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▽レス始

「Go together 第十二話(GS+ネギま!)」

らっかー (2007-02-28 23:58/2007-03-12 23:31)
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修学旅行二日目の夜。
初日はほとんどの者が早々に寝てしまったため元気が有り余っていた。
枕投げを行う部屋。怪談を行う部屋。のどかの告白を乾杯する部屋。
そこは喧騒に満ち溢れ、

「コラァ3-Aっ! いい加減にしなさい!!」

新田教諭の雷が落ちた。
3-Aに朝まで各班部屋からの退出禁止と、破った場合はロビーで正座が言いつけられた。

しかし新田は去っても生徒達は治まらない。
昨日の分を取り返さずに眠る事など彼女達には耐えられない。
そこに新田が来た時にはいなかった朝倉が現れた。

「私から皆に提案があるのよ」

悪魔の誘惑をたずさえて。


「ええ――っ、先生達とキス――ッ!?」
「そう。このまま夜が終わるのもったいないし、派手に遊ぼうってわけ」

ルールは簡単。
各班から二人枠で選手をだし、旅館内のどこかにいるネギ&横島にキスをする。
妨害可能ただし武器は両手の枕のみ。
新田先生に見つかった者は他言無用で朝まで正座でリタイヤ。救出無用、死して屍拾うものなし。
リタイヤが出た班は新しい選手を出せる。正座以外は部屋に帰還でリタイア。
班対抗で上位入賞者に豪華賞品プレゼント。食券トトカルチョも開催。
夜11時スタート。午前1時か両ターゲットの唇ゲットで終了。
他、詳細は朝倉まで。

「って感じよ」
「「「おお――っ」」」

全員参加では騒ぎになりすぎるのでセーブするために補充制。
当初は各班二人ずつのみで補充制ではなかったのだが、横島を入れざるを得なくなった時点で、

「俺っちにはもうどう転んでも地獄。だったら一枚でも多くのカードを取れるようにするっス」
「カモッち、アンタ男だよ」「ブンヤの姉さん!」

感極まって抱き合う二人。
ここにイバラの道を歩くカモの計画がスタートした。


『Go together 第十二話』


背筋に悪寒が走る。冷や汗が流れる。口の中がカラカラに乾いて行く。全身の感覚が最悪を訴えている。
己の存在が、断固として否定せねばならぬ物に書き換えられようとしているのを感じる。
敬虔なクリスチャンに逆十時を崇めさせるような、イスラム教徒に無理やり豚を食べさせるような。
あるいは空を舞う鳥の翼をへし折るような、大地を駆ける獣の足を切り落とすような。
すなわち、

「誰かが俺をロリコンにしようとしている」
「は?」

霊感とすら言って良いのかどうか分からない感覚に、横島忠夫はそれを感じた。

「いや、ちょっとな…。とにかく、何かが起こりそうな気がするんだ」
「霊感っ、て言ってたやつですか?」
「だと思うがはっきりしない」

顔に強い緊張感を浮かべた横島に、ネギも唾を飲み込む。

横島が霊感と呼ぶ常人にはほとんどない超感覚は、ネギ達魔法使いも多くの者が持っている。
だがネギから見た横島の持つ超感覚知覚は、自分達魔法使いに照らし合わせても滅多にいない高いレベルだ。
目に見えない様々な何かを捉える感覚を、彼はもっている。なんでだか、時々全然働かないが。

それが何か起きると感じたのだ。たとえ木乃香や親書の件がなくても注意するべきと言える。

「一応、エヴァンジェリンに報告してくる」
「気をつけてくださいね」

今日はエヴァンジェリンが旅館内にいるので、魔法関係の存在が近寄れば確実にその感知感覚が捉えるだろう。しかし油断はできない。
横島自身も存在を『隠』せばそれを抜けられるし、魔法で同じような術もあるかもしれない。
魔法を知らない通常の犯罪者を利用する可能性もある。いずれにせよ警戒はしておくべきだ。
よく分からない嫌な感覚に顔をしかめて、横島は部屋を出た。


「あれ、横島先生は?」

居なくなってしばらくしてから、明日菜と刹那が部屋にやって来る。

「何か起こりそうだって感じて、エヴァンジェリンさんに報告に行きました」
「何か? ああっ、霊感って奴よね」

明日菜が納得したような顔をする。彼が自分に分からない何かを感じている所は何度か見た。

「あっあれ?」
「どうしたのネギ?」
「な、なんか僕も変な殺気みたいなものを感じるんです。なんかあまりここにいない方がいいような…」
「そういえば私もなにか異様な気のようなものを…」
「えっ、み、皆!!」

これは普通ではない。魔法関係者がそろって異常なものを感じている。なにかと思っていると襖が開く。

「お、二人とも来てたのか」
「横島先生、おかえりなさい」

エヴァンジェリンに報告を終えた横島が帰ってきた。
エヴァンジェリンも念のため警戒用の結界を旅館周辺にまで構築してくれる、と聞いたが謎の感覚は晴れない。
それぞれが感じたものを話す。

「ならここにはいない方が良いな。一応旅館の近く、エヴァンジェリンの結界内で巡回でもしよう。
一緒に回ってれば幾らかは対応しやすいだろ。木乃香ちゃんもいるから桜咲は館内の方頼む」

ネギの感覚を元に横島が判断を下す。ジャンルは違ってもオカルト関係の勘だ。当てには出来る。

「でもこんな深夜にネギがいなくなると、他の先生が騒がない?」

横島はともかくネギは完全な子供だ。深夜、ネギがいない間に見回りが来れば騒ぎになるだろう。

「でしたらこの『身代わりの紙型』をお貸ししましょう」

そう言って刹那は紙束を取り出した。
本名を日本語で筆を使って書くとその人物の身代わりに化けるアイテムだという。

「コイツにネギの代わりに寝ててもらえばOKか」
「はい。あまり複雑な命令はこなせませんがそれ位でしたら問題ありません」
「よし。じゃあ身代わり出来次第行こう」

刹那は先に自分の部屋に戻り、横島たちは身代わりを作る用意をする。
筆を使うので墨やら何やらの道具の用意が結構めんどくさいのだ。
書道用具一式の準備をして早速ネギが一筆、

『ぬぎ』
「おいネギ、それじゃぬぎだぞ」
「えっ?」
「あんた人の服やらパンツやら脱がすと思ったら、今度は名前まで脱ぎ?」

明日菜の視線が冷たい。そこで横島が横から筆を取る。

「見本作ってやるよ。せっかく筆つかって日本語でって事なんだから、やっぱり漢字だろ」
『春場 禰宜(ねぎ)』
「僕の名前ってこんな風に書くんですか?」
「これなら日本ぽいだろ」

ネギが関心したようにそれを眺め、横島は満足げにうなずく。
しかし今度は明日菜が、

「横島先生、それじゃ今一迫力不足ですよ。やっぱり」

滅多に出ないが美術部の絵画の筆を、書道の筆に持ち替えてサイズギリギリに描くもとい書く。

『葱 巣腐鈴愚不胃流怒』
「この位じゃなきゃ」
「明日菜ちゃん、暴走族じゃないんだから…」

横島はため息をつくが、ネギはその出来に驚いたのか目を見開いている。

「どう? いい出来でしょ」「明日菜さんっ、こんな難しそうな字がかけたんですかっ!」
「ネギ… あんた私をなんだと思ってんのよ」

きっとバカレッドだ。
結局いきなり漢字は難しいという事で、カタカナで書くことにする。
完成したお札を起動して寝ているように命令し使った紙を捨てて、三人は部屋を出た。

