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▽レス始

「妖使い!?横島の生活! 第十六話〜水と油の狂詩曲?(GS+おまもりひまり)」

ハルにゃん (2007-02-25 04:57/2007-02-25 05:01)
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電車に揺られる事数十分、新しい同居人を迎えるため、やってきました繁華街。
休日という事もあり街は家族連れやらカップルやらで溢れかえっている。

「ちっ!どいつもこいつもいちゃいちゃいちゃいちゃ!てめぇらは磁石かっての!」

「若殿…かっぷるを見るたびに悪態を付くのはそろそろ止めぬか?」

電車を降りて街に到着してから早いものですでに1時間あまり経過している。
普通に歩けば最寄のデパートまで30分とかからないのだが横島がカップルを見るたびに立ち止まり、呪いでもかかりそうな目で睨むものだからいっこうに目的地に到着しないのだ。緋鞠の文句も当然と言えよう。

「……そうなの…だいたいネコはともかく私みたいな可愛い娘をはべらせて何が不満…なの?」

「…私はともかく…じゃと?」

そしてまた口喧嘩が始まる。
どうやら目的地に着かないのは横島のせいだけではないようだ……。
二人がピリピリしているせいでナンパが来ないのが唯一の救いと言うべきか…。っと思いきや空気の読めないチャレンジャーが一人やってきた。

『やぁやぁ君達可愛いね。俺は○×事務所の者なんだけど芸能界って興味ある?』

そう言って首にジャラジャラとネックレスを付けて耳にはぶっといピアスを開けた茶髪でいかにも遊んでますーって感じの男が緋鞠と静水久に名刺を渡してきた。
二人に近づいた瞬間に横島が睨んだが横島の事は目に入っていないようだ。

「げいのうかい?」

「…知らないのかネコ…なの。芸能界っていうのはステージに立って紙でできた蛇腹みたいので叩き合う競技…なの」

勝ち誇ったように見下した笑みを浮かべながら静水久が解説するが違うよ!それはどちらかというと横島向きだよ!競技でもないし!

「くっ…そ、それくらい知っておったわ!」

「うんうん今度夜7時以降も映るテレビ買おうな……」

横島がうっすら涙を浮かべながら言う。どうやら横島家のテレビは時間制限付きらしい…。

『あ、アハハは…君達おもしろいね、それならすぐにでもデビューできるよ。どう?良かったらこれから事務所まで案内するけど……』

スカウトの男がぎこちなく笑いながら勧誘を続けるが、もとより緋鞠も静水久も漫才などに興味はない。見るのは好きなようだが…。

「なんじゃまだいたのか?」

「……しつこいのは嫌い…なのー」

『せ、せめて説明くらい…。うちの事務所は……うぐ…!』

尚も食い下がろうとするスカウトを緋鞠と静水久はギロリと睨む。
数々の修羅場をくぐってきた二人の視線にチャラ男が耐えられる訳もなくスゴスゴと去っていった。

「最近の男は軟弱じゃのう」

「いや〜お前らに睨まれたらたいていは逃げ出すと思うぞ…静水久とか素で恐いし…」

「……失礼なの。美少女の熱視線から逃げるなんて意気地無し…なの」

あの視線にはなんの温かみもなかったように思うんだが……。
ともあれその後は特に愚かな男も現れる事もなく、横島が暴走する事もなく無事デパートへ到着した。
今日買う予定のものはとりあえず布団やら歯ブラシやら食器やら、とにかく生活必需品だ。そのあとは服を買いに行く。
まずは食器類を中心に見て回る事にしたようだ。

「お〜い静水久、これなんて良いんじゃないか?」

横島が差し出したのは底に可愛くデフォルメされたひよこがプリントされた茶碗と周りにキ○ィちゃんの顔がプリントされたお皿とお箸、セットでナイフとフォークやらも付いている、まさに低年齢向けの商品だ。

「………お前、私をなんだと思ってる…なの?」

「いやこれ安いし…」

「プッ!お似合いじゃろう?」

「……それならこっちの方がマシなの」

そう言って静水久が差し出したのはナイフを持って、吹き出しに”Kill You!”と書かれた猫らしきものを人型にした感じのキャラクターがプリントされた茶碗だった。
横に”キルティーちゃん茶碗580円”と書かれている…一体どんな人を対象に作られたのだろう……、あっ静水久みたいな人か…。
まぁホントに気に入った訳ではなく猫妖怪である緋鞠への皮肉を込めたのだろうが…。

「制作者のセンスを疑うのう…」

「ホントにそれにすんのか…?」

「……冗談なの」

結局静水久が選んだ食器類は特に変わったところは無い普通の物だった。
しかし湯呑みだけはやたら渋い有田焼の逸品で横島は予想外の出費に肩をがっくりと落として次のフロアへ向かっていった。
次に買うのは歯ブラシやタオルなどだ。
今回はそれぞれバラバラに散って静水久に合いそうなものを持ち寄ってくる事にした。
その中から予算と静水久の気に入ったものから選んでいく……。
しばらくして全員が合流場所に集まると持ち寄ったものを披露していく。
まずは横島だ……。

「俺が推すのはこれだ!!」

自信満々に持ってきたものを突き出す。
見てみるとタオルにはプ○キュアのイラストが入ってるし歯ブラシはプ○さん、ご丁寧に歯磨き粉はいちご味ときたもんだ。

ドゴスッ!!

