──クリスマス。
キリスト様の誕生日。
けれど、人間──日本人には特に。
騒いで楽しむ、お祭りである。
・・それが関係無い連中もいるが。
「くっそー!!今度こそー!!」
「ちょっと雪之丞退きなさいよっ!!横島クンは私がっ!!」
「何言ってんのよ!!ヨコシマは私の恋人なのよ!!」
「貴女こそ何言ってるんですか!!原作ではともかく、この時点でなら私達の方が絆は深い筈ですっ!!」
「横島さん・・貴方のピートが助けに行きますっ!!」
「いいや、ここはGメンである僕がっ!!」
「ああ〜ん、横島くぅ〜ん!!」
「邪魔よ馬鹿犬!!」
「狼でござるっ!!」
・・塔の前でまた仲間割れをしている一同。
因みに他にもまだいるが、割愛である(爆)
・・で。
結局今回は冥子のプッツンで自滅だった(核爆)
「・・アホや・・」
「・・うぅ・・皆ぁ・・」
「・・やる気あるんかいな・・」
その様子をモニターを通して眺めながら鬼道が呆れ、横島が悲しみと情けなさに沈み、銀一が渋い顔で呟いた。
・・因みに銀一はそれと共に心の中で、
(・・折角ポスター何枚か剥がしておいてやっとるってのに・・クソダボがぁ!!)
・・罵倒をかましていたが。
と、そこに──
「横島クンっ!!」
アシュタロス(人間形態)登場。
「・・何やそのカッコ」
「・・つーかどう見ても・・」
「・・何の冗談や?」
その格好──上下赤。頭にも赤の帽子。黒いブーツを履き、白い袋を担いでいる。
・・紛う事無くサンタクロースだ。
「フフフ・・プレゼントをあげよう!!」
「「「はぁ?」」」
何だかテンションの高いアシュタロスのいきなりな言葉に、疑問の声をハモらす三人。
そんな三人を尻目に、魔神はごそごそと袋をまさぐり──
「横島クンの為に特注したミニスカサンタさん仕様の衣装だ!!そして、人間二人にはツリーの着ぐるみ!!身動きできず私達の愛の語らいを眺めながら滂沱の涙を流すがいいっ!!」
ずっぱぁぁんっ!!!
ごめぎぃぃぃっ!!!
べっしゃああぁんっ!!!
「・・おおお・・」
床に転がり、ぴくぴくしているアシュタロス。
今、何が起きたのかと言うと。
まず鬼道のハリセンが後頭部を弾き、横島が衝動的に放った、花を生けたままの花瓶が霊力を上乗せされた状態で股間に直撃。
トドメに銀一のハリセンが振り抜かれる勢いで顔面に入り、アシュタロスを床に沈めたのだ。
「・・くっ!!ツッコミ厳しすぎるぞ貴様等っ!!てゆーか横島クン!!こんな所攻撃されてもし使えなくなったりしたら君に快楽を与える事ができなくなってしまうじゃないかっ!!」
「いらんわ阿呆!!去勢してしまえ!!」
不条理にも即復活した魔神の叫びに、思いっ切り真正面から怒鳴り返す横島。
・・どうやら鬼道と銀一のお蔭で調子を取り戻したらしい。かなり元気だ。
「くううっ!!何故横島クンは私の愛を受け止めてくれないんだー!!」
「テメーのはただの欲情だー!!」
それを眺めつつ、ぼそりと呟く銀一。
「・・不能にできんかなぁ、どーにかして・・」
眼がとことん本気で物凄く怖い。
「・・そうすればとことん扱き下ろせて存在意義の一つや二つ潰せそうなんやけどなー・・」
・・黒い笑みで決定的にコワイ事を呟いた。勿論横島には届いていない。
「ああもう・・やめいや」
そしてその場を収めるのは鬼道である。
損な役回りなのだろうが、生来の性格と立場がそうさせている為、回避不可能。他に収める事のできる者もいないのだし。・・穏便には。
「大体アシュ、オドレキリストの誕生日祝う気か?」
銀一の呟きはきっちり耳に入っていたが、さくっと無視して尋く鬼道。
「・・良いではないか、別に。私は単に横島クンに近付く口実さえあればそれでいいっ!!」
・・何だか情けない宣言をかますアシュタロス。
とことんへたれな魔神である。
「・・というかアシュと呼ぶなっ!!横島クン以外は許さんっ!!」
「別にええやないか。長いし」
「却下だ!!」
「じゃあへたれ魔神で」
「・・くそぅ、保護者モドキめ・・」
・・魔神を軽くあしらう鬼道。それに対し、本気の魔神。・・魔神の威厳やら何やらは、今更ながら、物の見事にゼロである。
「・・ま、たまにはええんやないですか?コレのリクエストきくんも」
「ぎ、銀ちゃん!?」
それらを静観していた銀一が、突然とんでもない事を言い出したのに慌てる横島。
「・・何を企んでいる人間っ!?」
