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「SASUKE 憑依伝 波の国突入編 5(NARUTO+オリジナル 現実→憑依)」

相原 (2007-03-08 15:23)
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突然の閃光と轟音。


サスケが炸裂させたそれ―閃光音響弾にいち早く気づいた再不斬は、炸裂寸前に目を閉じて顔を背ける事に成功していた。それが隙を生み出す事は承知の上だったが、まともに見るよりはよっぽどマシだろう。

が、耳までは塞ぐ事ができず―もっともカカシを水牢に閉じ込めておく為に右手は塞がったままから、片手だけじゃ完全に防ぐ事は出来ないのだが―音のあまりの大きさに鼓膜から脳を直接ぶっ叩かれた様な感覚に再不斬は襲われた。

元々忍者は敵の気配や微かな物音を感じ取れるよう、感覚を鍛えて鋭くしている。
特に再不斬は無音殺人術(サイレントキリング)の達人であり、特に聴覚はかなり鋭い為、閃光音響弾の影響をもろに食らう羽目になった。それでも回避が間に合わなかったサクラやタズナみたいに一時的な失神状態にはならなかった辺り、流石は鬼人と呼ばれるだけあるという事か。


閃光はともかく大音響の影響を受けつつも、常人とは比べ物にならない速さで回復した再不斬。
閃光が止んだのを確認してから、目をうっすらと微かに開く。


――――目の前に、ナルトが接近していた。


閃光と轟音に紛れて突っ込んできたらしい。両手を青く光らせて、首に引っ掛けていた遮光機能付の特殊ゴーグルを装着していた。

左手で背負っていた首切り包丁を振り下ろす。殺意のこもった容赦無い一撃だったが。


ガギン!


水分身の時同様、手甲から発せられたチャクラの盾にその一撃は止められた。
ナルトは再不斬同様、水の上に立って踏ん張る。サスケはというと、こっちも水分身の時同様その間に再不斬の背後に回りこんで、チャクラを流し込んでいない『劫火』で斬りつけようと・・・・


「同じ手が通用するかぁ!!」


ブォン!


首切り包丁を左手一本で軽々振り回し、左足を軸にその刃を180度水平に振り回す。
同時にナルトに向けて強烈な右前蹴りを食らわせふっとばし、サスケの体は腰から上下に真っ二つと化す。


――――そして同時にナルトの体は煙を上げて消え、サスケの体は水と化して消えてしまった。


「影分身と水分身だと!?あのガキもコピーしてやがったのか!」


驚愕する再不斬。その時ビンッ、と張り詰めた弦を弾いた様な音が陸の方からしたかと思うと、振り向いた瞬間には投擲された手裏剣よりも遥かに速く飛んでくる矢が目の前に迫っていた。
咄嗟に首だけ捻って避ける。顔に巻かれた布ごと矢は、再不斬の右頬を切り裂いていった。

陸地の方を見てみると、サスケがいつの間にかどこからか取り出したクロスボウを構えて再不斬に向けて立っている。


「この・・・!」


激昂する再不斬。印を組んで術を発動させようとしたが――――その時、また背後で音がした。影分身や変化が解けた時のような音が。


「とりゃあっ!!」


再不斬どころか、水牢の中から一部始終を見ていたカカシでさえ気づかぬ間に後ろに回りこんでいたナルトが、握っていたクナイを再不斬に向けて投げた。
直撃コース。散々前後に体を捻ったお陰で不安定な体勢になっていた再不斬は水牢から手を離し、掠めた髪の毛数本を犠牲にしてクナイを避ける事に成功する。


だがその代償は、再不斬を窮地に追い込む事になる。


勢いあまって危うく水中に落ちそうになるが、何とか水面に着地して立ち上がるナルト。
再不斬は怒りに駆られて首切り包丁で斬りかかったが、その前に水牢から解かれて濡れ鼠のカカシが、クナイを構えて受け止めていた。