「……いい加減にしろ…なのー」

「ぐぉぉぉぉ!シャレになんねーーッ!」

静水久の回転踵落としが横島の脳天に突き刺さった……。
静水久は頭を抱えて床を転げ回る横島を無視すると視線で緋鞠を促す。
私の若殿に何をするか!と言いたくもなるが今の瀕死の虫を見るような視線を横島に向ける静水久に逆らう度胸は緋鞠にはなかった…。

「う、うむこれなんか良いのではないか…?」

緋鞠が持ってきたものを広げる。
見てみると真ん中にでかでかと一文字『侍』と書かれたバスタオルに
”名匠が打った究極歯ブラシ、これでどんな虫歯も一刀両断”
と書かれたパッケージに入った歯ブラシだった。一体どんな人が買うんだろう…あっ緋鞠みたいな人か…。

「……これ完全にお前の趣味…なの」

「この達筆さが良いと思わぬか!?」

「……誰も思わないの…」

「ってゆーか歯ブラシって打つものなのか…?」

いつの間にか何事もなかったかのように復活を果たした横島がツッコミを入れる。
結局横島のも緋鞠のも選ばれる事はなく無難に白いタオル一式と普通の歯ブラシを買って三人は次の店へと向かっていった。
次に買うのは布団だ。
静水久は横島と同じ布団で良いとか言っていたがそんな事は緋鞠が許さず買う事になったのだ。
今度は素直に三人で見て回る事にしたらしい。

「布団と言ってもいろいろ種類があるのう?」

「頼むから安いのにしてくれよ!」

「……ならこれが良い…なの」

静水久が選んだのは一見普通の布団、色もガラも特に変わったものはない。しかしサイズが静水久が使うにしては少しでかい……。

「………新婚夫婦に捧ぐ寝心地抜群!ダブルサイズ布団…?」

よく見てみると模様の点々は小さなハートだった…一度是非このデパートのオーナーとじっくり話しをしてみたい…。

「……念のために聞くが誰と誰が寝る事を想定しておる…?」

「……寝る…だなんて、そんなの私の口からは言えない…なのー」

そう言って静水久は普段の水死体のような肌の色が嘘のように頬を桜色に染めると、ヒタリと横島の胸板に引っ付き、人差し指を横島の胸に当ててクニクニし始める。

「たわけた事をぬかすな幼女!!若殿と同衾するのは私のとっけ…もとい不健全じゃ!!!」

「…誰が幼女なの!?お前みたいなえろ猫の方がよほど淫乱エロ地獄お誘い現行犯なのーっ!」

またしても始まるキャットファイト……。
結局お店の人に怒られるまで二人が止まる事はなかった。

「あ〜疲れた…なんで買い物するだけでこんなに疲れたにゃならんのだ…」

「……でも良いものが買えたの。次はどこに行く…なの?」

「そうだな、服だから8階か?」

「その前に昼食にせぬか?」

緋鞠にそう言われ、横島は100円均一で買った腕時計を見てみるとすでに2時近くになっていた。

「うげ、もうこんな時間かよ、んじゃ最上階のレストラン街だな」

横島達はレストラン街に着くとどこの店に入るか探し始める。
安くて腹持ちのいい物と言えば……。

「おっ、”お好み焼きまんぼう2号店”だってよここで良いか?」

「うむ、問題ない…が少し混んでいるのう…」

「……かき氷があればどこでも良い…なのー」

三人共特に問題はなかったのでとりあえず中に入っていく。

カランカラン♪

『いらっしゃーい!三名様でよろしいですね?』

出向かえてくれたのは金色の髪を白いリボンでポニーテールに束ね、春になりたてとはいえ周りが鉄板だらけで熱いからか薄いタンクトップに半ズボンという出で立ちの美少女だった。

「死ぬならせめてその胸の中で死なせてーーーッ!」

横島は緋鞠と比べても負けず劣らずなほど大きい胸の美少女へと飛び込んでいく。

「キャー!何すんのよあんた!!」

ゴスっ!!