「ぬぎです」
「春場 禰宜だ」
「葱 巣腐鈴愚不胃流怒です」
「ネギ=スプリングフィールド見本用だ」

ゴミ箱から出てきたこんな連中の存在など気が付かないで。


時計の秒針と長針が頂点で重なる。短針はその一つ左の数字を指している。すなわち11時。

「『修学旅行特別企画!! くちびる争奪!! 修学旅行でネギ先生&横島先生とラブラブキッス大作戦』~~!!!」

3-Aの生徒達がそれぞれの部屋で眺めるテレビの分割された画面に、各班代表の姿が映し出され紹介される。
空き部屋にパソコン等を使って作った簡易スタジオからの中継だ。

一班代表、鳴滝 風香&史伽、

は置いといて、一班の部屋

「ぐっ、あそこでチョキを出してたら…」
「まあジャンケン負けたんだからあきらめな、釘宮」
「まだよ。どっちでもいいからさっさとリタイアしなさい」

自分の班員のリタイアを祈る釘宮がいた。

二班代表、古菲&長瀬 楓

体力ではトップクラスの組み合わせ。
ただしなにやら楽しそうな古菲はともかく、楓ののほほんとした顔はなにを思っての参加かどうも読み取れない。

三班代表、委員長(雪広 あやか)&長谷川 千雨

千雨はやる気ゼロ。出る気はなかったが他の班員が逃げ、委員長に引っ張り込まれた。
対して、

「ネギ先生の唇は私がキス、いえっ死守します。しっかり援護して下さい」
「あ、ああ。死守でいいんだよな?」
「…塞いでしまえば完璧に死守出来る。そうは思いません千雨さん?」

目をぎらつかせるあやかの迫力に、千雨は頷くことしか出来なかった。

四班代表、明石 裕奈&佐々木 まき絵

また置いといて、その四班の部屋。

「龍宮も出たかったのかい? さっきから何か気にしているみたいだけど」
「いや、ちょっと気になる事が有ってね。まあ普通に旅館を使っている分には問題ないはずだ」

アキラの問いにそう答えて、真名は天井を見上げた。

五班代表、綾瀬夕映&宮崎のどか

「全く、ウチのクラスはアホばかりなんですから…。せっかくのどかが告白した時にこんなアホなイベントを…」
「ゆえ、いいよ~。これはゲームなんだし…」

参加している時点でどうかとは思うが、ちゃんとのどかを応援する気の夕映。
やや周りに押されてだったが、ネギとのキスには憧れるのどか。
明日菜を除き図書館組のこの班は、イコールでのどか応援団だ。

そして、最後に六班。時間は少し遡る。

「こ…こんな時に……何をやってるんですかっ!?」
「そう騒ぐな」

ラブラブキッス大作戦の事を聞いた刹那が、エヴァンジェリンに吼える。
エヴァンジェリンも横島から今は警戒するべきと、報告を受けているはずなのに態度がおかしい。

「やつが感じているのはまず間違いなくこのイベントさ。話を聞いたが、親書や近衛木乃香に対する不安は感じていなかった。
まあ実際、直感としてはたいしたものだがな」
「だからといって遊んでいる場合でもありません!!」
「心配するな。結界はちゃんと構築した。侵入者など見逃さんよ」

怒りを鎮めぬ刹那に、エヴァンジェリンは話し続ける。

「まあ聞け。横島にはこちらの魔法を教え始めたが、まだちゃんとしたパクテイオーをしていない。つまりまっとうなパートナーがいない。
そこであのオコジョの計画を見逃して従者をつけてやろうと思ったんだが、あいつはこちらの危険を知らぬ者を巻き込む事を嫌うだろう?」

正確には美女、美少女限定。場合によって子供もプラスする位だが。

「当たり前です! 横島先生はそんな事を平気でやる人じゃありませんっ!」
「だったらだ、もともとこちら側の人間をパートナーにすれば良いとは思わないか? 例えばお前のような」

にやっと笑いながら刹那に問いかける。
それを聞いて刹那の心臓が高鳴る。この作戦で行う仮契約の方法を思い浮かべてしまう。

「なっ、そんな、私が横島先生とキスなんてっ!」
「嫌ではないだろ? その態度で気付かれないと思ったか?」
「しっ、しかし私にはお嬢様をお守りするという役割が…」
「なに、あいつだったらそれも手伝ってくれるさ。そしたらそっちの方でもパートナーじゃないか。
それに私の弟子としてはやる事やっていれば後はどうこう言う気はない」

もちろん実際はあれこれ言ってるがそんなことはおくびにも出さない。

「だ、だとしても別に今無理にしなくても…」
「仮契約すれば戦力増強になる。今は戦力必要だろ。それに今を見逃すと、他のだれかが仮契約してしまうかもな」

エヴァンジェリンは楽しそうに言う。
この時点で横島との仮契約が嫌と言えない刹那は、既に計略にはまっていた。

実はエヴァンジェリンにとってこれは、額面通りだけのパートナーをつけるためのみの行動ではない。
いざナギ探しの段になった時、自分のまわりに使える駒をそろえる事。
その視点で桜咲刹那は中々将来有望で、横島の従者にすれば引き込めそうな相手だ。
そのうえ現状では直接コンタクトが取りにくいサウザンドマスターの盟友、近衛詠春との刹那や木乃香を通したコネクションが作れる可能性もある。

「で、やらんのか? だったら私の従者にしてもいいな。私なら複数の従者も別段苦にならん。奴なら私の従者としてもふさわしい実力だしな」
「や、やります!!」

こうして天使のような羽をもった少女は、並みの悪魔なんぞブッ千切る吸血鬼の手でおとされた。

六班代表、桜咲 刹那&絡繰 茶々丸

「あの、茶々丸さんも参加するのですか?」
「はい、マスターからは手伝うようにと命じられています。キスは行いませんのでご安心を」
「い、いえこれは仮契約。そう、お嬢様の為の仮契約なんです」

何かを誤魔化すように刹那は赤い顔をうつむかせた。

各班の紹介が終わり、

「では、ゲーム開始!!」

朝倉の合図と共に12人は動き出した。


横島が先ほどから感じていた感覚がさらに強くなる。やっと回復してきた血の気がまた引いてきた。

「どうしたんですか横島先生? なんか顔色が悪いですよ」
「ああ、なんかさらに困難が増えた気がしてきて」
「あれ? 僕の方は旅館を出たら治まりましたよ」
「だとするとネギとは別件だったのかもな」

そこで横島の携帯が震えた。


刹那は横島との話しを終えて携帯を切る。
横島が旅館外にいる事を知る参加者は刹那達の6班のみなので、非常口外に来てくれと呼び出したのだ。
それも込み入った話が有るから一人で頼むと。はっきり言って反則スレスレの手だ。
登録済みの番号とはいえ良くぞボタンを間違えなかったというくらい手がブルブル震えていた。

