インデックスに戻る(フレーム有り無し

▽レス始

「.hack//intervention 第28話(.hackシリーズ+オリジナル)」

ジョヌ夫 (2007-03-08 00:06)
BACK< >NEXT


紅衣の騎士団から助け出された司は外へ興味を示し始め、
ミミル・ベアはヘルバからのメールにより『逆城都市』へと導かれ、
同じくBT・楚良はクリムを利用することで同じ地を目指そうとしていた。

一方で昴は騎士団の仕事に追われつつも司と会い、次第に心を通わせていく。
その姿が騎士達の目にどう映っているかも知らずに。
更に騎士団を潰そうと画策する焔達に利用されつつあることも。

そんな中、碧衣の騎士長アルビレオは『The World』内にある管理者用エリアの一室にいた。

そこでは数多くの画面が建ち並び、絶えず様々なデータが動いている。
システム管理の責任者しか入れないその空間で、アルビレオは簡略化されたいくつかの人型のシルエットと会話をしていた。

……いや、どちらかと言えば一方的に話しかけられ続けている。


『まったく……君達が見逃しているバグ共のせいで我々の信用はガタ落ちだよ』

『ハハハ、“見逃す”とは面白い表現をなさる』

『しかし事実そうとしか思えないだろう?
 目撃情報は沢山出ているのに一行に処理がされていない。
 ちまちまとしたCGのバグ等にばかり目を向けて、大きな問題の方が完全に置き去り状態だ』

『まあまあお二方、彼等も彼等なりに頑張っているつもりなんですよ。
 でなきゃ単なる給料泥棒、社の癌でしかなくなってしまうじゃないですか』

「……………………」


アルビレオはただ黙り込むしかなかった。
というより彼には周知のことだったのだ……彼等に何を話しても無駄だということが。
彼等はCC社の“経営者”であり、社の利益“のみ”を追求しているのだから。

基本的に嫌味が飛び交うこの会議。
彼等の物言いにイラつくこともあるが、ほとんどの場合黙ってやり過ごすことにしている。
こちらの言い分を述べたところで、彼等は『The World』の歩き方すら知らない。
戯言として処理されるのがオチだ。

だが今回黙り込む理由はそれだけでない。
彼等の言っていることが紛れも無い事実だからというのもあるのだ。

碧衣の騎士団が追っている重要標的は3人。
猫PC、黒い幽霊少女、吸魂鬼の3人。これに一応呪紋使いの司も含まれるが、こっちは保留状態。
彼は放浪AIではなく、数ヶ月に渡ってログインしたままのPC。
そして彼のアカウントから導かれる現実は…………今現在も昏睡状態だ。
厄介事を嫌う上層部は明確な解決策が決まらない以上、先に消せばいいだけの3人を処理しろと言っている。
下手に動いて状況を悪化させ、万が一死亡などされたら無駄な諸経費がかかる、などとも。

アルビレオ達はそのどれも解決に至っていない。

あの司拘束作戦以来、司も例の2人組も鳴りを潜めてはいるので被害者は出ていない。
が、同時にそれはいつ再発するとも分からない状況でもあるのだ。

そんな落ちかけのつり橋のような安定を“経営者”が望まないのも無理はない。


『君がどんな考えを持って行動しているのかは我々の知るところではない。
 我々にとって大事なのは“結果”それのみ』

『CC社員としての誇りがあるのなら、それに見合った“貢献”というものを見せて貰いたいものです』

『君がすべきは『The World』の管理、不穏分子の削除……無駄な行動は慎むように』

「…………善処します」


アルビレオの一礼と共にシルエット達は消えていく。
後に残されたのは数々の監視用モニターと静かに歯を食いしばるアルビレオのみ。

彼は自分の立場と感情の狭間で揺れ動いていた。

既に放浪AIの削除という本来の役目自体に懐疑的になっている。
だがそれを放棄することはイコール管理者としての権限を失うことにも繋がりかねない。

システム管理者だからこそ知ることの出来る『The World』がある。
逆に一般PCにならないと知ることが出来ない『The World』もある。

どうすれば自分が最も望む形で『The World』に関われるのか。
どうすれば『The World』を真の意味で良いゲームへと導くことができるのか。


――――その答えが出るのはまだ先の話である。


.hack//intervention 『第28話 衝撃的事実?』


「ここは……」

「ま、一言で言えば俺とシェリルのホームかな?」

「あれ? 楚良は?」

「…………奴は除外」


ダンジョンのアイテム神像部屋にてヘルバとの接触に成功した俺とシェリル。
その場に留まるのはどうかと思ったので、一先ずこの“ゴミ箱”へ彼女を連れてきたというわけだ。
言ってしまえば俺達にとって『The World』内そのものが既に敵な状態だからな。下手にここ以外に長居するとすぐに見つかってしまいかねない。