「へもぐろ!!」

横島が抱き着く直前に金髪の美少女は近くにあった消火器で脳天を思いきり殴り付けた。

「ってさすがに死ぬわ!!消火器はねぇだろ消火器わ!!!」

何事もなかったかのように復活した横島はさすがに文句を付ける。

「うっさい!私の消火器クラッシュに耐えたのはあんたで二人目よ…どこまで耐えられるか試してみたくなぁい?ちなみに裕貴はベンチの角までは生きてたわね…」

緋鞠も静水久も他の客達もあまりの出来事に呆然としている、なんのためらいもなくあのスプラッタ状態に追い込んだ美少女にも驚きだがそこから数秒で復活する奴が二人もいる事にはさらに驚きだ。

「あ〜店員…若殿が失礼した、じゃがそれ以上バカになると困るので殴のは止めてくれぬか…?」

椅子の角までいったところで見兼ねた緋鞠が金髪の少女を止めるが言い方がかなりひどい…。実は怒ってるのかもしれない。

「そうね、これだけ目撃者がいたら言い逃れもしにくいしね」

そう言って美少女は横島をポイっと鉄板の上に投げ捨てる。

「うわっちゃーーッ!!!」

鉄板の上で不死鳥のごとく復活した横島が跳びはねた。

「……あいつ…ホントに人間か…なの」

「容赦とか慈悲とかいう言葉は知らなさそうじゃな…美神殿と同等じゃ…」

そのあと金髪美少女は緋鞠達を席に案内すると持ち前の明るさで客達を落ち着かせて何事もなかったかのように仕事に戻っていった。

「あ〜死ぬかと思った…!」

「……普通死ぬの…」

「美少女を見るとやたらめったら飛び掛かるからそういう目に合うのじゃ…」

やっぱり緋鞠はご立腹らしい…。
これ以上はヤブヘビになりそうなのでとりあえずメニューを選ぶ事にした。
オススメは
まんぼうミックス:本物のマンボウの肉を使った本格派お好み焼き
と書かれている。
ちと高いが横島は迷わずそれに決める。
静水久は入る前にも言ってた通りかき氷(ブルーハワイ味)
緋鞠はベビースターもんじゃに決めた。
一体どんなもんじゃ焼きなのだろう……(作者のよく行くお好み焼き屋、風○にもあるのだが注文する度胸がなく、どんなものなのかわからないためこちらの描写は省かせてもらいます)
しばらくしてさっきの美少女が注文を取りにきたのでそれぞれ食べたいものを伝える。

「お待ちどうさま、まんぼうミックス、かき氷、ベビースターもんじゃ、以上でお揃いですか?」

「追加で君の唇を頼んで良いかい?」

ドゴ!!ジュゥゥゥ!

「焼けっ、焼ける緋鞠、デコ焦げるからっ!」

「うむ、全て揃った。あとは自分達でやる故お構いなくじゃ」

「そ、そう…それじゃごゆっくり…」

自分がやるならともかく人がやるのを見るのはやはりショッキングなのだろう、額に冷や汗を浮かべながら美少女は去っていった。
それからデコに絆創膏を貼った横島も交えてそれぞれ生地を焼いていく。
程よく焼けてきたので次はお好み焼きの醍醐味、ひっくり返しだ。
といっても横島以外にこの作業は必要ないのだが…。
当然大阪育ちの横島には慣れたもの、難無く成功させてソースやらマヨネーズやらをお好みでトッピングしてついに完成だ。ちなみにその間に静水久は8杯目のかき氷を注文していた…。

「どうじゃ若殿、マンボウの味は?」

「……微妙…イカをちょっと硬くした感じ?」

「……ちょっと分けろ…なの」

「良いぞ?ほれ」

そう言って横島は静水久に箸を渡す。
箸を受け取った静水久は一瞬緋鞠を見るとニヤリと笑いそのままマンボウ肉を頬張る。そう…横島の箸で……。最初は何を言いたいのかわからなかった緋鞠だが気付いた時にはすでに遅かった。

「あ〜〜〜〜〜!き、貴様!若殿と、か、間接…!」

「……美味しかった…なのー」

そう言って静水久は緋鞠を見ながら唇をペロリと舐める。当然マンボウ肉への感想ではないだろう……。

「おのれぇ!!!若殿!私にも食べさせるのじゃ!!」

「うぉ!いきなりどうしたんだよ緋鞠!?」

「いいからまずはこの箸で食べるのじゃ!それからすぐに私によこせ!」

「わ、わかったってば!」

渋々横島は新しく割った割り箸でマンボウ肉を食べる。
それを緋鞠が奪い取るように受け取るとマンボウ肉をつまみ、自分の口にかきこんだ……。

「……に゛ゃぁぁぁ!!!」

どうやら自分が猫舌だという事を忘れていたようだ……。
しばらく床を転げ回っていた緋鞠は目に涙を一杯にして立ち上がると喋るのもつらいのか水に舌を浸してそのまま黙り込んでしまった。
必死に笑い出すのを堪えている静水久を見るとどうやらこれが狙いだったらしい。静水久…恐ろしい子!
どうにかこうにか無事に食べ終わった三人は金髪美少女にお金を払い(その際電話番号をしつこく聞こうとした横島は巨大なお好み焼きのヘラで殴られた)次の目的地、婦人服コーナーへと向かっていくのだった……。