「ほぅ・・人がオドレにたまには慈悲かけてやろーってのに、そーゆーコト言うかぁ?」
思いっ切り警戒している魔神に、にっこりと笑顔で、威圧と共に返す。
・・底に何が潜んでいるのか見えない所が恐怖を呼ぶ。
「・・ハハハ、ジョウダンデスヨ♪」
魔神、あっさり降参。
・・何故かは知らないが(笑)心底銀一に恐怖を抱いているらしい。ある意味トラウマだ。
「・・で、本当の所は?」
「・・たまにはアレにも少しはいい目見せてやらんと、キレて暴走して何するか解りませんからね。バランスはギリギリでとっとかんと・・ね」
「うう・・でも俺・・あのミニスカ衣装着るのは・・」
小声でぼそぼそ会話する三人。魔神が銀一のもたらす恐怖によってちょっぴり精神をどこかに飛ばしているからこそである。
「あんないかがわしいモン着せんて。・・そーやなー・・でかいサンタの服上だけとか?」
「・・変わらへんやん」
「・・銀ちゃあん・・」
「ん〜・・そんじゃあ・・」
そんな相談をしている三人を前に、魔神は遠い目をしつつ。
(・・ニンゲンッテコワイナー)
・・情けない事は自覚しつつ、紛う事無き本心を、何故かカタコトで、心の中でのみ呟いていた。
その少し後。
「うぅぅ・・短パンってゆーので妥協したはいーが・・なんでこんなぱっつんぱっつんーーー!?」
・・横島が喚いていた(爆)
赤の帽子、サンタ定番の上着、そして・・皮でピッチピッチでパッツンパッツンの赤の短パン!!
「恥ずかしがって隠そうとする姿もグー!!」
「黙れ変態馬鹿魔神!!」
「・・まぁ、元気になって何よりや」
(・・顔赤らめて困惑しとる表情もソソるけどなぁ♪)
サムズアップをかましながらバカ丸出しな発言をするアシュタロスに怒鳴り返す横島と、そんな横島を疲れと苦笑の入り混じった顔で眺めながら呟く鬼道。・・にやり、とか黒い笑みで魔神と大差無い事を考えている銀一は無視しておいた方が良いかもしれない。
「・・てゆーか・・何故テメーが着ているミニスカ衣装!!」
びしぃっ!!とか指を突き付けて叫ぶ横島。
勿論、突き付けられたのはアシュタロス。
そしてその姿は・・まぁ、横島の言葉通りである。
「・・むぅ。本当はお揃いが良かったのだが・・」
「コワイ事言うなーーー!!!」
すぱぁんっ!!
「えげつないモン晒すなや、ったく・・」
横島の叫びに反応してか魔神に一発入れた銀一が、溜め息と共に、吐き捨てる様に呟く。
「・・ハリセンで叩く事無いだろう、腹黒人間」
「・・言うやないか・・」
瘴気を放ちつつ銀一。
「・・サア、ゴチソウモヨウイシタヨー♪」
逃げる魔神(爆)
「・・ハニワに用意させたやつやな」
薄く、冷たく笑いながらの銀一の言葉にぴくり、とアシュタロスが反応する。
「・・何が言いたいのかね?」
「いんやぁ?別にぃ?ただ──」
にっこりと、笑顔で。
「部下に全部作らせて、そんなんをそのまま横っちに食わせるなんて──・・愛が足りんなぁ、とか思ってなー」
ぴきぃっ、と、音がした。
「・・はっはっは。それは聞き捨てならないなー」
発生源は、アシュタロスのこめかみだ。
「まぁ、仕方無いやろなぁ・・どーせ横っちを喜ばす事なんぞ、、なーんもできへん魔神様やし?」
ぴきぴきぴきぃっ、と、音がした。
それと共に浮き出る血管が数を増す。
「・・ならば貴様は何かできるとでも?」
「・・まぁ、少なくとも、オドレよりはマシやろな♪」
両者、笑顔で対峙だ。
一方は爽やかな、もう一方は引き攣り気味の。
「舐めるなよ人間っ!!私とて魔神の端くれっ!!歓喜の極みを与える事など造作も無い!!」
「ほう!?やってみろや魔神!!無論、性に関する事以外でなぁ!!」
「・・それが生物にとって一番だろう?」
「・・鬼道さんの説教、ちゃんと聞いとるんか?」
「・・いや、長いし・・」
「・・まぁ確かに・・しかも必ず毎回同じ事言うしなぁ・・オドレが理解しよーとせんからやろーけど、酔っ払いの愚痴かボケジジイに見える事もたまに・・」
・・何だか話がヤバイ方向に逸れてきた。
因みに、勿論鬼道も横島もそこにいる。・・危険だ。
「・・横島・・あの二人、力の限りぶっ叩いてええかな・・?特に・・人間の方・・・・・・・・・・!!!」
「はううっ!!鬼道落ち着いてっ!!」
「「はっ!!」」
鬼道の様子に気付く二人。
「酔っ払いの愚痴・・ボケジジイ・・ク・・ククク・・」
俯いて小さく笑いを漏らしていた鬼道の声が、唐突に途切れ。