「横島先生はなんと?」
「念のため一回りしてから来るそうです」
「では待ち合わせ場所に移動後、待機しましょう」


一班鳴滝姉妹は楓譲りの忍法で天井裏からのルートを使い、ネギ&横島の部屋に向かおうとしていた。
が、

「ふ、史伽…。あ、頭」
「お、お姉ちゃ~ん」

天井の板をはずし、手を入れた所で止まっていた。その訳は、

「矢が、矢が…」
「わ、私… もうだめ」

そういってパタリと倒れる史伽の頭に一本の矢が刺さっていた。

もっとも刺さったのはシニヨンヘアのお団子だから、髪は少し切れたかもしれないが血は一滴もでていない。単にびっくりしただけだ。
なぜこんな物があるかというと、

「それにしてもなんでトラップの材料なんか持ってきてたんですか?」
「ん? 違う違う。有り合わせでアレくらいは出来るもんだぞ明日菜ちゃん。
またおサルみたいに天井裏使われたくないから、あの道は塞がんといかんしな。本音を言えば出入り口全部に仕掛けたかったけど、関係者以外も通るからな」
「まあ、天井裏なんて普通通りませんしね」

昨日の二の舞を避けるため横島が仕掛けたものだ。

「ああっと、どうやら鳴滝史伽選手いきなりダウンの模様。これはリタイアか? カメラの死角で何があったっ!」

朝倉の実況中継が各部屋に伝わる。
旅館の防犯カメラを乗っ取っているが、客室等プライベートがからむ場所も多く死角は多い。
そうでなくても天井近くなどは当然普通映さないので、画像が取れていなかった所で史伽が気絶し、風香に背負われ退却していた。

それを見た一班の部屋では、

「よしっ、とっとと戻って来なさい。そしたら私の出番よ」
「く、釘宮、一応史伽の心配もしようよ」

すでにヤル気満々の釘宮が浴衣の袖をめくり、気合を入れて鳴滝姉妹の帰還を待ちわびていた。

同じく四班の部屋、

「天井裏を使ったな」
「龍宮はなにか知っているのかい?」
「まあね。でももう心配ないさ」

どうやら彼女は天井裏のトラップに気が付いていたようだ。
龍宮の見た所、他にそのようなルートを使うのは楓位だし、彼女なら心配ないだろう。


「よし、じゃあ俺は一旦旅館にもどって桜咲の方に行ってくる。
その間に二人はもう一周して今教えた所をチェック。後でちゃんと見れてたか聞くからな」
「「はい」」

こちらは見回り三人組み。横島が実践でこういった時の注意点を教え、今度は経験の無い二人だけにやらせる所だ。

「あと明日菜ちゃん」「はい?」
「念の為にこれ持ってな。もう発動してるから一定以上の危険から自動で『護』ってくれる」
「これって… ありがとうございます」

二人だけにするので明日菜を招き寄せ、ネギに見えないように『護』の文珠を渡す。
術のイメージを調整して、危険を感知し自動で結界を作るようにした。
発動のワンテンポをなくせる代わり、時間経過で力を消費するので普段は使わない方法だが今回には適している。

横島が抜けるので少し緊張気味だった明日菜が、ホッとして軽い笑顔を浮かべた。


三班&四班、階段の下で遭遇すると同時に戦闘が始まる。

委員長とまき絵の振り上げた枕が互いの頭部を相打ちで捉えるが、タフネスの差でまき絵が飛ばされる。
しかし委員長もふらつき、その隙に裕奈が止めを刺そうと枕をフック気味に叩きつけ、

「なっ!!」
「へひへんへひほふひひふはははひはへんは」

それを頭だけをわずかに後ろに下げて、噛んで捕まえられた。枕の向こうから見える委員長の目には執念が浮かんでいる。
台詞はまちがいなく「ネギ先生の唇はわたしませんわ」だ。

「ふんっ!!」

委員長はそのまま気合と共に、自分の枕の上から掌を叩き込む。
裕奈がゆっくりと枕を放し、そのまま崩れ落ちた。
次に狙う獲物は、

「きゃ~~」

魔獣イインチョーに一瞥され、全力でまき絵が逃げていった。
くわえた枕を吐き飛ばし、

「くっ、逃しましたわ。千雨さん、ぼさっとしてないで行きますわよ」
「あ、ああ。なあいいいんちょ、私いらないんじゃないか」
「なにをおっしゃいます。か弱い私に援護は必要ですわ」

先ほどと180度違う笑顔でそうのたまった。
そしてネギと横島の部屋へと向かって歩き出す。倒れた裕奈をほっぽったまま。

「ちょ、おい明石ほっといたらまずいだろ」

それを見た千雨が、裕奈をなんとか起こそうとしてゆすり、裕奈の目が開きかけたのを見ていたその肩に、

「オイ長谷川、何をやっとる」

新田教諭の手が置かれた。

「ああっと、明石選手ダウン。恐るべきは雪広選手の執念だっ!!
っと、ここで新田登場。長谷川選手、明石選手捕まった。完全にリタイア!!」


二班、新田が巡回している隙を突き、ロビーを抜けて外に出ていた。

「おお、本当にいたアル。楓さすがネ」
「なに、拙者もたまたま見かけただけでござるよ」

二人の立ちふさがる相手はもちろん、

「何のつもりだ二人とも。もう出歩く時間は過ぎてるぞ」

横島だ。

「横島老師、手合わせお願いするアル」
「それは断ったろ」

古菲は横島の動きから彼が強いと感づいていた。
さらに明日菜が護身術を習っていると聞き、どのような物かと手合わせを申し込んだが断られていた。

「しかし夜中に出歩く生徒は、捕まえて叱らなければいけないでござるよ」
「見逃してやるからとっとと部屋に戻れ」

だから捕まえに来いというような楓をあしらう。

「見逃されると、このまま旅館を抜け出して外に行ってしまうかもでござる」
「そ、そうきやがるか」
「横島先生と戦わないのアルか?」

会話を全然理解していない古菲が疑問符を浮かべているが、横島にとってそれはまずい。
見逃して外に行かれたら教師として問題になるし、それ以上に本当に出歩かれて河童女の勢力にちょっかい出されたら最悪だ。
長瀬楓、バカブルーながら勉強以外の頭は悪くないらしい。

「これっきりだかんな」
「おおっ!! ヤル気になったアル」

古菲は魔法関係でもないし、刹那を何時までも待たせる訳に行かない。
横島にしては珍しく、真っ当にやることにした。その方が面倒が少ないと思えば、彼だってこれ位はする。
古菲のほうも当然枕を使う気などないし、そんなことは既に頭から消えている。
二人は目を合わせ、それぞれの構えをとった。


五班、軒下と外壁の張り出しの間にある僅かなスペースを道に使い、会敵することなく目的の部屋の前に来ていた。

「よし、いくですよ」
「ネ、ネギ先生とキス。でも横島先生いないかな…」
「ネギ先生以外はこの時間見回りのはずです。万が一いても横島先生なら気を効かせてくれるでしょう。
あの先生はのどかを応援してくれています。心配せず中へ」

修学旅行中の非常時に備え、外からすぐ開けられるように鍵は掛けられていない。
そっと扉を開き、

「よっしゃ~、白とピンク!」

僅かな隙間から駆け出してきた影に浴衣をスカートめくりされた。影はそのまま廊下を駆け抜けていく。
それはまさしく横島が横っちと呼ばれていた頃の動きであった。しかしその姿は、

「な、ななな、い、今のはネギ先生!!」

浴衣の裾を押さえた夕映の顔に、羞恥と驚愕が浮かぶ。
自分の知るなかでは最もマトモな部類に入る男性として、のどかの相手てとしても良いと思っていたのに。
しょせんはあんなガキだったのか。それよりも今はショックを受けているであろうのどかを慰めねば。

