的に冬が来る前に直したいなぁ・・・(遠い目
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