最早こことヘルバの管理するネットスラムくらいしか、俺達の安寧に繋がる場所はないと言っても過言じゃない。


(しかし……間近で見ると凄いな)


勿論ヘルバのことだ。何というか……色んな意味で凄い。
白いドレスっぽいローブ、顔にはバイザー。
そしてそれ以上に気になるのは俺より高い身長と…………胸。

いや別に“ええ乳してまんなぁ”とか言うつもりは無いですよ?
ただちょっと気になったのが、どうしてここまで無駄なくらいのデカさなのかってこと。
自分の分身たるPCにそんな施しをするってことはだな……。


(リアルが男なら巨乳好き、女ならかなりの願望が入ってるんじゃないのか?
もしそうならヘルバって「……貴方、口に出てるわよ?」…………へ?」

「そういうことは普通心に留めておくものじゃなくて?」

「あ、いや……アハ、アハハハ」


どうやらいきなり手痛い失敗をしてしまったようだ。
気のせいか出会って以来ずっと続けてる謎めいた笑みがちょっと深くなったような気もする。
相手がPCだから何とも言えないが、とりあえず機嫌を損ねたのは確実っぽい。

つーかこんな反応示すってことはやっぱり…………止めとこ。

あんまり下らない話で時間を潰すわけにもいかないだろう。
彼女とは話すこと聞くことが数え切れない程あるし、彼女はハッカーであると同時にコンピューターアナリストでもある。
様々な方面の企業・団体からの仕事依頼が大量に来ている筈だから、時間的余裕はなきに等しい。

何せ彼女はそれで喰っていってるんだしな。


俺はコホンと咳を1つ、それで場を落ち着かせることにした。


「あ〜ヘルバ、俺達のことはどれくらい知っている?」

「あら、つれないのね。雑談はもう終わり?」

「話すべきことは山程ある。のんびりするのは話に一段落ついてからだ。
 ……それにそっちも知りたいことが沢山あるだろ?」


特に確証もないそんな俺の言葉に、しかしヘルバは興味深そうに俺達を見つめる。
楚良からヘルバが俺達を探していたと聞いていたからこそなんだが、ほぼ間違いないと思っている。
何といっても見た目からして普通じゃないしな、俺達……というか俺。
ヘルバ以外であっても、知りたいことというか突っ込みたいことが山程あるんじゃないか?

それはともかく、おそらく彼女は物語全編を通して最も核心に近づいた人物と言えるのではないだろうか?
資料によると、司を巡る物語より以前から彼女はこの世界の異変に気づいていたとか。
それからは司やカイト達を影から支援し続けており、モルガナの存在に独力で近づいたのも彼女が最初。
そういった経歴を持つ(未来の話だが)ヘルバが、表の世界でまで話題になっているらしい俺達に興味を示さないわけが無い。

俺の判断はその程度だったんだが、どうやら彼女の見解はその遥か遠くに到達しているようだ。


「一言で表すなら“世界中の注目の的”かしら?」

「…………はい?」

「CC社の上層部は貴方達の削除を最優先にしている。
 システム補助を掲げる紅衣の騎士団は、呪紋使い・司を捜す一方で貴方達に対する警戒は怠っていない。
 アンチPK集団と言われる黒闇の守護者は、その広い人脈を利用して貴方達の目撃情報を探っている。
 更にこれらの組織の動きのせいで、一般PCまでもが怪談話ではなく実話であるとも思い始めている始末。
 大小の差はあれど、皆が皆、貴方達のことを気に掛けているのは間違いないわね」


確かにシェリルから俺が居ない間に外で暴れまわったこととか、そのせいで色々広まっているとは聞いていた。
しかし改めて第三者から正確な状況を告げられると、嫌な感じで実感が湧いてしまう。

今はまだこの空間がモルガナに見つかっていないようだからいい。
だが一度見つかってしまえば俺達は逃げるしかない。そうなると必然的に外に出る必要が出てくる。
なのにここまで俺達の存在が知れ渡ってしまっていると、モルガナ以外の敵、つまりシステム側に感知されやすくなってしまう。

