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▽レス始

「Go together 第十三話(GS+ネギま!)」

らっかー (2007-03-09 23:21/2007-04-01 00:11)
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修学旅行三日目、朝

昨晩の騒ぎの詳細を確認する為、横島達が集まっている。

「ちょっと、どーすんのよネギ!
こんなにいっぱいカード作っちゃって、一体どう責任とるつもりなのよ!?」

明日菜が何枚ものカードを持ってネギを叱っている。

「えうっ!? 僕ですか!?」
「あっちをこれ以上責めるわけに行かないでしょっ!」

そう言って明日菜の指差す先に、

「暗いよう… 怖いよう… 寒いよう… 寂しいよう… 冷たいよう… 暗いよう… 怖いよう… 寒いよう……」
「やめてくれーっ! 舐めないで噛まないで飲まないで食べないで、俺っちは美味しくないっスよー!!」

体育座りでうつろな目をしながらブツブツつぶやく朝倉と、転がりながら目に見えない何かに怯えるカモがいた。
着替えや朝の支度があるので、起床時間前に閉じ込めていた部屋の扉を開けて開放されたのだが、ここで横島を見て何かを思い出したらしい。


『Go together 第十三話』


「ったく。なんでこうも懲りんのだこのオコジョは」
「横島、出来た物を今更どうこう言っても意味があるまい。それに魔法をばらした訳じゃないだろ」
「そういうエヴァンジェリンも知ってたろ?」

彼女がこんな大掛かりな真似を傍でやられて気付かないはずないし、茶々丸が参加していてカモの事を知っていた。
これで知らないわけが無い。

「ああ。だが私は後始末は自分達でちゃんとやれと言ったし、こいつらもそれを飲んだぞ」

エヴァンジェリンの顔から、なにか思惑があって見逃したのは見当が付く。
しかし確かに最低限のラインである魔法の秘匿は守らせてるし、実行犯はカモと朝倉だ。
おまけにカモ達に責任を持たせる確約を取っているのでは、責めても無駄だろう。

「とりあえず昨日出来たカードはどれだけあるんだ?」

カモの首を引っ張り揚げて聞く。

「姐さんが持ってるので全部っス」

前足で、ペットならちゃんと躾けるようにとネギを叱っている明日菜を指す。

「ふう。明日菜ちゃん、ちょっとそれ見せて」

そう言って、明日菜からカードを受け取る。

成立カード三枚
横島に刹那と釘宮。
ネギにのどか。

スカカード
横島に楓。
ネギに委員長、まき絵、そして新田。

「おいカモ」「うっす」
「まさかと思うが新田先生とネギが?」

横島の記憶ではスカカードは、木乃香がネギのホッペにキスしたとき出来た物だ。
だとするとこれは新田がネギに、と思い浮かべてしまう。嫌な汗が頬を伝う。

「ああ、それは兄貴の偽者とチューしたときに出来た奴っスね」
「どっちにしろキスはしたのか…」

紙型の事と分かったが、どっちにしても思い浮かべたくない代物だ。

「しかし紙型は通常、命令されていない事を行いません。
まさかキスやスカートめくりをするなんて…。どこかで紙型の術式が崩れていた事に、気が付かなかったようです」

刹那が申し訳なさそうに言う。自分の渡した紙型が原因で余分な騒動まで起きた事に、責任を感じているのだ。
朝、最初に横島と顔を合わせたときはお互い赤くなったが、話が始まって二人ともなんとか意識を切り替えた。

「あ〜、桜咲さん、ごめん。多分それ原因は私…」
「神楽坂さん?」
「私って魔法効かなかったり、変な干渉したりしちゃうのよ」

今度は明日菜が申し訳なさそうに言う。
それで刹那も明日菜が式神を簡単に打ち消していた事を思い出す。あれはアーティファクトの力だけではなかったのだ。
実は他に原因が有ったのだが思い当たってしまう物が有った為に、当人も含め明日菜が原因だと思ってしまった。

「そっちは今後気をつけよう。明日菜ちゃんの能力に思い至らなかったのは俺もだしな。それよりも今は釘宮と本屋ちゃんだ」
「ですね。私も気を付けます」

その原因自身もそれに気が付かずに、話を現状の問題点に移す。

「あの二人は完全に一般人だ。明日菜ちゃんや朝倉みたいに魔法の事を知っている訳じゃない。出来たカードも渡すわけにいかんしな」「え゛」
「ん? どうかしたのか朝倉?」
「さっき宮崎に会ったとき、景品だって言ってカードのコピー渡しちゃった…」
「…おい暴走オコジョ、なんでもうコピー作ってあんだよ?」「せっかく仮契約出来たんで早速と思って…」

余計な事に限って行動の早い連中だ。もう少しの間、いやいっその事気付かれない限りは閉じ込めて置くべきだった。
そうなるとのどかだけ違う景品も不自然だし、偽のカードを作る時間もないから釘宮にもコピーを渡すことになる。
正体を知らなければ自分の絵が描いてあるだけのカードだから問題は無いと思うが。

一応自分の方で発生した分のカードをマスター、コピーの双方とも受け取り警告する。

「しゃーないか…。だが魔法使いに関しては絶対に秘密だぞ」
「「イッ、イエッサーッ!!」」

横島の一睨みで朝倉とカモがすくみ上がる。一応昨夜の罰は効いたようだ。

「もしばらしたら…」「「ひっ」」

横島から静かに殺気が立ち上り、

「皆さ〜ん、そろそろ朝食の時間ですよ。大広間に集まって下さい」
「は〜い、しずな先生。ただいま参りま〜す♪あ、続きは朝食後にな〜」

しずなの一声が広間の方からかかって、雰囲気が一気に台無しになった。


昨日のラブラブキッス大作戦の興奮も覚めやらぬ3-Aは、初日夜を取り返すにはまだ足りぬとばかりに賑やかだった。
今日は完全自由行動日。私服でおしゃれもできるし、出来るだけ班行動でと言われてはいるがそれも強制ではない。
その上、昨日のゲームの話題もあるので会話も盛り上がるというものだ。

「へ―、これが豪華商品か――」「本屋の絵が描いてある――」
「あー、すごい! これは欲しかったな―っ」

すでに豪華商品として仮契約カードが渡されているのどかに、生徒達が集まっている。

「釘宮達のは?」
「私はまだもらってないわ」「拙者もまだでござるな」

他の勝者達にも数人が集まっているがこちらはまだカードは渡っていない。
そこに横島達が入ってきた。釘宮が彼に気付いて、少し赤くなって軽い緊張を浮かべる。
横島を引きとめて声を掛ける。

「あのっ! おはようございます。横島先生」
「おはよう釘宮」
「あ、あの昨日の事なんですけど…」
「ああ、大体は朝倉から聞いた。あんまりあんな事するもんじゃないぞ」

横島が困ったような顔で言うのを聞いて釘宮に不安が押し寄せる。
嫌われてしまったのかもしれない。

「釘宮が好きな人が知ったり、あるいはその人がゲームで他の人とキスしたらって考えたらいい気持ちしないだろ。
まあ最近はそれ程気にしないやつもいるけど、少なくとも俺は好きな娘が他の相手とキス、って考えて良い気分はしないしな」
「…横島先生も私にあんな事されて嫌でしたか」

好きな相手を嫌な気分にさせたと思うと悲しくなる。確かにネギはともかく、自分や横島はそういった感情も絡む年だ。
あんなゲーム出なければよかったと後悔が湧いてくる。そして返事が来る。

「まあ俺は釘宮みたいな娘とキス出来たんだからラッキーってとこだな。もう一年してからだったらむしろ大歓迎」
「本当ですか」

嫌われていなかったのだと、それだけで心が軽くなる。

「ああ、釘宮いい娘だしな。そんでこれが朝倉からの豪華商品。話し聞いたときに預かってたからな。
でも次ぎにあんなゲームやってたらまとめて没収だかんな」

横島が少し困ったように笑いながら、景品のカードを渡してくれた。
怯えてドキドキしていた心臓が、嬉しさにドキドキする心臓に変わった。

「はいっ、大丈夫です。次に私がキスするのはちゃんと好きな人ですから」

昨日の夜と同じように、その言葉は胸に隠して元気に答えた。

「だな、ちゃんと自分を大事にしろよ」
「クスッ、横島先生ナンパなんてするのに意外と真面目なんですね」
「いやいや、俺は可愛い娘の味方なだけだ。女の子を傷つけるのは嫌だしな」

ふざけたように言うが、きっと彼は本当にそうなのだろう。
ナンパなんてする割に女の子を大切にするみたいだ。やっぱり自分の目は間違っていなかった。
横島のイメージからキライなタイプの部分が削除された。