「の、のどか…」「ゆ、ゆえ…」

のどかが悲しそうに夕映を見る。なんと声を掛ければよいか迷うまにのどかが口を開く。

「誰かに先こされちゃったのかな」「へっ?」
「ネギ先生が寝てるのに何も無かったなんてないよね」「あれ?」

夕映も部屋の中を覗くと確かにネギが布団に寝ている。部屋にいるのがネギと思い込んで、誰かと間違えたのだろうか。
流石に横島のサイズではなかったし、確かに3-Aなら変ないたずらをしてもおかしくない。のどかはそちらに気が行っていたようだ。
無理矢理自分を納得させて、のどかを押し出す。

「だとしても遅くはありませんよ。
のどか、あなたはちゃんとネギ先生に気持ちを伝えているのです。それに寝ている間に気付かれず、などノーカウントです」

だったらと、気持ちを切り替えてのどかを応援する。

「ゆえ」
「さあ、見ているのは無粋でしょう。私は外を見張っています。今のうちに」
「う、うん」

そう言ってのどかを送り、扉を閉じた。


気を失った古菲を横島が背負っている。勝負をする気が有ったのは古菲だけだった。
古菲と決着がついた時に楓は、のんびりした顔でパタパタと白旗をふっていた。やってる最中ものほほんと見ていただけだ。

「横島先生は強いでござるな~」
「いんや。はっきり言って俺より上なんぞ、いっくらでもいるぞ」
「ふむ、上には上がいると?」
「おお。俺のライバルだ、なんて言ってる奴なんて間違ってもガチンコで戦いたい相手じゃない。
ちょっと前の、いや一応今もなんだがバイト先の上司なんて、身体能力なら勝てるけど勝負をやったら勝てる気がまったくしないしな」
「それはそれは、世の中ひろいでござるな~」

実際には大怪獣な猿や、一番大切なものと引き換えに倒す事が出来た魔王も思い浮かぶが流石に言わない。

三人が旅館のロビーに入ると新田教諭がいる。その後ろで裕奈と千雨が正座している。

「横島先生、その子達は? 3-Aには外出禁止令が出ているはずです。もし破ったのなら正座になっているのですが」

横島には伝わってなかったが、楓がポーカーフェイスのまま汗を一筋たらしているのを見ると事実なのだろう。

「先に外でやる許可を出していたんで、この子の鍛錬に付き合ってました。ちょっといいのが入っちゃって、のびたんですけど大丈夫です」

いいながら、後ろの古菲を見せる。彼女が中武研の猛者なのも横島が護身術で不審者を追っ払ったのも、学園ではそれなりに知られている。

「こういうのは一日休むと取り返すのに3倍は掛かりますからね。
長瀬には夜に生徒と二人っきりだと他意が無くても誤解されかねないんで、同行してもらいました」
「そうですか。ですが今言った通りですので、早く部屋に帰して下さい。そして以後は朝まで部屋をでないように」

前半は横島に、後半は楓に目を向けて言う。

新田は鬼と言われる程厳しいが理不尽な事を言う人間ではないし、ちゃんと生徒の為を思って行動している。
数時間前の討論がなくても普段の行動でそれは分かっていた。
その新田には悪いと思うが、横島の方はわが身のこともあってこういった時生徒に甘い。

「はい、じゃあその後見回りに戻りますんで」

そう言ってロビーを後にする。裕奈が楓にズルイと半泣きの目で訴えているが、彼女は全く顔を変えずにスルーしていた。
流石に捕まっているのはもう手遅れだ。

「いや~、助かったでござる」

正座は別に苦手ではないがやらないで済むならその方がいい。

「折角の修学旅行だしな。アレじゃ明日大変だろ。ま、もう部屋でるなよ」
「分かったでござる」

そこで楓はふと思いついた。古菲を背負ったこの状態なら彼も下手に動けない。折角のゲームだ。

「たしか先生は女好きでござったな」「おいっ」

横島の顔が引きつるが状況も丁度いい。素早く近づき、

チュ「これはお礼でござる」「なっ」
「では、お休みなさいでござる」

楓は固まった横島から古菲を引き取って去っていった。


3-Aの各部屋が盛り上がって朝倉の中継が入る。

「おおっとついにゴールが出たぁ!! 姿を消していたかに見えた二班長瀬選手、総合で一番乗りだっ」

朝倉の言葉は盛り上がる。しかし、

「くっ、駄目だ。スカカードじゃ駄目なんっスよ」

カモは出来たカードを見て悔しがっていた。朝倉はそれを見て素早く言葉をつなげる。

「おおっと、画像解析によるとどうやらこれはホッペだ。唇じゃない、これじゃあ得点は低い。まだまだ勝利は狙えるぞ」

3-Aを煽る。なんせ、

「おいおい、しっかりやれよ。仮にも私の弟子で遊ぼうと言うんだ。何の成果も出せないなんて言うなよ」

背後に最強の魔法使いが不機嫌そうに笑っているのだから。
朝倉も漂う空気からしっかりとその場のヒエラルキーを理解した。


その頃、新田が巡回にでた一階ロビーを一つの影が走りぬけた。

「今の、横島先生?」「多分な」
「泣いてた?」「多分な」

変わったものを見たという顔の裕奈に、千雨が適当に答え、

「うおぉぉぉーーっ!!」

「…怪獣の鳴き声?」「…違うだろ」

響いてきた雄たけびに顔を見合わせた。


見回り組みにもその声は届く。

「今のは旅館から!? 明日菜さん、なにかあったのかも!!」
「絶対にろくでもない事の気がするわ…」

ネギの顔にはあせりが浮かぶが、明日菜はその声とも言えない分かりにくい雄たけびの主に見当がついた。
一応仮契約カードを取り出し連絡を入れる。

(もしもし、横島先生。なにかあったんですか?)
(…明日菜ちゃんか。なあ、いくらなんでもバスト90寸前であの長身とあのスタイルは反則だと思わんか…)(は?)
(ドキドキしたってしかたがないと思わんか)(あっあの一体何が?)

(おれはロリコンじゃな~~~いっ)

念話だというのに、耳が痛くなるような大音量が明日菜に聞こえた。

(とりあえず異常はないんですね)
(ああ、俺は異常なんかじゃないんだ。異常なのはあのボディなんだ。俺はロリコンなんかじゃないんだ。俺は正常なんだ。俺は……)

聞こえてくる愚痴のような答えに一気に気分が疲れ、カードを額から下ろした。

「あの、横島先生はなんて?」
「とりあえず平気みたい。見回り続けるわよ」

未だに聞こえてくる横島の念話は、とりあえず無視する事にした。


五班の夕映にもその声は届いていた。その雄たけびに、見張りに集中していた神経が切れる。

「今のは? それにしてものどかは時間かかってますね」

ネギを起こしてキスするだけにしては時間が掛かりすぎている。
相手が十歳なので、まさかその先までとは思うが…
流石に気になってゆっくりと扉を開き、自分の想像に顔を赤くして小声で呼びかける。