顔を上げ。
「・・正座v」
にっこりと笑顔で、二人に言った。
穏やかで、優しい声だ。
・・だからこそ、コワイ。
魔神と銀一、思わず硬直。
「・・せ・い・ざv」
「「イヤアノソノ・・」」
にこにこにこと。
「耐久五日・・逝ってみよか♪」
告げる。
「「ごめんなさいぃーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!」」
二人して逃げた(爆)
そして、その逃げた先からは。
「横っちを喜ばす為その1っ!!取り敢えず手作り料理で対決しよーやないかっ!!」
「ハッハッハ!!望む所だ人間っ!!私の横島クンへの愛の深さ、とくと見るがいい!!」
「言うたな魔神!!俺が負ける思とんかああっ!?とゆー訳で厨房にゴーや!!」
「ああ!!決して説教が嫌だからとか怖いからとかじゃないぞ!!私はただ純粋に横島クンの為にっ!!」
「口に出すな馬鹿魔神っ!!」
・・そんな無駄にでかい、誰かに聞かせる様な声と、ハリセンの炸裂する音。
「・・でも耐久五日はその内絶対にやるでー♪」
「き・・鬼道・・笑顔でキレてる・・」
鬼道の状態を察しつつ、汗ジトで呟く横島だった。
そんなこんなで(一応)逃げ延びた二人は厨房へ到着。
「さあやるでっ!!料理対決やっ!!」
「よかろうっ!!横島クンに気に入られた方の勝ちという事でいいなっ!!人間っ!!」
「ハッ!!オドレみたいな腐れ生物の作ったモンが横っちの口に合うかは多大に疑問やけどなぁ!!」
「酷ッ!!おのれぇ!!貴様にだけは負けん!!負けんぞぉ!!せめて料理の腕では!!」
・・他の事では負けている事を自覚しているのか、拳を握り締めて気合い十分。
「ほう!?自信あるんか魔神!?」
「ふっ!!無論!!伊達に無駄に長くは生きとらんわぁっ!!あらゆる料理に精通している私の腕前に敗北し、地にひれ伏すがいいっ!!・・初めの方に覚えたものは忘れ掛けているがなっ!!」
「威張るなそこでぇっ!!」
取り敢えずハリセンで突っ込みを一発。
「・・そんで、料理は何にする?見た所、結構何でも揃っとるが・・」
「ぽぽー!!」
「ぽー!!」
「ぽー!!」
・・足元では材料を揃えたらしいハニワ兵達が得意そうに胸を張っていたりする。
「・・おう、えらいえらい」
苦笑しながらぱちぱち拍手。
「ぽ!!」
「ぽぽー!!」
「ぽー♪」
嬉しそうにくるくる回るハニワ兵。
「・・優秀やなー。主に似んで」
「さりげに罵倒!?」
「とにかく作るでー。一応作るモンは決めといた方がええやろ。同じモンやないと判定しにくいしな」
「む、それもそうだな。・・しかし、その前にこれを着けたまえ!!」
そう言いつつ、ハニワ兵から受け取ったものを掲げる。
「・・何やねんそれは」
「エプロンに決まっているだろうが!!料理する時のお約束だ!!」
「・・・・・・・・・・他のは無いんか?」
「コレのみだ!!」
キッパリハッキリ言い切る魔神。
(・・・・・・俺が着るのも嫌やが・・コレは・・・・・・)
想像する。
ていうか、魔神は既に目の前でいそいそと着用してるし。
「さぁ貴様も速やかに着けるがいい!!」
取り敢えずキレてみた。
「ミニスカ衣装にフリフリどピンクエプロンはやめろやぁぁぁーーーーーーーーっっ!!!!!」
ズッパァァァァァァァァァァァァァンッッッ!!!!!
勿論ハリセンでの突っ込みも忘れずに。
「私だってできる事なら横島クンにーーー!!」
・・宙を舞いながらのアシュタロスの叫びに、こっそりと同意したのは秘密である。
・・で。
「・・むぅ?」
寝ぼけ眼。キョロキョロ辺りを見回し──
「おう、起きたか横島。・・って、目ェ覚めとらんなー」
苦笑しつつ頭を撫でてくる鬼道の手にほんわかな気分を味わいつつ。
「・・ん〜・・」
・・二度寝の体勢に入る。
「・・オイオイ」
また苦笑。
あの二人が厨房に篭って五時間。
さして目的も無かったので、取り敢えず寝室に移動して休んでいたら横島は眠りに入り、鬼道はそれを見守り。
──今に至る。
と、ばたばたばたっ、という慌ただしい足音。
ばぁんっ!!と扉が開け放たれ──
「横っち!!俺のブッシュ・ド・ノエル!!食えや!!」
「待て!!その前に私の王道生クリームのクリスマスケーキを!!」
・・何故かクリームまみれの二人の姿。
しかもどっちが先に食べさせるかで言い合い。
(・・菓子対決?)