前門に虎、後門に狼な状態ではいくらイリーガルな力があったとしても状況が悪すぎるということだ。

尤も、今回ヘルバと接触できたからこの問題も一応は解消されるだろう。
要はモルガナに見つからないような場所、即ちネットスラムにでも連れて行って貰えばいいのだ。
今更だが、もし彼女との邂逅が遅れていたとしたら…………正直考えたくも無い。


ところで先程のヘルバの発言、実は答えになっていなかったりする。


「ヘルバ、それはあくまで“外側の人間の見解”に過ぎない。
 俺が聞いているのは“君の見解”、君自身が俺をどう思っているのか……だ」

「フフッ、私自身の見解を答えても私にとっては意味が無い。
 どうせ後で貴方達からは色々聞きだすつもりだから。
 それより、ここからの話は貴方達がこれから行動する上で大いに役立つ筈よ?」

「…………なぁ〜んか、凄い嫌な予感がするんですけど?」


こういう時の予感って俺の場合、ほぼ100%的中しちゃうんだよなぁ。
そのくせ今までに俺が立てた計画は悉く崩れ去ってきたんだから、ヒーロー番組の悪役並に悲しい。

でも聞かなきゃならないんだろうなぁ……ヘルバの言葉だし。
気のせいか鳥肌がたってるような気もするけど、それでも聞くべきなんだろうなぁ。

もうこういう展開には慣れてるから大丈夫だろう。

そんな俺の楽観的な考えが通じないことくらい今までの経験上、嫌という程分かっている。
が、そう思わないと色々やっていけそうになかった。

だってさ……、


「フィアナの末裔こと蒼天のバルムンク、蒼海のオルカ。
 CC社の尖兵こと碧衣の騎士団の長であるアルビレオ。
 一般PCによるネットワークの広い黒闇の守護者の長である焔。
 この三方が間接的とはいえ互いに手を組み、貴方のことを探し出そうとしている」

「…………あーもういいや、どうせそんなことだと「最後まで聞きなさい」えー」

「ここからが本番なのよ?
 私の知る限り、彼等は目的は同じでもそれぞれ動機が異なる。
 フィアナの末裔は昨今徐々に増え始めているフィールドやダンジョンにあるバグの元凶として。
 碧衣の長は以前から不可解な点の多かった『The World』の核心を探る上での最重要人物として。
 黒闇の長は碧衣の長と同様の理由らしいけど、本音はどちらかと言えば個人的に貴方を求めている節があるわね」

「……………………あれ?」


変だ、何か色々予想以上の範囲を超えてるぞ?

まずフィアナの末裔の考えからしておかしい。
バグの元凶ってモルガナの筈なのに、同じバグがあるからってどうして俺?
もしかしてあれか? 俺がウィルスをばら撒いてるハッカーとでも言うつもりか?

次に碧衣の長ってアルビレオだよな?
確かに彼は『fragment』時代からハロルドや黄昏の碑文について気にしていた。
更にリコリスとの出会いを通してモルガナやアウラのことを認識したのだから、シェリルと一緒にいる俺を気にするのも分かる。
けどさ、そもそもアルビレオってこの時点ではとっくに司のガーディアンにやられて物語から退場してなかったっけ?

最後の黒闇の長って…………誰?
黒闇の守護者とかいう“偏欲の咎狩人”のファンクラブがあったとかミミル辺りから聞いた覚えがある。
確か初心者の護衛やPKの調査をしているって言ってたような……正直あんまり覚えて無いな。
で、結局何でそんな連中が俺を捜すの? それ以上にどうやって一般PCの集団がシステム管理者と手を組んでいるの?

総評、渡る世間は鬼ばかり…………ははは……全然笑えねぇ。


よし、恒例と成りつつある精神安定策を実行に移すとしようかッ!