「の、のどか~」

ゆっくりと暗闇を見渡し、倒れているのどかを見つける。

「の、のどかっ!!」「ゆ、ゆえ~」
「なにがあったのですかっ!?」「ネ、ネギ先生が何人も…」

そういってのどかは再び意識を失う。

「い、一体何が…」「ヌギです」

その後ろから声がかかった。

「ね、ネギ先生?」「ヌギです」

それは失敗作のヌギだった。因みにスカートめくりをしたのは春場禰宜、横島作の紙型だ。
何か変な様子に夕映も問い返す。

「ぬ、ぬぎ?」「ヌギです」
「ヌギ?」「脱ぎですか?」

そういって服を脱ぎはじめる。ネクタイ、ワイシャツ、シャツ、ズボンそして、

「い、いやーーっ!!」「へぐほっ」

見えかけた物を夕映は蹴り上げ、火事場の馬鹿力でゆえ抱き上げて部屋から出ていく。
後ろで紙型の術が崩れて爆発が起きていたが、気が付かないほどのダッシュだった。


三班、委員長は面子が掛けた為、一度部屋にもどり、今度は那波ちづるの協力を仰いだ。

「ちづるさん、そう言うことでお願いしますわ」
「あやか、あまり無理矢理はだめよ」
「もちろん合意の上ですわ。ではよろしくお願いします」

そういって二人は別々の方向に歩いていく。
ネギが部屋の外にいる画像が映っていたので、今度は二手に別れて見つけたら確保して報告するように頼んだのだ。


二班、春日美空。
楓がクリアして枠が一つへり、古菲がダウンでリタイアしたので場を引っ掻き回そうととびだし、

「なにやっとるんだ春日?」
「あ、横島先生…。ヘルプミー…」

龍宮の予想に反して、彼女もまた天井裏を使った。
突然降り注ぐ矢に驚愕しながらも、己のアーティファクトを駆使した逃げ足でひたすら避け、

「なんでこの旅館、こんな所にトラップなんかあるんですか?」
「つい先日、不審者がここから入り込んだんでな。防犯用だそうだ」

踏んだ者を捕らえる網にひっかかった。横島も自分が仕掛けた事など全く顔に出さず、平然と言う。
天井を走り回る気配に横島が気が付き、再び刹那の所に行くのを中断してやってきたのだ。

春日美空、魔法生徒。あまりに特異なネギのことは知っているが、思いっきり見習いなので学園の詳しいことは知らされていない。
当然横島の事も。それどころかマスターがいる身なのにイベントの正体すら気が付いていなかった。

横島もエヴァンジェリンやネギに比べ圧倒的に弱いその気配と、刹那等と比べお粗末としか言えない動きに、間違っても魔法関係者とは思わない。
彼の世界でその方面のGSは、すなわち怪異と戦う能力を持つもの。
まだこちらの世界で過ごした時間の短い横島は、その先入観が残っているのだ。

トラップも別に魔法ではないし、普通ありえない状況で遭遇しながらもお互い相手が魔法関係者と思わなかった。

「まっ、今下ろしてやるから待ってろ」
「お願いしますぅ」

そう言って網ごと天井裏から廊下におろし、網から開放した所で、

「横島先生、その生徒は?」
「ああ、出歩いてたんで今捕まえた所です」「えっ゛」

新田に声を掛けられ、美空の首根っこを押さえた。状況的に楓と違い、逃がす事は出来ない。ならば自分優先だ。
新田に渡され連行されていく美空、BGMにドナドナがぴったりの風景だった。

「ああっと、二班春日選手、カメラの前に姿を現す前に捕まったもよう。いったい何しに出て来たのでしょう」

朝倉の実況が流れる。その声もどっか投げやりだ。
彼女のいる三班はこれ以上参加者は出さないようだが、現時点では一位である。


その頃の刹那

「横島先生、おそいな…」
「参戦した春日さんを発見、捕獲のためそちらに向かったもようです。
既に新田先生に引き渡しましたので再度こちらに向かっています」
「あ、ありがとうございます。茶々丸さん」

少し寂しそうにつぶやいた刹那に、旅館の通信ネットワークから情報を取り込んでいた茶々丸が答える。
その言葉に刹那はほっとして胸を押さえた。


四班、大河内アキラ。あまりやる気は無いがまき絵の応援の為に出てきた。

「あ、横島先生、ネギ先生」

早速横島とその後ろから掛けてくるネギを発見し、

「イエ~イッ!!」

微妙に古臭い言い回しと共に浴衣の裾をめくられ、逃げられた。

「み、みみみ、見ました」
「あ、ああ」

アキラは半泣きになり、顔が恥ずかしさに赤くなり次に表情が怒りに変わる。
ネギのような子供ならともかく、横島に見られたのは恥ずかしい。しかし怒るべき相手は、

「お、おい大河内!!」

アキラはその声に答えることなくネギの逃げた方に走っていった。
今のネギは型紙だった。しかしあんなまねするように命令した覚えは無い。
丁度刹那のところに向かう所だ。一緒に聞いた方がいいだろうと考えて横島は足を速めた。

そのネギは横島製作第二号、ネギ=スプリングフィールド見本用だった。


3-Aの生徒達が眺めるテレビに異常なものが映っていた。

「いいんちょさん」「まき絵さん」「そっこの、おっ姉さ~ん」

画面には三人のネギがそれぞれ別の場所で委員長、まき絵、那波に声を掛けていた。
そのほかにも廊下を走るネギが一人見える。

「キスしてもいいですか?」「チューしてもいいですか?」「黒のレース! わははは~~」

「おお――っと!? これはどーゆうことだ。
ネギ先生が四人。うち二人は告白タイム、一人なんとスカートめくり!!」

キスを求められて委員長は照れて化粧を直し、まき絵も照れてネギをひっぱたいて吹っ飛ばす。

そして那波は、

「わははは~~」ガシッ
「ネギ先生、そんないたずらしちゃいけないのよ」

笑顔のままでネギの襟首を捕らえ、片手で持ち上げてカメラに写らない所へと運んでいく。
そして爆発が起こった。

「な、何をやったー、那波選手っ! 謎の爆発と共にネギ先生が消えているーーっ!!」

カメラの稼動可能な範囲だったので那波を再び捉えるとそこにはネギの姿がいない。
那波だけが変わらぬ笑みを浮かべていた。

それに続いて委員長とまき絵の所にいるネギもキスと同時に爆発する。

「こ、これはどうやら偽者とキスすると爆発するようです。
しかし残ったネギ先生は一人。彼の唇を手にするのは果して誰だ!!」

「すかカードばっかり。偽者じゃ駄目っスねやっぱ」
「当たり前だ。いかにチェックのゆるい仮契約でもその程度は制限がある」

急展開に盛り上がる朝倉の後ろで一匹はおびえ一人はつまらなそうにしていた。


カチャリと非常扉のノブが回る。
彼だと分かっているのに、本当に彼なのかと不安になる。そして扉が開いて横島が姿を現す。

「横島先生」
「遅くなって済まんな。ちょっと色々あってな」
「あ、大丈夫です。ちゃんと来てくれましたから」

横島が非常口の照明に照らされる刹那を見ると、顔は赤く、唇を固く結び、目を精一杯開いているように見える。
すごい緊張ぶりだ。込み入った話と言っていたが木乃香の事かと考える。刹那がこうなる原因でまず思いつくのはそれだ。
暫く視線を合わせていても口を開こうとしない。