料理なら他にもあるのになぁ、とか思いつつも、静観している鬼道。
そして、肝心の横島はというと──
「・・・・・・うにゅ」
まだ寝ぼけているらしく、ぽけぇ、と二人を見て。
指にくっついているクリームに目をとめる。
言い合い(魔神押され気味)を続けている二人にひょこひょこ近付いて。
ぱく
沈黙。
ぺろぺろ
「・・・・・・・・・ッッ!!!っ!?〜〜〜〜〜っッ!!!」
・・指を咥えられ、舐められ、パニック状態に陥ったのは──魔神だ。
あまりの出来事に頭の中は真っ白である。
その光景を、
(・・あー・・思いっ切り寝ぼけとんなー)
(・・ちっ)
やっぱり苦笑しつつ鬼道が、舌打ちしつつ銀一が見て(睨んで)いた。
くちゅ、ぺろ・・ちゅぷ・・
「〜〜〜っ!!!・・・ッ!?・・・・・・・!!!」
思わず鬼道に目を向け、助けを求める魔神(へたれ)
「(あー、すまんけどムリや)」
手を振りつつ、あっさりと鬼道が瞳で答え。
「(・・取り敢えずその感触楽しんどけや・・今回は許したる。せやけど・・そのまま横っちに何かしたら・・ク・・クククククククッ!!!)」
・・銀一は壮絶な笑みで脅迫してきた(爆)
因みに魔神はそれを受け、幸せなんだか怖いんだかよく解らない微妙な気持ちで涙を流しつつ、それでも横島の舌の感触やらを本能で楽しむのだった。
そんなこんなで。
ちゃんと目が覚めた横島が己の奇行に気付き、文珠で『爆』をかましたり。
相変わらず魔神が銀一に言い負かされたり。
鬼道が先程の怒りをぶり返したのか、説教突入しかけたりもしたのだが。
「・・今日は概ね平和だったなー・・」
しみじみと横島が呟いた通りの日だった。・・横島にしてみれば、だが。
「・・何か馴染んでるかも、この生活・・」
汗を一筋垂らしつつ、それでも、と思う。
「・・鬼道と銀ちゃんに感謝だよなー・・」
うんうん頷きながらそう呟いて。
「私の愛に満ちた生活が愛しいなんて嬉しいよ!!さぁ、照れる事はない!!私の胸に今まさにカモン!!」
「夜這いすんな言うたやろがドアホッ!!」
「大体何やその勘違いに満ちまくったバカ丸出しの台詞は!?ハッ、現状認識もできんかボケがっ!!」
「来ると思ったぜ馬鹿魔神!!俺だって泣いてばっかりじゃねぇぞーーー!!!」
・・どこから湧いたのか、横島に飛び掛かる魔神を一斉に攻撃。・・因みに鬼道と銀一は隣の部屋にいたりする。魔神が何か行動を起こせば本能で察知して飛んでくるのだ。
「ふはははははっ!!諦めんぞぉーーーーーっっ!!!」
何だか楽しそうに絶叫しながら吹っ飛ばされるアシュタロス。・・今更ながら、横島に指を舐められた事にテンションが上がったらしい。
「・・不屈やな、アホ魔神・・」
「迷惑全開やけどなー」
「ったく・・」
と、ぽつりと鬼道が漏らす。
「・・大体クリスマス、もう過ぎとったのにな」
「「あ」」
・・塔の中。
空調のきっちりきいているそこに、何故か寒々しい風が吹いていた。
・・一方。
「・・な・・なんか大変なんだな・・」
汗ジトでそう言うのは一文字魔理。
冒頭でも述べた通り──救出部隊一同に、クリスマスなどは関係無く。
しかも今回、冥子の暴走により入院者多数。
更に言えば、実は既にクリスマスはもう数日程過ぎていたりして。
殆どの者は未だに病院のベッドの上で、色気も何も無く、唸ってたり悔しがってたり次へと闘志を燃やしてたりするのだが。
「・・まぁ、こうして魔理さんと二人でいられるだけで、ワッシは幸せですケン」
「タ、タイガー・・」
色々と巻き込まれ型のタイガー、慣れの為か耐久性に優れていたのか冒頭で割愛された反動か(爆)早々に退院し、恋人さんとほのぼのと、幸せな一時を過ごしていたりする。
「え、えっと・・。アタシんチって、クリスマスを祝うとかしない家なんで、ケーキの残りとかも無いんだけどさ・・。その、小さいヤツでも今から買って、一緒に食べよっか・・?」
「ま、魔理しゃん・・!!」
・・何やらとってもラブラブだ。
しかし──
「何してんのよアンタはぁぁっ!!とっとと行くわよっ!!」
数少ない退院者の一人、美神の乱入に始まり。
「今は戦力がいるのよ・・」
流石に魔族、元々大したダメージは無かったルシオラと。
「テメー、タイガー・・。自分だけ恋人と・・幸せな一時を過ごすなんて、しねぇよなぁ・・?」
弓さんはどうした、な雪之丞と。
「ふふふ・・僕にして連れて行きますよ・・?」
何か色々とヤバイ事になってるっぽいピートと。
「うふふふふ・・ごめんなさい魔理さん・・。タイガーさんをちょっとお借りしますね♪」