「……シェリル」

「……何?」

「…………後でお仕置きな」

「……………あぅ…………」


淡々とした俺の宣告に何故かうずくまって震え始めるシェリル。

でも俺は止めるつもりなんて毛頭無いぞ? 何せ今の状況が出来ちまった理由の半分くらいは彼女にあるんだから。
俺を助けようとした彼女の心意気に感謝するのと、その行動による結果を許すか否かは別問題。

何かヘルバが微笑ましいってな感じでこっちを見ているが、敢えて気にしない。
先程も言ったが、このお仕置きはそのままの意味というより寧ろ俺の精神安定剤みたいなもんだ。
シェリルにとってはたまったもんじゃないだろうが、知ったこっちゃ無い。

やらなきゃ俺の頭痛やら精神負荷やらが限界を超えてしまうからな。


「さ、ヘルバ。話を続けようか?」

「いいの? 貴方のパートナーは震えたままだけど」

「あーいいのいいの、いつものことだから」

「仲がいいのね」

「まあな」


俺とヘルバが何事もなかったかのように会話を再開する中、どこかから“トモアキ酷い……”とか聞こえたような気がした。

ま、どうせ気のせいとか勘違いだろう、うん。


相変わらず何かを思い出して震えるシェリルを放置。

俺は初接触の時点で始めに済ませなければならないことをヘルバに提案した。


「ヘルバ、君は俺に何を望む?」

「それに貴方はどれだけ答えられるでしょうね?」

「……何が言いたい?」


彼女の意図が読めずに問い返す。

現実世界の資料を見れば見るほど謎めいた人物であり、彼女の考えの見当が付けにくい。
直接的な意味で取れば“期待に答える技量があるか”が妥当な線。
しかしその言葉の端々には嘲るような感情は隠れておらず、どこか試そうとしているような錯覚を起こしそうになる。

そして今回はそんな予想がある意味正解であり、またある意味不正解でもあった。


「貴方は私の1番の望みを叶えられない。そうなる資格があるとは思えない。
 一方で貴方には私の2番目以降の望みを叶えられる可能性がある。あくまで憶測だけどね。
 でもその部分でさえ、貴方は不可能かもしれない」

「ヘルバ、言いたくは無いが敢えて言わせて貰う。
 ……俺はそんなに頭が回る方じゃない。抽象的な言葉じゃ理解できない。
 もっとハッキリ言ってくれ」

「私も確証の少ないことを軽々しく喋れる程肝が据わっていないのよ」


『The World』内で有名になってるハッカーが何を言うか。

確証が少ないという言葉に嘘はないだろう。
元々俺自身でさえ、自分の状況を理解していない部分があるのだ。
それを有能とはいえ第三者に確証を持たれてはたまったもんじゃない。

だが彼女が全くの荒唐無稽な考えを持つとも思えない。
彼女は『The World』を巡るハロルドやモルガナ、黄昏の碑文、そしてアウラについてをほぼ独力で調べ上げた程の人物。
普通なら誰もが正気を疑うような核心を、おそらく彼女は可能性を否定しないことで見つけることが出来たんだと思う。
そうでもないと、まずゲーム中にキルされて意識不明という点からして信じない筈。


しかしそうなると、彼女が態々回りくどい言い回しを使う理由が分からないな?


「可能性が少しでもあり、そこに望みがあれば周りを固めて“推測”を“確証”に変える。
 それくらいのことをしない限り、“核心”には辿り着けない。
 ……君はそういう人物だと思ってたんだがな?」

「…………フフッ」

「いや“フフッ”じゃなくて……詳しく説明して下さいよ」


こういうの、何て言うんだろう……暖簾に腕押し?
こっちは結構真面目な話したつもりなのに、まるで堪えてない。
寧ろどこか楽しげな雰囲気まで醸し出し始めている始末。一々俺の反応を観察しているような。

少々気分が悪いが、そろそろ彼女もきちんと教えてくれる頃合だろう。

俺は勝手にそう決め付け、始まるであろう彼女の説明に耳を傾けることにした。


「碧衣の長・アルビレオと黒闇の長・焔。
 システム管理者と一般PC個人という繋がりは本来あってはならない。
 なのに彼等は互いに手を取り、貴方という共通の目的の下、秘密裏ながら共に行動している。
 ……その理由は分かる?」

「…………いや全く」

「そう……それもそうよね。これは貴方が引き起こした“予定外”なのだから」


“予定外”、それも俺が引き起こした?
……奇妙だな。まるで俺が異端の存在であり、黒闇とやらに俺が関係しているのを知っているような物言い。

ヘルバ…………コイツもしかして……、


「黒闇の長・焔はとあるフィールドで“偏欲の咎狩人”を一方的に目撃。
“偏欲の咎狩人”はそれに気づくことなく、呑気に“黒い幽霊少女”とお話に興じていた。
 焔はその会話の中で“モルガナ”“アウラ”“アルビレオ”“司”“カイト”“ヘルバ”……以上6名の名前を聞く。
 それだけではなく、6人の登場人物が1つの“物語”を紡ぐことになる……とも」

