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「SASUKE 憑依伝 波の国突入編 9(NARUTO+オリジナル 現実→憑依)」

相原 (2007-03-15 15:41)
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次の日、俺とサクラは建設途中の橋に居た。カカシに命じられてタズナの警護に当たっているのである。ナルトはまだ修行中で、昨日俺達が戻ってきた時は服がびしょ濡れなお陰で額当てにパンツいっちょな格好で修行をしてた。風邪引くぞ?


「ん〜〜〜〜・・・暇ね・・・・・」
「そうだな。」


俺の隣で欄干もたれ掛かって伸びをしながらサクラが言った。サクラとは違い、俺の手にはある物が握られている。


「ところでサスケ君、さっきから何縫ってるの?」
「それは・・・内緒だ。」


チクチク縫い続けながら答える。やがてその布地の端まで縫い終わると、この数年で習得したプロも真っ青な裁縫術で留めた。うん、完璧。
縫っていたのは俺が今着ているのとよく似た―ただし色は更に濃い漆黒―厚めのコートだった。ただし今着てるのより倍は重く布地も分厚い。
更に一見余っているように見える袖の部分の裏側には口寄せの術式がびっしりと埋まっていて、首を包む襟の部分には刃物対策を施してある。そして激しい動作にも対応できて動きやすい。
通気性が悪いのが難だが。


1ヶ月ぐらい前から作り始めてやっと完成した、戦闘用の衣装だ。防刃性能の高い生地を何十にも重ね合わせ、更に真ん中の層は暗殺用のワイヤーなどに使われる超丈夫な極細金属線で織られてある。これはギンジさんの所から都合して貰ったやつだ。
いっぺん強度を試してみたけど、70%ぐらいの威力で至近距離から放った『魔弾』が貫通できないぐらいだ。まあ現実の防弾チョッキと同じく衝撃までは向こうにできないみたいだけど、少なくとも手裏剣やクナイ程度では貫通はほぼ不可能だ。斬り付けられても大方跳ね返せるだろうし。


「すっごい、私なんかよりよっぽど上手・・・・」
「そうか?まあ、自分やナルトの服で縫い慣れてるからな。ナルトの方は最近はヒナタに頼んでるみたいだが。」
「ふーん、でもあの2人ってホント夫婦みたいよね。ヒナタはナルトによくお弁当とか持ってってあげてるみたいだし。」
「確かに、最近は俺よりもヒナタの方がよくナルトの飯を作ってやってるがな。お陰で好き嫌いが無くなってくれて助かってるが。嫌いな野菜もヒナタの作った料理なら喜んで食べてる。」
「アカデミーの調理実習で作った時も、ヒナタの料理が一番美味しかったっけ・・・・」


そんな他愛の無い、けれどえらく心地良い会話をしている内に、今日1日は終わったのであった。


「だーっ、ちべたかったってばよー!」
「ナルト、アンタ家に上がる前に体拭いたらどうなの!」


そんな声に混じって布に何かが当たる音が微かに台所に届いた。
多分修行でずぶ濡れのまま上がろうとしたナルトに、サクラがタオルを投げつけたのだろう。相変わらず考え無しに行動するナルトに、俺は思わず溜息を漏らした。
それを聞いたのか、隣で一緒に料理を作っていたツナミさんがクスクスと笑いを漏らす。


「・・・・でもわざわざ晩御飯の準備なんて手伝わなくても良いのよ?何たって君達は木の葉の里から父さんを護衛して来てくれたお客さんなんだし。」


トントントン

包丁がまな板を叩く音が心地良い。


「気にしなくても良いですよ。家事とかは俺の特技ですし、家に帰ってもやってて慣れてますから。」
「ふふ、お母さんとかの手伝いでもしているの?」
「いや、俺の家はよくナルトとかが泊まりにくるのを除くと俺しか住んでないんですよ。」