笑顔なのに何故かコワイおキヌに。
「あああああっ!!魔理しゃーーーーーん!!!」
「タ、タイガーーーーー!!!」
タイガーを連れて行かれるという事態に陥り、恋人同士のラブラブで幸せな一時は壊されてしまうのだった(憐)
・・因みに結果は・・推して知るべし、である。
──────そうして、日々は続いていって──────
みしぃっ、と、嫌な音がした。
それは彼の手の中から。
それは彼の手の中にある首から。
その首が圧迫されて鳴らされる音だった。
「・・やり過ぎたな、人間・・!!」
そう言葉を吐き出すのは、魔神。
──魔神、アシュタロス。
その顔には、残虐な悪魔のそれが浮かび。
瞳は途方もない殺意を映し。
命を壊そうとしていた。
魂を潰そうとしていた。
・・ある一人の、ただの人間を。
殺そうとしていた。
「・・で?」
足は地に着いている。
しかし、喉を塞がれ、気道を歪められ、息をするのもままならない状態で。
死を意識し、恐怖に怯え、みっともなく命乞いをしても責められないだろう、寧ろそれが当然の状況で。
その人間は、薄く笑みさえ浮かべ、尋いた。
眼差しは強く、何をしようとも折れないと主張するかの様に、魔神を見据えている。
狂気さえ孕んだ笑みを崩す事なく。
「・・それで・・どうする?」
掠れた声。
歪められた気道から微かに漏れる空気の音が混じる、そんな声で。
「永劫嫌われ続けるんかああ!?」
赤いのか青いのか、生命活動の危ぶまれそうな顔色で、無数の汗を全身から吹き出しつつ。
「横っちにオドレが嫌われるんはどーでもええ・・けどなぁ・・横っち悲しませた時点で・・傷つけた時点で・・オドレは地獄に・・堕ち続けるで・・!!」
・・笑みは、消えない。
みぎぃっ、という音。
声にならない呻き。
力が、こめられた。
手に、指に、意思を持って。
・・その言葉を、封じる為に。
だが──
「・・・・・・・・・・」
言葉は、確かに封じられた。
けれど、瞳は魔神を見据えたまま。
その口元は、歪められたまま。
──笑みの形に。
本能で悟る。
・・この人間を殺した時点で、理屈では無く。
精神的に、現実に、真実──この、人間に。
自分は負ける、と──・・。
「・・という夢を見ました」
「・・物騒な夢やなー」
「・・まぁ、殺さんで正解やな」
部屋の中、何故か正座して、しかも敬語で報告しているアシュタロス(人間形態)と、それを何故か部屋の掃除をしながら聞きつつ、呆れた様に感想を漏らす鬼道と、魔神の話に黒い笑みを浮かべつつ、やっぱり何故かベッドのシーツを替えている銀一がいた。
塔の中ではハッキリ言って関係ないが、あと少しで元旦である。
その前の大掃除(モドキ)をしているのだ。
そういう雑用は、いつもはハニワ兵達がこなしている為別に鬼道達がやる必要などないし、元々大して汚くもならないので、そんな大掛かりにする事もないのだが。
何もしないでいるのも落ち着かないと言う事で。
その中でも特に鬼道の主張であった。
・・苦労人というのは、やはりそういうものらしい(爆)
「しかしムダにリアルな夢やなー。良かったな、初夢に見んで。正夢になったりしたら怖すぎやし」
溜め息をつきつつ鬼道。
・・何が、どこがどうリアルなのか、誰が怖いのかは敢えて言わない。
「まぁ、人に言ったら正夢にはならん言うし。・・ん?それは願い事やったっけ?」
取り替えたシーツを整えつつ、首を傾げる銀一。
・・なんだか平和だ。
そんな中。
「ま、俺は殺さん方がええで。面倒な事になるやろーから」
さらっと出た銀一の言葉に、嫌な予感のする魔神と鬼道。
「・・な、何故だ?」
躊躇しつつも尋いてみるアシュタロス。
・・知りたくない気はひしひしとするのだが、知らないでいるのも怖い。
第一、この夢の内容を話しても罵声一つ飛ばない事が不思議である以上に不気味だしで。
そんな恐れを抱く魔神に、銀一はあっさりと、
「ああ、俺が生命活動停止すると、核発射されるから」
間。
「チョットマッテクダサイソコノヒト」
思わずカタカナ語で待ったをかける。瞳は虚ろに、身体は小刻みに震えつつ。止めようとする意思に導かれて上げられた手も震わせつつ。
しかし魔神の様子など気にする事も無く。
「身体にチップ埋め込んできてなー。こんくらいせんと、横っち護れんし」
「・・諸共滅ぶがな」
「それはそれ!!」
「・・私より数十倍タチが悪くないかこの人間・・」
「何言うとる。俺は単に、生死を横っちと共にしたいと思っただけや」
「・・壊れてる・・壊れてるよこの人間・・横島クン騙されるなーーーーーーーーーっっ!!!」
べしっ!!