もう少し話したいと釘宮は考えていたが、横島は他に声を掛ける相手を捕まえてしまった。

「おっ、長瀬。お前の分のも預かってるぞ」「ほう、して拙者のカードはどの様なものでござるか?」
「あ、私にも見せて」

長瀬はほっぺだったと聞いていたが、ちょっと気になってカードを見てみる。

「…随分ファンシーな長瀬ね」
「ほっぺだとこうなるそうだ」
「これはこれでなかなかに良いでござるよ」

長瀬本人は気に入っているようだが何か間抜けな絵だ。
釘宮は自分のカードを見てちょっとホッとした。キスの記念はやっぱりちゃんとしたのが良い。


朝食が終わり、横島達は再び集まる。

「仮契約カードのコピー今回は渡しといたけど、もう不用意に作るなよ」
「うっす」

効くかどうか正直不安だが、カモに釘をさしてから刹那に視線を移す。

「桜咲と俺が新たにパートナーになった訳だが、アーティファクトはどんなのだ?
物によっては編成を考え直すかもしれん」

今日は親書を渡しにこちらの魔法使いの総本山に行くのだから、魔法の事を知らない木乃香は連れて行けない。
それに今は下手に近づくと、木乃香に危険が及ぶ可能性が上がると刹那は言っていた。

エヴァンジェリンは世界遺産&重文めぐりで別コースのため、本日はもともと戦力外。
というか、朝食が終わったら茶々丸とザジをつれてとっとと出て行ってしまった。今日は自分達でやれと言わんばかりの行動力だ。
まあ刹那を一人にして動きやすくしてくれただけでもましだろう。

ここでまず、特使のネギが総本山なのは決定済み。刹那は木乃香を護衛する事が本来の仕事なのでこちらも決定。
あとは明日菜をネギに、横島を木乃香につけた。
ネギ側の戦力がやや弱いが、横島はネギの召喚で動ける。コマが少ないので横島と明日菜の入れ替えだと結局戦力がかたよる。
だったら動かせる戦力を大きくと判断したのだ。戦いなれない二人が固まって多少の不安は残るが贅沢の言える状況ではない。

「私のは匕首みたいですね。“来れ”」
「これが匕首? 日本のナイフですか?」

その呼び声に答えて、飾り房のついた鍔のない刃が現れた。
呼び出された“匕首 十六串呂”をネギがもの珍しそうに見ている。

「へえ、私のハリセンみたいになにか能力はあるの?」
「有りそうな感じはしますが、まだ分からないです」
「じゃあ編成はこのままか。まだ気とは併用しない方がいいけど、魔力を自分で使えるように“シム・トゥア・パルス”は試しといた方が良いな」
「併用しない方が良い? どういう事ですか?」

刹那は知らなかったようなので気と魔力が相反する事と、魔力をマスターから自分の意思で受け取る為の魔法を教える。
体系が違うが基礎のある刹那ならすぐ使えるだろう。
気と併用しにくいし、まだ経験値が0だから戦闘では使えないだろうが、それでも地力を上げるから試しておいて損は無い。

「では早速今のうちに…」「桜咲さんっ、待って!」「シム・トゥア・パルス」

明日菜の静止がかかるが刹那は呪文を唱えてしまい、

「あっ、う… あんっ!」

自分の体を抱きしめて色っぽい嬌声を上げる。
手を壁について頬を染め、横島に問うような視線を向けてくる。

「すまん言い忘れてた」
「なんか魔力流されると気持ちいくなんのよね。
特に横島先生のは本性出てると言うか、全身を抱きしめられてるみたいな感じもするし。
私も最初のときびくったわ。しばらく座り込んじゃって動けなかったもん」

明日菜がハリセンで横島の頭を注意して下さい、というように叩きながら言ってくる。
刹那は明日菜ほどそういった感覚に弱くないのか、すぐ立ち直って確かめるように軽く体を動かす。

「確かに気とは合わせ難いようです。身体能力強化は気の時の8割強といった所ですね」
「こっちからの意思で魔力送る魔法の方が制限少なくて強いらしいんだけど、まだコントロール上手く出来なくてな」
「ちゃんとコントロール出来るまで二度とやんないで下さいっ! あんなの二度と御免ですからねっ!!」

それをやった時なにがあったのか、明日菜が顔を赤くして横島をジトッと見て横島が目を逸らす。

「まあ即戦力がアップとは行かなかったけど、長い目で見れば良いだろ。アーティファクトも匕首なら多分戦闘系だろうし」
「横島先生の方も魔法はまだまだだからじっくりとって、エヴァちゃんも言ってましたしね」
「あれ? 横島先生は魔法は未熟なのですか?」

かなり高度な術を使っていたように見えたので刹那は違和感を感じた。

「まあ、まだ西洋魔法は習い始めたばかりだかんな。メインは見せてる通りのものだ。今度そのへんも詳しく教えるよ」

刹那なら文珠まで教えて良いと思っているが、カモや朝倉がいる。

実は横島は基礎からの魔法学習と別に、幾つかの魔法をエヴァンジェリンの地獄の詰め込み教育で覚えている。
が、色々あってほとんど使い物になっていない。
中には折角覚えたのにその記憶を消されたものまである。言うまでもなく武装解除だ。

エヴァンジェリンにお前にとって良い魔法だぞと言われ、彼女も驚く脅威の速度で覚えた。そしてその途端に忘れさせられた。
エヴァンジェリンも横島に武装解除を使わせる危険性は流石に避けた。女性に危険すぎる。
元々、それを覚えるのに付いてくる基礎理論を仕込むためのエサだったのだ。

現状の再確認を終わらせ、皆が旅館を出始める時間なので解散する。
この時影から彼らの話を聞いて、気付かれる前に立ち去った一人の少女がいた。


横島は私服に着替えて刹那と合流する。
この後図書館組みと合流して木乃香に張り付く予定だったのだが、

「なんでこの面子になっとんのじゃ…」
「出るときパルに見つかっちゃったんです。ごめんなさい」

今日は別行動のはずの明日菜とネギも一緒になってしまった。
今日の予定を現地で決めようとしていた図書館組が、一人班から離れる明日菜に着いて来てしまったのだ。
別行動の理由は言えないし、理由もなく生徒の行動は決められない。横島は表向き木乃香と刹那に誘われての同行なのだ。
ネギも困った顔でよって来る。

「どうしましょう。これじゃあ親書を渡しにいけませんよね」
「なんとか隙をみて撒くしかないだろ。適当な所で上手くはぐれてくれ」

のどかはチラチラとネギを見ているし、ハルナは明日菜に絡んでいる。
狙って機会を作らなければ中々離れられなさそうだ。

しばらくするとハルナがゲームセンターを見つけ、其処で京都限定のプリクラをする事になる。
ネギはのどかとペアで撮ったり、ハルナと夕映と三人でプリクラを撮る。もちろんのどかは照れてハルナに押し出されてだ。
横島も木乃香に手を引かれて刹那と三人で撮ったり、それぞれとペアで撮ったりした。
明日菜も普段はプリクラをやらないようだが引っ張りこまれ、ネギや横島とも撮る。ハルナはその様子を見て、

「ん――? なんか色々微妙なラブのにおいが… 気のせいかなー」
「早乙女… それはネギの奴か!」「へ? 横島先生気付いてないの?」
「やはりネギの奴に惚れてる娘が、のどかちゃん以外にも誰かいるのか!!」
「ま、それもありますよ」「オノレネギ、あれ程いい娘に好かれながら他の娘にももてやがるとは。男の敵だ…」
「…にしてもこれは皆大変だ。私はおもしろいけどね…」

自分の事に全然気が付いていない横島に、呆れたような呟きを面白そうな顔で言っていた。

プリクラが終わるとそのままアーケードゲームに雪崩れ込む。
明日菜は京都に来てまでなにをやっているのかと呆れ顔だが、これに夢中になれば好都合だ。
なにやら魔法使いのゲームと言うのをやるらしい。

「よし、遊びの天才と言われた俺の腕を見せてやろう」

大見得きって生徒の注目を集める。これで隙が出来ればネギも抜け出せる。
見た所、このゲームなら良い所までいけそうだ。気合を入れた所で、

「おおっ横島先生もやるのっ!! 関西限定レアカードGETしたら頂戴っ!!」
「任せとけっ」「あっ僕もやってみようかな…」「おっ先生対決だ!」

抜け出すはずの相手が目的を読まずに参加してきた。流石に親書の事は忘れていないだろうが、なんでこの天才君はこういう所が抜けているのか。
明日菜に目線をやると、こっちは気付いていたのか一番後ろから片手で謝っている。

「頑張ってくださいネギ先生〜」「横島先生も頑張れー」
「いきますよ横島先生!!」「おう」

ネギが気合を入れて筐体の前につき、


「うう、僕初めてだったんですよ手加減して下さい」「俺もこのゲームは初めてだ。手加減なんぞする余裕はない」

横島が一蹴した。

「えっ嘘! あれで初めて!!」「ですが横島先生の使ったのは、ただのスタートセットでした」
「この手のゲームは結構戦略が決まってるからな。他でやりこんでれば割とどうにかなる」
「なっ! この人ゲーマーだよ。コイツじゃなくてもかなりやり込んでますね」
「おう。さて早乙女、レアカードはもうちょい待ってろ」「頼みましたよ先生!!」

その間にネギが明日菜に引かれて下がっていく。
それを横目で見ていると、帽子をかぶり黒髪をネギよりも長いしっぽにした少年が横の席に付く。

「となり、入ってええか」「ん、いいよ」
「おっ今度は地元の子。横島先生、関東の意地見せてやれー」
「おう。大阪出身だが現在関東在住、微妙な立場の意地を見るが良い」

そして、

「に、兄ちゃん大人げないな… 戦術えぐいで…」
「女の子に頼まれ事しとんのじゃ。手加減して欲しければ美人のねーちゃんを連れてくるんだな坊主」

横島が一切の手加減なく叩きのめした。

「はは、今度やる時は連れて来たるわ。ほなな」
「じゃあな」

そして少年は去っていった。見回すと明日菜とネギが消えている。どうやら上手く抜けた用だが、

「あっ!」「どうしたの先生?」「すまんトイレ。少し変わっててくれ」
「えっこのセットでこっからはキツイって、おーい」

横島は立ち上がってトイレに向かった。もちろん本題は違う。

(おーいネギ、明日菜ちゃん。今こっちに西の偵察っぽいガキが来た。ネギと入れ違いでゲーム始めた奴覚えてるか?)