「で、話っていうのは?」
「わ、わわわ、私をパートナーにしてくりゃさい」「へっ?」

詰まりながら顔を真っ赤にして言う刹那にまだ訳が分からず、目が点になる。

「こ、ここここのちゃん…」「ここここのちゃん?」
「い、いえお嬢様のために今、戦力がいりますっ!!」

顔は赤いままだが瞳に決意を浮かべ、建前をだが言い切った。

「ネギ先生には神楽坂さんがいますが、横島先生には従者がいませんよね」
「い、いや明日菜ちゃんは俺とも仮契約してる」
「なっまさか二人はそういう仲なんですかっ!!」

刹那の顔が一気に真っ青になる。
エヴァンジェリンの話から横島には従者がいないと思っていた。それがこっそり仮契約する仲だとは。
細かい所を知らなかった為だが刹那は誤解した。

「違うっ。明日菜ちゃんとはエヴァンジェリンと戦う前に」
「だったら私も問題ないはずです!!」

事故でと言う前に目を潤ませて迫ってくる。今度は聞き逃した部分を「必要だったから」と思いこんでしまった。

「いや、そうだけどそれでキスなんて桜咲だって嫌だろ」
「わ、私は横島先生なら嫌じゃありません。横島先生はわたしじゃあ嫌なんですか!?」
「い、いやそんな事は無いぞ」

刹那にはどきどきしまくってるがそれでも一応守備範囲外。だが間違いなく美少女だ。
性格も木乃香の為に一途な姿勢は好感が持てるし、ちょっとした事で照れる様などとても可愛い。
そんな娘にこんな顔で迫られて嫌とは言えない。

「だったら問題有りません!」

頭に手をまわされ、横島の視界に目を瞑った刹那の顔がいっぱいに広がって、

「って、おい桜ざっ、んむっ!」

そして横島の唇は塞がれた。そのまま数秒の時が流れる。

「んっ」「ぷはぁ」

ゆっくりと唇が離れる。二人とも息を止めていたのか肺に溜まっていた空気を吐き出す。

「お、おい桜咲」
「っ、し、失礼します」

目を開けて横島を見た途端、刹那は目をそらして耳まで真っ赤にして旅館に駆け込んで行った。


「よおっし!! 桜咲刹那、仮契約カードGETだぜ――っ!!」
「くうっ――っ。やったってのに画がないってのがおっしいね」

マイクを切って騒ぐ。
カメラの無い所でやられたので流せないのが残念だ。カモの元にカードが出来るのでキスしたのはわかるが、それは証拠として流せない。
何はともあれ、やっと一枚目のカードだ。

「ふむ、とりあえず目的達成だな」

騒ぐ二人をよそにエヴァンジェリンはつぶやいた。
実は彼女は茶々丸にしっかりと画像を取らせている。もちろん後で当事者二人にも見せる気だ。
いざとなったら横島を取り押さえさせて、無理矢理でも仮契約させる為に隠れさせていたが、必要なかったようだ。


五班、選手交代、綾瀬夕映自主リタイア、変わって近衛木乃香。

班員からの連絡によってあのネギが偽者らしいことを夕映は悟った。
しかしのどかを抱えたままの全力ダッシュにより疲れ果て、さらに最後に偽者が見せた物で頭も一杯になって自主的に交代することにした。
まだ子供とはいえいきなりあんな物を目の前に出されるとは思わず、頭にその姿が焼き付いてしまった。

「あ、あんなもの所詮子供です。ソーセージ以下です。たいした事ないのです」

夕映は体育座りで布団をかぶりブツブツつぶやいていた。

「おーい、なに見たか台詞で大体見当つくけど10歳だよ。じきにもっとすんごくなんだからその程度で気にしない気にしない」
「もっとすんごく…」

夕映はハルナの言葉にそれを想像してしまい、完全に布団にもぐり込んだ。

一方、

「のどか、あんしんしぃや~。うちがしっかりとネギ先生とキスさしたるさかいに~」
「は、はい。お願いします」

こちらは勝負する気があるとは思えないのんびりムードで廊下を歩いていた。


屋根に隠れていた茶々丸が降りてきても、まだ横島は呆然としていた。

「ドキドキなんかしてない。俺はドキドキなんてしてないんだ」
「横島先生。高精度マイクの記録では、あなたの心拍数が瞬間的に160に到達しています。
これは客観的に見て充分、ドキドキしているという表現に該当します」
「…いいか茶々丸。こんな時には嘘でもいいから違うって言うもんなんだ。それが思いやりなんだ」

茶々丸の無情な言葉にさめざめと涙を流し、旅館の中に入っていく。
もう何もかも忘れて眠ろうと、入ってすぐの自分とネギの部屋を開き闇のなかに踏み込んで、

「横島先生っ!」
「んっ!」

今度はそこに潜んでいた釘宮円に唇を塞がれた。
普段なら余裕でかわせただろうその動きも、今の呆然自失の横島には不可避の物だった。
一瞬の接触の後に唇を離すとそのまま廊下を駆け抜けていった。

釘宮は鳴滝史伽がリタイアして戻ったあと、交代して単独で横島の部屋をめざし、夕映とやや入れ違い気味に部屋に入った。
後はひたすら待ちだ。多少先を越されるかも知れないが確実に取る。
そのために作戦を立て、ゲームが終わってもやっちゃえというつもりで隠れていたのだ。

一班の部屋はにぎやかになる。

「クギミーやった♪」
「うんうん、応援したかいあったよ。まあまだ第一歩ってとこだけどね♪」

カメラに一瞬小さくガッツポーズして走り抜ける釘宮が映っていた。

「おおっと今度は一班釘宮選手が成功したようです。残念ながら死角になっていた為、成績は確認までお待ち下さい」
「おっしゃーーっ!! 釘宮円、仮契約カードGETだぜ――っ!!」

再びの仮契約カードゲットにこちらも盛り上がる。
刹那については本人からの確認後という形になるが、こちらは屋外カメラが不完全ながらも捉えていた。


横島の意識は呆然を通り越した。あまりの事に事態の大本に対する怒りが勝ったのだ。

「茶々丸」「はい」
「カモか?」「はい」

これ以上ないほど省略しきった言葉で、すぐ後ろに立っている茶々丸に確認する。
それによって確信を得た横島は、

『探・索』

やはりこれ以上ないほど座りきった目線を、壁のカモと朝倉がいる方角に向けてユックリトアルキダシタ。


「ただいま~」
「なにかしら? 騒がしいわね」

ネギと明日菜が旅館に入ると、遠くからざわめきらしき物が聞こえてくる。
ロビーにまで入っていくと裕奈、千雨、美空が正座している。
なんだろうかと二人が訝しげに表情を変えたとき、ロビーの階段の上にのどかと木乃香が現れた。

「あ…、宮崎さん…」
「ネ…、ネギ先生…」

その二人の様子と木乃香の手招きに気が付いて、明日菜はネギのそばを離れる。

「あの…、お昼のことなんですけど…」「えっ…」

そして、ネギは話していく。一生懸命考えたけど、まだ誰かを好きになると言う事が良く分からない。
もちろんのどかの事は好きだが、クラスメイトや横島のことも好きでそう言う好きなのだと。
だからまだちゃんとした返事は出来ないと。
その言葉にのどかは少し悲しげな表情になり、