得意そうにニヤリと笑っているナルトと、カカシが水牢から脱しても安心せずに再不斬に発射口を向けたままクロスボウに次弾を装填するサスケ。

2人を交互に見てから、カカシは口を開いた。


「お前ら・・・作戦、見事だったぞ・・・・・」


2人の作戦はこうである。


まず一瞬でも良いから相手の視界を奪い、ナルトの分身が真正面から突っ込んで相手の気を引く。その間にサスケ―こっちも分身―が背後から襲う。その間にナルトの本体はサスケが愛用しているクロスボウ―『魔弾』―の矢に変化する。

今度は背後に気を引かせた後、サスケ本体が正面から『魔弾』を放つ。この時のコツは撃ち落されるほど遅すぎず、避けきれないほど速すぎない様流し込むチャクラを調節する事だ。

そうして避けさせて再び正面に注意を払わせる。その時を見計らって標的の後ろに飛んでいったナルトが変化を解いて攻撃する。


言ってしまえば単純な罠を2度繰り返すだけの物である。

だが単純なだけに1回目を回避しただけで安心する者は多い。まさかこれだけ単純な罠を2回連続で使うとは思わないからだ。


「ちっ・・・・俺とした事が、カッとして水牢の術を解いちまうとはな。」
「違うだろう、『解いた』んじゃなくて『解かざる負えなかった』んだろう?」


カカシに言われて思わず額に青筋を浮かべる再不斬。そのセリフにナルトだけでなく、サスケや閃光音響弾の影響から抜けたタズナも思わずニヤリと笑みを浮かべた。サクラは・・・・彼女も笑ってはいたが、そこには何故か翳りも混じっている。


「さて・・・俺に2度と同じ術は通用しない。どうする?」


 カカシの台詞と共に2人は同時に後ろへ飛び、そしてもの凄いスピードで印を組み始めた。


「「丑申卯子亥酉丑午酉子寅戌寅巳丑未巳亥未子壬申酉辰酉丑午未寅巳子申卯亥辰未子丑申酉壬子亥」」


まったく同じスピード・タイミングで印を2人は組む。


「「酉!水遁!!水龍弾の術!!」」


2人の間を巨大な2頭の水龍が水しぶきをあげ、ぶつかり合った。
その中央で再不斬とカカシは首切り包丁とクナイでぎりぎりと組み合い、鍔迫り合いを続ける。


(おかしい・・・・どういうことだ・・・・?)


カカシの行動に再不斬はどこか違和感を覚えた。それを確かめるように再び距離をとりながら円を描くように移動する。


そして立ち止まり、左手を上に掲げ印を組む。そしてカカシはそれをまったく同じ動きで反映する。まるで鏡を見ているような感覚を、再不斬は覚えた。


(こいつ、俺の動きを完全に―――)
「読み取ってやがる・・・・」


カカシの言葉に再不斬は動揺した。


そんなバカな。


(何!?俺の心を先読みしやがったのか?くそ!!この野郎―――)
「むなくそ悪い目つきしやがって―――か?」
「!!!」


カカシの挑発に内心怯みつつ負けじと言い返す。


「ふん、所詮は2番煎じ・・・・・」


『お前は俺には勝てねぇよ!猿真似野郎!!』


完全に言い当てられ、再不斬はついにカッとなった。


「!テメエのその猿真似口2度と聞けないようにしてやる!!」


印のスピードをあげてカカシより速く術を発動しようとしたが、カカシの背後を見て止まってしまった。


カカシの背後で立っているのは―――


(あれは俺!?奴の幻術か!?)


再不斬が驚愕する中、カカシは再不斬より速く印を組み終わった。そして同時に、左目の写輪眼の巴文様が激しく回り始める。


「水遁!大瀑布の術!!!」
「な!?何だと!!?」


再不斬は動揺した。
それはそうだろう。自分がかけようとした術がカカシから―それも自分より速く―発動したのだ。再不斬はそのカカシの前から発生した大量の水の渦を無防備な状態で食らってしまう。


(術をかけようとした俺の方が何で追いつけない・・・!?)