今の不自然に腕が立ちそうな気配の子供の事を伝えて、警戒を促す為だ。刹那にも念話で伝えて式神を出して追跡するように頼む。
現状だと彼女がカードを持てないので一方的だが、今は木乃香が一緒にいるので直接魔法関係の話は出来なかった。
トイレから出た所で刹那と入れ違いになると、軽く頷いていた。

「うわー、横島先生ピンチピンチ!! 早くバトンタッチしてっ!」「すまん今変わる」

刹那に伝わっていた事を確認して、今にもやられそうなハルナの元に急いだ。


「ここが関西呪術協会の本山」「伏見神社ってのに似てるな」
「うわー。何か出そうね」

ネギ達親書組一行は、本山前まで無事到着した。
横島からの警告を聞いて警戒していたが、ここまでは何事もなかった。
そこに光の玉が飛んで来る。二人が警戒して構えると、

「神楽坂さん、ネギ先生。大丈夫ですか!?」

光がはじけて、二頭身半の小さな巫女が現れた。

「な… なによアンタ!?」「せ、刹那さん?」
「はい、ちょっとした分身のようなものです。やはりあの少年は西の手のものだったようです」

彼女(自称ちびせつな)によると、式神で少年を追跡するとあの河童女と合流したそうだ。
残念ながら式神はそこで気がつかれて、前回出てこなかった白髪の少年の魔法で討たれ消えた。次の式神を飛ばした時にはもう逃げられていてた。
横島や刹那本人は携帯やカードを使いにくい状況なので、連絡役を兼ねてそのままネギたちのほうにやってきたのだ。

「横島先生がおサルの式神を数回、遠くに視認しています。偵察のみで手は出してきませんが、戦力を分けた事は気付かれています。
西の本山も長は東に友好的ですが、河童女の仲間が動いています。ワナなどにも気をつけてください」
「わ、罠っ!!」

ネギがその言葉に反応する。急に姿勢を低くして石畳をジッと見たり、キョトキョトと竹林を見回したりする。

「どうしたんですか?」
「横島先生との戦闘訓練で、散々引っかかったから怯えてるのよ。今は警戒したほうが良いから丁度いいでしょ」

妙に警戒するネギを不審に思ったちびせつなが聞くと、明日菜がそのシーンを思い出して苦笑した。

「よし、見える範囲には見つかりません。一応“風精召喚”を使って先行させてから、杖で浮いていけば大丈夫だと思います」
「うう、魔法使いが魔法の気配よりトラップを警戒するとはなあ…」

ネギの様子を見てカモがしみじみとつぶやく。ネギは早速呪文を唱えようとするが、

「ネ、ネギ先生。一応こちらも魔法を知らない人が来る事もあるので、事が有るまで目立つ事は無しでお願いします」

その上横島達のほうには木乃香以外にも5班のメンバーがいて転移や召喚が下手に出来ない。
よほどの事がなければ応援も望めないのだ。

「でもハリセンはもう出しておいたほうが良いわね」
「はい。出来る範囲で即応可能な状態にはしておくべきです」

本山の建物はまだ見えないが、もう他の人間がいないなら何時襲ってきてもおかしくない。
主にネギが周囲を警戒しながら、ゆっくりと総本山の千本鳥居をくぐっていった。

約15分後、ネギが妙に警戒心を強くしているので牛歩となって進まないが、警戒していたネギが不審なものに気が付いた。

「あれ? あの休憩所さっきもありませんでしたか?」「そういや確かに」
「へ? 私は気が付かなかったけど」「これは、もしかすると…」

不審には思ったが特にそれ自体に仕掛けなどは無いようなので進んでいく。そしてさらに15分。

「やっぱり! これさっきの休憩所ですよ!!」
「同じ造りなだけじゃないの?」
「いえ、先ほど念のため印をつけました。先ほどと同じ場所です」

ちびせつなが石畳に付けた傷を指差す。

「ちょっと戻ってみます! ちびせつなさんは目印に待ってて下さい」

確認の為来た道を走って戻り、その先に後ろにいるはずのちびせつなを見つける。

「な、何で…」「やはりこれは…! ネギ先生、横の竹林から脱出を試みます」「う、うん」

今度はちびせつなの意見で道を外れ、横方向に進んでいく。
しかしこれも結果は同じ。反対側から戻ってくるだけだった。

「これはおそらく無間方処の咒法。やられました」

この現象の正体を知るらしい、ちびせつなが解説する。
現在ネギ達がいるのは半径500m程の半球状のループ型結界の内部なのだと。

「つまり閉じ込められたの?」「はい」
「普通のトラップの方に注意がいっちゃて、魔法の方に気が付きませんでした…」
「私もネギ先生が過剰なほど警戒していたので、こちらの警戒をゆるめてしまいました。完全な油断です。申し訳ありません」

横島がまだ魔法ではトラップを組めない弊害がこんな所に出た。
刹那も木乃香の護衛のほうに気がいっているので、式神を通した感覚まで張り詰める事が出来なかった。
明日菜は思わず天を仰いだ。


罠に掛かった明日菜達を、その外から眺める者達がいた。

「へへへっ、あっさり罠に掛かったやん。やっぱ所詮はガキやな」
「なんやサウザンなんとかの息子もたいした事あらへんな。横島いう兄ちゃんも来とらんし」

ゲームセンターにきた少年と、河童女もとい天ヶ崎千草である。
ネギが横島に負けた時に、ゲーム画面に出たネギの名前は確認できた。横島のフルネームは不明だが、生徒が呼んでいたので名前は分かる。
最も横島は「まほらのペガサス」と名前を打っていたので、ゲームを最後まで見ても無駄だったのだが。

二人とも帽子を被っている。少年のニット帽、千草は何を思ってか僧帽だ。
一応和服に合わせたつもりかもしれないが、上が時代劇の顔を隠した悪代官で、下が吉原の遊女顔負けの改造和服。
ハッキリ言って自分は不審者だと言っているような格好だ。仲間もその姿にはコメントに困った。
式神とはいえおサルの着ぐるみといい、ハッキリ行ってセンスが悪い。

「これで脱出不可能、足止めはOKや。アンタは奴等を見張っとき」
「うえー、めんどいな」

千草の命令に少年は不満の声を上げる。
彼はこのような地味な事は好きではないし、さっきから見ていてネギの行動は臆病にしか見えない。
罠も完璧で、今も空から脱出しようとしたネギが地上に転移させられた所だ。

「あんたは黙ってゆーこときーとき」「ちぇーつまらんな」

言うだけ言って千草は木乃香の方に向かう。彼女にとってメインはそちらなのだ。
少年は少しほっとした、あの格好と一緒に行動するよりは見張りのほうがましだ。

そしてまた詰まらなそうにネギを見る。西洋魔術師は嫌いなので潰せたら面白いと思っていたが、これでは詰まらない。
その先でネギがまた飛んで地上に戻されていた。見ていると同じ真似を何度も繰り返している。

「アホかあいつ。何べんやっても無駄ってわからへんのか?」

馬鹿みたいに結界の中を飛び回るネギに、呆れたようにつぶやいた。


「どうやら僕達がいるのはこの辺ですね」

ネギが石畳に地図を書いている。結界の範囲と中の地形を確認しているのだ。

「なるほど、だとすると怪しいのはやはりココとココですね」
「やっぱり鳥居が出入り口ですか?」
「おそらくは。この系統は三つ以上の印で門となる面を作るか、中心近くに強力な要を置くのが基本ですから」

罠に掛かったと悟った当初は慌てたが、いきなり矢が飛んでくる訳でもなければ地雷を踏んで動けないわけでもない。
閉じ込められただけなら脱出方法を考えるだけだ。
この術をいくらか知っている刹那の知識をもとに、脱出方法を探す。

「それにしても皆さん意外と落ち着いてますね。ほとんど実戦経験が無いとは思えません」
「まあ、切った張ったならともかく、閉じ込められただけだしね。
最悪でも横島先生が自由になるのを待って、瞬間移動してもらえば平気だもん」

横島は今は木乃香に付いていてこの程度の事では動けないが、ちびせつなや仮契約カードで連絡は取れる。
こっちだけでの脱出が不可能でも、彼がいればまだまだ手がある。

「僕も散々トラップは味わいましたから。こういうのは初めてですけど、いきなり吹き飛ばされる訳じゃありませんし」
「兄貴も伊達に鍛えられてねえってことよ」

なんでかカモが一番えらそうに胸を張っている。

「ではこの境界周辺の鳥居を明日菜さんのアーティファクトで叩き、反応を見ましょう。
それでだめなら今度は中心部に要になるような物が隠されていないかの調査。
それでもだめなら本部訪問は遅くなりますが、お嬢様とエヴァンジェリンさんが旅館に帰るのを待って横島先生が迎えに、という事で」
「うんっ」「はい」