「と、友達から…。お友達から始めませんか?」

ネギが精一杯考えて出したその答えを聞いて笑顔になった。

「え~と、じゃあ戻りましょうか」「は、はい」

「あ、のどかええの?」

それで終わってしまいそうな雰囲気に木乃香が声を掛けるが、のどかはうれしそうに頷く。
そこに、

「のわわあ~」「こら鳴滝、待たんかっ!!」

風香が新田に追われて駆け込んできて、丁度ロビーに入ったところで捕獲される。
その後ろから偽ネギがアキラに追われて現れ、新田が邪魔で減速したところで、

「フンッ!」

アキラが勢いをそのままに掌で偽ネギの頭をつかみ叩き付けた。
丁度背後の気配に気が付いて振り返った新田の方に。

「ぬごっ!」

紙型は爆発し、その驚きと爆風でのどかが体勢を崩してネギのほうに倒れこむ。
ネギがとっさに支えようとして、

んちゅっ

明日菜と木乃香は確かにそんな音を聞いた。


「おおっ、ついに本物のネギ先生の唇を奪う者が現れました!
なんと大穴宮崎のどか!! やりましたー!!
これにてゲーム終了!! トトカルチョの結果は確認を今しばらくお待ち下さい」
「おおっしゃあぁぁーー!! ようやく兄貴も一枚。
宮崎のどか仮契約カードGETだぜ――っ!!」

カモもついに当初の目的を完全に達成し、盛り上がりも最高潮だ。

「ふむ、こんな所か、では後始末は自分達でちゃんとやれよ」
「もちろんっす」

それを聞いてエヴァンジェリンは去っていった。
それは実は、彼女をして避けさせる物の接近を茶々丸から知らされた為だった。

五班の部屋でも、夕映とハルナが感動のまなざしで画面を見つめている。

「良かったですね、のどか」
「ほんと、あの子が良くやったよ」

プツッ

「あれ?」「これで終わり?」

そこで画像が途切れた。


朝倉とカモが騒いでいると、突然外部との通信網が切れた。

「あれ? おっかしいな~」
「そっちもっスか? ここは正常だから外のケーブルっすかね?」

機材の確認をしながらつぶやく。手元の機器は正常なようだが通信が回復しない。
そこに、

ザクッ「「ヒッ!!」」

一筋の光りの刃が扉を貫き二人の間に突き刺さる。
その光りは一度縮むと扉をバラバラに切り裂き光りの刃の主が現れる。

「さて、サッちゃんとキーやん。どっちの所に行きたい? 選ばせてやるよ」
「「ひいいーーっ!!」」

恐怖を体現したような暗い目で、横島は最後の選択を提示した。


ロビーで新田に捕らえられた者達が正座しながらも小声で話している。

「えーん」

型紙の事を知らせるわけに行かず、ネギは一緒に遊んでいたと思われている。

「ああ、ネギ先生の隣で朝まで正座なんて」

何でか委員長は幸せそうだ。同じ班の千雨はいるが那波は何でか捕まっていない。
他の参加者で最後に部屋の外にいた者は大体捕まっているがそれ以外にも、

「ちょっと、何で私まで正座なのよ」
「まあまあ、明日菜も出歩いとったんやし」
「事の発端の朝倉はどこいってんのよ」
「さあ? うまく逃げたんとちがう?」
「くーっ、朝倉めー」

その当人は、


ドンドンドンッ、と暗闇の中で壁を叩く音が響く。

「だれかっ、だれか助けて、助けてーーっ!!」
「無駄だ、その扉は貴様ら程度じゃ破れん。ゆっくりと後悔しろ」

扉の向こうから横島の声が響く。

「みっ、見回りが来るわ。それに誰かがイベントの事を言えば新田だって」
「安心しろ、覚えたてだが認識阻害の魔法が掛かっている。それなりの魔法使いでもなきゃここに気が付かんよ」

横島が言葉と逆に絶望を与える言葉を告げる。

「ブンヤの姐さん、落ち着け!! 俺達がいなきゃ兄貴が気が付く」
「それまで耐えられればいいな」「「いやーーっ!!」」

暗闇の中で何かがざわめき、悲鳴が上がる。
横島が指をパチンと鳴らすと部屋の中から響く音が消えた。

「ルシオラ、俺汚れちゃったのかな…。
でも考えてみればお前も実年齢アウトだったんだよな。
でも俺、ロリコンじゃないよな。なあルシオラ」

怒りを出し終え、再びさめざめと泣きながら夜空に聞いた。
なんでか、ルシオラが別の意味で泣いている姿がまぶたに浮かんだ。


桜咲刹那が布団の中で自分の唇に指を当てていた。

「横島先生もドキドキしてたな」

刹那は抱きついた時に伝わってきた、その鼓動に思いをはせる。
エヴァンジェリンに煽られたとはいえ、木乃香を建前にしてしまうというとんでも無い事をしてしまった。
その罪悪感に気が付き、罪悪感を感じた理由に気が付いてようやくハッキリと自分の気持ちを理解した。
信じられなかった。人と交わる事を避け、木乃香を護る事に打ち込んできた自分がそんな気持ちを持った事が。
それでも間違いない。

いつかまた、その時は本当の気持ちを話して唇を重ねたい。
そう思って彼の唇に触れた自分の唇に、もう一度そっと触れた。


釘宮円は布団をかぶって悩んでいた。

ゲームの勢いでついついやってしまったし、直後は嬉しさで一杯だったが良く考えればとんでもない事をしてしまった。
気持ちもろくに伝えてないのにあの行動では、どう思われた物か分かった物じゃない。
それでもちゃんと話せば彼は答えてくれるかもしれない。しかしやっぱり不安になる。
自分の心臓の上に手を重ねて彼の事を思い浮かべる。

「うん、やっぱり好きなんだ」

自分の気持ちを確かめ、明日の朝どう顔を顔を会わせようか考えながらゆっくりと眠りについた。


宮崎のどかは幸せだと感じていた。正座して足が痛かったがそんなことは全然気にならなかった。

今日一日のうちに、自分が今まで生きてきた中で一番じゃないかと思うくらいの勇気を出した。
自分の気持ちを伝える事が出来た。
それに対して今精一杯の形の答えをもらう事も出来た。
そして、

「ネギ先生~♪」

委員長の向こうに正座しているその人の唇に触れる事が出来た。顔が赤くなってきてうつむいて前髪で隠した。


修学旅行二日目の夜がゆっくりと更けていった。


あとがき

視点移動が滅茶苦茶多い回でした。
正直読みにくいかもと思いましたが、これだけ沢山のキャラクター動かせそうなパートはなかなかないんでやっちゃいました。

クギミーはカード作りましたけどアーティファクト不明なんで当分戦闘は参加させないと思います。
一応フラグ固めたかったんでこうしました。

それではレス返しです。
件数見て驚きました。皆さんありがとうございます。

>趙孤某さん
クギミーフラグ本気で狙っていきました。
小太郎はどうなんでしょうね。
一応まだガキですし…。ネギが夏休みでいない間に別荘で一気に成長とかするのかな。

>テルさん
カモ…、折角回復した信頼台無しです。
呪いは詠春さんでも驚きそうだな…
でも考えてみたら呪術協会でも呪っぽい呪って出てない気が…
ネギま!で呪いっていうと今の所石化と登校地獄くらいですよね。
呪術協会なのに…、だれか藁人形に釘うってないかな…