トン


音が止んだ。


「・・・・・ごめんなさい。不用意にそんな事聞いて。」
「気にしなくて良いですよ。別に孤独って訳じゃないんですから。ナルトやサクラとかが俺には居ますしね」
「・・・・・・・・・強いのね、君。」
「そうですか?と言うより慣れたというか、もうこの世に居ない人間の事で一々悩まないだけですよ。ただ、忘れたりはしませんけどね。」
「そう・・・・やっぱり、強いわ、君。」


トントントントン


再び奏でられ始めた包丁の音と共に、俺とツナミさんの会話は終了した。


その後俺達はイナリに、そしてこの国で何があったのかをタズナから聞いた。
・・・・何というか、目の前でタズナから聞いてみるとあまりに重々しすぎて最初から知ってる筈の俺もキツいです、はい。
話を聞いたナルトがまた修行し始めたのは原作通りだった。もっとも修行場所はこの家のすぐそばの水辺で俺も家の中からその様子を覗いてたんだが、とうとう限界に達したナルトがよりにもよってそのまま水の中に沈んでしまって慌てて俺も冷たい水ん中からナルトを引っ張り上げる羽目になったのは別の話だ。


それから数日後の、早朝の事だ。
ふと誰かに揺さぶられて目を覚ました俺が隣を見てみると、いつもの格好でナルトが屈み込んでいた。その体勢のまま人差し指を自分の口を当てて『静かに』と合図する。
その反対側では昨晩昔話をした後一緒に酒を飲んでいたカカシとタズナが寝っ転がって居る。タズナは大いびきを掻いているがカカシは・・・・一見静かに寝ちゃいるが、きっと俺達の気配に気づいて目覚めてる筈だ。多分。


「一体なんだ?」
「あのさ、鈍っちまうといけないから体術の特訓に付き合って欲しいってばよ。」


確かに、ここ数日ナルトはチャクラを足の裏でコントロールすると同時に術を発動させる為の特訓で体術などに関してはまったく鍛えちゃいない筈。
こういうのは日頃の積み重ねだ、ってナルトに教えてやってたから、気になって仕方無いんだろう。
俺も波の国に来てからはナルトはカカシが教えているのでサクラ相手に少し組み手をしていたが、そっちの方は言っちゃ悪いがナルトと比べて結構差がある為『本気の組み手』が出来ずにいて少し気になってた所だ。ちょうど良い。


「そうだな・・・よし、いっちょやるか。」
「それでこそサスケだってばよ!」


小声で元気よく叫ぶ(ってなんかおかしいがニュアンスは分かると思う)ナルト。先に家を出たナルトを追いかける形で俺も上着を羽織って家を出たがその前に、


「サクラに俺達の事を伝えといてくれ。」


と、狸寝入りをしているであろうカカシに向けて言ってから、俺は後を追った。


「・・・いい勘してんじゃないの。」


ほらやっぱり。


「そりゃっ!」
「甘い!!」


ほぼ密着した状態――――超至近距離で俺とナルトは攻防を繰り広げていた。


ナルトがショートパンチを繰り出すと、俺は直撃する前にその拳を受け止めて掴み、そのまま拳を開かせながら手の平を上に向かせて手首の関節を極めようとする。
それを察知したナルトは膝関節の内側を狙って現実世界で言う軍隊流―前の世界で本で読んだやり方を俺が教えた奴だ―の蹴りを飛ばす。それに気づいた俺は半歩下がって回避するが、その隙に極めようとしていた立ち関節技を外されてしまった。

今度は俺から仕掛ける。右のローを放って避けられるがそれは囮。そのまま左足を軸に回転し、上から下に振り下ろすように肘を一閃。
ナルトはそれを掲げる様に両手で受け止めた。だが代わりにがら空きになった脇腹に左ひざ蹴りを放つ。瞬時に反応したナルトは右手を下ろし肘で俺の膝を迎撃。ガッ!と微かに響く鈍い音。