石畳に書いた地図を見ながら脱出方法を決めていく。
本部はもう遠くないから罠を抜ければ多少遅くなっても今日中に着けない事は無いだろう。


「あん、今度はなんや?」

見張りの少年が退屈そうに見ていると、ネギ達は結界の端のほうに向かっていき、ツインテールの少女がハリセンで鳥居を順に叩き始める。
千草からは、式払いの力を持つ女子中学生がいると聞いていた。だとすると、

「やば、なんか気が付きおった!」

それが結界にまで有効かどうかは知らないが、みすみす放っておく訳に行かない。少年はネギたちに向け走り出した。


「にしても人には見られたくない光景ね」

鳥居の柱を一本づつべしべし叩きながら明日菜がつぶやく。確かに人に見られたい物ではない。

「まあ相手に監視されている可能性はありますが、普通の人は見ていませんから」
「そろそろ一番怪しい所です。念入りにお願いします」
「OK!」

境界と予想される所が近づいてきたのでネギが明日菜に注文する。
明日菜が気合を入れてハリセンを振り上げ、

「そうは、させへんで」

体長数メートルの大蜘蛛と、それに乗った少年が空から降ってきた。

「き 君は…」
「さっきゲーセンにいた子! やっぱり敵だったのねっ!」
「なんや、気がついとったんか。まあええ、お前らにはもうちょっとここにいてもらうで」

少年が合図するように手を上げると蜘蛛が歩き出す。

「ネギ! いくわよ」
「ハイッ」

一歩踏み出した蜘蛛に反応し、明日菜も飛び出す。
蜘蛛を使っているのが少年なら、まず前衛で蜘蛛の相手をするのは彼女だ。

「契約執行 90秒間!!
 ネギの従者
『神楽坂 明日菜』」
「ええーいっ」「おおっ!」

ネギの魔力を受けた明日菜が、上段から一気に“ハマノツルギ”を振り下ろす。
少年はその一撃をかわすが、的が大きく機動性が低い大蜘蛛は“ハマノツルギ”の力でかき消される。

「あっはっは。やるなー、お姉ちゃん♪
式払いの妙な力を持つ女子中学生がいるゆーから、守りの堅いの借りて来たのに、一発でお札にもどされてしもたわ」

味方である蜘蛛をやられたのに、むしろ嬉しそうな態度で少年は鳥居の上に降り立った。

「でもお前の方は大したことないな、チビ助。凄いのはお姉ちゃんの方や。女に守ってもらって恥ずかしいと思わへんか?」
「うん、明日菜さん強いもん」

ネギの即答に沈黙が流れる。

エヴァンジェリンに強烈な特訓を受け、明日菜に障壁を無視した突っ込みと折檻を受ける。
そして横島から彼が女性から受けた被害の話を聞くうちに、ネギの中の女性に対するイメージは大分変わっていた。
よく言えば女性は弱いという偏見がない。しかし悪く言えばすれまくってしまった。
英国紳士として女性に優しくは残っているが、これを成長と言って良いのかは疑問だ。

「誰が強いよっ! もうちょっと言い方考えなさい」「うわっ、明日菜さん危ないですよ」

流石に気に障った明日菜が、ネギの方にハリセンを向ける。

「ええい、女に守ってもらって恥ずかしいと位思えやっ! だから西洋魔術師はキライなんや!
ほんまカスみたいな連中や! 遠くから魔法打つばっかで、近寄って呪文唱える間をやらんかったら怖くもなんともないっ!!」

少年の方も復帰してネギを挑発する。

「でも事実ですよ。あたっ」
「言ったそばからケンカ売ってんの?
そっちのアンタも前衛やられて偉そうにしてんじゃないわよ。アンタだって守ってもらってんじゃない」
「それに二人ともそろってゲームで横島先生に負けてましたよ」

ネギが今度こそはたかれ、明日菜は返す刀で少年を挑発し返す。ちびせつなもゲームセンターの件を持ち出してそれに乗る。

「あんなゲームと勝負を一緒にすんなや! それに俺は術師とちゃうで」

結構負けたのを気にしていたのか、激昂して言い返してくる。
そして鳥居の上から跳躍し、一気に飛び掛ってくる。明日菜の前に這うような低姿勢で着地する。

「わっ、このっ、あっ」

反射的に明日菜が“ハマノツルギ”を数太刀振るうが、少年はそれら全てを回避する。
明日菜の目は少年の動きを捉えているが、体がそれについていかない。

「ハハッ、当たらな意味ないな♪」

そう言って明日菜を避け、そこに来たネギの魔法を手に持った対西洋魔法用の護符で防ぐ。
そのままネギに突き上げるような一撃を入れて、

「んのぉ」「おっと」

明日菜がかなりの速度で切り替えして振るって来た一撃を、腕をつかって受ける。
契約執行の力で飛ばされるが、姿勢を崩さずに少年は着地する。空中に力が流されたので、ほとんど効いていないだろう。
ネギの魔法で帽子を吹き飛ばされた頭に、獣のような耳が見える。

「ほんまやるなー、お姉ちゃん」「こっちはもっと避けるの上手い人を相手にしてるのよ」
「へー、どうせならチビ助より、そっちと戦いたかったで。お姉ちゃんも女やなかったらいいんやけど、女殴るのややしな」
「それでどうにかできると思うの?」「もちろんや」

少年は自信を示し、ニヤリと笑う。

明日菜はネギと少年の間に入るが、先ほどの動きからして捕らえきるのは難しいだろう。
本気の横島よりはましだが、明日菜にはまだキツイ相手だ。少年は術師ではなく、前で戦う者だったのだ。

その後も少年はネギだけを攻撃対象に狙い、明日菜は相手にしようとしない。
ネギは魔法障壁のおかげでダメージは少ないが、呪文を唱える余裕はない。
少年の方も明日菜をかわしながらでは、障壁を抜いて威力を出すような大きなモーションは作れない。
状況はネギにやや不利な千日手になる。

「まずいですね。こちらがやや不利です」
「ああ、一旦引いたほうがいい」

戦闘には参加できずに見ていたちびせつなとカモが、そのための用意を始める。


「このっ、ちょこまかと。大人しくしなさい!!」
「いやに決まっとる。お姉ちゃんこそ邪魔すんな。戦いは男のモンやで」
「うあっと、あたっ」

戦いはネギに少しずつダメージが行く、嫌な流れだ。
それを断ち切る一手が打たれる。

「兄貴ッ! 逃げろ」「ヴァン」

カモが声と共にペットボトルを投げ、ちびせつながそれに術をかけて即席の煙幕にする。
視界が霧につつまれたため少年が飛び出ようとした所で、

「逃げる気か!!」「やり返してからね!」

明日菜が霧の中から一撃を繰り出す。
彼女の目の、動くものを捉える感覚はかなり優秀だ。霧の中、不完全ながら少年に一撃叩きつけて離脱する。

「なっ、くそ!!」

何とか受け流したが、ネギは完全に見失った。霧が晴れるともうその姿は見えない。
明日菜も一撃離脱だったのか大分離れている。追おうとした所でその姿が消えた。何かの魔法だろう。

「くっそー。やっぱ臆病者やっ!」

だがネギ達はまだ結界の中にいるはず。彼らを探す為に少年は駆け出した。


「ふう、横島先生もだけど、攻撃当たんない相手ってやっかいだわ」

召喚でネギと合流した明日菜が、岩に座って肩をほぐしている。
ネギが上空から確認した地形の中で、適した場所を選び隠れているのだ。

「ですがこれで確信が持てました。結界の要はあの近くでしょう」

見当違いな事をやっているなら無視すれば時間が潰れる。出てきたのならまず間違いなくあの近くに結界の基点がある。

「ネギは大丈夫なの? 結構殴られてたみたいだけど」
「はい、もう治ってます。あの位でしたら僕もなれてきました」

そう言うネギの顔は、ついさっき殴られまくったと思えないくらいにきれいだ。

「…あんた、その辺は横島先生に似てきたわね」

明日菜が微妙なものを見る目をネギに向けた。タフなのは良いことだが、なんか違う気がする。

「しかしアイツを倒すか出し抜くかしないと、ここから出られないぜ」
「まだ結界の要の正確な位置は不明ですから出し抜くのは難しいでしょう」
「じゃあなんとかアイツをやっつけるしかないわね。でも他の連中はいないのかしら?」

一昨日襲ってきた河童女や二刀使いは出てきていない。

「少なくとも河童女はお嬢様のほうでしょう。それに奴の発言からして恐らくこちらは足止め。
油断はできませんが脱出方法がばれかかっても出てこない以上、他にはいないでしょう」
「とすると、どうやって奴を倒すかだな。兄貴と姐さん二人掛かりでも押されてたからな」
「ええ、あの子の耳からして狗族。手ごわい相手です」「クゾク?」