とぅーびーこんてぃにゅー


あとがき
こんばんはハルにゃんです。
今回は難産でした……というか仕事が一気に忙しくなって書く暇がない…。
仕事の合間合間に書き書きしていたのですがテンションが維持できずなんかちぐはぐな文になってしまいました…。
今度はもうちょっと時間を取れるよう努力しますんでどうかお見捨てなきようお願いしますぅ〜

レス返しです。

○yuju様
レスありがとうございます。
>誘惑キャラに煩悩が刺激されなきゃ横島じゃない!!
そうですよ!静水久はああ見えて大人の女ですから問題ないのです!いつも自分にそう言い聞かせているのは私だけではないはずです!

○レンジ様
レスありがとうございます。
>色々な所(サイト)で紹介したい
是非是非ご紹介してみてください、読者様が増えて困る作者はきっといないはずです、もちろん私も大歓迎ですよ〜。
静水久の家事は確かに萌えますね〜私もついついお持ち帰りしたくなっちゃいましたよぉ。アニメ化したら緋鞠や静水久の声はどんなのになるんでしょうね?そんな事を日々考えているハルにゃんでした〜。

○冬様
レスありがとうございます。
>18禁に突入しちゃってくれんじゃねーの!?
いいんですか?やっちまいますよ?緋鞠も静水久もどろどろの快楽の渦に突き落としちゃいますよ?すみません暴走しました…。
当分はそのような事はないかと思います、もう少し私の技術が上がってからとだけ言っておきます…。
原作の方は3月の頭には重版するそうですのでよろしければお手にとってみてください。きっと気に入ってくれると信じてます。

○山の影様
レスありがとうございます。
>手を出さない横島を漢というか、チキンというか
緋鞠も静水久もお互い牽制状態ですからね〜手を組んだりしたらあるいわ…。
おキヌちゃんもそろそろ出張ってきますので楽しみしていただけると嬉しいです。

○U-様
レスありがとうございます。
残念ながら服までいきませんでした〜!携帯はホントにダメですね!
紅茶の娘はもうちびっと先になりそうです。おそらく3月10にあたりかと…(なぜ!?

○趙孤某様
レスありがとうございます。
>まぁそれはそれで大歓迎なのですが
大歓迎なんですか!?これは期待…道産子の血が騒ぎます…ね。
今回は一番も萌えポイントまでたどり着けませんでしたが次回の二人の着せ替え合戦に期待してくれると嬉しいです。

○HAPPYEND至上主義者様
レスありがとうございます。
>自分を信じきってくれる娘には暴走できない
はてさてうちの横島くんはどうなる事やら…私ならあの二人に迫られたら1秒ももたずに致してしまいそうですからね〜
>緋鞠や静水久を抱きでもしたら、上級神魔族に匹敵
アシュ様にも勝っちゃうかも知れないですね(笑)
頑張って妖ハーレムを造って欲しいものです。

○February様
レスありがとうございます。
>うらやましいぞ、よこしまぁぁぁ!!!俺と代われぇぇぇ!!!
書いてる自分が一番つらい!!!横島のくせに!横島のくせに!横島のくせにィ〜〜〜!と仕事中に何を考えているんでしょうね私は…。
>肌の色と常にずぶ濡れ状態に改善を求めていましたが
直接的な描写はありませんでしたができるみたいです。
最新号の静水久は濡れていませんでしたので。というかめっちゃ萌える服装でした……いや私は炉じゃないんですよ?ホントウデスヨ?

○スケベビッチ・オンナスキー様
レスありがとうございます。
>横島がうらやましいんですが、私、人としてもうダメでしょうか。
ご安心を、私はそろそろ殺意を感じてきましたので……。
今回はどういう訳かあの人が出てきてしまいました。
敢えて名前を出さずに書くのが実にしんどかったです…。
乳化剤は文字通りお好み焼きの卵って事でひとつ…混ざりませんでしたけど……。
それ誤字報告ありがとうございました、訂正しておきました。
それでは次回も頑張りますので応援してくださると嬉しいです。


レス返し終了です。

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