この間、僅か5〜6秒ぐらいの攻防だ。
そんな、瞬時に相手の反応を読み取って反撃に移る攻防が20分ほど・・・時計はそばに無いから俺の勘だが・・・続いている。俺もナルトも既に汗だくで息は荒い。


術も俺の写輪眼も何も無しの、純粋にそれぞれの身体能力や反射神経だけが頼りの本気の組み手は、僅かながら俺の方が有利だった。

でもナルトの方は昨日もチャクラが無くなってぶっ倒れるまで修行をやってたのを考えると、互いにベストの状態でやったらナルトの方に軍配が上がりそうな気がしてきた。
まあナルトの十八番は近接戦闘なんだし、俺は忍具でそこらへんフォローしてるんだからまあ良いんだけど。

そんな事を考えてる俺を他所に、一旦俺と間を取ったナルトは『溜め』を作ると素早く俺の懐に飛び込んできた。


チャクラによって脚力を強化はしちゃいないが―――それでもかなり速い!


「うおりゃあ!」
「っと危ねえ!」


頬を飛び込んできた勢いをプラスした強烈な右ストレートが掠める。
あまりの威力に掠めただけでパックリ頬が切れたが、俺はそれに構わず拳が戻る前に右手で右腕をしっかりと掴んだ。


「ゲッ!!」
「隙ありだ、ナルト!」


一閃。

右手を掴んだまま、俺は片手でナルトを背負うとそのままぶん投げた。そのまま数mほど飛んでいくナルト。結構体重が軽いので勢い良く行ってしまったが・・・・受身、ちゃんと取れるよな?


そのままナルトは背中から、草薮に突っ込んでしまった。


「ぎゃんっ!!」

「わっ!?」


・・・・・・What's?


今声が2種類聞こえませんでしたか?


慌てて俺は、ナルトが突っ込んだ方に向かう。そこには・・・・・・


「え、えーっと、大丈夫ですか君!?」
「ふにゃ〜〜・・・ヒナタが3人、お空に舞ってるってばよお〜・・・・」


――――頭にでっかいたんこぶを作って目がナルト状態なナルト(ギャグにあらず。いや、ギャグか?)と、

袖なしの着物を着た少女――――白(♀)が俺の目の前に居た。


あとがき:なんだか、中途半端だなあ・・・
次回の白との邂逅はもっとちゃんと書けるようがんばりたいです。というか、前回のナース白がこれだけ反応を呼ぶとは思いませんでした(苦笑)

>俊様
>朱雀様
>sk様

どうもありがとうございます。この世界ではサクラが色んな意味で弱い分、白を強く(違う意味で・笑)してみたんですが、好評なようでありがたいです。
ザブ白が幸せになるかどうかは・・・期待して頂ければ光栄です。

>フィーア様

サスケ×多由也ですか・・・・それもありかもしれませんが、自分が書いてみたいのは牙多由・・・ゲフンゲフン!(マイナー過ぎ)

>somosomo様

いっぺん砂吐くぐらい甘いのを書いてみたかったのでそう言って頂いて光栄(?)です。

>一言神様

果たしてどっちが攻めなのか受けなのやら(笑)

>ブック様

お帰りなさいませ、ご主人様(オイ)。無事にご帰還していただいて何よりです。
あ、あのセリフですか。自分は普通に流したので気づきませんでした。
サクラは・・・ある意味、原作より乙女にしたつもりなんですが、こんなんで良いんでしょうかね?
再不斬へのエール、ありがとうございます(笑)果たして我が家のサスケとぼやき合う仲になれるかどうかは首を長くして待っていただければ幸いです。

>R−44様

やりましたよ。ええあの格好のままやりました。ガトーが変な趣味に目覚めてなきゃいいけど(笑)
ガトーがそっちの領域(ロリペドの領域)に入り込みかけたかは神のみぞ知るという事で。


レス返しがいつもより長くなりましたが、今日はこれで失礼。

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