木に叩きつけられたと同時に、数本のクナイが体に突き刺さる。叩きつけられた木の枝の上にはカカシがクナイをもってたたずんでいた。
ついでながら、サスケ達も巻き添えを食らいかけてたりする。一番煽りを食ったのは水上に居たナルトだったが。


「お前は・・・・未来が見えるのか?」
「ああ・・・・・お前は死ぬ。」


カカシが再不斬に止めを刺そうとしたその時。


ドシュドシュッ!!


「!!!?」


―――カカシがクナイを振るうよりも速く、肉を貫く音と共に再不斬の首に千本が2本、突き刺さった。


――――――やーっとお出ましか。


俺はいつの間にやらやってきていた面をつけた小柄な人間・・・正体を隠した白がやって来たのを見て、『魔弾』の発射口を下ろした。


確かに白は再不斬の仲間だった筈だ。首を千本で貫かれて死んでいる再不斬も実は仮死状態なだけ(いや、死んでる事にゃ変わりないけど)で、白が再不斬を助けに来たのが真相だって事は俺はわかってる。
だが今その事を言ったとしても、むしろ面倒な事になるだけだ。カカシはこの後ぶっ倒れる筈だし、第2ラウンドを始めるにゃこっちは少々不利過ぎる。


俺が原作を知っている者ならではの事を考えてる間に白とカカシの会話が終わり、瞬身の術で白が再不斬の死体―正確には仮死状態だが―のそばに降り立ち、再不斬の体を担ぐ。

その時、ふと俺は何か違和感を感じた。

だがどこが原作と違うのか内心首を捻ってる間に、ナルトが水から上がってきて(一番上忍同士の戦いの煽りを食らってカカシと負けず劣らず濡れ鼠になってた)、白に食いつき始める。


そしてもう1度白の方を見てから、俺はやっと違和感に気づいて・・・・・・思わず、顔を引きつらせる羽目になった。


ハハハ、そう来たかよ――――


「うわ、すっげえやり辛くなったぞオイ・・・・・・」


思わず素で呟いてしまい、内心冷や汗が垂れる。
いや、同人の世界じゃそーいうのありがちだけどさ。まさかよりにもよって実際にそういうオチでくるかよ普通?

実際にはすぐそばで喚いてる筈のナルトの声も、今の俺にはずいぶん遠くの声に感じてきてしまった。


顔を上げて左手で顔を拭う様にしてから俺は、また白の方をちらりと見やった。特に胸の辺りを。


原作じゃ普通にペッチャンコだった筈の胸元は―――――ハッキリと、2つのふくらみを浮き彫りにしていた。


あとがき:そんな訳で、白が女の子になってます。いやま、白女体化が微妙にメジャーに感じてるのは自分だけかもしれませんけど(汗)

>somosomo様

サスケの決め台詞は大半が元ネタ付になる予定です、元がオタクですから(苦笑)
流石に声優ネタで『うちはの誇りにかけて・・・・』とかいうのはキャラに合わないので使わないと思いますけど(笑)

>ブック様

戦隊物でどうして悪役が変身途中に攻撃しないのか疑問に思ってた口です。
ピンク版はネタによってはナルヒナというよりヒナナルになる可能性がありますが、1部設定で書いちゃっていいのかなコレ(苦笑)
ちなみに先週高校を卒業したのでピンク書いても問題はないんですが・・・他の方のを読んで勉強しないと(オイ)

>万華鏡様

始めまして。こちらもこれからご贔屓にお願いします。
仰るとおり、それぞれのセリフの元ネタはそこからです。個人的には燃えるOMFの宗介の「ただの男だ」も使ってみたいんですが、その機会があるかどうかは不明です。
次に引用するのは作者曰く『銃は鉄と木が基本!』なバイオレンスマンガからの予定。

>ぽいぽい様

サスいのですか・・・・個人的にはサスサク派ですので、多分そうはならないと思います(それっぽいのは書くかもしれませんけど)。
これからもよろしくお願いいたします。


今日はこれで失礼。

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