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▽レス始

「SASUKE 憑依伝 波の国突入編 8(NARUTO+オリジナル 現実→憑依)」

相原 (2007-03-14 15:44/2007-03-14 15:46)
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「・・・・・96、97、98、99、100、101・・・・」


ゴヅッ!


「・・・・154、155、156、157、158・・・・・」


ゴチン!


「・・・・・・・・サクラ、大丈夫か?」


木登り中のサクラの隣の木でトレーニング中だった俺は、上下逆さまに木の枝からぶら下がった―正確にゃチャクラを足の裏に集めて張り付いた―状態のまま、6〜7m下で倒れているサクラに聞いた。
何度も何度も落下したお陰で、サクラの服やむき出しの手足は原作のナルトよろしく既に擦り傷などでズタボロである。まあ落ちた回数はかれこれ2桁は既に越してるから当たり前っちゃ当たり前だが。頭とかを強打して無いだけまだ良い。
だが原作だとサクラは、最初っから要領良くこなしてさっさと木登りを習得してた筈だ。

そのサクラが今、何度も何度も失敗している。


――――調子でも悪いのか?


「おいサクラ?」


反応無し。最悪の事態を想定した俺は慌てて受身を取って着地する。
しかしその前にサクラは立ち上がって、クナイ片手に再び木に向かおうとする。その足取りがかなりおぼつかないものだったので、俺は慌てて引き止めた。


「休憩しろ。それだけふらついてると登る前に木に正面衝突する事になる。」
「でもまだ少ししか登れてないし・・・・」


10m程の高さのサクラの木の幹には、確かに最高で3mぐらいの高さにしか刻まれていない。俺の出した課題―1番上の枝の所まではまだ5m以上ある。


「とにかく少しは体を休めろ。3時間ぶっ通しでやって、疲れでチャクラが練れてないんだろう?」
「けど・・・・・・」
「サクラは俺やナルトほど体力もチャクラも無いんだ。自分の限界を見極めるのも忍者として大事な事だろうが。」


少々キツイ言い方になったが、そうでもしなきゃサクラが止まりそうに無かった気がした。
サクラはしょんぼりしたように肩を落とすと、彼女が木登りの練習に使っている木の根元に腰を下ろした。満足そうに頷いてから懐から口寄せの巻物を取り出して、救急箱を口寄せする。


「さ、サスケ君・・・!?」
「少々沁みるかもしれないが、動くなよ。」


まず足や腕の擦り傷を消毒。白い肌のあちこちに血が滲んでいて、脱脂綿が消毒すると同時に血も吸い取っていく。沁みて痛いのか時々サクラの体が震えたが沁みるのはしょうがないので進めてく。なぜかサクラの顔は血よりも真っ赤だったが。


「・・・っと、顔にも傷が出来てるな。」


頬や額にもいくつか擦り傷が出来ていた。顔は女の命とか言うが、そんなのも気にしないぐらい熱心に木登りの特訓をしていたのかと思う。
ちなみに顔の傷を良く見ようと顔の高さをサクラに合わせて向き合っていたのだが、


(さ、さささサスケ君の顔がこんな目の前に〜〜〜〜〜!!)


なんてサクラの脈拍がドキドキどころか秒速16連射状態だった事を、俺は気づかずじまいなのだった。


「サクラはもっとチャクラコントロールが上手いと思ってたんだが・・・・」


小休止を経て俺達は再びマンツーマンで木登りの特訓を行っていた。
俺がいくつかコツを教えてやると少しはマシにはなったが、それでも真ん中辺りで急停止してしまう。それが30分ぐらい繰り返されてからの、俺のセリフだった。


(こういう時は・・・・悩み事か何かがお決まりのパターンだよな)