>saraさん
素子さん、結構好きでした。現実だと最近はおもたく見られがちですけど容姿がととのってて綺麗な黒髪だと本当に綺麗な気がします。
それにしても小太郎君どうしましょう。那波はどっちかというと母とか姉ですし…

>23さん
クギミー現実を知る時本当にどうしましょう。
面子はルール変えて増やしました。

>仲神 龍人さん
ネギ君空気読めてないです。
しかし原作のネギ君ホントに良くも悪くも年齢に対してパラメータや発言がすごいジグザグになってきてますね。
仮契約数多分一時ですが上回りました。ラブラブキッス大作戦、追い込まれました。
参加は一応班別で、但し交代、追加可能で行きました。

>シヴァやんさん
木乃香はまだ行きませんでした。
理性は消失したかな…、方向はアレですが。
朝倉、コミックに嫌いな物巨悪ってあったんですが…
まあ本人も結構小悪党ですし…

>アイクさん
刹那、釘宮、共に参戦しました。
エヴァンジェリン、ナギ探し計画進行中です。
原作のナギさん本当に今何してるんでしょうね。
下手したらラスボスで出てきそうな気が…

>アスナスキーさん
クギミー反響がすごいです。木乃香はちょっと足踏み。
今回は量の割りに話が進みませんでした。
フラグの更新がメイン。
次回はもう少し量に対して進めたいです。

>巨大なヒトさん
原作きっとどっかでオコジョにされた魔法使い出そうな気するんですけど…
原作の一学期終わるそうだし本国辺りで出てきて欲しいな~
そしたら学園祭編でオコジョに出来るのに…
ネギのうっかりは今回は控えめです。
流石に毎回あのレベルのうっかりやってたら三日でオコジョです。
でも考えてみたら原作一歩間違えば初日でオコジョだったんだな~。

>九頭竜さん
伏兵がいきました。アキラはちょびっとだけ。でも力持ちの片鱗はみせました。
参加メンバーはこんな感じでいじりました。

>メンソーレさん
横島は…、あんな事聞かれちゃルシオラも泣きます。そんな気持ちになりました。
明日菜は二回目まだでした。でもやりたいです。
高畑イベントが遠いです。

>スケベビッチ・オンナスキーさん
釘宮円、いきなり突っ走りました。はまり込むかは正体知ってからしだいでしょう。何時の日になるやら。
さあ行け横島>風香や史伽なんかヤバイと言われるとやりたい気が…
まあこれ以上の乱立は避けたいんで加減しながらやってきます。
千草>横島を思いっきり恨んでそうですからね。

>くーがさん
朝倉はいまのところは立ってないみたいです。
立てちゃえば面白かったかな…

>六彦さん
こんなかんじになりました。
参加者少し増やしてみました。

>audさん
ってなにをするつもりだ>まあそれほど暴走はしないかと…。一応一般人ですし。
誤字報告ありがとうございます。思いっきり間違えてました。

>月夜さん
ネギの回復力>はい、着実に毒されています。ネギはどこ行っちゃうんでしょう。
このちゃん>そういえば私も見たこと無いです。書いてる私はもっとヨゴレ?
誤字、脱字、表現のご指摘ありがとうございます。
中々上手く行きません。気をつけていきます。

>rinさん
ええ、ピチピチボンテージはそう簡単には消えません。
忘れた頃にまた出したいです。
仮契約は今回二人結びました。

>黒いカエルさん
異色フラグ>30人以上の女性がいますから。結構出てきていない人もいますし。
クギミーは魔法の事を知らないので暫くは日常側で上手く動かしたいです。
木乃香フラグは今回は変化無し。でも次からは3日目出番です。
執筆頑張らせていただきます。

>念仏さん
呪はピートの時は形だけ、銀ちゃんのときはそれなりだったのでここの横島はちゃんと型と本名と本人の体の一部があればあの位で行きました。
あの新田と横島>ええ当人達は空回りしまくりました。しかし瀬流彦に何かの影響を与えたらしいです。
シーンの最中の>全くの無自覚でした。そうだったんだ。自分以外の意見を聞くとそういった事も分かって勉強になります。
ご意見ありがとうございます。

>HAPPYEND至上主義者さん
裕奈は結構好きなんですが、もうちょっと細かい設定が欲しいです。特に謎の人物明石教授がすごく気になってます。
明日菜フラグ準備は一応既にいくらかやってます。ネギまのメインヒロインはまだまだいますし一応最初ヒロイン31人。
とも書いてましたしもう何人か横島のほうにやりたいんですけど…
まあ少なくとものどかはネギ側で確定です。
しかし以前×明日菜を見た事が無いと言われましたが×のどかこそ見たことのない気が…
誰かので有ったら見てみたいです。
明日菜の二回目は何時になるやらでス。
絡みも少なめだったし、でもメインヒロインですからまだまだ出てくる所あります。
頑張りますのでよろしくお願いします。

>藤堂尚也さん
うっ、読み易いって言ってもらった直後にいきなり読みにくい要素たっぷりの話持ってきちゃいました。すいません。
クギミー大人気です。3日目は出にくいと思いますが、その後とかでちょくちょく出してみたいです。

>街路樹さん
仮契約はしましたが、アーティファクト不明なので戦闘参加は当分無しです。
ヒロイン昇格は…、話し次第でやってきます。

>ヴァイゼさん
クギミーの幻想はいつ壊れるかな…
幻想もったままここまで来ちゃいました。
掌は…、ぶっちゃけた話、一番酔いが酷かったクギミーに一番強く『癒』の文珠を使ったヒーリングの効果です。
まあクギミーが苦しそうだったから気分を少しでも良くしようとした横島のやさしさでも有るんですが…
お前が言うな>まったくの同感です。
呪いは本当に出来るんだったらかなり有効な技だと思うんですけどやっぱり使い方はあんなもんです。
カモ、次回はまたオコジョに見えなくなりそうです。
ミカ・レイは>ええ、眼鏡をかけたら別人なんです。

>宮本さん
ええ、明日菜がいたからこその護られた評判です。
展開進める方は今回はこれで精一杯。次回はもうちょっと短くまとめたいです。
暫くは抜く事がないと思ってた対エヴァ戦を抜いて過去最大サイズになっちゃいました。
クギミーはごらんの通りです。

>saraさん
原作がまだようやく一学期編終わる所みたいですから実は人外ってあってもおかしくないですけど…
個人的にはザジと亜子がまだハッキリしない中では怪しいと思ってます。
能力持ちだと一気にネギの分食っちゃいそうなんでその辺は加減していきます。

>ちゃっきーがあらわれた!さん
朝倉のフラグは、立ってないみたいです。今回恐怖を植えつけましたし…
まあ将来的には不明です。
それにしても、ネギに穴を掘らせるってまさか、×コタ!!(冗談ですのでおきになさらないで下さい。本気でやる気はありません)

>くろもりさん
露天風呂は唐突感ありましたか…。
ほかの方にも言われてますし、そこは上手くかけてなかったみたいです。
やっぱり表現力とか上手い組み立てとか身につけたいです。
自分だけだと中々分からないものなので具体的なご意見をいただけるととても助かります。

>kamui08さん
私もチア三人組の中で彼女が一番好きです。釘宮>桜子>柿崎で。
フラグイベントはどっちに振るかとか、まだ原作で出てない人とかあって楽しいです。
№1&2納得しました。なるほど確かにアレはすごい。

>Ysさん
しました。見事に刹那とクギミーで正解です。

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