「錯乱するなや馬鹿魔神。冗談や冗談。そんな技術持っとる訳無いやろ。・・裏の世界のマッドサイエンティストやらに知り合いでもいんと」
「・・ならその(黒い)笑みをやめるべきだと私は思うのだが」
「・・いるんか、知り合い」
二人の突っ込み(?)には反応せず、
「・・まぁ、寿命で死ぬ分には平気やし。そのうちチップ溶けるらしーし。・・外部から衝撃受けんと反応せんよ」
沈黙。
「・・冗談やで?」
にっこりと銀一。
「「・・・・・・・・・・」」
勿論、漂う空気は微妙すぎである。
──と。
「・・その話は終いや。来るで、横島」
鬼道が言った。
その少し後、ぱたぱたぱたっ、と足音。
「おいお前等ー、掃除終わったかー?」
扉を開けて、部屋に入ってきたのは鬼道の言った通り、横島である。
黄色のセーターとGパン・・股下辺りでざっくり切られて短パンになっているそれの上に、水色のエプロンを身に着けた姿で。
・・因みに短パンは銀一の案で、取り敢えず普段から高い露出に馴らしておけば、魔神も暴走せんだろうという事で、なのだが・・真意の程は解らない。
・・まぁ、横島もそういう服装に馴れてしまった感もあるので、別に良いのだろう。・・多分。
「おう。ま、こんなモンやろな」
「そっちも終わったん?別に洗濯なんてハニワ達にやらせてればええのに。それが仕事なんやし」
「いやまぁ・・。ただのんべんだらりとしてんのもアレだし」
銀一の言葉に苦笑しつつそう返し。
「それにこいつらとは顔なじみだしなー」
言いながら、後ろをついてきたらしいハニワ兵達に目を移し、その内の一体にひょいっ、と近付いて。
なでなで♪
「・・くそぅ、兵鬼のくせに・・うらやましい・・」
恨めしそうに魔神が呟く。・・とってもへたれだ。
ハニワ兵も頭を撫でられて心なしか嬉しそうにしている様に見える。頬が染まっている気がするのは気のせいだろうか。
その様子を、
(懐かれとるなぁ)
ほのぼのと鬼道が眺め。
(・・んー・・あれにムカついたら人間失格か?)
ちょっぴり悩んでみたりする銀一。
・・なんだかんだで、やっぱり平和だ。
「・・っと、そーだ、メシだぞメシ!!それで呼びに来たんだった!!」
「んー?何やー?」
「ちょっと早いけど、年越しそば♪」
「おお!!基本やな!!」
「むぅ?年越しそば・・。細く長く、というやつか・・。人間は面白い文化を持っているな・・」
「オドレは太く長すぎやからなぁ・・ハタ迷惑でクソな存在やな」
「ぐはっ!!真顔で言ったな人間!!」
「本気やからな。真顔に決まっとるやろアホがっ!!」
「くっ・・!!私だって好きで魔神として生み出された訳ではないぞっ!!普通に人間として生まれていればっ・・しまった!!それではこの男には太刀打ちできないぃーーーっ!!どちくしょう!!神のアホーーーッ!!!」
魔神、漢泣き。
「ハッ!!今の時点でとことんへたれ丸出し状態の癖してくだらん妄想をっ!!しかも自爆かっ!!情けないなぁ、へたれ魔神がぁ!!」
「貴様が黒すぎるだけだぁっ!!そこらの魔族なんかよりよっぽどタチ悪いぞ貴様ぁ!!」
「でーいっ!!二人共マンザイじみたケンカすなっ!!そばがのびるっ!!」
「おおっ!?・・っていうかマンザイしているつもりはっ!!」
「ああっ横っち!!俺までっ!?つーかこんなんと一緒にせんといてぇ!!」
二人の襟首引っ掴んでずりずり連行。
・・何だか尻に敷かれている気もしないでもない。
そんな三人を苦笑と共に眺めながら、その後についていく鬼道。
その影に、すっ、と戻っていくのは──鬼道の式神、夜叉丸。
「・・ご苦労さん、夜叉丸」
視線はそのままに、小声で労う。
今まで横島を密かに見守らせていたのである。先程、横島が来る事が解ったのはその為だ。
(・・しっかし、魔神人間くさくなったなぁ・・。良いのか悪いのかよー解らんけど・・まぁ、横島が元気やからええか)
「鬼道ー、早くー」
「おー」
横島から掛けられた声に返事をし、鬼道は早足で横島達の元へ向かって行った。
そんでもって。
紅白を見ながら。
「・・何故あんな衣装を着るのだ?歌の大会だろう?」
「・・うーん、微妙に違うよーな・・」
「まぁ、権力誇示やな」
「ええっ!?そーなの銀ちゃん!?」
「いや、違うやろ・・対決やないのか?・・何かアッサリと本職がコワイ事言うたけど」
「・・この人間ならしそうだが」
「・・ケンカ売る気か魔神」
「ハハハメッソーモナイー」