ちびせつなの説明によると、狼や狐の変化、つまり妖怪らしい。
普通の人間よりも高い身体能力を持ち、中には物語のように化ける者もいる。

それを語るちびせつなの目に明日菜は悲しみを見た。
自分と重ねているのだろう。だから、

「刹那さん」「はい?」

あえて刹那と呼んで伝える。

「相手が何だろうと関係ないわ。あいつは木乃香に酷い事しようとしてるんだからとっちめる。
そんで刹那さんも私も横島先生も、木乃香をしっかり守る。そんでいいでしょ。私たちは仲間なんだから」
「あの、僕は…」「あんたもいるけどこの話しはこれでいいの」「神楽坂さん…」

羽の事を知らないネギもいるし、あんまり上手く言えていないけど、あんたは私達の仲間だ。
しっかりと目を合わせてそう伝えてやる。

「はい、ありがとうございます」
「よし、じゃあアイツをどうやってやっつけるかね」

ハブにされたネギがちょっとしょげているが、今は刹那優先だ。
ちびせつなの目から悲しみが抜けたので話を戻す。

「だったら僕に勝算があります」
「おおっ。兄貴、流石だぜ!!」

そして彼らは隠れ場所を後にした。


「たくっ、どこに隠れとんのや」

少年は先ほどから走り回っているがネギ達は見つからない。今も鳥居の上から周囲を見回すが、その影は見えない。
見張りで退屈なのも嫌だが、こういった事も中々めんどくさい。

おまけにネギと一緒にゲームセンターに居た、一般人の女の子まで結界に紛れ込んでしまっていた。
ネギ達と間違えて攻撃しそうになって、ぶつかってしまった。
何かの縁と思ったのか名前を聞かれ先に名乗られたので教えたが、こんな所にいるべき雰囲気の娘では無かった。
とっととネギ達を倒し、その後結界から出してやらなければいけない。

その彼を竹林の中から見る目があった。

「ラス・テル・マ・スキル マギスキル 風精召喚!! 剣を執る戦友!!」

先に見つけたのを幸いとばかりに、八体の風の精霊を召喚し奇襲をかける。

「おっ、ようやく出て来おったかっ。臆病者のチビ助!!」

迫る魔法の気配に気が付き、なんと少年は鳥居から飛び降りて突っ込んでくる。
彼にとってその精霊の動きとサイズなら怖い飛び道具ではない。
拳と蹴りで半分の精霊を迎撃。気のこもったその技は、精霊達を容易く打ち消す。

さらに小型のナイフのような手裏剣を投げ、まだ拳打の間合いの外にいる精霊も打ち消す。
しかし流石にその圧力に速度を緩めた所へ、

「魔法の射手 連弾・雷の17矢!!」「うおっ」

魔法の射手が降り注ぐ。とっさに護符を取り出し防ぐ。
今度は先ほどより数が多く、その上小さくて早いので打ち落とすのは難しい。
一発々々の威力も然ることながら、十発以上が適度に散らばり、避けきるも難しい。
少年の足が完全に止まった所に、

「このっ」「ちぃ」

明日菜が“ハマノツルギ”を横薙ぎに振るってくる。
危ないタイミングだが紙一重でかわし、再びネギに向かう。おまけにこれでネギのガードが無くなった。
ネギも次の呪文を唱えているが、少年のほうが早い。

「闇夜を切り裂く一条の光、我が手に宿りて…」「遅いわあっ!!」

一気に決めるべく加速し、

ズボッ「なっ」
「白き雷!!」「うおっ」

落とし穴に掛かる。身をひるがえし護符を構えようとするが、狙いは彼ではなかった。
雷が穴の壁面を打ち、一気に壁が崩れる。

「今だ、姐さん固めちまえっ!! 兄貴は魔法の射手をっ」
「うん!!」「ちょ、ちょっとまてやーーっ!!」

明日菜があらかじめ契約執行を受けていた怪力で、地面を突き崩して固める。
攻撃範囲の正確な魔法の射手が、足掻く少年だけに降り注ぐ。護符を構えながらでは脱出する余裕がない。
そして、

「平安京エイリアンの術。まだ横島先生ほど早く出来ませんが、何とか上手く出来ました」
「ちょっと深すぎかと思ったけど、暴れるから丁度良くなったわね」
「おう、兄貴もいつまでも引っかかってばかりじゃねえって事よ」
「さて、後は結界の事を聞き出せれば早いのですが」
「お、おどれらよくも…」

首だけ残して埋められた少年がうめく。罠に掛かってからは早かった。
まだ少年の彼の体は完全に穴に入ってしまったし、飛び出そうにも動きがほとんど限定されたから明日菜が叩き落せた。
ネギの魔法を少年が防ごうと動きが止まった隙に、明日菜とカモがせっせと土を固めてこのありさまだ。
その少年を見下ろしてネギが宣言する。

「どうだ! これが僕の、そして西洋魔術師の力だ!!」
「まてやこらっ、落とし穴なんぞ掘っといて魔法違うやろが!!」

西洋魔術師を馬鹿にされた意趣返しの発言だが、納得のいかない少年は憤る。当たり前だ。

「まあそれは置いといて、君がここから出る方法知ってるならとっとと教えなさい」
「そうだ。とっとと吐いたら楽にしてやるぜ」

明日菜がしゃがんでにらみつけ、カモがニタリと笑いながらタバコの煙を少年の顔に吹き付ける。

「へっ、誰が教えるか!」

少年にとって自分の役目は足止めだ。
それにもう少し回復すれば、多少負担が体に掛かるが変身して抜け出せる。彼は獣化し、その力を増す事ができるのだ。
こんなやつらに使いたくはないが、負けるよりましだ。

「やはり先ほどの続きで、鳥居を確かめるしかありませんか」「そうですね」

「大丈夫です、先生」
「えっ」「本屋ちゃん!? 何でココに」「ピンクパンツのお姉ちゃん!」
「何見てんのよ!」

最後の少年の発言にのどかが、カァァッと赤くなり明日菜がぺしっと少年の頭をはたく。

「えーとあの、それはその、この本が…」
「まさかアーティファクトっ!」

そのラテン語の表紙の本はのどかの仮契約カードに書かれていたものだ。
つまり“来れ”の呪文が唱えられたという事。それが示すのは、

「はい。私、大体何が起きてるか理解してます。ここから出る方法を聞けば良いんですよね」
「は、はいそうですけど…」
「小太郎君、ここから出るにはどうすればいいんですか?」
「お姉ちゃんには悪いけど、俺は言わへんで」

しかし、のどかはそれを無視して本に目をやる。
彼女のアーティファクトは“いどのえにっき”その能力は、

「鳥居の中にある広場から東へ6番目の鳥居の、上と左右3箇所の隠された印を壊せばいいそうです」「なっ」
「「「おおっ!」」」

人の心の表層を読むことが出来る。

「よし、そうと分かればとっとと出ようぜ」
「うん、早く親書を届けないとね」「ええ、そうすればお嬢様もずっと安全になります」

「ま、まてやっ」

もう少し回復に専念したかったのだがこうなってはしかたなし。
小太郎はネギを動けない程度に痛めつける事を決める。そして彼を抑えれば残りの少女達も動けまい。

「なっ、何これ!?」「変身してネギ先生を捕まえる気です!!」

小太郎の髪が白く染まって、彼の埋まっているの周りの地面がひび割れてくる。
のどかがその考えを読んで声を上げた。

「兄貴、姐さん、やべえぞ。のしちまえっ!」
「ラス・テル・マ・スキル…」「このっ」

ネギが詠唱をはじめ、明日菜がハリセンを振り下ろすが、当たる寸前。

「おりゃーっ!!」「きゃっ」

大量の土と共に爆発するように、小太郎は拘束を抜け出した。

「魔法の射手 連弾・光の29矢!!」「ちぃ、ちったぁやるやないか!」

ネギの魔法が打ち出されるが、人間離れしたスピードでそのほとんどをかわし、残りの数発もあまり効いているように見えない。
白い獣人と化した小太郎はそのスピードで姿を消す。

「ど、どこに!!」
「先生、右から来ます!」

ネギがのどかの声に反応してなんとかかわすが、障壁は軽く破られている。
だが、もしそれがなければネギの体はどうなっていたか分からない。

「このぉ!!」「ふん、遅すぎるでっ!!」

明日菜が“ハマノツルギ”を振るうが今度は全く捉えられない。
ネギものどかの支援で何とかかわしているが、身体能力が違いすぎて反撃する余裕は全くない。

「先生、今度は上から!!」「くっ、読まれとるか。しゃあない」
「今度は狗神が、えっ、私達にっ!!」「酷い事はせんからかんべんな」
「げっ。こっちにも!」

ネギを倒すのに邪魔なのどかや明日菜を抑えるべく、小太郎の足元から数匹の黒い狗神が飛び出す。
こんな時にも小太郎は女に手を上げる気はなく、ただ押さえつけるつもりだった。

しかしそれは昨夜から今日にかけて初めての、明日菜に向かう明確な危険だった。
明日菜を中心に光があふれ、狗神を弾き飛ばす。
光はそのまま広がってのどかに向かっていた狗神もまとめて吹き飛ぶ。