一般論というか、本やアニメとかに出てくるスランプの原因を思い浮かべ、こんな時はどうするものなのか考える。


(まあ、まずは何を悩んでんのか聞き出した方が良いよな)
「・・・何か、悩み事か?」
「え、いや別に、悩んでなんか無いよ!?」


慌てたようにサクラがそう言って笑顔を見せるが、その笑顔もどこか暗いものが混じった表情だ。


「嘘吐け。そんな痛々しい笑顔じゃ逆に悩んでるのを自分からバラしてるようなもんだ。」
「う・・・・・・」
「・・・そういった事は正直に話した方が少しはスッキリするぞ。俺なんかが相手でも良いんならな。」


でも恋愛絡みはカンベンな!恋人なんて持った事無いんだから。心の中で心の汗を流しながらもそう付け加える。

お前自身はどうなんだ、って突っ込みは無しで頼む。肉体は兎も角精神は元々異邦人なんだから、考え方や知識で色々食い違って面倒なんだよ。


「・・・・・サスケ君って、凄いよね。」

「はぁ?」


俯いてしまったサクラの発した言葉に、俺は思わず間抜けな声を出してしまった。

・・・・凄いって、何が?


「ナルトもアカデミーとかじゃ勉強は駄目だったけど体術とかは良かったけど、下忍になってからもどんどん成長しちゃうし、前襲われた時も返り討ちにしちゃったし。カカシ先生が苦戦しちゃうような凄い忍者も、サスケ君と一緒に何とかしちゃうし。
なのに私、何も出来てない。再不斬が襲って来た時も、雲隠れに襲われた時も。手裏剣とか投げつけたり出来た筈なのに、私は何も出来なかった。」
「サクラ・・・・」
「私、怖かった。いくら敵だからって、同じ『人』を傷つけるのが怖かったの。」
「・・・・・・・・・・」
「サスケ君、私、忍者に向いてないのかな?『人』を傷つけるのが怖かったら、忍者になれないのかな?」


顔を上げたサクラの顔は、自嘲的な笑みが張り付いていて。


その目には涙が溜まっていて、声は震えていた。


―――――つまりサクラは、雲隠れに襲われた時の俺と同じジレンマに陥ってる訳か。

もっとも俺の場合はさっさと腹を括らなきゃ今この場には射られなかった訳で、サクラみたいに深みに嵌る余裕は無かった訳で。

・・・・・こうやって深みに嵌って悩んでるサクラを見てると、何だか自分が幸運な気がしてきた。
少なくともこうやってドツボに嵌って足踏みする羽目に陥っちゃいない。


(元がいくら架空のキャラとはいえ、ここじゃ忍者以前に只の子供でしかねえもんなあ・・・・)


少なくとも普通の子供より大人びてるとはいえるが、この年であっさり人を傷つけたり殺したりするのはキツイだろう。
むしろ10歳やそこらで上忍になっちゃったり暗部に入っちゃったりしたカカシやイタチとかの方が、元々一般市民だった俺からしてみりゃおかしいと思う。
この世界じゃ、それはただ単に『凄い事』扱いなんだからハッキリとは言えないが。


それはともかく、サクラの言葉を聞いたからには俺も何か言った方が良いだろう。


さて、何と言ったものやら。


「・・・・・割り切るしか、無いだろうな。忍者としてサクラが向いているかどうかは別として。」
「割り切・・・る・・・・?」
「もし相手が襲ってきたらそいつは『人』である前に『敵』だ。敵はただ敵として対処して、殺したとしてもその事を悩むのはそこから生きて帰ってからだ。生きて帰ってからなら、悩む時間はいくらでもある。
『敵』に出くわす度に一々悩んでもどうにもならない。そんな事やってて殺されりゃ、それこそ殺す事を悩みたくても悩めなくなるぞ?ナルトはどうか知らないが。」


最初の実戦で俺も戦ってる最中に悩んでズタボロにされたのは置いとこう。

ナルトは――――『襲ってくる奴はとにかくぶっ飛ばす!』とかしか考えてないんだろうなあ、多分。


「・・・・・・サスケ君は、割り切れたの?」
「最初に雲隠れの忍びを殺した時か?」


サクラは黙って頷いた。


俺が初めて人を殺した時、か。


あの時は――――――


「・・・・・・・・割り切る前に、夢中だったな。サクラを守ろうと必死で。」

「え・・・・・あっ・・・・・・・・!!!!///」


自嘲気味に呟いてみたが、なぜかサクラはさっき以上に真っ赤になってしまった。俺、なんかおかしな事言ったっけ?