銀一に剣呑な目で睨まれて、カタカナ語と共にカクカク動きになる魔神。微妙に小さく震えている気もする。
そして次の呟きで決定的に。
「・・本当は影武者でも使ぉて出たかったんやけどな・・。ま、アレは裏専用やし」
「はぐぅ!!」
横島にだけは聞かせない声量での銀一のその呟きに、思わず小さく呻いて大きく震える魔神。
・・へたれすぎだ、魔神。
「あ、零してんぞアシュ!!」
「ぬお!?しまった!!」
「マヌケやな」
その笑みがいつもより凶悪なのは、己の言動がもたらした結果への満足感のせいだろうか。
「むがぁ!!誰のせいだぁっ!!」
「喚くなやうっとーしい」
「ぐぬがぁっ!!横島クン!!こんなの信じたら駄目だー!!」
無論その場を収めるのは鬼道の役目である。
溜め息をつきつつも、布巾を渡す。
「ええから拭けや・・アンタもメシ時にちょっかい出すんやないで」
「・・ええやないですか、へたれ魔神なんぞ」
「銀ちゃんてば・・」
面白くなさそうに言う銀一に、横島は困った様に苦笑して。
「横島クン騙されるなぁ!!」
「いーからとっととそば食え!!」
「せやからまず拭け!!」
「私が悪いのか!?」
「阿呆やな、魔神!!」
「ぐはっ!!なんて見下した笑みを!!貴様本当に人間かっ!?」
「ハッ!!へたれがやかましいわ!!」
「・・説教で年越したいならそーしたるで?」
「「ごめんなさいぃーーー!!!」」
「・・やっぱ鬼道強ぇなぁ・・」
結局、鬼道の最強の言葉に場は収まった。
・・なんだかんだと、やっぱり平和な様である(爆)
そんなこんなの後。
──考えてみる。
今の、己を。
(・・私は・・)
周りに人がいる、今。
そこから生まれる、様々な感情。
なんだかじんわりとあたたかいもの。
孤独を忘れる瞬間。
・・知らなかったもの。
予定外に知ったもの。
魔神で在り続ける限り、知る筈の無かったもの。
「・・私は・・」
真に、求めるものは。
求めたものは。
・・考えて、考えて、考えて。
・・オーバーヒート(爆)
「って人の一生など儚く短いのだっ!!悶々と考えている場合かぁっ!!」
衝動のまま叫び、立ち上がり、ダッシュ。
「横島クン!!私と姫はじめをぉっ!!」
「余計な知識をハンパに得るんじゃねぇっ!!」
「そーゆーのはやめろゆーとるやろーがぁぁっ!!」
「その短絡思考どーにかせいやぁっ!!」
ずっばぁぁぁぁんっっ!!! ×3
・・横島お手製ハリセン、鬼道の妙神山から託された神器なハリセン、いつの間にやら携えていた銀一のハリセンで一斉にはたかれ、吹っ飛びながら、魔神は思う。
(・・お約束!!)
しかも何故か親指立ててのサムズアップをかましながら。
・・バラエティの観すぎなのか、マンザイやってるつもりなのかは定かではない(爆)
そうして翌日。
朝っぱらから警報が鳴り響く。
それに反応する一同は──
「むぅ!?ひはは(きたか)!!ひょーほりもはふ(しょーこりもなく)!!」
「・・ひょーはふはらほふろーはらー(しょーがつからごくろーやなー)」
「ふみゅ!!・・へもはんはひひはいれひらひ・・(でもあんまり期待できない・・)」
・・コタツ入って雑煮を食いながらそれぞれ他者に伝わらない発言していた(爆)
「・・三人共、ちゃんと口の中のモン飲み込んでから喋り」
「「「・・・・・・・・・・」」」
もぐもぐもぐ ごっくん ×3
「ふっ!!性懲りもなく来たな人間共め!!」
「正月からご苦労やなー」
「期待はできねーけどな」
鬼道に注意されたので、取り敢えず言う通り飲み込み、改めて言い直し。
モニターオン。
そこに映し出されたのは、相変わらずのGS連中と。
「・・オイコラ馬鹿魔神」
「・・何だい?横島クン」
「・・あの撮った覚えの無い・・つーか撮られた覚えの全く無いポスターらしきモノはナンダ」
「・・念写!!」
サムズアップと爽やか笑顔、更には歯を光らせて魔神が答える。
「死ね!!」
文珠『爆』発動。
「・・どーあっても撃沈するんやな、あの連中」
「あ、虎と神父が暴走に巻き込まれ・・あ、皆してポスター巡ってケンカ・・萌え血やら鼻血やら耳血やら出しまくって地を這っとるっつーのに、凄まじい執念やなー」
「・・他にその情熱回せんのか」
「無理ですな」
「・・あの連中にも説教必要かもしれんなぁ・・」
「・・つーか鬼道さん、あの連中、魔神とどー違うんやろか」
「・・横島を監禁する力がない」
「・・なるほど」
モニターを眺めながらそんな会話を交わす保護者兼教育者と腹黒アイドル俳優さんの後ろで。
