「まったくとは言わないがほぼその通りだよ、赤い本の持ち主よ。
だとしても、現状はさして変わりはしない。
私は・・・・・あなたたちと戦おう
おれは・・・・おまえ達を打ち破ろう
わたしは・・・貴公を魔界へと帰そう
自分は・・・・貴様らを叩き潰そう
ぼくは・・・・君らに平穏と祝福を与えよう
そして 君たちの思いと絆を打ち破ろう」
「ビライツ!」指先から放たれる光線をかわし、ダロスに突っ込む清麿。
「やるぞ、ガッシュ!」途中バランスを崩したのか、地面に手をつく。
次々と降り注ぐ光線に恐れも見せない清麿は、ダロスの眼前まで迫る。
「それ!」「くっ」先ほど掬っておいた砂をダロスの顔にかける。
「今だ、『ザケルガ』」目が見えない状況で咄嗟に身構えるダロス。
彼の体にかかっていた砂が弾け飛ぶ 砂だけが。
「?」ようやく目を開けたダロスが見たものは、自分に指を突きつけてニヤリと笑う清麿。
「今こそ『ザケルガ』」「がああああ」強烈な電撃を浴びるダロス。
「清麿、今のは一体?」
「ヤツの不死身のカラクリを知っておきたかったんでな。
目を見えなくしておいて術の名前を叫んだんだ。『心の力』を込めずに。
そしたら思った通りだった」
「思った通りというのはなんなのだ?」
「ヤツの体に付いた砂が弾け飛んだだろ。
つまりヤツは攻撃が当たる瞬間術を使わず魔力を直接放出して術を受け止めていたのさ。
だからキャンチョメ達のフェイント攻撃は面白いように食らい、この俺たちの攻撃も防げなかった」
「何故そんな事をするのだ?効率も悪かろうに」
「ばれる前なら、さっきまでの俺達のようにあいつの正体や能力が判らず戸惑ったり
探りとして無意味な事をして魔力体力無駄に減らせるだろう。
ばれた後なら、そんな芸当が出来るほど魔力に溢れているのかと相手をビビらせられる」
「溢れて・・・おるのかの?」
「ああ。あいつ自身の魔力に加えて『王になるための戦い』四回分・・・つまり四百人分の魔力を抱え込んでいるんだ。
そりゃもう無駄に有り余ってるだろうな」
「少し違うぞ」律儀に訂正を入れるダロス。
「前回までの参加者からもらった魔力は百年でそれぞれ使い果たした。
つまり今は・・・百四十人足らず分程の魔力しか持っていない」
「だとしても・・・ケタが違うではないか」「いや、そうでもないさ」
「さっきまでの巨大化呪文、そしてその際ウォンレイ達の攻撃を受けた事で相当の魔力を失ったはずだ ・・・おそらく、だがな」
「ならば、そんな私を打ち破ってみたまえ!『ギコル』」
降り注ぐ氷塊を必死で避ける二人。
「フム・・・ちぃとばっか面白ぇ趣向を思いついた。だから・・・『アムルク』『ゼルセン』」「ぐはぅ!」「ガッシュ!」
ダロスの手が岩に包まれ、打ち出される。カッ飛ぶ両の拳はガッシュを捉える。
「お前さんはちょいと寝てな!『フリズド』『ザケル』」
瞬時にガッシュは氷に閉じ込められ、電撃がその氷柱を撃つ。
「四つの呪文を・・・同時に?」
「まあね。さて赤い本の持ち主よ。少々遊びに付き合ってくれ。
俺は・・・邪悪だぜ」
続きます
逆転のカタルシスを盛り上げるためですが、ダロスの力強さを一方的に誇示する結果となりました。
次からしばらく『裏ダロス』の残酷非道さをアピ−ルする事になると思います。
・・・そういえば・・・ブラゴ達の事忘れてたな・・・どうしよ?
あと、漫画版「金色のガッシュ」第一話表紙にデモルトとベルギムEOが出てて驚いたです。