「さ、さささささーて、も、もももっかいやってみるねサスケ君!!」
「あ、ああ。」


なんだか無理やり木登りの特訓を再開するサクラに気圧されつつも、どうやらいつもの調子を取り戻したらしいサクラの様子を見た俺は、まあ良いかと納得したのであった。


ちなみにその後、気を取り直したサクラはあっさりとてっぺんまで登りきってノルマをクリアした事を追記しておく。


おまけ:


「つ、次だ!次に失敗を繰り返せば、ここにはお前らの居場所は無いと思え!!」


バタンッ!!


「白・・・・余計な事を・・・・・」


結構大きめなベッドの上で、再不斬は呟いた。掛けられた布団の下ではいつでも振るえるようクナイが握られている。


「わかっています。ただ、今ガトーを殺すのは尚早です・・・ここで騒ぎを起こせばまた奴らに狙われることになります。今は我慢ですよ・・・・」


そう言って、白は再不斬に笑いかける。
再不斬の方もそれを聞いて頷いてはみせた。だがこめかみ辺りはなぜがピクピク引きつっていて、額の辺りにはマンガでお馴染み怒りマークが浮かんでいる。


「ああ・・・そうだな・・・・・だが1つ聞かせろ。」
「はい、何です?」


「何で・・・・・・お前はナース服なんて着てるんだ!!!?」


そう、再不斬の言う通りなぜか白の着ているのはいつもの着物と洋服がごっちゃになった物ではなく純白のナース服であった。キャップ付で。


しかも体のラインが良く浮き彫りになるもので、年の割にはグラビアアイドル(この世界にそういったものがあるのかは兎も角)も真っ青なメロンが2つとか、鍛えられてきゅっと締まったお尻とか、とにかく健全な男からしてみれば生唾ものなんですハイ。


「ああ、これですか?昨日再不斬さんをここ(隠れ家)に連れ帰って寝ちゃった後に作ってみたんです。喜んでくれると思って。」
「・・・・・1からか?」
「はい。」


思わず絶句。忍びの習慣からか朝起きるのは結構早い。その時には既に白はナース服を着ていた。白がこんな事で嘘をつくわけ無いので、自分が眠りに落ちてからほんの数時間の内に本当に作ってしまったらしい。


「・・・・・・・・」
「あの・・・喜んでくれませんか?」


涙目になりながらで再不斬を見る白。その様子は鬼人と呼ばれる再不斬を色んな意味で追い詰める。主に下半身を中心に。


「・・・・・・・・(うるうる)」
「・・・・・ええい、勝手にしろ!!」
「良かった、そうですか。」


一転して嬉しそうな笑顔になった白は、おもむろに再不斬にかかっていた布団を引っぺがした。


「な、今度は何のつもりだ!?」
「何って、体を拭くんですよ。昨日再不斬さんお風呂入っていないんですし、まだ十分に動けないんですから僕が拭いてあげないと。」
「いい!1日風呂に入らなくたって死なんわ!」
「だーめーです!再不斬さんは僕がしっかり綺麗にしてあげますから!!」


呆れるべきか砂糖か砂を吐くべきか迷ってしまう攻防は・・・・・・・白が嬉々として濡れタオルを絞っていたとだけ言っておこう。


あとがき:微妙です。シリアスもギャグも。
割り切る云々の所はハ○ネ兄貴のセリフをまんま使ってみたかったんですが断念いたしました。ていうか、白が攻めキャラと化しています(笑)
3月中に波の国編を完結できればいいなあ・・・

>D.C様

親馬鹿再不斬ですか・・・それは自分も面白そうだと思いますが、多分我が家の彼はひたすら押される事になりそうです(笑)
これからも応援よろしくお願いいたします。


今日はこれで失礼。

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