「……………………は?」

「その後彼は何を思ってか黒闇の守護者なる組織を設立し、アルビレオと接触。都合良く手を取り合うことに成功する。
 アルビレオは焔から“1年半後、司を巡る物語の中でアルビレオは二度と世界に戻ってこなくなる”と聞かされ、半信半疑ながらもそれを信じるようになる。
 その言葉は焔が“偏欲の咎狩人”から盗み聞きした言葉であり、尚且つ当時はまだ司はアカウントすら取得していなかった。
 だが“偏欲の咎狩人”の言葉は的中、焔が聞いた通りの時期に司が仕様にないモンスターで紅衣の騎士団の分団長をキル。
 キルされた分団長はリアルに影響を及ぼすほどの傷を受け、それを境に様々な者達が司と“key of the twilight”の関連性を探るようになっている」

「……………………んが」


え〜〜〜〜っと何をどうすればいいんだ?

つーか俺、ホーム以外でそんな話をシェリルにしてやったっけ? ……流石によく覚えてない。
いやいや、それ以前に人の話を盗み聞きしたくらいで簡単に信じるなよ。焔とかいう奴。

激しく突っ込みたいことが腐るほどあるが、確実であろうことがただ1つ。


「彼等は貴方の言葉を“予測”ではなく“予言”であると判断し、貴方を追うことにした。
 無論彼等だけでなく私も、多少の違いはあれど貴方をこう呼称している」


俺が知らず知らずの内に物語に決定的な変化を与えてしまったということだ。


「世界の“先”を知る者……と」


会心の笑みを浮かべながらそう告げてくるヘルバの声が妙に耳に響いた。


俺がこの世界に来ることで物語に多少の変化は起こるだろうと思っていた。

だがまさかその度合いが完全に流れを変える程のものになるなんて。

しかもその直接的な原因が俺の不注意だったなんて。


――――あまりにも愚かな自分に、乾いた笑いすら吐き出せなかった。


あとがき

ヘルバとの対談第一弾&外の状況をようやく実感するの巻。
彼女は多分現在の状況を1番正確に把握している人物かと。
主人公は問題山積みでも挫けません。寧ろもう意地になりそうな感じ。

次回もヘルバとの色々。主にこれからについてかな?
それにしてももうすぐ30話、なのにまだSIGN編って……。

というわけで今日はこの辺で。


レス返しです。


>Quesさん

た、確かに実際に目にしたら完全にヤバイ光景ですよね……。
これから同じような光景を登場人物達が見たらどうなることやら……。

これからもよろしくお願いします。


>マジィさん

発射機構……予定に無かったけど付けたくなってきた(笑)。
大砲から何かを飛ばして、だけど当ててもダメージ1ってのも面白そう。
楚良がデータドレインされるか否かは敢えて伏せておきますが、1つだけ。
ジョヌ夫のG.U.編は楚良がどうなるかに関係なく碑文使いが関係する予定です。

次回もヘルバとのお話が続くので、楽しみにしてくれると幸いです。


>TAMAさん

焔とシェリルは何気に意図的に似せています。
主人公との関連性が強く、それが彼の計画の動力ともなっているからです。
これから少しずつ出していき、ZERO編あたりで明らかになるかと思われます。

シェリルに関してですが、彼女は基本的に目に映る姿に無頓着なんですよね。
ぶっちゃけ相手が自分の数倍の大きさだろうが、モンスターだろうが関係ないんです(笑)。
主人公とヘルバの接触は次回も続きますが、その会話の全てはまだ明かしません。
これはかなり先を見通しての話になるので。

ということで次回もよろしくお願いします。


>白亜さん

アルビレオは第二の主人公だけあって基本的に不遇なのです(笑)。
でも彼はめげません。そして物語の最後まで頑張る予定だったりします。

オリジナルの焔を出しておきながら何ですが、【.hack】って妙に頭のいい子供が多すぎですよね。
ワイズマン然り、ミレイユ然り、榊然り……なんでだろ?

まあ焔の結末も楽しみにしていただけると嬉しいです。

BACK< >NEXT

△記事頭

▲記事頭

PCpylg}Wz O~yz Yahoo yV NTT-X Store

z[y[W NWbgJ[h COiq [ COsI COze