「な、なんや!?」「明日菜さんが魔法!」「えっ、なんですかこれ!」
「姐さん、こいつぁ一体!」「すごい!! 一瞬でこれほどの結界を!」

「そっか… 横島先生の…」

その場の全ての物が驚くが、その正体を理解出来たのは明日菜だけだった。
昨夜見回りのときにもらった『護』の文珠が、彼女の危機に結界を展開したのだ。
これでしばらくは安全だ。

「いくわよ! これ以上ネギをいじめさせないからね」「はん、こっちのが早いで」
「あっ、こ、今度は…」

確かに現在の位置では小太郎の方が早くネギに届くし、明日菜も速さは変わっていない。
のどかもあっけに取られていた時間のせいで間に合わない。
小太郎がネギに拳を振り下ろす。その一撃が頭に直撃し、

「なっコイツも!!」

『護』の結界はその光の中にいる味方を識別し、その敵の攻撃を受け止めた。

「捕まえてっ!!」「は、はい!」「な、くそっ」

明日菜の声に、ネギが当てられたままの手を捕まえる。
小太郎が振り払おうとするが、その力のせいで危険と判断され結界の力場がそれを押さえる。

「シム・トゥア・パルス!!」

明日菜が魔力の光を纏い、

「どっりゃーーっ!」バッチーン
「へぶろっ!!」

その渾身の一撃が小太郎を打ち倒した。


気絶して元の姿に戻った小太郎を彼の上着を使って縛り、さらにネギが捕縛結界を描いてそこに閉じ込める。

「本当は関節をはずす位はしたいんですが、それだと皆さんの気分がよろしくないでしょうからこんなものですね」
「ま、まあ確かにそれはちょっと引いちゃうかな」

ちびせつなが小太郎の状態を確認してうなづく。これならそう簡単には解けない。
彼の護符が全て使いきられていることも確認した。暗器などは持っていなかった。しばらくは平気だろう。
自分や龍宮ならもう少しキッチリ仕事をするが、今の彼らにそれを求めても士気を崩す恐れのほうが怖い。

「んじゃ、もうコイツに用はないし、今度こそココから出ようぜ」「うん、でも放っておいて平気かな?」
「これならそう簡単には解けませんよ。ネギ先生」「そうだぜ兄貴。兄貴のかけたこの捕縛結界はなかなかのモンだぜ」
「いや、そうじゃなくて、この小太郎君自身が…」

微妙にずれた答えに冷や汗を流しながら、再び問う。

「まあ、親書をだしたら長に報告しておけば平気でしょう。お嬢様に危害を加えようとした報いは受けてもらいますが」
「そうね、かわいそうだけどコイツが悪いんだもの」
「ごめんね。小太郎君」

やっぱりちびせつなも刹那だ。木乃香にとって危険な者に容赦はない。
のどかの一言がせめてものなぐさめだ。

「それにしても本屋ちゃん。ネギの戦い方に驚いたりしなかった?」

相変わらずポーッ、とネギを見ているのどかに明日菜が聞く。
憧れの人が罠でだまし討ちなど、ちょっと幻滅しないかと思ったのだが、

「あっ、確かに魔法って本当にあったんですね。本の中だけだと思ってました。それにやっぱり先生って頭いいです。
罠にかかっても冷静に脱出しようとしたり、作戦立ててこんな強い子捕まえたり。凄いですね」

むしろますます惚れたようだ。恋する乙女の目はいろんな意味で凄いな、明日菜はそんな事を思った。
倒れている小太郎は、むしろいい引き立て役になったようだ。

明日菜達が足元に縛られている小太郎を見ていると彼が、うっすらと目を開け、

「う、こっ、これは…」「きゃ」バッチーーン「ぐほぅっ」
「あ、明日菜さん。今のは流石に…」
「あっ、今はズボンもはいてたんだ」

スカートの中を見られたと思った明日菜が、まだ出したままだった“ハマノツルギ”を叩きつけて再びその意識を刈り取った。
今日は完全自由行動日で、生徒も私服になっていたのだ。明日菜もカジュアルなスタイルでズボンとスカートを重ねてはいている。

「まあ、横島先生なら三分くらいで目を覚ます程度のだったし、平気でしょ」
「そうですか、ではもういきましょう」
「だ、大丈夫かな小太郎君…」「横島の兄さんで三分か。微妙だな…」

ネギは少しだけ小太郎がかわいそうになって来た。
ちなみに小太郎は夕方、仲間の白髪の少年が助けに来て気付けをするまで気絶していた。


ネギが目的の鳥居に魔法の矢を打つと結界が不安定になり、その境界が光り出す。
明日菜がそこに“ハマノツルギ”を一閃して、無間方処の結界は破れた。

「やっと出られたわね」「ふいー、シャバの空気は美味いぜ」
「カモ君。なんか台詞が似合いすぎだよ…」

「念のため結界を再度閉じておきましょう。
無間方処返しの呪!! ヴァン、ウーン、タラーク、キリーク、アク」

念には念をとちびせつなが小太郎に更なる枷をつける。

「これでしばらくは大丈夫でしょう。ですがアイツの仲間が気付く可能性があります」
「んじゃ一旦離れて安全な所で一息つこうぜ」

こういった時は見張りが定時連絡を取るのが普通だ。
一行は結界のある道を離れて、川のそばの大岩の上で休む。

「そういえば僕が魔法使いってバレちゃいましたね。黙っててすいません。秘密だったので…」
「いいえ、前からうすうすは気が付いてました。
それに魔法使いが本当にいたなんて夢見たいで、なんだかドキドキしちゃいます」

のどかは意外と順応力が高かったようだ。ネギの事を知ってもむしろ嬉しそうにしている。
そしてカモも。

「なんでアンタも嬉しそうなのよ」
「いや、のどかの嬢ちゃんは自分から気が付いたからな。これなら俺っちは無事に済む」

どうやらバレたことで、横島に罰を受けないか気にしていたようだ。

「巻き込んだなら一緒だと思うわよ」
「な゛、そんな事ない。そんな事ないって言ってくれ姐さん!!」
「あっ、ばれて大変なら私もあまり怒らないで欲しいって、横島先生にお願いしてみます」
「あ、ありがとうよ嬢ちゃん」「まあそれなら効きそうね」

「ともかく、これで関西呪術協会まではもうすぐだと思います。一休みしたら向かいましょう」
「でも本屋ちゃんはどうするの?」
「こうなった以上、ここに置いていく訳に行きませんから本山まで一緒に… あ…!?」

そこで、ちびせつなの体がぶれる。

「ど、どうしたの!?」
「いけません。本体の方で何かが… 連絡が途だえ…」

そこでちびせつなはもとの紙型に戻る。

「こ、こりゃマズい。刹那の姉さんのほうになにかあったな」
「「「え〜〜っ!?」」」

そのカモの言葉どおり、時を同じくして刹那と横島の戦いもはじまっていた。


あとがき

ちょっと更新遅くなって来ました。
マイペースでやってますがこの位で維持して行きたいです。

のどかをもうちょっと出したかった。小太郎がかっこいいシーンが流れの都合で消えまくった。
それぞれキャラクターをもう少しバランス良く立てたいです。

そして、誤字脱字、今回は黙読三回音読一回、最後に投稿スペースに張った所でさらにもう一回黙読。
今度こそ間違えありませんように。
というか流石にこれ以上チェックに回すと時間がキツイので、あったらどうかやさしく教えてください。

それではレス返しです。
件数見て驚きました。とは前回いいましたが、今回はもうあっけに取られました。
数見たときは正直誰かが多重投稿でもしまくったのかとすら思ったくらいです…。これだけ感想もらえて感動です。
皆さんありがとうございます。

>ひーほーさん
あやかの…>あそこはその前の台詞と合わせて気に入ってる所です。
受けたみたいで嬉しいです。
センスは正直まだまだだとあっちこっちで感じているのでそう言ってもらえて嬉しいです。

>狭間の王さん
はじめまして。
レスありがとうございます。
これからも頑張ります。

>テルさん
いえいえ、参加者でも部屋に戻っている連中は割りと無事な人もいるのです。
那波さんはやっぱ何気に最強の行動で行きました。
クギミーは当然いきました。
カモ、一応生きています。ちょっと食べられたみたいですが…

>HAPPYEND至上主義者さん
こんばんわ〜。
大人数動かすのやってみたかったんでうけて良かったです。
あやかは動かしてて楽しいです。参加者増加は人数入れるのに必要だったので。
明日菜の横島のそのあたりに対する信頼は出来てるようなのでやりました。横島の女性に対する行動にはむしろ警戒ですが…

>ナニハナクトモさん
はじめまして。
読んでもらえて嬉しいです。
これからも頑張ります。

>アイクさん
恋する乙女は最強だ>本当にそう感じます。
自分の本性、ロリ>そういえば煩悩全開したときのイメージ何気にシロがいたりもしたんですよね。
実は本性って結構有りそうかも…
頑張って書いていきます。