「何故俺が振袖なんぞ着ねばならんかーーーっ!!」
「正月には着物の筈だが!?」
「そういう問題かぁっ!!女が着るもんだアレは!!」
「似合うから良いではないか!?」
「どこがじゃアホー!!しかもはだけてんのはどーゆー事だコラーーーッ!!」
「そそるから!!」
「この妄想バカが!!」
「何を言う!!横島クンは存在そのものがこの世の奇跡の具現な程に可愛いのだからあれは真実を如実に映し出している筈!!」
「目ェ腐りすぎじゃおのれはーーーーー!!!」
「ふふ・・本人は気付かぬものだな・・。愛くるしい笑みや可憐な上目遣いや頬を染めた時の何とも言えぬ色香をっ!!!」
「こっ・・殺すぅぅぅーーーーーーーっっ!!!」
「む!!このシチュエーションは・・!!ふふふ・・ここはやはり私を捕まえてごらんなさいと言うべきか!!」
「だから余計な知識を増やすんじゃねぇこのボケ魔神がーーーーーーーーっっっ!!!!!」
・・文珠大連発の追っかけっこをかましていた(爆)
爆発音やら何やらが凄いが、魔神の言動の方が物凄い。
・・ていうかテンション高すぎだ、魔神。
「・・そろそろ止めた方がええかなぁ・・」
「・・にしてもホントーに懲りませんなぁ、馬鹿魔神・・」
二人して溜め息と共に、ハリセンの準備。
そして塔には、ハリセンの小気味良い音が盛大に鳴り響く。
・・とことん間違った方向ではありつつも、平和な日常を送ってるっぽい四人であった。
──ところで、正月である。
正月といえば──
「酒盛りだろう!!」
「マテやコラ!!」
「まぁ、ええやないですか。少しなら」
「少してアンタ・・」
怒るより先に呆れる鬼道の前には。
「・・ふみ」
「って既に酔い潰れとるっ!?」
顔を赤くして半分夢の世界へ入りかけている横島の姿。
「・・横っちかわええなー♪」
「ぶっはぁ!!官能!?って貴様いつの間に!!」
「ククク・・ここんとこ横っちの目があってストレス解消出来んかったからなぁ・・。てなワケで来いやぁ魔神!!オドレの日々のボケな行動の数々に俺がダメ出ししたるわぁぁっ!!」
「ギャー!!私はイケニエですかー!!ってストレスなんてないだろう貴様ぁーーーっ!!」
「オドレの顔見るだけでストレス溜まるんじゃアホォォッ!!」
「そんなムチャクチャなぁぁーーーっ!!!」
「・・つーかこの人も既に酔っとるな・・」
「あ゛ーーーっ!!助けて横島クンーーー!!」
「むにゃあ・・も〜食えない〜」
「ぐはっ!!お約束な寝言に萌え!!」
「やっぱ横っちはええなー♪」
「ってそれなら私に構わず横島クンのかんしょーをーーーっ!!寧ろ私もしたいのですがーーー!!」
「クハハハハッ!!オドレをこの隙に潰しといた方が得策やろがっ!!横っちに残酷シーンは見せられんからなぁっ!!」
「ギャーーー!!魔王がっ!!魔王がココにいやがるっ!!助けて保護者ぁっ!!」
「・・ガンバレ♪」
爽やかにサムズアップで応える鬼道。
「アッサリ見捨てやがった!!」
「オドレ助ける義理なんかがあるかボケがぁーーー!!アーーーハッハッハーーーーー!!!往生せいやぁーーーーー!!!」
「ギャーーーーーッッ!!!タチ悪ーーーーーッッッ!!!!!」
涙を迸らせつつ連行されていく魔神。
「・・ドナドナでも歌った方がええかなぁ?」
魔神と腹黒がやり合ってた時に暇だったのかそれなりに飲んでたらしく、鬼道もちょっぴり酔っていた。
「・・ふきゅ〜・・」
・・そしてその膝には丸まって寝こける横島の頭が乗せられていたりして。
それが当然の様に、鬼道の手は横島の頭を撫でていたりして。
「・・ぽーぽぽー」
「ぽーぽー♪」
「ぽぽぽーv」
──塔の中。
そのままの体勢で寝てしまっている横島と鬼道に毛布を掛けて、後片付けをしているハニワ兵達は。
遠く聞こえる悲鳴やら絶叫やら罵倒やら打撃音やら高笑いやらには頓着せずに。
後片付けをしながらも、何やらほのぼのと、妙に楽しそうに、横島達を眺めていたりするのだった。
季節がズレてますが当時はリアルタイム(爆)だったのでご了承下さい。それと、当時のレスでの影武者ネタ使わせて頂きました、カラカッタの村様(実際に存在は出てきてないですが)・・お気に召しましたか?(オイ)
それでは、次は遅くなると思いますが宜しくです〜。
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