>念仏さん
明日菜はまあネタだったので、それに当て字なら結構どうにでもなりそうですし。
イインチョーは最初ココまで出せると思いませんでした。これからも出そう…
トラップ。掛かったのは悪魔でも横島をロリコンにしようとする敵です。味方ではないのです。
罠は手榴弾で西条を車ごと消そうとしたこともありましたし、用意できるものしだいですね。
美空はやりたかったんで。楓を助けたんで対象的になっていい感じにできました。
魔法を一応使える>ええ、今回書いたとおり、武装解除をエサにして見事につられました。
細かいとこはこれから書いていくと思います。
戦闘では当分使い物になるか怪しいですが他にも使い道はあります。
例えば認識阻害は覗きとか… 駄目ですね。

>流星さん
確かに、特にトップクラスのメンパーのスタイルは完全に中学生越えてます。
横島も知らなきゃ確実にナンパしそうです。

>wataさん
そう言っていただけると参加させたかいが有ります。
誤字指摘ありがとうございます。
よりによってキャラの名前間違えるなんて… 不覚です。

>アスナスキーさん
ええ、今作戦での仮契約組みはちゃんと気持ち込みの娘たちでしたからラストで出してみました。
御好評いただけたようで幸いです。
明日菜は高畑の所までは他に恋愛フラグがたたないので所々信頼とか出したくてそう言う雰囲気出してます。

>23さん
原作は一部完しましたけど、すぐ再開するみたいですね。
風牙亭のは知りませんでしたあそこの×Fateは読んでたんですが…
今度探してみます。教えていただきありがとうございます。

>タカジさん
読んでいただきありがとうございます。
ええ、格闘なら猿と比べれば人間はどんな相手だろうとましに見えますし、自分より強くてもアレよりましと思えば絶望せずにすみます。
他にもちゃんとした体術も習った設定にしてますし、結構パワーアップしてます。おかげで真っ当な体の使い方もマスターしてます。
小太郎君は型だけ上手くてもといってますが、ちゃんと体と力の効率的な使い方を習って実戦で使えるようにすればかなり有効な物なんです


ようは型だけではない状態になってるんです。その上反則系もありますからここの横島はなかなか厄介になってます。
でもいまの所地力では高畑以下です。ですが古菲戦は制限もあって楽勝までは行ってないです。
私見ですが古菲は武道四人組の中では一寸レベルが低いかんじなので勝てましたが、他の面子に霊能無しは流石に無理です。
古菲も少なくともあの横島君が女の子を気絶させないと止められないレベルの戦闘にはなりました。

>レメゲンさん
超派はたしかに難いですね。でもその話は完結しているので固めなければフラグいけるかも。
むしろザジとか怪しさでまくりなのに動いていないキャラが仮契約は難しいです。
村上夏美×小太郎。そうすると秘密を知らない人には村上姉弟禁断の恋!!、パルあたりに大うけしそうです。
面白いかも、ホッとできなくなっちゃうけど。

>傍観者さん
刹那大冒険>このパートの刹那はかなり前から考えていたんで受けたみたいで嬉しいです。
バトル、実は最初書いてたんですが、明らかに浮いちゃう内容だったんでバッサリやっちゃいました。
気絶はさせたというより、気絶程度はさせないと止められなかった。ですね。
栄光の手だの何だのありならともかく、一応無手では単純に取り押さえて動けなくするのは難しかったんです。
霊能はかくしてはいても使っています。まあ身体能力の強化なんで古も気でやってるぽいですが。
対戦カードとしては学際のバトルのカードが横島の位置で未確定だし、ほかでもひょっとしたらあるかも知れません。

>宮本さん
宮本さんにオリジナルな展開と言われると恐縮です。
こっちのほうがむしろ宮本さんのオリジナル部分を見て、やってみたいと思ってるのですが…。
人数に関しては一つの場面で動く数は多くなかったんで、意外といけました。
それよりも場面があちこち変わるんでそっちが混乱しそうになってました。
一つシーン足したり引いたりするだけで結構あちこちに影響して。
展開は今回は大人しめです。小太郎も出てきますし、暴走するとこわれそうだったので。
…もう壊れているというのは突っ込まないで下さい。

>Ysさん
亜子、まだ未定なキャラです。どっちに転ぶかな…
でも薄い色素とか結構微妙なライン持ってるし、割と行けそうな気が、学際のデートどうしましょう。
次回も頑張ります。

>ヴァイゼさん
一応31人いるんであと何人かは持って行きそう…。ウェールズ行ったらネカネとアーニャはどうしようかな…
ネカネには飛び掛りそうだけど、アーニャにはパターンからいって好かれそうだし。
でもアーニャはネギにツンデレっぽいし。でも来たら鳴滝姉妹以上にデンジャー!!
刹那、あれは悪魔、もとい吸血鬼の誘惑ですね。でも刹那は自分の気持ちを自覚できました。悪いばかりじゃないです。
木乃香とのことはそれも込みで横島に惹かれてますからその通りですね。
夕映は…、流石にデンジャーゾーン真っ只中すぎなような…
でも確かに横島はファンタジーですね。場合によっては悪夢のほうですが…。
前世はもうちょい生きています。流石に生後3日は、って年になってない時点でドングリの背比べな気が。
賭けは桜子は釘宮に賭けて取っています。ただ他にも柿崎が応援で釘宮に、エヴァンジェリンが刹那になどで一人勝ちにはなっていません。
まあ本編で出るか分からないのでこんな所に書かせてもらいました。
エヴァンジェリンは茶々丸が動いていたら不正な気もしますが、結果的にギリギリセーフです。

>黒いカエルさん
喜んでもらえたようでこちらも嬉しいです。
一応一部性格及び能力を成長させてるのであんな感じです。
ネギはのどかの気持ちを大事にしたかったのでそこに絡む改変は少なくしました。
キスはネギの方がのどかからの能動的な物でなかったので、
横島にキスする娘と互いに引き立てるように積極的な動きで行きました。

自分ではちょっと読みにくさが残ったと思ったので誉めていただけてかなり恐縮です。
それに答えられるよういい作品をかいていきたいです。

>街路樹さん
名前、結構受けたみたいで嬉しいです。
クギミー、小太郎にはいかなそうな気配です。
一応前述したとおり、戦闘は不参加ですが、横島側のヒロインの一人にはなりそうです。
頑張って書きます。

>円冠さん
あまり原作無視の壊し方は避けたいので、こんなことしそうだよなぁと感じてもらえているならほっとします。
まあネギは結構横島の影響受けてしまってますが…
イスラム教のところは思いっきり間違えてました。
次回も頑張って書きます。

>meoさん
性格が反映>横島の場合はされたようです。しかも年齢も対応して。
原作の詠春>そう考えると彼は若い頃、己の肉体をさらしていたのでしょう。
スリムでも鍛えていたみたいですし、長になる実力者ですし、きっと良いからだだったんです。
アキラ早速出させてもらいました。クギミーが真相に気付くのは本当に何時の日やらです。
誤字指摘ありがとうございます。
見出しのタイトルは何度か直しわすれて即改訂やったんですが、こっちを間違えるとは…

>HOUMEIさん
はじめまして。
応援ありがとうございます。
朝倉とカモ、どっちに行ったかは内緒です。ただ何かを見たらしいです。

>藤堂尚也さん
クギミー次回からちょっと出しにくいパートなので、とりあえず今回この辺で。
亜子は学際書く時の原作の状況で結構動くかもです。傷の理由なんなのでしょうね。
釘宮はナンパな所までは知ってますし、今の所むしろ良いところを固めてみているからどう転ぶかが悩みどころです。
これからも頑張っていきます。

>七位さん
ルシオラのカードは今だカモが謎の場所に持っています。
確かに遅くなるほどばれた時にどうなるか…
こういうのって出さないとなおの事出しにくくなる物なんです。

>Iwさん
はい、出ました。
彼が振り返ったのはそのためです。
そうでなければ後頭部にあててました。
まあもう出ないカードだと思いますが。
とりあえず原作でスカカードに重要な機能が付かない事を祈ってます。
出たらホントに収拾付かなくなりそうな話になってますから。

>シヴァやんさん
はい、大混戦でした。
横島が彼女達をお持ち帰りできる日は果して何時になるでしょう。そこまで書いていきたいです。
(18禁をという意味ではなく、ちゃんと話を〆たいと言う意味ですのであしからず)
クギミーのアーティファクトたしかにでこぴんロケットあるから音系ありえますね。
三人組とか四人組とかセットのアーティファクトとかでも面白いと思ってるんですけど。
まあ原作でそれやられたらこっちは話の繋げ方参っちゃいますが。
超音波破壊兵器以外にも低周波とかソリトン波とか催眠音波とか音系はネタ豊富ですから楽しそうですね。

>九頭竜さん
確かにそれはいい考えです(大笑)
光源氏計画まとめて推進中ですか。補充制は動かしたいキャラを出すのに良かったのですが受けてたみたいで嬉しいです。
こういうの設定変えると結構つまらないといわれそうでちょっと不安でした。
誰が増えるかは原作との兼ね合いしだいです。原作もまだ謎たっぷりですし、未定な娘が結構います。
エヴァはネギが親書を出しに行くのでもう勝手に行動してます。横島は刹那側を選びました。

>T城さん
動かしたいひとを結構自由に動かせる回だったので色々入れられました。

カードについてですが、持っています。描写はありませんでしたがエヴァンジェリン戦の前にコピーカードが作られてそれぞれ渡されていま

す。
カードの念話は送信なので両方持たないと会話成り立ちません。
描写がないのでわかりずらかったようで、申しわけありません。一応明日菜のマスターカードはネギが持っているっぽいです。
設定についての細かい事だと、実はコピーカードからで従者への念話が可能かどうかが不明なのですが多分出ないのでやっちゃってます。
そこは原作で違う設定出てももう書いちゃったのでたぶん可能な設定でいきますのでご勘弁を。
他にも横島が従者なのにわがまま言って自分のマスターカードの方を持っているとか有るんですが多分本編で書かないであろう、ちょっと怪

しい所です。
コピーカードで召喚できるのかな?こっちは本文に書いてないから変えるかも。

>むじなさん
はじめまして。
読んでいただけるようになって喜んでます。最初というか、書いてしばらくすると自分で見ても色々あらが浮かんでくるので恐縮な限りです


本当に文才が欲しいと嘆きまくってます。書くようになるとプロの人達の凄さを感じるようになりました。
そんな中誉めてもらえて嬉しいです。
各キャラクターの感想いただけましたが、ネギま!のキャラクターは好きなのが多いので上手く動かして生きたいです。
まだまだ原作で動きの少ないキャラも含め大事に動かしていきたいです。
レス、ながながといわれましたが、丁寧でしたのでむしろ助かります。
誤字指摘ありがとうございます。
まき絵でした。宗教関係間違えてました。その通りです。
細かい所まで感想いただけて嬉しいです。これからも頑張っていきます。

>saraさん
美空フラグは流石にたてづらいですね(笑)
まあ彼女はギャグキャラだし…
楓は正直まだ未定です。アキラは確かにフラグ立ったら面白そうですね。お風呂場で横島のボーダーライン超えてたし。
原作もちょっと凄い所でましたし、素で咸卦法の明日菜と力くらべやったら面白そう。
いいんちょは最初の予定は違ったんですが、勝手に動く人代表になってます。前回書いててかなり楽しかった所です。
修羅場は今の所は無しです。ええ、今の所は。

>powerLさん
はじめまして。
いや、あくまでベースは原作なんですが…、初期の五班までのメンバーとか…。
小太郎、まずは西洋魔術師嫌い悪化しそうです。ライバルにするのが大変だ。
どうか彼はまっすぐ育ちますように。

>名称詐称主義さん
はじめまして。
前回は結構色々いれてみたので見所満載といってもらえてうれしいです。
あの紙型が他のところで出たら確かに面白そうですね。やれるかわかりませんがちょっと考えてみます。
どういう姿勢で向き合うかが>初日はこんな感じです。他に人もいますし、流石にそこまで露骨な雰囲気になるのはなかなか…
高校生で中学生の年齢差ならok>まあその辺個人の感覚ありますし、横島も差よりも最低ラインと考えていると取っています。
だから卒業すればOKということで。それに横島上方向には小竜姫とか江戸以前の相手に飛び掛ってますし、差ではあまり意識してないかと。
18禁は多分書かないと思います。まあ15禁くらいか、あるいはあってもぼかすか。
流石にこののりで露骨な18禁やると色々問題出そうですし、仮にやるとしても外伝ぽくなると思います。

>TAKさん
はじめまして。
ええ、釘宮フラグ固めました。
ネギに対する委員長のように一人は横島側で魔法を知らないキャラを付けたかったので、少し出した時好評で結構好きだった釘宮を出しまし

た。
結構細かく出てる女の子っぽいところが好きなんです。世界樹伝説のはなししたり、小太郎に突っかかったり、でもココでは横島に流れてる

からそこは変わりそうです。
アキラは…、もうちょっと出てきて欲しいです。そうしないとキャラが結構不明なので、特に美空に追いついたあたり、ギャグなのか複線な

のか結構謎で…
スーパー女子乳(中)学生の巫女さんも好きなんですが結構出ているのに謎だらけ!もう少し正体を…
31人のヒロイン結構まだ謎なひと多いです。
明日菜みたいに謎が多くても出てる所多ければ良いんですが、下手に書いて後ではずし過ぎたくないのです。
多少のずれはすり合わせますがその辺ご勘弁を。
謎な所多くて私も色々考えちゃってます。原作でて来るのが色々と楽しみです。

>仲神 龍人さん
武道四天王コンプリートは流石に大変ですね…。あまり増やすとネギとのバランスもありますし…。
ネギに専属で純戦闘系を一人は付けたいんですが、今の面子だとなかなか出来なくて。
エヴァと刹那の会話>まさにその通りですね。ただ神というよりむしろ… いえ聞き流してください。
ルシオラのカードはいずれ出します。あまり出さないままだと忘れられそうだし話だけでもださないとと思ってます。
これからも頑張っていきます。

>玖幻麒さん
刹那、たしかにかなり可愛い。やっぱり普段の真面目さとのギャップがなんともいえません。
クギミーデートフラグ、何時立てようかまだ迷ってます。
修学旅行中に消化すべきかもうちょい延ばして日常編でいれるか、いっそのこと学園祭や夏に引っ張るか。悩みます。
まあ一回にしないという手もあるんですが、他の娘とのバランスもあるし…
ネギ達は大ピンチまでいかなかったんで独力で切り抜けました。
ただ微妙に横島が感染しています。

>銭形刑事さん
絶賛ありがとうございます。
読みにくい回だと思ったはずが、レスも今までで一番多くて書いた本人が驚いています。
続き頑張りますので、お付き合いよろしくお願いします。
原作、続いて欲しくもあり、果てが見えずに悩みまくりでありですが出来る限りやっていきます。

>誤字報告です。さん
誤字指摘ありがとうございます。
気を付けているのに全然減らない…
私はホントにどういうタイプミスと脳内変換しているんでしょう。

>航空戦艦『琴瀬』さん
はじめまして。ええ、私も刹那は色々と好きなキャラです。
ギャグは前回はそういったパートだったのでかなり重めにくめました。
横島はロリコンと言ってもあと僅かな辛抱です。
まあ確かに愛があればやっていける期間と年齢差。
只その僅かすぎる分が地獄でもあるんですが…
続き頑張って書きます。

>kntさん
はい、ネギを越えちゃいました。クギミーはいい位置とったので上手く動かしたいです。
やっぱり分からないとやりにくいので原作第二部でなるべく早くアーティファクトでますようにと願ってます。
刹那の匕首・十六串呂はまだ機能が良く分かってないようです。
どうなるにせよこれからしだいでやっていきます。
しかし原作は一体何時の間に機能が分かったんでしょう?
明日菜は使いながらだし、のどかもそれと最初の取り説だし、夕映が出てからは世界絵図で調べてとかだし。
やっぱり過去に同じようなマジックアイテムあったのかな?

>月夜さん
こんばんわ。
感想、細かい所までありがとうございます。
感想色々といただいているのですが、特にという所。
那波さんの黒のレースは原作の着替えシーンで白黒ですがそれっぽかったのでいきました。
確かにスタイル、センス、胆力、中学生じゃあありません。きっと○才以上でしょう。
朝倉は確かにストライクゾーン。お風呂場も想定値がしずなでなければ危なかったです。きっと桃色地獄のほうです。
レスは本当に驚きました。これが自己最高になりそう…。前回でも驚いたのに。
誤字は確認後修正します。表現の方は恐縮ですが一部そのままで行かせて頂きます。

>スケベビッチ・オンナスキーさん
はい、くぎみーたどりつきました。
アキラはこれ位ならありと私は感じたので、今後で違う感じがしなければこのままいかせて頂きます。
まだまだずっと先ですが、サイレントの回は何とか横島からませてやりたいです。
ちょっとキツイかも知れないのでたどり着く事とそれまでに上手く書ける腕のつく事を祈ってください。
恋の鞘当>はも少し先で出そうですね。フラグも結構でましたし、これからです。
横島、ここでは結構鍛えてますので自分の能力の要になる漢字は詳しいです。
学校の基本的な教科で一番だめなのは恐らく社会、普段過ごしている環境が一般社会とずれすぎてます。

>くろもりさん
全開はたくさんのキャラを動かせて結構楽しい回でした。
ザジは勝手に動かないようエヴァンジェリンが引っ張っていきました。
でもやっぱり当人の意思は聞く前にGO。出てないけど確かに結構可愛そう。
十話の所確かに言われてみると離れすぎの感じがあります。他も含め組み立て工夫していきたいです。
キャラは好きなキャラがたくさんいるので上手く動かしたいです。
キャラ頼みがちょっと怖いのですが、気をつけて書いていきます。
それにしても本当にプロの人たちって凄かったんだなと感じているこのごろです。

>hiroさん
横島ハーレム状態>は結構原作でもなっていた気が…まあ自覚はありませんでしたが。
刹那や釘宮のきもちはおかしな方向にいかないようにやって行きたいです。
二人が互いに>はそれだけでは好きを捨てないと思います。
その後横島との絡みを含め、どう動かすかですがなんとか上手く書けるよう頑張ってきます。

>saraさん
刹那が目線やわらかくなってきたので確かに似てきた気がします。
釘宮とルシオラはちょい違う気が、ルシオラの髪は一応肩のあたりまで来てるので私は結構違って感じます。
フラグは後数人は立てる気がします。誰かは決まっていたり決まってなかったりで…

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